• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2020年8月

31日(月)

辛辣がぐるりとめぐり八月尽

しんらつが ぐるりとめぐり はちがつじん
季語=八月尽
※8月の最終日のこと。残暑の中にも秋の訪れを実感するようになる。
きょうもありがとうございます。

30日(日)

現れて青く飛び去る蜻蛉かな

あらわれて あおくとびさる とんぼかな
季語=蜻蛉
※夏から秋にかけて見られるわりと身近な昆虫。種類が多く、水辺に生息する。
きょうもありがとうございます。

29日(土)

冷房に疲れほどよく虫の声

れいぼうにつかれ ほどよく むしのこえ
季語=虫の声
※コオロギなどの秋に鳴く虫のこと。
きょうもありがとうございます。

28日(金)

透き通るゆえに小さく水を打つ

すきとおるゆえに ちいさく みずをうつ
季語=水を打つ
※打ち水のこと。涼を得るために庭や玄関、道路などに水をまく。
きょうもありがとうございます。

27日(木)

そのままを許せば淡く赤のまま

そのままを ゆるせばあわく あかのまま
季語=赤のまま
※イヌタデのこと。小さな花穂にいくつもの小粒の赤紫色の花を付けます。道端など至る所で見ることができます。
きょうもありがとうございます。

26日(水)

とりあえずそ知らぬふりの猫じゃらし

秋の色に変わりはじめましたよ。

とりあえず そしらぬふりの ねこじゃらし
季語=猫じゃらし
※花穂で猫をじゃらすので猫じゃらし。そのかたちが犬のしっぽにも似ているので、イヌコログサともいいます。麦や粟と同じイネ科。
きょうもありがとうございます。

25日(火)

言い訳の増えて夕焼け小焼けかな

いいわけの ふえて ゆうやけこやけかな
季語=夕焼け
※夏の季語。夕焼けの次の日は晴れることが多いのですが、今月はビックリするくらいに雨が降っていないのだとか‥‥。
きょうもありがとうございます。

24日(月)

東京の真ん中あたり星迎え

ちなみに明日は、旧暦の七月七日。

とうきょうの まんなかあたり ほしむかえ
季語=星迎え
※七夕のこと。本来の七夕は夏と秋の交わる祭りなのだとか。
きょうもありがとうございます。

23日(日)

文月やまたねといいて愛想よく

旧暦でいうと今はまだ七月上旬。

ふみづきや またねといいて あいそよく
季語=文月
※旧暦七月の異称。今の暦(陽暦)でいうと8月上旬からの1か月に当たります。次の月(旧暦八月の異称)は葉月。
きょうもありがとうございます。

22日(土)

よくしゃべるアイスクリームよく溶ける

あまりの暑さにすぐに溶ける。

よくしゃべる あいすくりーむ よくとける
季語=アイスクリーム
きょうもありがとうございます。

21日(金)

ありがちな失敗として蝉を見る

8月も中旬を過ぎると、
蝉の骸があちこちに落ちている。
いつか踏んでしまいそう。

ありがちな しっぱいとして せみをみる
季語=蝉
きょうもありがとうございます。

20日(木)

アナログなこたえを紡ぐ残暑かな

残暑お見舞い申し上げます。

アナログな こたえをつむぐ ざんしょかな
季語=残暑
※立秋以降の暑さのこと。過去に最高気温を更新した日は8月に集中しています。
きょうもありがとうございます。

19日(水)

蝉の鳴く間の悪さにも似て不安

せみのなく まのわるさにもにて ふあん
季語=蝉
※「鳴き騒ぐ」という表現がぴったり、の夏の虫。
きょうもありがとうございます。

18日(火)

朝曇り窓に手をかけ水を飲む

あさぐもり まどにてをかけ みずをのむ
季語=朝曇り
※夏の季語。猛暑となる日は、朝方は曇っていることが多い。
きょうもありがとうございます。

17日(月)

片蔭やその明るさのつれづれに

かたかげや そのあかるさの つれづれに
季語=片蔭
※真昼時以外は道の片側に建物などの濃いかげができる。猛暑、炎暑の時期は多くの人が好んで日かげを歩く。
きょうもありがとうございます。

16日(日)

トマト買う夜のスーパーマーケット

トマトかう よるのスーパーマーケット
季語=トマト
※本来の旬は6月~9月。ナス科の緑黄色野菜。冷やし過ぎると味が落ちるのだとか。
きょうもありがとうございます。

15日(土)

冷房は付けたままにて終戦日

れいぼうは つけたままにて しゅうせんび
季語=終戦日
※8月15日の終戦記念日のこと。
きょうもありがとうございます。

14日(金)

大まかな優しさとして虹かかる

おおまかな やさしさとして にじかかる
季語=虹
※夏の季語。虹は雨上がりに見ることが多い。夏はとくに夕立の季節なので。
きょうもありがとうございます。

13日(木)

かまきりの青々としてほど遠く

かまきりの あおあおとして ほどとおく
季語=蟷螂
※カマキリは季語としては秋のことば。
きょうもありがとうございます。

12日(水)

酷暑以外遠のく如く何もなく

夕方の、大雨、雷、すごかった。

こくしょいがい とおのくごとく なにもなく
季語=酷暑
※毎年のように最高気温が更新される、この時期の酷い暑さ。
きょうもありがとうございます。

11日(火)

八月の自由不自由角まるく

近いうちに、東京都内でも、
40度の声を聞きそうな勢いだ。

はちがつの じゆうふじゆう かどまるく
季語=八月
※上旬に立秋となりますが、一年で最も暑い月です。
きょうもありがとうございます。

10日(月)

山の日やペットボトルの水を買う

やまのひや ペットボトルの みずをかう
季語=山の日
※今現在、最も新しい国民の祝日(本来は8月11日)。2016年に制定されました。
きょうもありがとうございます。

9日(日)

結末の知りたくなりて熱帯夜

けつまつの しりたくなりて ねったいや
季語=熱帯夜
※暑い夏、夜になっても気温が下がらないこと。
きょうもありがとうございます。

8日(土)

純粋につまらぬものにけさの秋

きっちりと秋の虫が鳴いている。

じゅんすいに つまらぬものに けさのあき
季語=今朝の秋
※立秋の日の朝のこと。猛暑だけど、秋の気配は確かにある。
きょうもありがとうございます。

7日(金)

太陽の乱れて重く蝉の声

暦の上では立秋。

たいようの みだれておもく せみのこえ
季語=蝉の声
※ミーンミーンとか、ジイジイとか、種類によって鳴き声が異なりますが、鳴くのはすべて雄だけです。
きょうもありがとうございます。

6日(木)

炎昼に息せき切って日の匂い

えんちゅうに いきせききって ひのにおい
季語=炎昼
※「夏の昼」では言い足りないくらいに暑い時間帯のこと。
きょうもありがとうございます。

5日(水)

紺色の眠りの浅く茄子の花

今夏はナスが目立って高い。

こんいろの ねむりのあさく なすのはな
季語=茄子の花
※薄紫色の花は初夏から秋まで咲き続けます。花のあとに次々と実るため、花の見ごろはナスの旬と重なります。
きょうもありがとうございます。

4日(火)

ひと眠りふた眠りして花むくげ

ひとねむり ふたねむりして はなむくげ
季語=木槿
※ムクゲの花は朝に咲いて夕方にはしぼむ1日花。次々と咲き続け、夏から秋まで花を楽しむことができます。美しくて丈夫なため、庭木や生け垣として古くから好まれます。
きょうもありがとうございます。

3日(月)

この頃はためらうこともなく炎暑

このごろは ためらうこともなく えんしょ
季語=炎暑
※燃える炎を連想するかのような真夏の暑さのこと。
きょうもありがとうございます。

2日(日)

そわそわとみんな丸顔夏の月

まもなく満月という月でした。

そわそわと みんなまるがお なつのつき
季語=夏の月
※夏の夜空に上る月のこと。
きょうもありがとうございます。

1日(土)

いろいろと押し付けられて梅雨明ける

このまましばらく、ずっと、
30℃越えの日が続くみたい‥‥。

いろいろと おしつけられて つゆあける
季語=梅雨明け
※梅雨の時期が終わること。そうすると一気に本格的な夏となります。
きょうもありがとうございます。