• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2018年11月

30日(金)

さりげなく冬に生まれし冬の雲

今年の冬は、乾燥してないのか。
そうなのか。
なら、木枯らしはいつ吹くんだ?

さりげなく ふゆにうまれし ふゆのくも
季語=冬の雲
※冬晴れの雲。きょうもありがとうございます。

29日(木)

生きにくさななめ上より十一月

目の上のたんこぶ的なもの?
ひとではなくて、なんだろうね?
なにかがふってきた?
運とか? ツキとか?

いきにくさ ななめうえより じゅういちがつ
季語=十一月
※新暦11月はほぼ旧暦の十月。旧暦十月の別称は神無月です。
※なんだろうね。きょうもありがとうございます。

28日(水)

雑念や半目を開けて冬めきぬ

そもそも「無駄な時間」って、なんだ?
誰にとっての「無駄な時間」だ?
など、また無駄なことを考えている。

ざつねんや はんめをあけて ふゆめきぬ
季語=冬めく
※目に見えるいろいろが冬らしくなること。
※枯れ色も増えてきた。きょうもありがとうございます。

27日(火)

やすやすと引きつるほどに冬の水

毎年のことですが、
水が冷たくなると途端に手荒れします!

やすやすと ひきつるほどに ふゆのみず
季語=冬の水
※繊細なのよ。きょうもありがとうございます。

26日(月)

咲くよりも咲いていること冬薔薇

冬と言っても咲くのは、
12月初旬くらいまででしょうかね。

さくよりも さいていること ふゆそうび
季語=冬薔薇
※屋外で冬に咲いているバラのこと。
※バラは基本四季咲きです。きょうもありがとうございます。

25日(日)

会釈にて仏参りや冬紅葉

野生のカエデモミジなんて
見たことないかもな、おれ。

えしゃくにて ほとけまいりや ふゆもみじ
季語=冬紅葉
※そういえば、と思った。きょうもありがとうございます。

24日(土)

命とも知りえて楓紅葉かな

色彩相関図からすると
緑の反対色が赤だ。つまり真逆。
黄色は、緑と赤の中間にある。
隣り合うカエデの木々同士でも、
色の加減はいろいろだ。

いのちとも しりえて かえでもみじかな
季語=楓紅葉
※「紅葉」といえば、カエデを想像する人がほとんどだろう。
※もとは、蛙の手⇒かえるで。それが詰まって「かえで」?
※赤子の手じゃないんだね。きょうもありがとうございます。

23日(金)

ゆるゆるとあえて温もるこたつかな

頭寒足熱の効果ですか。
こたつはとかく眠くなるようです。
たんなる疲れか。

ゆるゆると あえてぬくもる こたつかな
季語=炬燵(こたつ)
※こたつの季節です。きょうもありがとうございます。

22日(木)

通せんぼ通せんぼして冬満月

「のっそりと進路をふさぐ」の方が
俳句らしいちゃ俳句らしいけれど‥‥。
つ、ま、ん、な、い。

とおせんぼ とおせんぼして ふゆまんげつ
季語=冬満月
※冬の月は、よく「鋭い」、「凄まじい」などと表現されます。
※たしかに白っぽく、温かみがない。それが体感的な寒さと相まって上記のようなイメージにつながる、のかな。
※本当の満月は明日でした。きょうもありがとうございます。

21日(水)

冬帽子ひそかに眉をひそめけり

つい時間を忘れて
古川柳の本を読んでいたら、
なんか川柳っぽくなったかも(笑)。
しかもどこかにありそうだし。

ふゆぼうし ひそかにまゆを ひそめけり
季語=冬帽子
※まあいいか。きょうもありがとうございます。

20日(火)

ささやかに慌ただしくも柿紅葉

やっと紅葉したかと思えば、
一段と寒くなりました。

ささやかに あわただしくも かきもみじ
季語=柿落葉
※柿の葉は大きく、厚みと艶があります。だからなのか、モミジはおもしろいくらいに、一枚一枚の色合いが異なります。
※落葉を見つけたら拾ってみて。きょうもありがとうございます。

19日(月)

くっきりと見知らぬ花も時雨れけり

どこを見ても、どこを歩いても、
いまや洋の花の方が多い。
11月でも華やか。

くっきりと みしらぬはなも しぐれけり
季語=時雨る
※時雨(しぐれ)のこと。その動詞が、時雨(しぐ)る。
※パラパラと降る通り雨のこと。ときに降ったり止んだりする。
※初冬に多い。きょうもありがとうございます。

18日(日)

野次馬のように冷たし手足かな

本心とは裏腹に、
なってことも、よくある話。

やじうまの ようにつめたし てあしかな
季語=冷たし
※肌に触れたものが冷たいなど、直接的な寒さのこと。
※冬なんですね。きょうもありがとうございます。

17日(土)

打ち解けて壊れるときの花八つ手

ヤツデの花が咲いています。
その蜜を吸う2匹のハエが、
ぴったりと張り付いたまま動かない。
一瞬、死んでいるの?、と思ったくらいだ。

うちとけて こわれるときの はなやつで
季語=花八つ手
※天狗のうちわのような大きな葉っぱのあれです。
※枝先に白い球状の小さな花をいくつも付けます。天気のいい日には、まるで輝ているかのようにも。
※花は12月ごろまで。きょうもありがとうございます。

16日(金)

腹の鳴る冬はいつでもいさぎよし

食欲の秋冬、いや一年中。

はらのなる ふゆはいつでも いさぎよし
季語=冬
※新暦の冬は、だいたい11月中旬あたりから。東京は2月が一番寒い。 ※急に寒くなった。きょうもありがとうございます。

15日(木)

すらすらとほら紅葉いずる愚痴を聞く

東京の街中も、
そろそろ色づきはじめました。
柿の木はまだかな。

すらすらと ほらもみいずる ぐちをきく
季語=紅葉いずる
※紅葉の動詞です。「もみじ」はもともと「もみづ」という動詞から派生した名詞だといわれています。
※諸説あるようですが。きょうもありがとうございます。

14日(水)

むらさきに秋明菊の跳ね上がる

もう終わっていると思ったら、
いやに生き生きと
咲いている場所がありました。

むらさきに しゅうめいぎくの はねあがる
季語=秋明菊
※キクの花に似ているのでこの名がありますが、じつはキンポウゲ科。
※しかも花に見えるものは、すべてがく片。花色はピンク?
※たぶん秋明菊。きょうもありがとうございます。

13日(火)

焚きつけて満天星紅葉豊かなり

街路の植え込みなどの
葉が真っ赤であれば、
たぶんドウダンツツジでしょう。
日に日に赤くなっていきます。

たきつけて どうだんもみじ ゆたかなり
季語=満天星紅葉
※植え込みなどに使わるツツジ科の落葉樹で、紅葉樹としても人気。
※枝先から輪を描くように上向きに葉をつけています。
※カエデモミジよりも赤い。きょうもありがとうございます。

12日(月)

逆らわず従わずして破芭蕉

ぽっきりと折れてしまったバショウの葉は、
悲しいくらいに無価値に見える。

さからわず したがわずして はればしょう
季語=破芭蕉
※見るからにすぐにでも裂けてしまいそうな、大きな大きな青葉が印象的なバショウの木。
※その葉が雨風にさらされ、破れ傷んだ晩秋の姿を「破芭蕉」といいます。
※栄枯盛衰のたとえにも。きょうもありがとうございます。

11日(日)

ぽつねんとありて可笑しく石蕗の花

個人的には、「あっ、咲いた」ではなく、
「おっ、咲いてた」という感じ。

ぽつねんと ありておかしく つわのはな
季語=石蕗の花
※正式には、ツワブキ。初冬に群れ咲く、菊に似た黄色い明るい花。
※観賞用として庭先などによく植えられています。
※目を引く花です。きょうもありがとうございます。

10日(土)

目的のいくつかありて返り花

冬というには、暖かい日が続きます。
ボケも、ツツジも、勘違いして咲いているくらいです。
スオウも咲いていたかな。

もくてきの いくつかありて かえりばな
季語=返り花
※立冬過ぎに春と勘違いして咲く花としては、サクラ、ツツジ、ヤマブキ、ナシ、ボケなどが代表的です。
※タンポポが返り咲くことも。きょうもありがとうございます。

「俳句の歴史」について書いてみました!

9日(金)

賭け事は弱くて嫌い梅紅葉

たぶんこれ梅の木だったよなぁ、
という木がきれいに紅葉していた。

かけごとは よわくてきらい うめもみじ
季語=梅紅葉
※梅の花は待ち遠しい。青梅にもすぐに気づく。でも、紅葉には、気づかないことの方が多い。
※散るのもはやいのさ。きょうもありがとうございます。

8日(木)

山茶花は散るぼくは手を洗う何度も

いったい一日何回くらい
手を洗っているのだろうか?
ふと、数えてみたくなったの。

さざんかはちる ぼくはてをあらう なんども
季語=山茶花
※ツバキとよく似ていますが、花も葉も小ぶりです。
※咲いては散りを繰り返し、1月くらいまで咲き続けます。
※あした数えてみようかな。きょうもありがとうございます。

7日(水)

でたらめのパスワード入れ冬立つ日

ここ数年、「類推されないパスワードを」、
という文言をよく目にするようになった。
だから、よく忘れる。

でたらめの ぱすわーどいれ ふゆたつひ
季語=冬立つ
※立冬のこと。暦上では、今日から冬となる。
※季節もでたらめね。きょうもありがとうございます。

5日(月)

物語るものなどなくもみな晩秋

今年も残り2か月を切ったけれど‥‥。
震えるほど寒くならないと
今一つ実感がわかない(ものなのかも)。

ものがたる ものなどなくも みなばんしゅう
季語=晩秋
※秋の終りとして。きょうもありがとうございます。

4日(日)

だんまりの雑木紅葉を抜けにけり

街中では
ハナミズキの紅葉が
見事です。

だんまりの ぞうきもみじを ぬけにけり
季語=雑木紅葉
※カエデなどモミジが美しいとされる木以外のモミジ。
※雑木林など密集した場所は、それなりに美しいもの。
※ドングリの木とかね。きょうもありがとうございます。

3日(土)

パンケーキ焦がさず焼けた文化の日

録りためてしまった
テレビドラマを一気に見たよ。
「西郷どん」「昭和元禄落語心中」

ぱんけーき こがさずやけた ぶんかのひ
季語=文化の日
※11月3日の国民の休日で、終戦から3年後に制定されました。
※もともとは明治天皇の生誕を祝うための日だったそうです。
※面白いよ。きょうもありがとうございます。

2日(金)

前もって何やら増えて冬隣

もう何年になる?
部屋着用のフリース。
冬には役に立たないな。
だいぶペラペラだもの。

まえもって なにやらふえて ふゆどなり
季語=冬隣
※街や水や木々に、冬の気配を感じます、という季語。
※ネットで注文しました。きょうもありがとうございます。

1日(木)

ちらかして読み散らかして秋惜しむ

秋と冬の境い目って、
地域はもちろん、人によっても違うのかも?

ちらかして よみちらかして あきおしむ
季語=秋惜しむ
※事実より、秋を惜しむ心情をとらえ季語です。
※紅葉シーズンはこれからですが、同時に日に日に寒くなる。
ちょっと新しくしました。きょうもありがとうございます。