2010年

4月30日(金)

山椒の花かなしみをそっと拾う

迷っていたら、何も手に入れられない。

さんしょうのはな かなしみを そっとひろう
季語=山椒の花

※あわ粒のような小花をふさ状につける。若芽や実は香料になる。
※トラブルが多いのでレンタルサーバーを変えようと思ったら・・・・。
※いつの間にか4月も終わり。きょうもありがとうございます。


4月29日(木)

またたきの切れ切れとなり蝿生まる

好奇心は大切だ。
でも、どれくらい大切なものなんだろう。
好奇心だけで終わる人も多々いるのだから。

またたきの きれぎれとなり はえうまる
季語=蝿生まる

※正確には羽化したばかりのことなのでしょうが、「蝿生まる」といえば春に飛ぶ蝿のことをさします。
※越冬する蝿もいるそうで、それらとは区別されます。春に生まれた蝿はまだ小ぶりで艶があるのだそうです。
※黄金とはいえ、カレンダー通りです。きょうもありがとうございます。


4月28日(水)

夕霞名もなき我を引きちぎる

短絡的で、単純で、短気。
ある意味、瞬発力の原動力なのかもしれない。
けれど、誰もが言うとおり、長い目で見たら大損する気質なのかもしれない。
ときに純粋とも言うけれど、素直とも違うし、正直とも違う、と思う。

ゆうかすみ なもなきわれを ひきちぎる
季語=霞

※一般的に同じ現象を、春は霞、秋は霧と呼びます。気象学ではカスミという言葉は使われないそうです。
※霧より、あわくやさしい感じが霞なのでしょうか。霧は近くを見えなくし、霞は遠くをぼやかすという遠近感もあるのかも。
※裏返しと表返し。きょうもありがとうございます。


4月27日(火)

たんぽぽの幸せそうに摘み取らる

物の本質が見えている?
見えていない?
見えている?

たんぽぽの しあわせそうに つみとらる
季語=たんぽぽ

※見える? きょうもありがとうございます。


4月26日(月)

何処にも流れのありて柳かな

必要以上に咎めたり、非難したりするのは、
自分の重要性を知らしめたいからなのかもしれません。
つまらんこってす。
誰だって、我慢のできないときはあるけどね。

いずこにも ながれのありて やなぎかな
季語=柳

※ヤナギは生命力が強いそうです。折った枝を土にさすだけで根付くのだとか。
※腹の立つ相手に本当のことを教えてやる必要などある?
※人間ですもの。きょうもありがとうございます。


4月25日(日)

春の日永素知らぬふりをしておりぬ

休日は仕事をしたくない。
できることなら、残業もあまりしたくはない。
要領の良くない、仕事好きにはなりたくない。
とは、思うのだけれども・・・・。

はるのひなが そしらぬふりを しておりぬ
季語=日永

※俳句で「日永」といえば、春。「花」といえば、桜みたいなもの。実際には夏至(げし)の6月21日前後が一番ながい。
※冬のあとだけに、春になれば日の長さを感じるもの。
※無駄なことは嫌いと言いながら、無駄なことばかりしている気がします。
※「心ヲ操ラント欲スル者モ亦心ナリ」とか。
※そんなものかもしれません。きょうもありがとうございます。


4月24日(土)

憤懣の馬酔木の花のこぼれ落つ

あたかも正解らしいものを
正解として押しつけるのは、
正解じゃない、と思います。

ふんまんの あしびのはなの こぼれおつ
季語=馬酔木の花

※つぼ状の小さい花が鈴なりに垂れています。セルロイドみたいな感触の花です。
※毒があるそうです。馬が食べて中毒を起こしたことから馬酔木という名が付いたとか。
※そんでもって、きょうもありがとうございます。


4月23日(金)

どうしても素直になれぬ竹の秋

同じ言葉でも状況によって、
そのときの心地持ちによって、
良くも悪くもとれるもの。

どうしても すなおになれぬ たけのあき
季語=竹の秋

※竹は他の植物とは異なり、春に古い葉が黄ばんできます。地中の筍を育てるためなのだとか。竹にとっては秋が春。
※昨日もまたサーバーのトラブル?なのか、更新できませんでした。気づいたら画面が真っ白け、びっくりしました。
※続けてますよ。きょうもありがとうございます。


4月22日(木)

一日を台無しにして残花かな

つくるのはたいへん、こわすのはかんたん。

いちにちを だいなしにして ざんかかな
季語=残花

※そんな感じで、きょうもありがとうございます。


4月21日(水)

持ち歩く泣き言ふたつ春の月

たいていの場合、めんどくさい人は重要視される。
重要視するに値するからではなく、
めんどくさいという理由からだけど。
空疎だからより重要視することを求めて、
さらにめんどくさい人になる。
ただ、特別なことではなく、
誰にでもありうること、なのかもしれない。

もちあるく なきごとふたつ はるのつき
季語=春の月

※目的とか目標って大切かもね。きょうもありがとうございます。


4月20日(火)

花しきみ隠し事などなきという

気の小さい人が、内心で人を見下していないとは、いえない。

はなきしみ かくしごとなど なきという
季語=樒の花

※淡黄色の群がり咲くシキミの花には、静かな寂しさのあるという。
※葉と樹皮は抹香の原料になるという。
※実が有毒なことから「悪しき実」がシキミになったという。アクがとれただけですね。
※いろいろあるんですね。きょうもありがとうございます。


4月19日(月)

雀の子欠けたるものを奪い合う

すべてを自分の責任だと思うことも
自己中ってことなのかもしれませんね。

すずめのこ かけたるものを うばいあう
季語=雀の子

※スズメは10日ほどで孵化して、約2週間で巣立つそうです。
※その後、親鳥と行動を共にして口移しで餌をもらうそうですが、それでも1週間くらいで親と別れるそうです。
※他の鳥とくらべて早いのか遅いのかは、わかりませんが、意外と早いんだなぁと思いました。
※以前にも同じこと書いた? きょうもありがとうございます。


4月18日(日)

一つずつ掛け違えしかシクラメン

疲れているときに考えることと、
そうでないときでは大分違いがあるようです。
疲れているときには、
出来るだけ何も考えない方がいいのかもしれませんね。

ひとつずつ かけちがえしか しくらめん
季語=シクラメン

※シクラメンの日本名は篝火花(かがりびばな)。葉っぱはハート型。サクラソウ科の球根多年草。
※地中海原産で、炎のような紅色の花が代表的。その他、白、ピンク、八重など様々な園芸品種があります。
※17文字で完結させるなら、17文字である必要なんてないですよ。たぶん。
※言葉は生き方を規制するらしい。きょうもありがとうございます。


4月17日(土)

ひんやりと喉もとにあて風光る

深夜から雹が降りはじめ、
朝は肌寒い曇りで、
昼からは暖かい日差し。
体温調節の下手なぼくは、こまります。

ひんやりと のどもとにあて かぜひかる
季語=風光る

※しだいに日差しが強くなり、なんとなく風までが光って見える。イメージ的な季語です。
※すべてはイメージですね。きょうもありがとうございます。


4月16日(金)

春服の袖の長さの情こぼる

解釈すればつまらないものとなり、
しなければしないで意味がとれない。
あっても困るし、なくても困る。
おかしなジレンマ。

はるふくの そでのながさの じょうこぼる
季語=春服

※春服どころか寒くてやってられませんね。
※昨日もちゃんと更新したと思っていたら、サーバーのメンテランスとかでアップされていませんでしたね。すいません。まったく気づきませんでした。
※まるで真冬ですね。きょうもありがとうございます。


4月15日(木)

月朧あみだの線を加えゆく

嫉妬や憎悪、不信、慢心などない方が不思議だ。
不思議だけれど、それがそのままにある姿はあまりにもいたい。

つきおぼろ あみだのせんを くわえゆく
季語=月朧

※いたいですよ。きょうもありがとうございます。


4月14日(水)

寄居虫やとぎれとぎれの慈しみ

解釈がひとつだけの17文字をわざわざ構成するなんて、
究極につまらない作業だ、
と、思ってたりなんかします。
伝えたいことを正確に伝えるなど、
俳句にはそもそも不向きですってば。

やどかりや とぎれとぎれの いつくしみ
季語=寄居虫

※空の巻き貝などを住み処として、身体の成長とともに大きな貝を求めて移り住むことからヤドカリという。
※ケッコウ、コケッコー、コッケイです。きょうもありがとうございます。


4月13日(火)

またひとり取り残される春の暮

ジレンマとジエンドは似ています。
響きが似ています。
たったそれだけです。

またひとり とりのこされる はるのくれ
季語=春の暮

※春の夕方。きょうもありがとうございます。


4月12日(月)

木瓜の花口に出せぬままこぼれる

誰が絶賛していようとも、
そのひと本人にとって
退屈なものは退屈、
イマイチなものはイマイチ、
なんですよね。
でまぁ、その逆もあって・・・・。

ぼけのはな くちにだせぬままこぼれる
季語=木瓜の花

※ボケはバラ科で、ウメによく似た5弁の花を咲かせます。
※ボケという嬉しくもない名は中国読みのモケが転化したものなのだとか。
※身に余る大きさの実を付けるから?、とか。根菜類の瓜によく似た実を木につけるから? 、とか。
そんな理由も聞いた覚えがあるのだけれども、なんか違うみたいです。
※世の中まあるい? きょうもありがとうございます。


4月11日(日)

きんせんか一輪をそっとください

風邪を引くと何にもやる気が起きないですね。
なのに、やらなくちゃいけないと思うことが多いと、
けっきょく何も手付かずだったり・・・・。
とりあえず、早めに風邪を治そう、と。

きんせんか いちりんをそっとください。
季語=金盞花

※金盞花の「盞」は杯の意味らしいです。サカズキにも数種類の漢字があるんですね。
※仏花として馴染み深いそうです。ヨーロッパ原産。江戸の元禄の頃に渡来したとか。
※だるい。きょうもありがとうございます。

2010年

4月10日(土)

花曇言い訳ばかり持ち帰る

けっきょく、腑に落ちていることなど、数えるほどしかないのかも・・・・。
そうそうないのかも。

はなぐもり いいわけばかり もちかえる
季語=花曇

※桜の花の咲く頃の、曇天のこと。
※なくて七癖。きょうもありがとうございます。


4月9日(金)

かなしくてさくらさくらとつぶやけり

フタをして押さえ込むのは得策じゃないそうですよ。

かなしくて さくらさくらと つぶやけり
季語=桜

※メリハリとバランス。そういった意味でも、桜は印象深い花なんでしょうね。
※ですね。きょうもありがとうございます。


4月8日(木)

永劫にあなたが憎い飛花落花

仕事で寝不足続きです。
もう目を開けていられません。
早起きする自信もないので・・・・。
何かの本で読みましたが、
憎むということは
単純に自分の貴重な時間を無駄にしているだけで、
相手にとっては痛くも痒くもないことなのだとか。
たいていは無視すればいいだけですからね。
ほんとだよ。

えいごうに あなたがにくい ひからっか
季語=飛花落花

※桜の散り方は祝祭のようにも見えます。新しい何かに、なんでも何かに「おめでとう」ってね。
※ほんとねむい。きょうもありがとうございます。


4月7日(水)

深海の静寂さくらの時間

もっといい言い回しがないか試みた句ですが、
ちょっとだけ、
でも原句のまま掲載します。
これはこれで完成されている気がするのですよね。

しんかいのしじま さくらのじかん
季語=桜

※見事な桜はいつまでも記憶に残っているものです。
※ぼくらは中間の世界で生きている。なんてね。
※あ、字足らずだ!きょうもありがとうございます。


4月6日(火)

はじまりとおわりをたずね亀鳴くや

寝溜めはできると思っています。
これも習慣で、
もしかしたら習慣からくる気のせいなのかもしれませんが。
とりあえず、寝溜めできなかった週は、
はじめから眠くてしょうがありません。
日中はいつでも眠いんですけどね。

はじまりと おわりをたずね かめなくや
季語=亀鳴く

※亀って鳴くんですか?、と聞かれても知りませんよ。昔は鳴いていた?、なんてわけもないですよね。
※春? きょうもありがとうございます。


4月5日(月)

身軽さを失い続け花の雨

人間観察っておもしろいですよね。
いいことなのか、わるいことなのかは分かりませんが・・・・。

みがるさを うしないつづけ はなのあめ
季語=花

※俳句でハナといえば、サクラのことを指します。
※昨日、花見をしたのですが、めちゃくちゃ寒かったです。なんとなく風邪気味だったのですが、本格的に風邪を引いたみたいです。花見の最中、鼻水が止まらず大変でした。
※早めに切り上げてゆっくり睡眠をとったらすっきりしました。まだ本調子ではありませんけどね。そんなにすぐに治るわけもなんですけどね。
※そして観察されてもいるのでしょうか? きょうもありがとうございます。


4月4日(日)

自ずからがんじがらめの花ずおう

身動きがとれなくなるのは欲張りだから?

おのずから がんじがらめの はなずおう
季語=花蘇枋

※マメ科。桜や木蓮のように葉の出る前に咲く花は少なくありませんが、
ハナズオウのように枝先にぎゅっと群がり咲く花はめずらしいそうです。
※花は紫紅色。花は2年以上の枝の節に付くそうです。
※でしょうね。きょうもありがとうございます。


4月3日(土)

桜咲く嘆きの数を引き替えに

非難する言葉は、
非難している人間そのものにも
たっぷりと当てはまるもの、
だったりするケースがまれではないようです。
気を付けよう。
賞賛の言葉は、自分自身が賞賛されたい言葉
なのでしょうかね?

さくらさく なげきのかずを ひきかえに
季語=桜

※それはそうか。きょうもありがとうございます。


4月2日(金)

朧月からだの軸を据えにけり

人の言葉を自分に都合よく、
器用にねじ曲げることができたとしても、
大した得はないようです。
そもそもあまり平穏ではないのかもしれません、
いろいろな意味で、たぶん、おそらく、ぶっちゃけ。

おぼろづき からだのじくを すえにけり
季語=朧月

※春の夜、水蒸気でほのかにかすむ月。
※わからなくもない、そして、なきにしもあらず。平穏でないときは、そんなものかも?
「パコと魔法の絵本」 という映画、かなりおもしろいですよ。映像の好みが分かれるとは思うけれど。冗談のようなシチュエーションで、冗談のような医者がいう、「人間には本来、殻なんってないんですよ」って言葉が印象なんです。
※今年の2月22日の俳句は、この映画のDVDを観てつくりましたから。バレる前に言っておこう。
※言わなきゃ誰も気づかないとは、思うのだけれども‥‥。日を置いてみると、中七以降が映画のセリフほぼまんまでした。あはは。そんなこともあります。
※20代前半で俳句をはじめたばかりの頃は、よく使っていた手法(?)、なんですけどね。もうずっと以前にやめたつもりが、なんとなくつくって、うっかり掲載してました。いやいや、どうもどうも。
※毎日の駄文は、いろんなものが混ざっています。元ネタを上手にアレンジ出来ないままにたくさん混ざっています。もちろん、十分にアレンジしているつもりなのだけれども、つもりはつもりなのかもしれません。力量の差にがっくりきます。
※どんまい。きょうもありがとうございます。


4月1日(木)

真ん中にそぞろ心や四月馬鹿

人に指摘された欠点は、
認めたくないけれど、
認めたくないと思うからこそ、
その通りなのかもしれません。
でも素直に認めたくないの人情。
どこかでその人の歪みを探したりします。
・・・・そもそもお互い様なのかもね。
違うかね?

まんなかに そぞろごころや しがつばか
季語=四月馬鹿


※今日ですね、同僚の送別会で、指摘されたんですよ。
※言わぬが花ということもあるので・・・・そのうち気が向いたときに小出しに・・・・も、しないかも。
※ショックというより、やばい気づいてた?、みたいな感じなんですけどね。あはは、ごめんなさい。
※とりとめのない心。エイプリールフールですね。きょうもありがとうございます。

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