2010年

3月31日(水)

月明かり両手を広げ雪柳

書くことが思い浮かばないときは、
何も書かなければいいんですけどね。
書きたくないときは無理矢理にでもパソコンの前に座って、
無理矢理にでも書き出さないと、
そのままズルズルとやめちゃいそうな感じがしますよ。

つきあかり りょうてをひろげ ゆきやなぎ
季語=雪柳

※雪が降り積もったように白い小花が群がり咲く。花のあと、しなやかに伸びる枝には柳に似た葉が萌え出ます。
※なんでもそうかもね。きょうもありがとうございます。


3月30日(火)

菜の花や言葉をどこに埋めよう

努力しているなんて思うと、ろくなことがないです。
ましてや、努力してやってるなんて・・・・。
たぶん、ないです。
継続するには一番邪魔な言葉、なんじゃないかなぁ〜?
と、思います。

なのはなや ことばをどこに うずめよう
季語=菜の花

※「菜」はアブラナ科すべてを指しますが、一般的にはアブラナのこと。
※満月ですね。きょうもありがとうございます。


3月29日(月)

半身を埋めて夢を沈丁花

俳句のつくり方などわかりません。
たぶん、いろいろな方法があるのだと思います。
そもそも正しいつくり方なんてないんじゃないかなぁ?、
と、近ごろ、思ったりなんかしています。

はんしんを うずめてゆめを じんちょうげ
季語=沈丁花

※ジンチョウゲといえば香りですが、10数個かたまって咲く小さい花も面白いと思います。
※内側に紅色、外側が白。でも花びらに見えるものは、実は顎(がく)なのだそうです。
※なんとなくです。言い切る自信はありません。きょうもありがとうございます。


3月28日(日)

散り際を望まれながら初桜

誰もができる仕組みというのは、
本来は誰もが真似できることではなかったということ。
なのでしょうね。

ちりぎわを のぞまれながら はつざくら
季語=初桜

※初桜という季語は、その人がこの春に初めて見た桜なのか、初めて咲いた桜なのか、厳密なところは知りません。
※満開への期待が高いから、初桜という季語が生まれたのでしょうね、ということです。
※隣の芝はうらやむものではなく、楽しむものなのだとか。
※かもしれません。きょうもありがとうございます。


3月27日(土)

消せるもの消えぬものありかげろえる

おそらく、今日が1000句目です。
なんだか、まだ、ぜんぜん、って感じです。

けせるもの きえぬものあり かげろえる
季語=陽炎

※カゲロウは、ゆらゆらと景色がゆらいで見える現象のこと。春のつよい日差しにより空気の密度に変化がおこるためだとか。
※古来は、ゆれひかるものすべてを「かげろひ」と言い表したそうです。水蒸気や炎、昆虫の蜉蝣、蜻蛉なども。
※おかげさまです。きょうもありがとうございます。


3月26日(金)

曖昧ななぞなぞたどる枸杞の花

どこにでもあるけれど、
見逃しがちなそんな花、そんなもの。
でも、気づけば独特なもの、そんなもの。

あいまいな なぞなぞたどる くこのはな
季語=枸杞の花

※秋、クコの赤い実は目を引きますが、淡紫色の小さい花は葉に隠れて目立ちません。
※昨日はまるっきり冬でしたね。きょうもありがとうございます。


3月25日(木)

うつそみの身じろぎひとつ落椿

やたらと悪口は言わない方がいいよ、
というは、悪口はご同類、似たもの同士が
言うものだからなのだそうです。
そういえば、変わり者ほど人の悪口は言わないかも?

うつそみの みじろぎひとつ おちつばき
季語=落椿

※ツバキは日本原産の花木なのだそうです。中国からアジア、ヨーロッパ、アメリカなど世界中に伝わり品種改良されています。
※ところ変われば何とやらで、ちょっと驚きです。「海外の椿」「世界の椿」などで検索すれば、いろいろ見られますよ。
※ウツソミは漢字で書くと現身。現世、うつせみ、この世の人、のこと。
※俳句ではウツセミと書くと夏の季語の「空蝉(蝉の抜け殻)」をまず思い浮かべます。でも辞書を引いてみるとウツソミと同じ意味が先で、漢字は当て字。それから転じて、蝉の抜け殻のことを指すようになったみたいです。どっちでもいんですけどね。
※「うつせみの」は枕詞で、世、命、かれる身、人にかかるとか。へぇ〜。
※いろいろね。きょうもありがとうございます。


3月24日(水)

白木蓮ひかりとかげの探しもの

ひとつの価値観でみるものと、
ふたつの価値観でみるものとでは、みえ方もかわるのでしょうね。

はくもくれん ひかりとかげの さがしもの
季語=白木蓮

※白木蓮と紫木蓮はまったく別種なのだそうです。
※古いものと新しいもの。きょうもありがとうございます。


3月23日(火)

夕闇の枯れてなくなりいたちぐさ

誰かを強く意識したり、
高い評価を欲したりすると、
たいてい失敗します。
なんでなんですかね。

ゆうやみの かれてなくなり いたちぐさ
季語=いたちぐさ

※イタチグサは、連翹(れんぎょう)のこと。
※長く伸びた枝はツルのようにたわみ、鮮やかな黄色い花を連なり咲かせます。
※レンギョウはたわんだ枝の先が土につくと、そこから根を出すとか。
※定型詩って、そもそも何なのでしょうね? 考えれば考えるほど、大して考えてもいないけど、不思議です。
※やっぱり不思議です。きょうもありがとうございます。


3月22日(月)

何げない言葉の数に山笑う

人ってさ、
なりたいものになるのではなく、
なれるものになる、
ものなのかもしれませんね。
とかね。

なにげなに ことばのかずに やまわらう
季語=山笑う

※春の山のこと。
※探さないと見つからないけれど、探しすぎると見つらない。すべてがそんな感じ?
※春の嵐、すごかったですね。きょうもありがとうございます。


3月21日(日)

春の星名を呼べばただ瞬きぬ

成果を優先しすぎたら人は誰でも萎縮する。
自然、冒険はしない。
失敗ができないとなると
可能性は徐々に縮小していくものらしいです。

はるのほし なをよべばただ またたきぬ
季語=春の星

※春は星のまたたきはやわらかい。冬の鋭さも、夏の輝きもない。夜空の奥深くで静かに光をたたえている。ぼんやとした、おだやかな感じ。
※日本にない文化は日本に馴染まなかった文化だったのかもしれません。
※格差社会という言葉を身も蓋もなく訳すと、「お金のある人とない人の差が大きい社会」ということなのだとか。つまりは「世の中お金がすべてですよ」という基準のみで推し量った幸不幸の度合い。偏差値を賢さの基準にするのと同じ。言葉が変わると大層なことのように聞こえますね。いまさらですけどね。
※そんなものかもね。きょうもありがとうございます。


3月20日(土)

水温むあしたがきのうに出会うかも

誰の言葉だっけ?
「人の言葉は善意にとれ、そのほうが5倍も賢い」
メモるのはいいのだけれど、
せめて出典くらいは書かないと、
と、まいどまいど思うのですが・・・・。
本なのかネットなのか、さっぱり記憶にございません。

みずぬるむ あしたがきのうに であうかも
季語=水温む

※試しにまんま検索してみたら、ありました。あらびっくり、シェークスピアさんでしたよ。
※ネットってすごい。でもって反面こわい。
※ほんとにね。きょうもありがとうございます。


3月19日(金)

とけ出した時間のなかに春の雨

「こうあるべき」というのを取り外さないと、
気持ちは楽になりません。
ので、きょうはこれまで。
またあした。

とりだした じかんのなかに はるのあめ
季語=春の雨

※あしたはあした。きょうもありがとうございます。


3月18日(木)

目刺しには目刺しの匂いあらまほし

ポジティブな考えは幸運を、
ネガティブな考えは不運を、
引き寄せるとか、
呼び寄せるとか、
生み出すとか、
規定するとか、
つかまえるとか。
そうなのでしょうね。

めざしには めざしのにおい あらまほし
季語=目刺し

※「あらまほし」=こうありたいと思われるような状態だ。望ましい。理想的だ。
※古語というのもときには便利ですね。ごちゃ混ぜを快く思わない人もいるけどね。
※言の葉。きょうもありがとうございます。


3月17日(水)

玉椿かさねたうそはおもくなる

前向きな考えを得るためには、
後ろ向きな考えを捨てること。
確かに言うはたやすい、ですけどね。

たまつばき かさねたうそは おもくなる
季語=玉椿

※ツバキは春を代表する神聖な花。玉椿はその美称です。
※簡単じゃないですよね。きょうもありがとうございます。


3月16日(火)

春雨やところどころに空の色

どんな人にも楽観的な部分と悲観的な部分があって。
楽観が強さになって、悲観が弱さを呼ぶ、のかもしれません。
悲観を薄める方法は、たくさん失敗すること、
なんですかね、たぶん。

はるさめや ところどことに そらのいろ
季語=春雨

※春雨は、草木の芽を育て、桜や春の花を咲かせる、そんな感じのする雨とされています。
※しとしとと長く降りづつける雨で、豪雨になるようなことは少ないそうです。
※なのかな。きょうもありがとうございます。


3月15日(月)

啓蟄や煩いは眼前にある

自主規制というのは良くも悪くも、
つまらないものにするのかもしれません。
「わがまま」を恐れない人がうらやましい。
一部への「わがまま」などぜんぜんうらやましくもないけどね。
それはごくごく普通のこと。
ともすれば、ストレスのはけ口としていることもあるのだろうし・・・・。
人の気分などそのときどきだ。

けいちつや わずらいは がんぜんにある
季語=啓蟄 

※啓蟄は、冬眠していた虫や蛙、蛇などのもろもろ生物が地中からはい出ることをいいます。
※また、暦の二十四気のひとつで、新暦の3月6日ごろの季節のことを指します。
※めずらしく夢を見ました。というより、覚えていました。夢の中での話。たぶん通勤途中、電車の中で居眠りをして目が覚めたらまったく見たこともない車内に知らない駅名。あわてて飛び降りて、未知の風景を見回して、「あれ?今日って日曜じゃないの?」と気づいたところで目が覚めた。駅名をはっきり見たけれど、それは記憶していません。
※リズムわるいですね。きょうもありがとうございます。


3月14日(日)

それぞれに弱みのありて黄水仙

グッドタイミングなどというものはほとんどない。
というのが本当なのかもしれません。
少しずつズレているからおもしろいのかもしれませんね。

それぞれに よわみのありて きずいせん
季語=黄水仙

※キズイセンは、名前の通り鮮やかな黄色の花をつける。スイセンの中でもっとも香りの強い種なのだとか。
※なんとなく。きょうもありがとうございます。


3月13日(土)

東風吹くや目鼻の縁のやわらかし

楽しいことを楽しいと素直に喜べたらいいですね。
そんな感じです。

こちふくや めはなのふちの やわらかし
季語=東風

※春になって太平洋側から吹く、東からの風のこと。
※あっちこっち。きょうもありがとうございます。


3月12日(金)

真実のふくらみわずか春の雲

自分の欠点を十分に知っていながら、
何でも人のせいにしている人の話は意外におもしろい、
と思うこともある。
ただし、ときどき、ほんとにときどき、かなりまれに、
端から聞いている分にはだけど・・・・。

しんじつの ふくらみわずか はるのくも
季語=春の雲

※春の雲は夏のようにはっきりとしたカタチをつくることは少ないそうです。
※刷毛で描いたようなうすい雲であることが多い。
※「ほめてもらいたいこと」を「ほめてもらう」には、かなりの時間と労力と適応力が必要みたいですね。
※ありがたいことに、「俳壇」4月号から1年間、「俳壇発 新時代俳人50人一句集」というコーナーに掲載させていただくことになりました。先ほど刷本を見ました。一句集なので一句づつなんですけどね。
※先は長いです。きょうもありがとうございます。


3月11日(木)

春めくやまた少し子どもにかえる

「やらなくてよいこと」を「やるべきこと」に分類している、
なんてこともあります。
その逆もたくさんあるのかもしれません。
とはいえ、それらを綺麗に分け過ぎても、
それはそれでどうかと思ったりなんかもします。

はるめくや またすこし こどもにかえる
季語=春めく

※「めく」は、きざしが見えることを表す接尾語だそうです。夏めく、秋めく、冬めく、すべての季節に使えるそうですが、春と夏が一番しっくりきますね。ただ耳に馴染んでいるだけかなぁ。
※あすも晴れますように。きょうもありがとうございます。


3月10日(水)

故郷はあなたではない鳥帰る

不満の原因はたいてい自分自身の中にあるそうです。
不愉快の原因はおおかた相手にあるそうです。
もっとも、どっちがどっちだか分からないこともあるけれど。

ふるさとは あなたではない とりかえる
季語=鳥帰る

※いわゆる渡り鳥。日本で越冬した鳥が、春になって北の国の繁殖地に戻ることを「鳥帰る」といいます。
※冬を日本で過ごす鳥は、カリ、カモ、ハクチョウ、ユリカモメ、マナヅル、オオワシ、ツグミ、ヒワなど、
大型から小型までその種類は多いそうです。
※取り替える? きょうもありがとうございます。


3月9日(火)

茎立やときにやさしくなにげなく

忍耐とは、時間の扱い方なんだってさ。
能率や効率とは相反するものらしいです。
むずかしくてよくわかんないけどね。
ともかくも、たんに我慢する、ということではないようです。

くくたちや ときにやさしく なにげなく
季語=茎立

※キャベツや大根、カブ、菜類に花茎がでること。「薹(とう)が立つ」の語源です。
※花茎の伸びた葉菜や根菜などはまずくて食せないとか。
※本来は花を愛でるものではないけれど、それはそれで好いものだと思います。
※ゴールの見えないマラソンは最悪ですよ。
※ときにね。きょうもありがとうございます。


3月8日(月)

水道水に沈みたる蜆かな

気持ちをリセットするのは、
おいしいものを食べるのが一番だと思うのだけれども・・・・。
それでは単純すぎなんですかね。

すいどうすいに しずみたる しじみかな
季語=蜆

※シジミは春が旬といわれています。
※内海をはじめ、川、沼、湖や池に生息しているそうです。
※蜆汁のシジミはダシなのかい? シジミは食べないのかい?
※泥抜き。きょうもありがとうございます。


3月7日(日)

友愛の欠片が欲しきヒヤシンス

ほんの一歩の差ですら遠く感じるようなら、
本質的な何かが違うのかもしれない。
差が見えないのなら、根本的に力不足。
自分自身に期待しすぎることも、
ひっくり返せば他者への甘えと同じことなのかもしれない。

ゆうあいの かけらがほしき ひやしんす
季語=ヒヤシンス

※秋に植えられた球根は芽を出して冬を越します。そして春に小さな花を集めて咲きます。早春の代表花のひとつ。
※文学では、風信子(ふうしんし)と表記されているそうです。渡来したのは江戸時代末期。今と昔とでは、品種改良されて趣がだいぶ違うようです。
※努力をアピールする人は努力などしていない。「わたしたち」になれないものは「わたし」にもなれない、たぶん。
※ではまたあした。きょうもありがとうございます。


3月6日(土)

烏貝どこに行っても烏貝

思い込みってこわいわ、と思いました。
何度も見ているのに、それが読み取れない。
いやいや、びっくりしました。

からすがい どこにいっても からすがい
季語=烏貝

※日本中の池や沼、川などに生息する、真っ黒の殻の大型の二枚貝。食用にもするそうですが、泥臭くあまり美味しくはないそうです。
※何度も訪れている駅名を完全に間違って覚えていました。人に説明するときにどうも話がかみ合わなくて・・・・へんだなぁ?とは思いつつ最後まで気づかず・・・・。
※あいかわらず。きょうもありがとうございます。


3月5日(金)

ものの芽や無いものねだりばかりなり

自尊心を満たすために
他者をおとしめるようなこともあると思うのね。
よくよく考えてみれば、
ぼく自身にもそういうところはあるな、と思う。
思い至らないのは、すぐに忘れてしまうから
・・・・なのかもしれず。

もののめや ないものねだり ばかりなり
季語=ものの芽

※早春に息吹くすべての芽をさして、ものの芽といいます。
※どうかは知らない。きょうもありがとうございます。


3月4日(木)

春の雪もうしばらくは知らぬ振り

あれこれと悩みを口にする人は、有言不実行であることが多いそうです。
言われてみれば、そうかもしれません。

はるのゆき もうしばらくは しらぬふり
季語=春の雪

※また寒くなりましたね〜。きょうもありがとうございます。


3月3日(水)

古びたる手と目をあわせ雛の宴

「知っている」と言えることなど、まず知らないに等しい、という。

ふるびたる てとめをあわせ ひなのえん
季語=雛の宴

※旧暦の三月三日と今の3月3日では、同じ春でも暖かさが大分違いそうです。
※俳句が17文字で季語があるのは、たぶんどうしても必要だから。その理由は知らないけれど、ほんとに不必要なものならば、とっくの昔に廃れていたはずですよね。
※誰もが詩人になれる、もっともシンプルな器。というのが、その答えだと思っていたけれど、確かにそうなのかもしれないけれど、なんだか違うかもしれません。と、最近、思っています。
※もっともっと単純な理由なのかもね。きょうもありがとうございます。


3月2日(火)

とりとめのなきようにまた水温む

慣れてくれば、神秘性すらいずれは薄れ行くもの。
むしろそんなもの、はじめから持たないものの方が強いのかもね、
とか思ったりなんかして・・・・。

とりとめの なきようにまた みずぬるむ
季語=水温む

※ほんの一時、なんとなく1円玉を財布に入れているのがいやで、なんでだったんでしょうね?、インスタントコーヒーの瓶いっぱいに1円玉を溜めていました。いまでは銀行で両替するのにも換金料が掛かるとかで、で、なんとく1円玉を十枚ずつサイフに入れるようにしていたら、案外減りが早い。そんだけでございます。
※案外気づかすに同じ話を繰り返しているんだろうね。
※若干ね。きょうもありがとうございます。


3月1日(月)

三月の風の冷たき明るさに

そのときの気分でいろいろかわるもの。
いちいち気にしていたら割に合わない。
よそよそしさというのも大切なのかもしれません。

さんがつの かぜのつめたき あかるさに
季語=三月

※1年玉って結構頻繁に使うものなんですね。今まであまり気にしていなかったからさ。
※春とはいえ、寒かったですね。きょうもありがとうございます。

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