• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2016年4月

30日(土)

寄せ返す定めなきもの春惜しむ

しばらく春の海を眺めてた。

よせかえす さだめなきもの はるおしむ
季語=春惜しむ
※春の終わりを感じ、過ぎ去るのを惜しむこと。
※数日は行楽日和。きょうもありがとうございます。

29日(金)

花過ぎのひとかたまりのさり気なし

連休初日、昼近くまで寝ていたかったけど。

はなすぎの ひとかたまりの さりげなし
季語=花過ぎ
※サクラの花の季節が過ぎたこと。
※もう終わってしまったなぁ、というサクラを惜しむ気持ちから。
※花は葉に。きょうもありがとうございます。

28日(木)

危うさも美醜のひとつ蜆蝶

よく見かける小さな蝶。
いくぶん地味。

あやうさも びしゅうのひとつ しじみちょう
季語=蜆蝶
※羽がシジミの殻に似た文様をしています。
※羽を開いても3センチ程度の大きさ。
※種類が多い。きょうもありがとうございます。

27日(水)

ひしめいてかくも哀しき棕櫚の花

濃厚な感じ。

ひしめいて かくもかなしき しゅろのはな
季語=棕櫚の花
※まっすぐ伸びた幹の頂に大きな団扇のような葉をつけます。
※葉の下に大きな花穂(粟粒のような無数の黄色い花)を垂らします。
※庭や公園でも見られますが、目線を上に向けないと気づかないかも。
※高々と咲いています。きょうもありがとうございます。

26日(火)

あちらでもこちらでもなし風光る

ソメイヨシノも、すっかり葉桜に。

あちらでも こちらでもなし かぜひかる
季語=風光る
※春のやわらかな風のこと。
※春の日差しの中では、風すらきらめくかのようだ。
※という、江戸時代からある心象風景をとらえた季語です。
※うららかな日のこと。きょうもありがとうございます。

25日(月)

晴れそうで忘れな草の美しく

名前の由来とか、
花言葉から説明されがちな花。

はれそうで わすれなぐさの うつくしく
季語=勿忘草
※青紫色の小さな花をたくさん付けます。中心部は黄色い。
※ヨーロッパン原産の帰化植物で、水辺などの湿った場所を好みます。
※見たまま。きょうもありがとうございます。

24日(日)

人の子や鞦韆ときに軋みおり

行ったり、来たり、悩んだり。

ひとのこや しゅうせんときに きしみおり
季語=鞦韆
※ブランコのこと。
※一年中あるものだけれども、春の季語。
※不協和音とか。きょうもありがとうございます。

23日(土)

愛想よく風吹き抜ける青柳

通常は青柳と書いて「あおやぎ」と読みます。
和菓子屋さんに多い名前かも。

あいそよく かぜふきぬける あおやなぎ
季語=青柳
※俳句でヤナギといえば、まずシダレヤナギのこと。
※青と付ける場合は、新緑の瑞々しさを賛美しています。
※ヤナギの仲間は300種類ほど、ほとんどは枝垂れていない。
※柔軟であれ、と思う。きょうもありがとうございます。

22日(金)

とうに咲きつじつまの合う躑躅かな

わりと初夏のイメージですが、
日本の春を代表する花のひとつ。

とうにさき つじつまのあう つつじかな
季語=躑躅
※ツツジはツツジ類の総称です。種類が多い。
※ちなみに総称とした場合、シャクナゲもそれに含まれます。
※早春に咲く淡いピンク色のミツバツツジなどは春っぽい。
※花期が長い。きょうもありがとうございます。

21日(木)

雨音の近くて遠き花水木

思いの濃さは、いろいろ。

あまおとの ちかくてとおき はなみずみ
季語=花水木
※北アメリカ原産の花木。
※明治時代、ワシント市にサクラの苗木を贈った返礼とされた花木です。
※サクラと同じように葉の前に花を付けます。花色は白と薄紅色。
※きょうもありがとうございます。

20日(水)

たそがれていよいよひらく八重桜

サクラは小花柄が長く、
自然下向きに咲きます。

たそがれて いよいよひらく やえざくら
季語=八重桜
※八重咲きのサクラのこと。花びらの数は一輪に20~60枚。
※八重咲きよりもさらに花びらの多いものを「菊咲き」と呼ぶそうです。
※10枚程度は半八重。きょうもありがとうございます。

19日(火)

おごそかにふくらんでくる遅日かな

余震の事実に驚くばかり。

おごそかに ふくらんでくる ちじつかな
季語=遅日
※春になって徐々に日暮れが遅くなること。春日遅々。
※きょうもありがとうございます。

18日(月)

おぼろげな雨の匂いと葱の花

畑に残る、花とも言えない花。

おぼろげな あめのにおいと ねぎのはな
季語=葱の花
※種を取るための花。緑がかった白い小花が球状に群がります。
※全体をみると緑の茎に薄緑の玉を乗せているようにも見えます。
※俳句では葱坊主とも、葱の擬宝珠とも呼ばれます。
※雨粒のかたちにも。きょうもありがとうございます。

17日(日)

春荒の次の一歩のさもおもく

いっときは傘ごと
飛ばされそうな雨と風。

はるあれの つぎのいっぽの さもおもく
季語=春荒
※春の時期の暴風や暴風雨のこと。春嵐と同じ。
※とくに雨を伴う場合に「春荒」と呼ぶ。
※窓をたたく風が残った。きょうもありがとうございます。

16日(土)

目もくれぬ出合いがしらに春紫苑

現在は雑草。
その昔は園芸植物。

めもくれぬ であいがしらに はるじおん
季語=春紫苑
※糸のような無数の細い花びらが特長。
※花色は白もあれば淡い紅紫色もあります。
※下を向いたつぼみが、開花とともに上を向きます。
※キク科の花。きょうもありがとうございます。

15日(金)

楽観に流されそうな春の夢

流されていたかも‥‥。

らっかんに ながされそうな はるのゆめ
季語=春の夢
※「春の夜の夢のごとし」など、はかないことのたとえとして使われます。
※きょうもありがとうございます。

14日(木)

君のあり満天星の花鈴なりに

新葉と同時に花をつけます。

きみのあり どうだんのはな すずなりに
季語=満天星の花
※ドウダンツツジ。スズランに似た白い小花を数多ぶらさげて咲きます。
※ドウダンは灯台がなまったものと言われ、灯台つつじと書くことも。
※俳句では満天星と書くのがふつうで、その由来は中国の故事から。
※熊本で大地震のあった日。きょうもありがとうございます。

13日(水)

断ち切れぬこんなところに母子草

街中のよくある石仏に、
深々とお辞儀をする見知らぬ若い母親がいて。

たちきれぬ こんなところに ははこぐさ
季語=母子草
※春の七種のひとつです。
※昔は御行(ごぎょう/おぎょう)と呼ばれていました。意味は人形。
※白い綿毛のある茎の頂に黄色い小花がかたまって咲きます。
※花の咲いた姿は人がバンザイ\(^o^)/をしているようにも見えます。
※ごく身近な花で、道端のコンクリートのすきまにすら生えています。
※妙に新鮮でした。きょうもありがとうございます。

12日(火)

チューリップ負けず嫌いでさわりなし

花びらが落ちそうで落ちない。

ちょーりっぷ まけずぎらいで さわりなし
季語=チューリップ
※日本では富山、新潟が球根の産地なのだとか。
※花壇や切り花で身近な花。きょうもありがとうございます。

11日(月)

待ちわびて桜しべ降る新しく

サクラの花は、しべが長い。

まちわびて さくらしべふる あたらしく
季語=桜蕊降る
※花の散ったあと、赤いしべが散りはじめます。
※降り積もったしべは、ときに地面を赤く染めたかのよう。
※八重桜がまもなく見ごろに。きょうもありがとうございます。

10日(日)

たんぽぽの絮おぼつかなさに立ち止まる

風などなくても飛ぶのに。

たんぽぽのわた おぼつかなさに たちどまる
季語=蒲公英の絮
※花のあとの綿毛のことです。
※この綿毛は種子を遠くに運ぶための白い冠毛(かんもう)。
※ふと目で追うことも。きょうもありがとうございます。

9日(土)

人という何かに疲れ花吹雪

サクラの散り方を、
潔いとはいうけれど?

ひとという なにかにつかれ はなふぶき
季語=花吹雪
※いっせいに舞い散るサクラの花びらのこと。
※その姿を吹雪に例えています。美しさなのか、激しさなのか。
※なんとなくの疑問符。きょうもありがとうございます。

8日(金)

遠慮なく生きて一途な花蘇芳

遠目にもよくわかります。

えんりょなく いきていちずな はなずおう
季語=花蘇芳
※葉の出る前に蝶型の花をびっしりと隙間なく咲かせます。
※明るい紅紫色で、300年以上も前から庭木として愛されてきました。
※葉っぱは可愛らしいハート形をしています。
※マメ科です。きょうもありがとうございます。

7日(木)

幸運も不幸も降るぬ花の雨

雨上がりの夕日がまぶしかった。

こううんも ふこうもふるぬ はなのあめ
季語=花の雨
※桜が咲いているときに降る雨のこと。
※桜雨とも。きょうもありがとうございます。

6日(水)

水すこしカルキ臭くて杉菜生う

みなに愛されたツクシも
スギナとなると雑草扱い。

みずすこし かるきくさくて すぎなおう
季語=杉菜
※ツクシが役目を終えたあとに、同じ地下茎から生えてくる草。
※各々に役割がありツクシは胞子茎、スギナは栄養茎として働きます。
※その繁殖力の強さが災いして、根絶やしの難しい雑草となります。
※雨の後の。きょうもありがとうございます。

5日(火)

歯並びの悪さをながめ竹の秋

ほとんどの人は、気づかない。

はならびの わるさをながめ たけのあき
季語=竹の秋
※竹は筍を育てるために栄養を与え、葉が黄ばみ出します。
※3月、4月がちょうどその時期。
※それを秋の黄葉に見立てて、竹の秋と呼びます。
※もしくは気にしない。きょうもありがとうございます。

4日(月)

白詰草わたしのために敷き詰める

四葉のクローバ―探しは春。

しろつめくさ わたしのために しきつめる
季語=白詰草
※マメ科の多年草で、ヨーロッパ原産。
※クローバーのことで、緑肥や牧草として栽培されます。
※和名を白詰草(しろつめくさ)、またはうまごやしといいます。
※白い花が咲くのは初夏。きょうもありがとうございます。

3日(日)

のびのびと消えては生まれ石鹸玉

花曇でも、しゃぼん玉は七色。

のびのびと きえてはうまれ しゃぼんだま
季語=石鹸玉
※江戸時代には石鹸玉売りがいたそうです。
※当時はむくろじの実を使っていました。
※なぜ春なのかはわかりませんが、春の季語。
※舞い散る桜も。きょうもありがとうございます。

2日(土)

おもねればおもねるだけの花疲れ

花見にはお酒とお追従が付きもの。

おもねれば おもねるだけの はなづかれ
季語=花疲れ
※理由はどうあれ花見のあとは疲れやすい。
※楽しめば楽しい。きょうもありがとうございます。

1日(金)

さくらみてサクラの重み花曇

桜並木を見上げて歩く。

さくらみて さくらのおもみ はなぐもり
季語=花曇
※桜の花が咲いているときの曇り空のこと。
※4月の天気もかわりやすい。夜は雨でした。
※日本ブームとか。きょうもありがとうございます。