2010年

2月28日(日)

遠のきし夢のあとよりミモザ生む

いい人になろうと先回りすると、
大抵は失敗するみたいですよ。

とおのきし ゆめのあとより みもざうむ
季語=ミモザ

※日本でアカシアと呼ばれるものはニセアカシアなのだそうです。と言うことは知識として知ってはいましたが、「ならホンモノは?」と問われても実は知りませんでした。
※ミモザはアカシアの一種で、銀葉アカシアというそうです。で、これが本来のアカシア種なのだとか。
※咲いています。きょうもありがとうございます。


2月27日(土)

崩壊の音は静かに春時雨

距離感ってほんとにむずかしいものだと思います。
いろんな距離感があるけれど、
人それぞれに苦手な距離感というのがあるのでしょうね。
うまく克服した人もいるのだろうけれど・・・・。

ほうかいの おとはしずかに はるしぐれ
季語=春時雨

※これでいいのか?、と思う。きょうもありがとうございます。


2月26日(金)

さふらんの花にこぼれる孝不孝

同属嫌悪というのは、あるのでしょうね。
ありますね。困ったものですよ。ほんとにね。

さふらんの はなにこぼれる こうふこう
季語=サフランの花

※アヤメ科の球根草。朝日があたると花が開き、夕日に閉じる。
※園芸では秋咲きをサフランといい、春をクロッカスと呼び分けているそうです
※俳句では「春咲きサフラン」とか「秋咲きサフラン」とかいう場合も。
※季語集によっては、春をクロッカス、秋をサフランとしているものもあります。
※リセットもクセになると、ただの時間の浪費なのかもしれないです。
※よくかわらんです。きょうもありがとうございます。


2月25日(木)

絵踏かな粗末にされしわだかまり

確信は不安の裏返しなのかもしれない。
少々、不安なことの方が最終的には上手くいくような気がします。
なんとなくですけど。

えぶみかな そまつにされし わだかまり
季語=絵踏

※踏み絵のことです。現代の季語ではありません。
※キリスト教が禁制になった江戸時代の寛永六年(1629)〜安政三年(1856)まで続いたそうです。
※その踏み絵が行われたのが旧暦一月四日以降だったそうで、二月から三月くらいまで続いたそうです。
※効果があったのは始めのうちで、後には毎年のイベントのようになったみたいです。
※めずらしい季語だから使ってみたかったのです。ただそれだけです。
※不安を不満に変えないように。きょうもありがとうございます。


2月24日(水)

自ずから知れ渡るもの蕗の薹

気づいても腑に落ちないことって、結構あります。
わかっちゃいるけど、身に付かない。
結局は他人事だからですかね?

おのずから しれわたるもの ふきのとう
季語=蕗の薹

※利き手の親指を捻挫すると案外不自由です。ぜんぜん大したことないんですけどね。
※パソコンのキーボードを打つときって、親指もわりと使っていたんですね。
※そっか。きょうもありがとうございます。


2月23日(火)

草青むなくしたものは戻らずも

うまいこと言ったなぁと思うときは、
大してうまくもなんともないものだったりする。
むしろ、時間がたつほどに恥ずかしくなる、
こともあったりなかったり。

くさあおむ なくしたものは もどらずも
季語=草青む

※「草青む」は、草の青さが新鮮ですね〜、といった感じの春の季題です。
※正当があるから、その逆が輝くのであって、別にいがみ合う必要などぜんぜんない。
※信頼関係のうすいもの同士では、とかくマイナス感情が生じやすいものらしい。
※違いはなに? きょうもありがとうございます。


2月22日(月)

春暁や涙の止め方を知らぬ

中途半端な知識は邪魔なもの。
中途半端だと認識していれば、
邪魔なものなど何もないのかもしれないけれど。

しゅんぎょうや なみだのとめかたをしらぬ
季語=春暁

※春の夜の明け方。日の出前のほの明るい闇のこと。


2月21日(日)

三方を丸く収めて梅の咲く

同じことばかりしていたら、いつか飽きますよ。
とうぜんですよ。
ただ、その時間には個人差があるのでしょうけれども。

さんぽうを まるくおさめて うめのさく
季語=梅


2月20日(土)

春時雨届かぬものに届きしも

いつも元気な人って、いつでもどこでも元気なのでしょうか?
上機嫌な人が元気なのでしょうか?
なんだっけ?

はるしぐれ とどかぬものに とどきしも
季語=春時雨

※時雨は、急に降ってさっとあがる雨のこと。春の時雨だから春時雨。
※春という一字が付くと、どんなものでも明るい感じがします。


2月19日(金)

春の雪気付けば嘘の多くなり

人間誰しも動機がなくて何かをすることはない、のか?
どんなことでもそうなのか?
そう考えるからそうなのか?

はるのゆき きづけばうその おおくなり
季語=春の雪

※雪は降る地域によって、その印象がぜんぜん違うのでしょうね。
※東京の雪は降った次の日の朝が大変ですよね。慣れていないから。
※自分のこころにないものはカタチにはならないものなのでしょうか。


2月18日(木)

春寒や何度逃げても同じこと

幸せな人が幸せな詩をつくるとは限らないし、
さみしい人がさみしい詩をつくるとも限らない。
ただ、満足してしまったら、
つくれない詩もあるのかもしれません。
と、今は思うのだけれど・・・・

はるさむや なんどにげても おなじこと
季語=春寒

※寒明け後の寒さのこと。余寒と同じですが、春という一字が含む語感に違いがあるようです。


2月17日(水)

右に天使左に悪魔氷解

どうしようもないことは、どうしようもない。
美点をみましょう、というけどね。
どうしようもないものは、どうしようもない。

みぎにてんし ひだりにあくま こおりどけ
季語=氷解

※眠くてどうしようもない。きょうもありがとうございます。


2月16日(火)

春遅々と踏みしめし影揺れにけり

人は殻などもってない。
必要ないからないはずなのに、
必要に駆られてつくり出す。
気付いたときには、半径5メートル、
意外にりっぱな殻だった。

はるちちと ふみしめしかげ ゆれにけり
季語=春遅々

※暦上は春なのにぃ〜、という感じの季語です。
※なんとなく、5メートル。きょうもありがとうございます。


2月15日(月)

ひと山を動かすほどの余寒かな

お客様と直接は関わらない業務はあるけれど、
お客様の存在しない仕事はない。
そういえばと思っただけなんですけどね。

ひとやまを うごかすほどの よかんかな
季語=余寒

※寒が明け後に、まだ残る寒さのこと。
※羊羹ですが。ぜんぜん関係ないけれど、値段と品質の比例をはっきりと認識したのが、とらやのヨウカンだったんですよね。そういえば思い出しました。値段にも驚いたけれど、こんなにも違うのかってびっくりしたもの。
※オリンピックですね。きょうもありがとうございます。


2月14日(日)

雪濁り新しきことはじまりぬ

すごいものを、すてきなことを、
無邪気に賞賛できたらいいですね。
微妙な講釈よりも、
「すばらしい」だけで十分うれしい。
社交辞令か否かなど案外すぐに分かるもの・・・・
だから言葉を多く必要とするのかな?

ゆきにごり あたらしきこと はじまりぬ
季語=雪濁り

※降り積もった雪が解けて流れだし、川や海の濁ることをユキニゴリといいます。
※言葉にしなければ分からないこともいっぱいあるけどね。
※ですね。きょうもありがとうございます。


2月13日(土)

黄梅やからくりの螺旋緩みたる

どんなものにも一長一短はあるもの。
とはいえ、徹底されたものは自ずと魅了を発するようです。
徹底する方向もあるのでしょうが・・・・。

おうばいや からくりのねじ ゆるみたる
季語=黄梅

※別名を迎春花。つる状に長く伸びた枝に、葉に先立って鮮黄色の花を咲かせます。
※花の形がウメに似ていることから、黄梅の名が付いたそうですが、実際はモクセイ科です。
※でもモクセイとは異なり、花に香りはないそうです。
※どこだ? きょうもありがとうございます。


2月12日(金)

ひとつずつ記憶を消して野焼かな

自分の過去を否定することは、
自分自身の個性を否定することに等しい、のか?
それぞれの個性はそれぞれの過去に根ざしているものなのだから・・・・。

ひとつずつ きおくをけして のやきかな
季語=野焼

※春先、野の枯草を焼き払うこと。害虫駆除となり、灰は肥料になるそうです。
※一度だけ野焼きらしいことをしたことがありますが、あまりの火の早さに驚きました
※ですよね。きょうもありがとうございます。


2月11日(木)

薄氷やひそみし故にひそむなり

いやぁ〜、寒いこと、寒いこと。
春かと思えば、また冬で、
まぁ体温調節が大変です。

うすらいや ひそみしゆえに ひそむなり
季語=薄氷

※子どもの頃から体温調節が若干へたでして。
※春とはいえ寒い日に、うっすらと張る氷のことです。
※顰み、潜み。きょうもありがとうございます。


2月10日(水)

かなしみの度合いを変えていぬふぐり

急がば回れというけれど、
チャンスと思えるものをみすみす先延ばしするのは、
ただの小心からのことなのでしょうね、おおくは。
慎重とは違う、困ったものですね。

かなしみの どあいをかえて いぬふぐり
季語=いぬふぐり

※あははは。きょうもありがとうございます。


2月9日(火)

干からびた感情がまた凍返る

そんな大昔のことを、
というような古い話を思い出しては、
怒りを新たにする人っているでしょう?
特技なんですかね?

ひからびた かんじょうがまた いてかえる
季語=凍返る

※暖かくなったと思ったら、急に寒さが戻ること。
※ちっとはためいわく。きょうもありがとうございます。


2月8日(月)

ことごとく消えるとき待つ残る雪

お医者さんにいって薬をもらって、
ひどい風邪だったからしっかり直そうと思って、
めずらしく欠かさず5日分の薬を飲み切ったのですが、
最後に数が合わないんですよね。
よくあることで。
ひとつ余って、ひとつ足りなかった。
薬の数が多すぎです。

ことごとく きえるときまつ のこるゆき
季語=残雪

※日影などに消えきらず残った雪のこと。
※逆ギレ? きょうもありがとうございます。


2月7日(日)

紅梅の花の落ち度は紅さなり

嫌いと苦手は違うのに・・・・。
まぁいいんですけどね。

こうばいの はなのおちどは あかさなり
季語=紅梅

※紅梅は木の随も紅色をしているそうです。
※香りは白梅に劣り、実は採取するでなく、花を観賞するためにあるのだとか。
※狡い人は自分の狡さを、ちゃんと認識しているものなのですかね?
※どうも。きょうもありがとうございます。


2月6日(土)

ろうばいやこのままいつも無表情

ちょっと前のテレビドラマのなかで、
「人は終わらせるために間違う。
終わらないものは、ある意味地獄。」
みたないな台詞があったんですよね。
コメディ系のドラマなんですけどね。
なんとなくメモっていたので・・・・。
おわり。

ろうばいや このままいつも むひょうじょう
季語=臘梅

※その名の通りロウのような質感の黄色い花です。梅のように香りがよく、でも梅とは関係ないそうです。
※いろいろあるけど、蝋人形館って生命のないリアルさが、ちょっぴり薄気味わるい感じがしますよね。
※こだわる人はこだわるけれど、リアルってどこまで追求するべきものなんでしょうかね?
※否定はしませんけどね。きょうもありがとうございます。


2月5日(金)

冬の草あまたの夢を食べ尽くす

「老成」は真似ることができる、と思う。
「屈折」も真似ることはできるけれど、簡単ではない。
俳句がまさにそれだと思う。
明るく健康的な俳句には
いわゆる詩情を感じない、という人もいる。
そうなのかもしれないし、そうでないのかもしれない。

ふゆのくさ あまたのゆめを たべつくす
季語=冬の草

※きのうが立春だったけど、まだまだ寒いですね。雪降ったし。
※天気のような。きょうもありがとうございます。


2月4日(木)

凍蝶や見えないものを見てしまう

相手に期待し過ぎればすれ違う。
そもそも待つことはしんどい。
期待することが悪いのではなく、
その対処がまずいのでしょう、たぶん。

いてちょうや みえないものを みてしまう
季語=凍蝶

※人のことは言えないけどね。きょうもありがとうございます。


2月3日(水)

はじめからおわりを待ちて追儺かな

節分ですね。鬼は外〜

はじめから おわりをまちて ついなかな
季語=追儺

※江戸時代、社会システムとしての穢多緋人(えたひにん)を、石を持って鬼として追い回したそうです。それを追儺の鬼といいます。うる覚えなので江戸時代ではなかったも。
※もともとは平安時代に大晦日の宮中行事だったらしいのですが、今では節分の夜に変わりました。
※福は内。きょうもありがとうございます。


2月2日(火)

私には私の風を野の兎

寂しさとか虚しさとか哀しみは、成長していく環境で薄れていくもの、なのですかね? 
多くを残し過ぎたものが「こども」で、なくしてしまったものが「おとな」? 残しつつも別の何かでバランスを取れるのが「おとな」で、その逆が「こども」とか? 自分のなかの何かではなく、他者の何かでバランスを取っている「隠れこども」なんてのもあったりしてね。その逆に・・・・まぁいいや。

わたしには わたしのかぜを ののうさぎ
季語=兎

※ぶっちゃけ、正直、野生のウサギなど見たことありませんけどね。
※日本の代表的な野生種は分類学上、野兎と呼ばれているそうです。
※天然記念物・奄美の黒ウサギは世界的な珍獣ですが、イメージと違って驚いたことがあります。みみがね、みじかいんですよね。まぁ写真とかイラストでしか見たことないですけど。
※なんで冬の季語だったんだっけ? きょうもありがとうございます。


2月1日(月)

生きること浅ましきこと大鮃

ヒラメというのは高級魚らしいですね。
知らなかったです。
海に潜るとヒラメやカレイを見ることがあります。
ふと生物の進化ってすごいなぁと思ったりしてね。

いきること あさましきこと おおひらめ
季語=鮃

※鰈(かれい)は季語ではないようです。
※「左ひらめの右かれい」というそうで、目の位置で見分けます。
※東京は冬です。きょうもありがとうございます。


Copyright (C) TOKYO MNEMOSYNE All Rights Reserved.