今日の俳句、こうのこうき
2019年12月
31日(火)
手の届くとこだけ拭いて大晦日
たいてい、だいたい、慌ただしいだけの一日。
てのとどく とこだけふいて おおみそか季語=大晦日 ※1年の最後の締め括りの日。 ※良いお年を。きょうもありがとうございます。
30日(月)
眠れずに葉牡丹緩むので緩む
正月の花として 重宝されるキャベツの一種。冬の花の豊富な現代でも、それなりに人気のようだ。
ねむれずに はぼたんゆるむので ゆるむ季語=葉牡丹 ※江戸時代に結球しないキャベツを改良したものがハボタンだという。 ※キャベツのちハボタン。きょうもありがとうございます。
29日(日)
いたずらに思い出しては年惜しむ
未だにぜんぜん、年末気分でも、連休気分でもない。
いたずらに おもいだしては としおしむ季語=年惜しむ ※今年もあと数日。終ると思うと急に感慨深くなる、という季語。 ※単なる暦上の区切り、とも。きょうもありがとうございます。
28日(土)
数え日となりていろいろ数えだす
年末の忙しさや感慨深さが含まれる。
かぞえびとなりて いろいろ かぞえだす季語=数え日 ※年末押しせまって指折り数えられるくらいの意味。 ※締め切りへの焦りとか。きょうもありがとうございます。
27日(金)
着ぶくれて世渡り下手の増しており
外出時など脇のあたりがもこもことして、 カバンの奥のものが取り出しにくかったりする。 (短い手がさらに短くなる感じ‥‥)
きぶくれて よわたりべたの ましており季語=着ぶくれる ※たくさん重ね着をすること。またはダウンコートなどで体が膨らんで見えること。 ※すっかり寒くなりました。きょうもありがとうございます。
26日(木)
引き算が得意で苦手枇杷の花
人の目線よりも上に咲く。 そこにビワの木があることを知らなければ、 誰もが素通りするだろうな、きっと。
ひきざんが とくいでにがて びわのはな季語=枇杷の花 ※枝先に白っぽい小さな花を密に付けます。そして長い楕円の葉と毛皮のようなガクに覆われています。甘い香りがします。 ※控えめに咲いてますよ。きょうもありがとうございます。
25日(水)
枯木立ものわりよくここにいる
桜や梅などは裸木よりも枯木と呼ぶ方が似合う。 逆にサルスベリのような木肌は、まさに裸木っぽい。
かれこだち ものわかりよく ここにいる季語=枯木立 ※冬の落葉樹です。きょうもありがとうございます。
24日(火)
幸せは平穏平熱クリスマス
インフルエンザが今年もついに流行! 数日前に予防接種はしたが、効果が出るのには約2週間‥‥。 そうだった! それまで気を抜かない!
しあわせは へいおんへいねつ くりすます季語=クリスマス ※よいクリスマスを! きょうもありがとうございます。
23日(月)
天井に小さなくぼみ年の暮れ
何かを吊っていた、ネジ穴らしきもの。
てんじょうに ちいさなくぼみ としのくれ季語=年の暮れ ※一年の終り。きょうもありがとうございます。
22日(日)
さて師走語弊山ほど積もりおり
「師走」の語源には諸説あります。 師も走リ回るほどに年末は忙しいから、 というのが最も有名な説。 ここでいう師とは、僧侶のこと。
さてしわす ごへいやまほど つもりおり季語=師走 ※反省もいっぱいの1年さ。きょうもありがとうございます。
21日(土)
冬林檎みなそれぞれに腐れ縁
明日は冬至か、と、 ネットで、あらためて、思い出す。
ふゆりんご みなそれぞれに くされえん季語=冬林檎 ※冬にあるリンゴのこと。旬は秋なので貯蔵され市場に出回る。 ※年末だんねー。きょうもありがとうございます。
20日(金)
月半分興味半分冬菜切る
白菜などの冬が旬の野菜のこと。もはや旬など、気にもならない野菜たちばかりだが‥‥。
つきはんぶん きょうみはんぶん ふゆなきる季語=冬菜 ※白菜、大根、ニンジン、カブ、ネギなどが、冬を代表する野菜。 ※小松菜やブロッコリーなどもそう。きょうもありがとうございます。
19日(木)
足もとにポインセチアという季節
街の花屋さんの店先に余裕なく並ぶ。
あしもとに ポインセチアという きせつ季語=ポインセチア ※クリスマスに赤と緑の取り合わせが人気の鉢植え。 ※茎先の印象的な赤い葉に囲まれ、小さく地味な花がある。 ※買ったことはないが、気にはなる。きょうもありがとうございます。
18日(水)
何ごとも銀杏落葉も乾きゆく
しばらく見ないうちに 銀杏紅葉の見ごろもほぼ終わりに。
なにごとも いちょうおちばも かわきゆく季語=銀杏落葉 ※黄色いイチョウの葉が一面に散り敷く風景は壮観。しばらくは落葉なのにどこかみずみずしい。 ※落葉もすっかり枯れ色に。きょうもありがとうございます。
17日(火)
雑談の続きのごとく冬の雨
今年はとくに 天気予報を気にした(振り回された) 1年だったかも。
ざつだんの つづきのごとく ふゆのあめ季語=冬の雨 ※まだ終わってないけど。きょうもありがとうございます。
16日(月)
冬日向怒らせまいとしてさみし
窓越しの冬の日だまりは、 とかく穏やかに見える。
ふゆひなた おこらせまいとして さみし季語=冬日向 ※冬の日のよく当たる場所をいう。 ※冬至が近い。きょうもありがとうございます。
15日(日)
無駄骨と知りて残らず冬となる
午後の3時半は 早くも夕方の気分。
むだぼねとしりて のこらず ふゆとなる季語=冬 ※いろいろ、すっかり、冬。きょうもありがとうございます。
14日(土)
よくしゃべるついでに蜜柑ふわと食べ
美味しい蜜柑は、甘くておいしい。
よくしゃべる ついでにみかん ふわとたべ季語=蜜柑 ※冬といえばミカン、今も? きょうもありがとうございます。
13日(金)
本棚の隙間なくなりまた冬に
例によって年末感は薄いが、 朝夕の底冷え感は確実に増している。
ほんだなの すきまなくなり またふゆに季語=冬 ※断捨離なのかな‥‥。きょうもありがとうございます。
12日(木)
晴天に無自覚のまま着ぶくれる
重ね着のせいで体がふくれて見えること。
せいてんに むじかくのまま きぶくれる季語=着ぶくれ ※風が冷たい! きょうもありがとうございます。
11日(水)
カリンふたつ差し上げますの札のあり
熟したカリンからは、よい香りがします。 室内に置いておくだけでもいい。
かりんふたつ さしあげますの ふだのあり季語=かりんの実 ※大きな楕円形の黄色い果実。花より実を楽しむ木。 ※生食には適さないので、カリン酒や砂糖漬けなどにする。 ※バラ科のボケ属で花も美しい。きょうもありがとうございます。
10日(火)
それなりに励まし合いて十二月
気づけば12月も はや3分の1が過ぎた。
それなりに はげましあいて じゅうにがつ季語=十二月 ※十二月といえば師走。一年の最後の慌ただしい月。 ※貧乏暇なし的な。きょうもありがとうございます。
9日(月)
冬帽子つまらぬ色を選びおり
つまりは、無難な色。 おかげさまで、使いやすい。
ふゆぼうし つまらぬいろを えらびおり季語=冬帽子 ※冬用の暖かい帽子のこと。きょうもありがとうございます。
8日(日)
週末は寝だめと決めて日のつまる
夏に比べると日照時間が、2時間以上も短くなる。 そりゃ、損した気分にもなる!?
しゅうまつは ねだめときめて ひのつまる季語=日つまる ※冬の日中に着目した季語で、短日の傍題。冬は夜が長い。 ※毎週というわけじゃないよ。きょうもありがとうございます。
7日(土)
山茶花のこぼれ確かな白となる
白や薄紅色の五弁の花で、 姿かたちが椿によく似ています。
さざんかの こぼれたしかな しろとなる季語=山茶花 ※冬に咲く花。ツバキ科ですが、花びら一枚一枚ふつうに散る。 ※ちょっと小ぶり。きょうもありがとうございます。
6日(金)
ごりごりと頭に響く寒さあり
念のため、風邪ではございません。
ごりごりと あたまにひびく さむさあり季語=寒さ ※気温・室温の寒さ、枯木などの目に映る寒さなど、冬に感じるさまざまな寒さをいう。心象的な寒さも。 ※肩の凝りからかな。きょうもありがとうございます。
5日(木)
押し通す楓紅葉の明るさを
近ごろ、カエデ以外にも 見事に紅くなる庭木が増えた気がします。
おしとおす かえでもみじの あかるさを季語=楓紅葉 ※モミジの中でもとくに美しいので、モミジ=カエデとなったという。 ※見ごろの1本を見つけたよ。きょうもありがとうございます。
4日(水)
好き嫌い言えないあした冬青空
今日は暖房、使わなかったわ。 着込んではいるけれど。
すききらい いえないあした ふゆあおぞら季語=冬青空 ※明日は晴れ時々曇り。きょうもありがとうございます。
3日(火)
なるようになりておちつく冬もみじ
冬に残る紅葉のこと。例年、東京の紅葉の見ごろは、 冬なんですけどね。
なるように なりておちつく ふゆもみじ季語=冬紅葉 ※もう少し冬が進むと、枯れ色の中のモミジとなる。 ※一転、暖かい一日でした。きょうもありがとうございます。
2日(月)
しぶとくもおでんしみじみ仕方なし
おでんのでんは煮込み田楽の田。 これに「お」を付けて、 「おでん」と呼ぶようになったという。
しぶとくも おでんしみじみ しかたなし季語=おでん ※おでんにも地域性がある。きょうもありがとうございます。
1日(日)
一人称ばかりが目立ちくしゃみせり
この時期、公共の場で くしゃみや咳をすると、 それなりに目立つ、のかも。
いちにんしょう ばかりがめだち くしゃみせり季語=くしゃみ ※風邪ばかりでなく、冷たい空気に触れてくしゃみする場合も。 ※インフルエンザも気になるし。きょうもありがとうございます。