俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2017年2月

28日(火)

納豆の糸のみだれや二月尽

尽は、すべてなくなること。
つまり月末を表します。

なっとうの いとのみだれや にがつじん
季語=二月尽
※2月もおわり。これから春本番へという期待感があります。
※寒さもゆるむ感じ。きょうもありがとうございます。

27日(月)

草青む合わせ鏡の淋しさに

雲のかたちが
和らいだと思ったら、
またどんより。

くさあおむ あわせかがみの さびしさに
季語=草青む
※大地から草の芽が見えはじめることを「下萌(したもえ)」といいます。
※そこから青々と伸びる様子が「草青む」です。
※「若返る草」とも言うよ。きょうもありがとうございます。

26日(日)

恋猫の客観主観不信感

「れんびょう」と読むものと
長らく信じ込んでいたら、
ふつうに、すなおに、読むものなのね。

こいねこの きゃっかんしゅかん ふしんかん
季語=恋猫
※いわゆる猫の発情期のこと。年に何度かありますが、季語としては早春となります。
※まあうるさい。きょうもありがとうございます。

25日(土)

わなないて三色すみれ隙間なく

パンジーのこと。
花のかたちをよくよく見ると
哲学的な顔に見えてくる?

わなないて さんしきすみれ すきまなく
季語=三色菫
※「さんしょく」ではなく「さんしき」と読みます。
※今でこそ多彩ですが、もとは白・黄・紫の三色だけでした。
※フランス語の「パンセ(思想/思考)」の語源とも言われています。
※花壇のなかの花。きょうもありがとうございます。

24日(金)

出鱈目に踊りて明日ミモザ咲く

ミモザの花が
咲きはじめました。

でたらめに おどりてあした みもざさく
季語=ミモザ
※アカシアの一種。オーストラリア原産のマメ科の常緑高木。
※いかにも南の楽園に咲いていそうな花。
※真っ黄色な球状の花を、枝いっぱいに飾り付けます。
※まわりが明るくなる。きょうもありがとうございます。

23日(木)

新しく浮かぶ迷いも黄水仙

すでに疲れた感じの花も。

あたらしく うかぶまよいも きずいせん
季語=黄水仙
※黄色い花を咲かせるスイセンの一品種です。
※スイセンは冬の花、キズイセンは春の花となります。
※南ヨーロッパ原産の花。きょうもありがとうございます。

22日(水)

辛抱の利かぬものいて白椿

赤と白は、けっこう対極的ですよね。

しんぼうの きかぬものいて しろつばき
季語=白椿
※白い椿のこと。ぽってりした厚みのある花。
※常緑樹。きょうもありがとうございます。

21日(火)

待つこと大事河津桜のふくふくと

ソメイヨシノより花が大きく、
しっかりとしたサクラ色です。

まつことだいじ かわづざくらの ふくふくと
季語=桜
※河津桜は2月のまだ寒い時期から咲きはじめます。
※そのため花の寿命が長く、おおよそひと月は咲き続けます。
※早咲きのサクラです。きょうもありがとうございます。

20日(月)

ぶらんこの風に軋めば風をこい

風の強さは、我の強さ。

ぶらんこの かぜにきしめば かぜをこい
季語=ぶらんこ
※俳句では「鞦韆(しゅうせん)」、または「ふらここ」と呼ぶことが多い。
※曇りのち雨はやだな。きょうもありがとうございます。

19日(日)

捨て置いたこと思い出す二月かな

雨音? 窓をあけてみてびっくり。
午前1時過ぎ、外は雪景色でしたよ。

すておいたこと おもいだす にがつかな
季語=二月
※2月は冬と春の境い目。冬と春を行ったり来たり。
※それだけに寒中よりも寒いと感じるのかもしれない。
※朝には跡形もなく。きょうもありがとうございます。

18日(土)

春菊や鼻の奥よりかいつまむ

嫌いなら、大げさに顔をしかめればいい。
でも、好きは、意外に伝わらない。

しゅんぎくや はなのおくより かいつまむ
季語=春菊
※香りが強くクセがあるが、鍋や和え物などに好まれる食材。
※ちなみに香りの強いものほど新鮮です。
※ヨーロッパでは観賞用に栽培されているとか(そうなの!?)。
※花は黄色いそうだ。きょうもありがとうございます。

17日(金)

踏み絵とは日常のそれ犬ふぐり

それはもう
踏まれやすい場所に
咲いています。

ふみえとは にちじょうのそれ いぬふぐり
季語=犬ふぐり
※ごく小さな瑠璃色の、かわいらしい雑草の花。
※道路のわき、芝生の上、あらゆるところに根付きます。
※「ふぐり」とは陰嚢のこと。秋につける実が犬のそれに似ているから。ぶーらぶら。なんとも気の毒な名前です。
※じつはヨーロッパ原産の帰化植物で、明治初頭に渡来した。
※厳密には「踏み絵」も初春の歴史的季語。江戸時代の九州地方では、毎年この時期になると大々的に敢行されました。
※この強風、春一番!? きょうもありがとうございます。

16日(木)

歯を見せて春の林檎となりにけり

あたふたしそうなら、
とりあえず笑ってみます。

はをみせて はるのりんごと なりにけり
季語=春
※リンゴは秋の季語。
※今市場に出回っているのは、秋に収穫されたものです。
※鼻歌もいいかも。きょうもありがとうございます。

15日(水)

白々と遠のくゆえの春の雲

春は空そのものが、
白くかすんでいるようにも見えます。

しらじらと とおのくゆえの はるのくも
季語=春の雲
※春の雲のイメージは、ぼんやり、ふんわり。
※多くは輪郭のはっきりとしたものではありません。
※青春時代のように。きょうもありがとうございます。

14日(火)

春の蕗好きになりたるおもしろさ

縁は異なもの、味なもの。

はるのふき すきになりたる おもしろさ
季語=春の蕗
※蕗の薹(ふきのとう)のこと。春の訪れを知る山菜のひとつ。
※天ぷら、佃煮、和え物などにして。その香りとほろ苦さが好まれます。
※個人的には河原や土手でみるイメージですが、案外、どこにでも芽を出すそうです。
※フキにも雌雄があるとか。きょうもありがとうございます。

13日(月)

言い切りし春の寒さよ寂しさよ

断定もよいけれど、
曖昧もおもしろい。

いいきりし はるのさむさよ さみしさよ
季語=春寒
※河津桜が咲いています。きょうもありがとうございます。

12日(日)

生きものを一跨ぎして春兆す

良いことにも、悪いことにも、
兆候のようなものはありますね。

いきものを ひとまたぎして はるきざす
季語=春きざす
※立春後の2月の空気感。春の気配のこと。
※寒さの中にも春らしさ。きょうもありがとうございます。

11日(土)

賽銭の小銭を選び冴え返る

真冬の透き通るような寒さとは、
ちょっと違う。

さいせんの こぜにをえらび さえかえる
季語=冴え返る
※春らしくなった後にぶり返す寒さ。
※少々憎らしい。きょうもありがとうございます。

10日(金)

傷口のひらきて梅のあかさたな

編集・ライター等の専門用語で
漢字をあえて平仮名にすることを
「ひらく」といいます。
所により通じないこともありますよ。

きずぐちの ひらきてうめの あかさたな
季語=梅
※ひとくちに梅といっても、いろいろあります。
※紅梅なら濃い色から薄い色まで、一重や八重咲きも。
※咲きはじめる時期も種類により順番がある。
※後から咲けば長く咲く。きょうもありがとうございます。

9日(木)

悪態はひとまず雪となりにけり

早朝、わずかな間、雪でした。

あくたいは ひとまずゆきと なりにけり
季語=雪
※雪の一語には、降っている、もしくは積もっている、という現在系のイメージが広く含まれていそう。
※地域によるのかな。きょうもありがとうございます。

8日(水)

驚いて折り目正しく芽吹きおり

芽吹きの早いもの、遅いもの、
いろいろあります。

おどろいて おりめただしく めぶきおり
季語=芽吹く
※さまざまな木々の芽のこと。
※また冬日だし。きょうもありがとうございます。

7日(火)

春寒や嘆きの礫ふつふつと

朝は街中日陰ばかり。
まだまだ日差しが低いからね。

はるさむや なげきのつぶて ふつふつと
季語=春寒
※暦の上では春なのに寒い!、という感じの季語です。
※俳句では「はるさむ」と読みます。一般的には「しゅんかん」ですかね。
※春寒の候、いかがお過ごし? きょうもありがとうございます。

6日(月)

軽くとじ口角を上げ梅香る

ところにより
遅い速いはありますよ。

かるくとじ こうかくをあげ うめかおる
季語=梅
※今でこそ年明け早々に咲く花もありますが、その昔はウメが一番先に開花する花木でした。
※「花の兄」や「春告草」という傍題はその名残りかと。
※その寿命は300年以上とも。きょうもありがとうございます。

5日(日)

口開けて菜の花ばたけ頼もしく

少し前から一面に咲いています。

くちあけて なのはなばたけ たのもしく
季語=菜の花
※いかにも日本的な風景ですが、公園などで見る菜の花はセイヨウアブラナと呼ばれる種類かと。
※黄色い十字の花。きょうもありがとうございます。

4日(土)

つらなりてグーチョキパーで春かえる

いつか恵方巻も季語となるのかしら?

つらなりて ぐーちょきぱーで はるかえる
季語=春かえる
※立春のこと。春立つ、春来る、春になるも同じ。
※暦の上では今日から春となります。
※ちなみに「恵方」はその年のめでたい方角のことで、新年の季語でもあります。
※今年は北北西でしたね。きょうもありがとうございます。

3日(金)

慢心というをさておき福は内

鬼は外、福は内と唱え、
春を迎えます。

まんしんという をさておき ふくはうち
季語=福は内
※節分の豆まきのこと。本来は夜に行います。
※現在の豆まきは、古くは宮中の大晦日の儀式と農村の祭事が長い時間をかけて混ぜこぜになったものと言われています。
※時事ネタっぽいね。きょうもありがとうございます

2日(木)

釘なりて一途ならざる冬三日月

折れたり、出っぱったり、曲がったり。

くぎなりて いちずならざる ふゆみかづき
季語=冬三日月
※もうすぐ立春。すでに寒々とした青白い月ではないけれど、春の月ともちょっと違う。
※東京の雪は2月に多い。きょうもありがとうございます。

1日(火)

缶コーヒー温む甘さや春隣

「となり」は「ちかく」よりも、
ぐっと身近な感じです。

かんこーひー ぬるむあまさや はるとなり
季語=春隣
※春近し、春まじかなどと同じ意味合いの季語です。
※木々の枝先には春に咲く蕾がしっかりと確認できます。
※背中は寒いけど。きょうもありがとうございます。