• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2016年12月

31日(土)

喉もとの仏の笑う大晦日

終わりよければすべてよし!
2017年も、よろしくお願いいたします!

のどもとの ほとけのわらう おおみそか
季語=大晦日
※よいお年を! きょうもありがとうございます。

30日(金)

神仏をそぎ落とすかに山眠る

だから、冬こそ信心深い。
猫も杓子も。

しんぶつを そぎおとすかに やまねむる
季語=山眠る
※冬の山々は色を失い精彩を欠く。まるで眠ったかのように。
※初詣はどちらに? きょうもありがとうございます。

29日(木)

じだんだを踏みてまどむ枯木かな

寒々とは見えますが、
見通しはよくなりますね。

じだんだを ふみてまどむ かれきかな
季語=枯木
※葉をすべて落し、枯れたかのように見える木々のこと。
※年末年始は晴れのよう。きょうもありがとうございます。

28日(水)

愛着も何れはしぼむ冬日向

強い拘りは、誰かにとっての酷い迷惑。

あいちゃくも いずれはしぼむ ふゆひなた
季語=冬日向
※冬の日だまり。冬の日の当たる場所。
※愛着はもともとは仏教用語で「あいじゃく」と読むそうだ。
※そういうもの。きょうもありがとうございます。

27日(火)

悴みて忍び笑いに追いつかず

追いつかず? 追いつけず?
思わずといった感じかな。

かじかみて しのびわらいに おいつかず
季語=悴む
※手足、とくに指先が寒さで動きにくくなる。
※心が悴むなどの表現も。きょうもありがとうございます。

26日(月)

怠れば慌ただしくも年の暮

仕事納めにならないと
年末という気がしないのかもしれない。

おこたれば あわただしくも としのくれ
季語=年の暮
※年末のこと。12月も半分過ぎれば残り少なく感じる。
※あと5日ね。きょうもありがとうございます。

25日(日)

一日の重さをはかるクリスマス

はかれるわけはないけれど。

いちにちの おもさをはかる くりすます
季語=クリスマス
※中くらいかな。きょうもありがとうございます。

24日(土)

片結びしてお為ごかしや冬の月

ついつい、よゆうなく。

かたむすびして おためごかしや ふゆのつき
季語=冬の月
※広辞苑によると「御為倒し」と書くそうですよ。
※「御為倒し」とは、相手のためと見せかけて、じつは自分のためということ。あるある。
※メリークリスマス!きょうもありがとうございます。

23日(金)

穏やかなおごりのゆくえ日向ぼこ

年末感も季節感すらあやしい、今日この頃。

おだやかな おごりのゆくえ ひなたぼこ
季語=日向ぼこ
※温まるために冬の日のよく当たる場所でくつろぐこと。
※冬だけに風は冷たい。きょうもありがとうございます。

22日(木)

殊更に朝昼晩と着ぶくれて

日中はみんな手に
コートを持って歩いていたよ。

ことさらに あさひるばんと きぶくれて
季語=着ぶくれ
※重ね着をすることですが、見た目はむしろ気にしていない。
※部屋と外の差にびっくり。きょうもありがとうございます。

21日(水)

段取りの悪さの目立つ冬至かな

年末感が年々薄れてゆくようだ。

だんどりの わるさのめだつ とうじかな
季語=冬至
※一年でもっとも夜の短い日。
※つまり、この日から転じて日が伸びはじめる。
※だから、新しく太陽の生まれる日として世界各地で祝う。
※捉え方次第ですね。きょうもありがとうございます。

20日(火)

全身の余力の緩む根深汁

関東ではネギの白い部分を根深といって好んで食べます。
関西は逆に青い部分を好み、根を短くつくります。

ぜんしんの よりょくのゆるむ ねぶかじる
季語=根深汁
※ネギのみそ汁のこと。ネギは冬が旬です。
※ネギらう? きょうもありがとうございます。

19日(月)

雑炊や余りしものをのっぺりと

鍋の残りにご飯を入れて。
彩りは少々悪いが、十分においしい。

ぞうすいや あまりしものを のっぺりと
季語=雑炊
※おじやともいいます。ふつうは白米から野菜などを入れて炊き込む。
※寒い日に。きょうもありがとうございます。

18日(日)

身構えてまた明日を行く隙間風

すきま風対策には、目貼りだそうだ。

みがまえて またあすをゆく すきまかぜ
季語=隙間風
※今どきすきま風に悩むこともないが、心情的にはよくわかる。
※ないこともないか。きょうもありがとうございます。

17日(土)

透き通る夢を見ている冬の朝

日々、寒さが厳しくなりますね。

すきとおる ゆめをみている ふゆのあさ
季語=冬の朝
※早朝はなおさら。きょうもありがとうございます。

16日(金)

悴んで息苦しさを噛みしだく

あとちょっと、もうちょっと、と
寒さはどうも我慢しがちのようだ。

かじかんで いきぐるしさを かみしだく
季語=悴む
※寒さにこごえて指先や手足が自在に動かないこと。
※気を付けよう。きょうもありがとうございます。

15日(木)

喉元におさなき願い枯尾花

「幽霊の正体見たり枯尾花」
ことわざとして覚えていたけれど、
気づけば、五・七・五だったのね。

のどもとに おさなきねがい かれおばな
季語=枯尾花
※枯れたススキのこと。
※枯芒の古い呼称らしく、さして一般的ではなかったようだ。
※ふつうに通じると思ってた。きょうもありがとうございます。

14日(水)

角立てず右に曲がれば冬の月

いい人ぶるのは、めんどうなことだ。

かどたてず みぎにまがれば ふゆのつき
季語=冬の月
※満月でした。きょうもありがとうございます。

13日(火)

わがままも屈託のなく蜜柑むく

選ぶなら、皮がうすく、
キメの細かいものがよいそうだ。

わがままも くったくのなく みかんむく
季語=蜜柑
※室町時代に渡来した中国原産の柑橘類から生まれたのが、みかん(=温州みかん)です。これ偶然の産物なのだとか。
※甘く、切なく。きょうもありがとうございます。

12日(月)

身の丈に合わせて眺む十二月

半年前のことが、すでに大昔のことのよう。

みのたけに あわせてながむ じゅうにがつ
季語=十二月
※毎年ぼんやりと思う。きょうもありがとうございます。

11日(日)

借りて来た猫の如くにマスクして

先日、インフルエンザの予防注射をしてきた。
季節柄、待合室は風邪ぴっきの人が多かった。

かりてきた ねこのごとくに ますくして
季語=マスク
※東京ではあまり聞かないが、防寒のためにマスクをする人もいるようだ。
※予約しなかったら3時間待ち。きょうもありがとうございます。

10日(土)

忘却や恩に着せよと冬うらら

初冬の小春日和よりも、まず寒い。

ぼうきゃくや おんにきせよと ふゆうらら
季語=冬麗
※寒い冬に時折り訪れる麗かな日のこと。12月、1月の頃。
※水がつめたい。きょうもありがとうございます。

9日(金)

ぽっかりと開いて片付く冬林檎

美味しいリンゴのおすそ分け。

ぽっかりと あいてかたづく ふゆりんご
季語=冬林檎
※リンゴの旬は9~11月。冬に出回るものを冬リンゴと呼びます。
※低温貯蔵され春先まで。きょうもありがとうございます。

8日(木)

鯛焼や並ぶ人いて続く人

三割増しで、おいしそうに見えるよね。

たいやきや ならぶひといて つづくひと
季語=鯛焼
※一年中あるものですが、焼き立ての嬉しさは冬のものなのでしょう。
※あんこ好きに季節は関係ないが。きょうもありがとうございます。

7日(水)

空腹が冬の烏となりにけり

先日、驚くほどカラスたちが騒がしかった。

くうふくが ふゆのからすと なりにけり
季語=冬
※何かの前ぶれ? きょうもありがとうございます。

6日(火)

北風や雲にさらわれ鉾となる

日中、風の音がすごかった。

きたかぜや くもにさらわれ ほことなる
季語=北風
※俳句では冬の風をまとめて北風と呼んでいます。
※空っ風か。きょうもありがとうございます。

5日(月)

犬の舌乾かぬごとく照葉かな

少し隠れたような場所に、
きれいなモミジを見つけます。

いぬのした かわかぬごとく てりはかな
季語=照葉
※日の光をうけて美しく輝く紅葉のこと。
※草、木どちらの葉にもいいます。
※照紅葉とも。きょうもありがとうございます。

4日(日)

引き継ぎのすこぶる早く古暦

トイレにカレンダーは風水的にNGらしい。
わりと便利だったんだけど‥‥。

ひきつぎのの すこぶるはやく ふるごよみ
季語=古暦
※来年の暦を用意すれば、今使っているものは古暦となります。
※一般的には去年のものだけど。きょうもありがとうございます。

3日(土)

夜祭の遠くて近き冬花火

いろいろとそのスケールの大きさに驚きますよ。

よまつりの とおくてちかき ふゆはなび
季語=夜祭
※日本三大曳山祭(ひきやままつり)の一つ、秩父夜祭のこと。
※先日、ユネスコの無形文化遺産に登録された祭りの一つ。
※埼玉県の秩父神社で毎年12月3日に行われる例大祭で、300年以上の歴史があります。
※市中を練り歩く6台の巨大な山車(だし)と、3時間にも及ぶ冬の花火、長い屋台通りなど、たぶん何度行っても飽きない。
※毎年必ず12月の3日です。ちなみに来年は日曜日。
※まず音に驚く。きょうもありがとうございます。

2日(金)

日の当たるあなたに近き冬の草

国会議事堂付近の銀杏黄葉、
見頃でしたよ。

ひのあたる あなたにちかき ふゆのくさ
季語=冬の草
※冬にある草すべてを指します。
※すでに枯れてしまった草も、枯れそうな草も、冬なのに青々とした草も、みんな冬の草です。
※目に浮かぶのは? きょうもありがとうございます。

1日(木)

ほとぼりの覚めし頃よりまた師走

師走の師とは、お坊さんのこと。

ほとぼりの さめしころより またしわす
季語=師走
※1年の締め括りの月は、師走ともいい、極月(ごくげつ)、果ての月とも呼ばれます。
※どう師走? どうします? きょうもありがとうございます。