• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2019年2月

28日(木)

裏紙のような雨にて二月尽

たった二日三日足りない、
それだけなのに。

うらがみの ようなあめにて にがつじん
季語=二月尽
※新暦2月が尽きる(終わる)こと。いよいよ春、とも思う。
※じつに短く感じる。きょうもありがとうございます。

27日(水)

句点あり菜の花ひとつひとつにも

ぽつり、ぽつり、
咲きはじめた。

くてんあり なのはひとつ ひとつにも
季語=菜の花
※菜種の花。千葉・房総などでは、すでに一面に咲いている。
※通常は、3・4月ごろ。きょうもありがとうございます。

26日(火)

遠巻きに眺めて終える梅満開

梅の花は近くで見るもの。

とおまきに ながめておえる うめまんかい
季語=梅
※紅も白も花盛り。きょうもありがとうございます。

25日(月)

とっぷりと目鼻明るく黄水仙

ポツポツと咲はじめた。

とっぷりと めはなあかるく きずいせん
季語=黄水仙
※白いスイセンは冬の季語。キズイセンは春の季語。
※生まれはアルジェリア。きょうもありがとうございます。

24日(日)

驕るでも悟るでもなく春夕焼

雲のカタチがかわれば、
夕景もかわる。

おごるでも さとるでもなく はるゆやけ
季語=春夕焼
※春の夕焼け空は、やわらかい印象。
※景色は日に日に春。きょうもありがとうございます。

23日(土)

独り言取り繕いてヒヤシンス

異質な、何かに見える。

ひとりごと とりつくろいて ひやしんす
季語=ヒヤシンス
※一つひとつはユリに似た小花。垂直に伸びる茎に密集する。
※花壇、鉢植え、水栽培。きょうもありがとうございます。

22日(金)

せめてもの温もり保つ落椿

園芸品種が多く、
いろんな花のかたちがある。

せめてもの ぬくもりたもつ おちつばき
季語=落椿
※椿はその漢字からも分かる通り、春を代表する日本の花。
※花びらを散らすことなく、花ごとぽとりと落ちる。
※分厚い花びらがツバキ的。きょうもありがとうございます。

21日(木)

タバスコとチーズとパスタ春の雲

イタリアンって春っぽいな、と、
イタリアンな看板を見て思った。

たばすこと ちーずとぱすた はるのくも
季語=春の雲
※白い綿雲が浮いていた。きょうもありがとうございます。

20日(水)

忘却のミモザの雨のやわらかさ

ミモザの切り花が
豊かに並んでいた。

ぼうきゃくの みもざのあめの やわらかさ
季語=ミモザ
※黄色い球状の花を無数に付ける。華やかで香りも良い。
※きらきらな花。きょうもありがとうございます。

19日(火)

うかつさをぶら下げ眠る春の月

北向きの部屋は
まだしばらくは寒そうだ。

うかつさを ぶらさげねむる はるのつき
季語=春の月
※漢詩の時代から水も滴るような潤んだ月を「春の月」と呼びます。
※早春の夜空に浮かぶ月。きょうもありがとうございます。

18日(月)

早春の不安の種はふつふつと

間の悪いときにこそ
まとまる傾向がある。
なんて日だ!

そうしゅんの ふあんのたねは ふつふつと
季語=早春
※いい天気だったのに。きょうもありがとうございます。

17日(日)

あれこれと春菊の香をありがたく

近ごろ、高頻度で食卓に出る。
風邪予防に効果ありという。

あれこれと しゅんぎくのかを ありがたく
季語=春菊
※栄養価の高い緑黄色野菜として注目されている。
※独特の香りがある。江戸時代に栽培がはじまる。
※西洋では観賞用の花。きょうもありがとうございます。

16日(土)

よく見れば鼻ふくらませ草青む

ドヤ顔というより、
もっと、初々しい。

よくみれば はなふくらませ くさあおむ
季語=草青む
※枯れ色の中に、新しい草が伸びはじめていること。
※いろいろ青々。きょうもありがとうございます。

15日(金)

ともすれば小声の似合う春の雪

一部では、ちらちらと
舞ったらしいね。

ともすれば こごえのにあう はるのゆき
季語=春の雪
※すぐに消えて積もらないため、淡雪とも呼ばれます。
※初春らしい雪。きょうもありがとうございます。

14日(木)

もれ聞こえ小言か愚痴か福寿草

意外なところに、
咲いていました。

もれきこえ こごとかぐちか ふくじゅそう
季語=福寿草
※別名、元旦草とも呼ばれます。新年のめでたい季語ですが、実際は2月、3月に咲く花です(旧暦では正月ごろに咲く)。
※キンポウゲ科の多年草で、明るい黄色い花を咲かせます。
※かなりの品種がある。きょうもありがとうございます。

13日(水)

華やいでふと軽くなる梅白し

世の中の梅のイラストは、
そのほとんどが紅梅だ。

はなやいで ふとかるくなる うめしろし
季語=白梅
※春を告げる花として古くから愛でられる。それだけに白梅、紅梅として色別で季語となっている。
※白は絵にならない? きょうもありがとうございます。

12日(火)

春寒く棚上げにするための棚

日中は暖房なしでも
大丈夫になったが、
油断するとやはり寒い。

はるさむく たなあげにする ためのたな
季語=春寒
※「春なのに寒い!」というときの寒さ。気分的には2月末あたりの方がしっくりとくるのかもしれない。
※まだ「余寒」かもな。きょうもありがとうございます。

11日(月)

建国の暗さ明るさ記念の日

何だかんだ言っても、
三連休はありがたい。

けんこくの くらさあかるさ きねんのひ
季語=建国記念の日
※戦後に一度廃止されて、昭和41年に国民の祝日として復活した。
※冬眠のよう。きょうもありがとうございます。

10日(日)

無駄なもの買い足すごとく冴え返る

寒いとお腹が空く。

むだなもの かいたすごとく さえかえる
季語=冴え返る
※いったん緩んだ寒さがまたぶり返すこと。
※レジ前とか要注意。きょうもありがとうございます。

9日(土)

ストレスの行方はいずこ雪白し

窓の外は、
うっすらと積もっている。

すとれすの ゆくえはいずこ ゆきしろし
季語=雪
※月曜も雪だって? きょうもありがとうございます。

8日(金)

恐いもの少なからずや針供養

安全ピンくらいしか
馴染がありませんが。

こわいもの すくなからずや はりくよう
季語=針供養
※折れたり曲がったり、使用できなくなった縫い針を供養する行事。
※豆腐やこんにゃくなどのやわらかいものに刺して供養する習わしも。
※関東では2月8日に行う。きょうもありがとうございます。

7日(木)

後戻りできぬごとくに二月かな

正月がとうの昔のことよう。

あともどり できぬごとくに にがつかな
季語=二月
※明日は針供養の日。きょうもありがとうございます。

6日(水)

春の雨ゴミ出しの日の決まりごと

春なのか、冬なのかわからないが、
立春を過ぎたので春の雨。

はるのあめ ごみだしのひの きまりごと
季語=春の雨
※「春雨(はるさめ)」と呼べば、まさに春の日のやさしい雨。
※それ以外の春の時期の雨をまとめて「春の雨」という。
※ルールとマナーがある。きょうもありがとうございます。

5日(火)

長引けば人にうつして春の風邪

先々週からの
風邪が抜けきらず‥‥
どうしたわけか
咳だけが止まらない。

ながびけば ひとにうつして はるのかぜ
季語=春の風邪
※春になって引く風邪は昔から長引くと言われている。気を付けよう。
※困ったものだ。きょうもありがとうございます。

4日(月)

あれこれと言うもばからし梅一輪

タンポポも
咲いていたよ。

あれこれと いうもばからし うめいちりん
季語=梅
※立春の日。きょうもありがとうございます。

3日(日)

かの鬼も手に取るだけの恵方巻

手軽さも手伝って、
豆まきよりも気軽でいいかも。

かのおにも てにとるだけの えほうまき
季語=恵方巻
※その年のめでたい方向(恵方)を向きながら、太巻き寿司を丸かぶりする、節分行事のひとつ。
※もともとは大阪地方の行事でしたが、近年、コンビニ等のキャンペーンを通じて全国的に。
※梅が咲きはじめた。きょうもありがとうございます。

2日(土)

冬ひでり単純ゆえに持て余す

プランターの土の乾きが
やけに早い気がする。

ふゆひでり たんじゅんゆえに もてあます
季語=冬旱
※冬に雨が少なく、空気が乾燥すること。長引くと水不足の恐れも。
※今年は春が早い!? きょうもありがとうございます。

1日(金)

ちりぢりに思い出さわぐ冬の草

何も言うまい、が、じつは一番大変。
ふつうにおしゃべりなので‥‥。

ちりぢりに おもいでさわぐ ふゆのくさ
季語=冬の草
※冬に目にする草全般。枯れた草から常緑の草まで、いろいろある。
※ふつうって、なんだ? きょうもありがとうございます。