2007年 |
7月31日(火)
うぬぼれは強い方です青メロン
先日、高級メロンというものをいただきました。
鮮度管理がしっかりしているから、
高価なのだと聞きましたが、本当でした。
食べ頃という「指定日」にちゃんと食べたら、本当にうまかった。
貰い物の、そのまた貰い物だったんですけどね。
うぬぼれは つよいほうです あおめろん
季語=青メロン
ごちそうさまでした。
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7月30日(月)
雷や遠方の鬼だまさるる
このコンテンツを毎日10年間続けられたとしたのなら
(まあ無理だとお思いでしょうが、ぼくもそう思います)、
迷わず大声で叫びたいことがあります。
俳句は理屈じゃねー。
今じゃありません、10年後にです。
かみなりや えんぽうのおに だまさるる
季語=雷
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7月29日(日)
つまらぬと誰よりも知り水馬
また「青空のルーレット」という本を読み返しました。
何度読んでもおもしろい。
毎回、同じところでニヤニヤして同じところで涙します。
真似したいけれど真似できないなあと、毎回思います。
足下にも及ばないのに、毎回ちょっとくやしい。
つまらぬと だれよりもしり あめんぼう
季語=水馬
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7月28日(土)
人間の喜びなぞるカタツムリ
いまどき「時流」という言葉自体も
古い気がしますが、まあいいか。
ささやかでも、
本当の成功を手にした人は
「時流」なんて追いかけていないようです。
気にはするけど追いかけない、と、聞きました。
それ信じます。
にんげんの よろこびなぞる かたつむり
季語=カタツムリ(蝸牛)
来週は梅雨明け!? じめじめくん、さようならー。
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7月27日(金)
逃げ道の塞がれてゆく白雨かな
雨は好きです。
どしゃぶりになると、なぜか無性に外に出たくなります。
白い膜に覆われたようないつもと違う街並みを
ただ何となく歩いてみます。
それがちょっと楽しかったりします。
濡れなければもっと楽しいです。
にげみちの ふさがれてゆく はくうかな
季語=白雨
今日も暑いらしいです。
暑いのは苦手です。寒いのもいやだけど。
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7月26日(木)
どちらかが瞬きをして金魚かな
最近、といっても半年ほど前から、
隣の塀の上で野良猫が年中昼寝をしています。
玄関をでると決まって目が合います。
急いでいるときは素通りしますが、
急いでないときはそのまま睨み合い(?)となります。
今のところ、向こうが先に目をそらします。全勝です。
どちらかが まばたきをして きんぎょかな
季語=金魚
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7月25日(水)
蜘蛛の手の第一印象そのままに
第一印象が不快なものは、
紆余曲折いろいろあっても、
結局は不快なものなのかもしれません。
そうでないのかもしれません。
本当はよく分かりません。
それでも快・不快の直感みたいなものは信じようと思っています。
だったら、どうなる、という話ではないのですが。
くものての だいいちいんしょう そのままに
季語=蜘蛛
昨日は久しぶりの晴天でしたけど、いきなり暑すぎです。
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7月24日(火)
蟻と蟻言葉に酔いて迷いおり
むずかしい言葉を使えば使うほど、
古びた感じがしてきます。
時流やカタカナ語を織り交ぜた俳句も、
斬新というより何故か古さを感じます。
もちろん「良いかも」と感じるものもあります。
ぼく自身の俳句についてのお話です。
ありとあり ことばによいて まよいおり
季語=蟻
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7月23日(月)
狂乱の奈落の底の茹小豆
小豆洗い(小豆研ぎ)という妖怪がいるのです。
「小豆とごうか、人とって食おうか」と唄いながら、
川岸でしゃきしゃきと小豆を研いでいるとか、いないとか。
こわいですね。
きょうらんの ならくのそこの ゆであずき
季語=茹小豆
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7月22日(日)
釘文字は泳ぎ上手と決めましょう
釘みたいにカクカクした文字を「金釘流」というそうです。
へぇ〜。
くぎもじは およぎじょずと きめましょう
季語=泳ぎ
梅雨明けは、いつでしたっけ?
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7月21日(土)
蛾となりて女の癪をまき散らす
蛾は苦手です。
目に見えるものでもないのですが、
何となく鱗粉というものが嫌いです。
ぱたぱたと周辺にまき散らしているようで、
逃げると逃げた方向に飛んでくるような感じが
どうしようもなく苦手です。
がとなりて おんなのしゃくを まきちらす
季語=蛾
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7月20日(金)
ともすれば鬼になります蓮の花
マーク・トウェインの「不思議な少年」という物語をご存知でしょうか。
二十歳くらいの頃にかなり影響を受けた物語なのですが、
トム・ソーヤーやハックルベリイとは、まったく異質。
改めて調べるまで、作者の名前をすっかり忘れていました。
それぐらい別物です。
ともすれば おにになります はすのはな
季語=蓮の花
ついでに「蓮華往生」って知ってますか? 大昔の話ですが、こわいよ。
いまは「ハックルベリイ・フィンの冒険」の方が、好みです。
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7月19日(木)
青柿や両手を振りて別れたる
『青柿が熟柿弔う(あおがきがじゅくしとむらう)』という諺があるそうです。
目くそ鼻くそみたいな意味なんですって。
この句の下敷きにしたわけではありません。
掲載前にたまたま見つけました。
ちょっと面白かったので、ご報告までに。
あおがきや りょうてをふりて わかれたる
季語=青柿
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7月18日(水)
蝉殻の憎悪に似たる底光り
蝉の幼虫は七年間も地中にいるそうです。
子どもの頃に読んだマンガに、
成虫になるために地上に這い出ようとしたら、
あら大変、すでにそこはアスファルトで固められた!
というお話がありました。
子ども心にも印象的でした。
せみからの ぞうおににたる そこびかり
季語=蝉殻(蝉の殻)
ちみに、そのマンガというは
藤子不二雄さんの「エスパー魔美」でございます。
何巻目の話だったかは、さすがに覚えていないです。
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7月17日(火)
人信ず台風直下最後まで
深読みし過ぎると、つかれますよ。
ひとしんず たいふうちょっか さいごまで
季語=台風
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7月16日(月)
葉柳や人出会いおり迷いおり
嫌いな人のことを考える時間を、
できる限り減らそうと努力しています。
変な言い方に聞こえるかもしれませんが、
嫌いな人のことを嫌いだと考えることは
嫌いな人のために
好きなことに使える大切な時間を
無意味に費やしているということで・・・。
ほら、もったいないでしょ。
はやなぎや ひとであいおり まよいおり
季語=葉柳
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7月15日(日)
悪筆のまま生きており扇風機
悪筆にもいくつか種類があるようです。
たとえば、子どものようなバランスの悪い文字や釘文字、殴り書き。
ぼくは、人にはのんびりした性格に見えるようですが、
せっかちで省略し過ぎの悪筆です。
いわゆる、殴り書き。
丁寧に書いてもバランスが悪いの。
あくひつの ままいきており せんぷうき
季語=扇風機
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7月14日(土)
夏の蝶一抜け二抜け軽やかに
誰だって飽きます。
どんな人だって、
半年以上も同じようなことを繰り返していたら
飽きるのが普通。
飽きない工夫も努力も大切だけど、
飽きたときに飽きましたと
さわやかに抜ける人がいるでしょ?
なんかちょっぴりうらやましいです、
そういう人が。
なつのちょう いちぬけにぬけ かろやかに
季語=夏の蝶
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7月13日(金)
蛞蝓を愛で太平という如し
ナメクジは植物にとって害虫なのだそうです。
それは見た目からして理解できますが、
カタツムリも食害性害虫だったとは気付きませんでした。
言われてみれば、
同じ顔をしています。
ぬめぬめ。
なめくじをめで たいへいと いうごとし
季語=蛞蝓
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7月12日(木)
羞恥とは何れ真白に蜥蜴の尾
「こだわり」をポイッと捨てられる人は、素敵だと思います。
しゅうちとは いずれましろに とかげのお
季語=蜥蜴
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7月11日(水)
さやさやと記憶の中に行水す
現代ではシャワーが行水みたいなものなのでしょうか。
違いますか? そうですか。
シャワーを浴びているときって、
どうしてあんなにも、
いろんなことを取り止めもなく思い出すんでしょうね。
ぼくだけですか? そうですか?
さやさやと きおくのなかに ぎょうずいす
季語=行水
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7月10日(火)
うすものやセイギトイウハオソロシキ
ルールは大切だけど、
ルールが多すぎると何かが失われていくようです。
勢いというものなのかもしれないし、
斬新さだったり、
笑い声や楽しさなのかもしれません。
そんな気がします。
季語=うすもの(羅)
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7月9日(月)
いつだって晴れのち曇アイスクリーム
良いことの次ぎには、悪いことがあって、
そしてまた良いことが訪れて・・・。
人生はその繰り返しなんだとか。
近頃、そうなのかもしれないなぁと思ったりもします。
山っ気の抜けきらない自分が、
まだちょっといたりもしますが。
いつだって はれのちくもり あいすくりーむ
季語=アイスクリーム
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7月8日(日)
常識の違いは幾多麦茶飲む
大昔の話ですが、遠足や運動会のとき、
母は水筒に麦茶を入れてくれました。
砂糖入りの甘い麦茶。
それが大変うれしいかったのですが、
他の子どもたちには珍しかったようです。
えっ、ぼくだけ? 家だけ?
という一番古い記憶かな。たぶん。
じょうしきの ちがいはいくた むぎちゃのむ
季語=麦茶
あなたのお家では、どうですか?
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7月7日(土)
七夕や男目線の話かな
俳句は詩です。
俳句はユーモアです。
俳句は感動です。
俳句は愛です。
ぶっちゃけ、どうでもいいです。
「こだわり」の多い人よりも
少ない人の方が一緒にいて心地よい気がします。
たぶん、そっちの方が楽しいから、なのだと思います。
たなばたや おとこめせんの はなしかな
季語=七夕
今日は新暦の七夕です。
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7月6日(金)
つきまとう後悔と影夏の月
ぼくの俳句は明るくないのですが、
最近、ファンタジー系の児童文学にはまっています。
人間が見事に描かれているのに、むずかしくなく、低くない。
そのうえ元気が出ます。
そうそう、上橋菜穂子さんの「闇の守り人」は
老若男女問わずオススメですよ。
つきまとう こうかいとかげ なつのつき
季語=夏の月
先日、書店に行ったらやっと文庫本にもなっていました。
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7月5日(木)
吐き捨てた筈のひと言梅雨寒し
口は災いのものです。
そのうえ目は口ほどにものを言うのです。
すべての人を好きになることは難しいけれど、
嫌いな人を減らすことは意外と簡単にできそうです。
最初から苦手な人に好かれようとしなければいいだけのことでした。
最近、気づきました。
はきすてた はずのひとこと つゆさむし
季語=梅雨寒し
昨日は涼しいくらいだったけど、
今日はあっついね。
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7月4日(水)
大口をたたきし夜の飯饐える
忙しくて炊飯器のご飯をそのままにしていたら、
緑色の黴がピンク、黄色、緑に白と4色になりました。
ちょっとキレイです。
さらに長い時間放って置くと澄んだ水になるのだそうです。
そこまでは実験しませんでした。
けっこう前の話です、念のため。
おおぐちを たたきしよるの めしすえる
季語=飯饐える
昨日も湿気が多かったですね。
今日は朝早くから雨です。
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7月3日(火)
蟻地獄ひたすらという言葉かな
小学校のときに、ミルク桶に落ちた蛙の話に感動しました。
簡単にあきらめては駄目ですよ、というよくある教訓話です。
大人になって、
努力しても叶わないこともある、ということを知りましたが、
いまもミルクに落ちた蛙の話が好きです。
ありじごく ひたすらという ことばかな
季語=蟻地獄
更新三日目です。三日坊主は過ぎました。
次の目標は三ヶ月目。
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7月2日(月)
あじさいや悩むも病悩まぬも
そろそろ東京の紫陽花の盛りは終わりに近づいたようです。
1年前、このサイトをはじめるにあたってすごく悩みました。
そして、この日記をはじめるにもひどく悩みました。
悩むことがほとほと嫌になって、はじめることにしました。
いつもそんな感じです。
あじさいや なやむもやまい なやまぬも
季語=あじさい(紫陽花)
朝から雨です。夕方になったら晴れるのかしら?
東京・中野から
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7月1日(日)
蛍にはいつでもなれる蛍かな
季移りします。
犬でも猫でも鬼でも矢でも鉄砲でも、何でもいいのかもしれません。
十分に承知はしていますが、
こういった句が心の奧の深いところに突き刺さります。
嫌悪する俳人もいるでしょうが、好きや嫌いに良いも悪いもありません。
ほたるには いつでもなれる ほたるかな
季語=蛍
明日も更新します。 こうのこうき
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