• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2017年8月

31日(木)

さしあたり丸みをおびし秋の朝

昼間も涼しかった。
雨だったし。

さしあたり まるみをおびし あきのあさ
季語=秋の朝
※8月も下旬になると朝夕に秋らしさを感じはじめます。
※明け方はめっきり。きょうもありがとうございます。

30日(水)

約束にさして頼らず夜に桃

冷蔵庫での冷し過ぎは、
せっかくの桃の味を損ねてしまうそうだ。

やくそくに さしてたよらず よるにもも
季語=桃
※弥生時代には、すでに食べられていたとか。
※タイミングが肝心。きょうもありがとうございます。

29日(火)

本棚に収まりきらぬ残暑かな

いつの間にかまた、
あふれたままで未整理。

ほんだなに おさまりきらぬ ざんしょかな
季語=残暑
※立秋後の暑さをいいます。
※日中は真夏より耐えがたいことも。
※朝夕は秋めく。きょうもありがとうございます。

28日(月)

退屈は汚れのひとつ猫じゃらし

日本で自生する雑草の中で、
いまなお、とっても有名な雑草かもしれない。

たいくつは よごれのひとつ ねこじゃらし
季語=猫じゃらし
※イネ科。主題は狗尾草(えのころぐさ)です。犬の尾っぽのたとえ。
※農耕伝来とともに帰化したと考えられています。
※粟の祖先とも。きょうもありがとうございます。

27日(日)

道徳の傷まぬうちに秋の風

華やかさは
期待しないこと。

どうとくの いたまぬうちに あきのかぜ
季語=秋の風
※秋に吹く風のこと。「あわれ」や「しみじみ」といったイメージが強い。
※夕方はとくに。きょうもありがとうございます。

26日(土)

身のほどを知りて叫びぬ蝉時雨

重奏的で、楽しげ、
ではないのかも‥‥、切実。

みのほどを しりてさけびぬ せみしぐれ
季語=蝉時雨
※都心は想像以上に緑が多いと聞いたことがある。人工的なものだけれども。
※都会の隙間に。きょうもありがとうございます。

25日(金)

勝ち負けの鋭く残るちろろ虫

真夜中ともなれば、
窓を閉め切って冷房を付けていても
それとなく聞こえてきます。

かちまけの するどくのこる ちろろむし
季語=ちろろ虫
※コオロギのこと。リリリリと鳴くのはツヅレサセコオロギ(綴刺蟋蟀)という名前なのだそうです。
※静かは時間帯。きょうもありがとうございます。

24日(木)

貧乏が人柄となり秋の蝉

ツクツクボウシが鳴きはじめたらしい。
コンビニのおでんの販売もはじまった。

びんぼうが ひとがらとなり あきのせみ
季語=秋の蝉
※秋になって鳴いているセミのこと。
※夏のセミもまだまだじゃんじゃん鳴いています。
※ツクツクボウシやヒグラシなど秋から鳴きはじめるセミだけじゃないということ。
※ところにより。きょうもありがとうございます。

23日(水)

新月は誰のものでもなく不安

最近、ずっと雨だったからか、
月を見ていない気がする。

しんげつは だれのものでもなくふあん
季語=新月
※旧暦各月の一日の月のこと。
※月と太陽がちょうど重なるので地上からは見えない。
※目に見ないので細い三日月を新月ということもあります。
※暑かったね~。きょうもありがとうございます。

22日(火)

夏日かな話し言葉はふらふらと

明日からまた夏の陽気に戻る、
とか聞いたけど。。。

なつびかな はなしことばは ふらふらと
季語=夏日
※ギラギラ、サンサン、夏の太陽のこと。またはその日差し。
※熱中症にご注意! きょうもありがとうございます。

21日(月)

花ふよう文脈たどり前のめり

大きな花を、
ふんわりと咲かせます。

はなふよう ぶんみゃくたどり まえのめり
季語=花芙蓉
※フヨウはムクゲと同じアオイ科の落葉低木。
※1日花で、次々に咲きます。花期は8~10月くらい。
※花が終われば実になるが、これが薄緑色でつぼみにもみえる。
※花色は薄紅が代表的。きょうもありがとうございます。

20日(日)

いつ消えるともなく西瓜並びおり

8月が終われば、
ほぼ店頭では見かけなくなる。

いつきえるともなくすいか ならびおり
季語=西瓜
※スイカの美味しい時期は、7~8月といわれています。
※旬は初秋、つまり今? きょうもありがとうございます。

19日(土)

日常に所属のありぬはたた神

今どき、使わない言葉だけれども‥‥

にちじょうに しょぞくのありぬ はたたがみ
季語=はたた神
※カミナリのこと。夏のカミナリはとかく激しい。
※落雷で電車もとまる。きょうもありがとうございます。

18日(金)

空蝉のいのちの色はねずみ色

雨、雨、雨、でもセミは鳴く。

うつせみの いのちのいろは ねずみいろ
季語=空蝉
※セミの抜け殻。殻を脱いで成虫となるのは夜のうち。
※「空蝉」という言葉は平安時代に誕生したそうです。
※連日の雨と曇天。きょうもありがとうございます。

17日(木)

たいくつな空におしろい気どりなく

可愛らしい花なので、
長年、誰かが植えたものと思っていたけれど、
じつはそうでもないらしい。

たいくつな そらにおしろい きどりなく
季語=おしろい
※道端でよくみる花。一般的には庭で栽培する花です。
※繁殖力が強くふつうに野生化しています。メキシコ原産。
※葉の茂り方は雑草的。きょうもありがとうございます。

16日(水)

真っ直ぐか問われてよりの新生姜

日本料理には欠かせない。

まっすぐか とわれてよりの しんしょうが
季語=新生姜
※新生姜は、みずみずしい根ショウガのこと。
※一般的なショウガは古生姜(ひねしょうが)といいます。
※中国より渡来したのは3世紀以前といわれています。
※先端が紅い。きょうもありがとうございます。

15日(火)

長雨にまぎれ八月十五日

15日連続の雨。
言われてはじめて気づく。

ながあめにまぎれ はちがつじゅうごにち
季語=八月十五日
※終戦の日。きょうもありがとうございます。

14日(月)

しゃんとしてしゃんと飛び立つ蜻蛉かな

大型の「やんま」は、
見つけてもあっという間にいなくなる。

しゃんとして しゃんととびたつ とんぼかな
季語=蜻蛉
※古くは「あきつ」、「せいれい」とも読みます。
※初夏にはすでに飛んでいるトンボですが、秋の季語です。
※赤とんぼ以外は、夏の日差しがとてもよく似合います。
※生息場は水辺。きょうもありがとうございます。

13日(日)

くっきりと下る昏さに岩清水

たいていは、日陰でしょうか。

くっきりと くだるくらさに いわしみず
季語=岩清水
※天然の湧き水のこと。
※場所によって岩だの苔だの寺だのが付きます。
※いかにも涼しげ。きょうもありがとうございます。

12日(土)

朝顔や二つ返事はとりあえず

世代によって、
アサガオから連想する色は
違うのかもしれない。

あさがおや ふたつへんじは とりあえず
季語=朝顔
※日本に渡って来たのは、遣唐使の時代と言われています。
※広く親しまれるようになったのは、江戸時代。
※観察日記の定番? きょうもありがとうございます。

11日(金)

甘やかす人の輪に入り白木槿

フヨウの花も咲いています。
同じアオイ科の落葉低木。

あまやかす ひとのわにいり しろむくげ
季語=木槿
※白は園芸種。
※ムクゲといえば、赤紫色ですかね。いろいろあるけれど。
※ムクゲは一日花。きょうもありがとうございます。

10日(木)

コーヒーを濃いめに入れて星流る

インスタントコーヒーも、
値段が高いものの方が、うまい気がする。

こーひーを こいめにいれて ほしながる
季語=星流る
※流れ星は8月中旬に多いといわれています。
※明日は残念、雨模様。きょうもありがとうございます。

9日(水)

律義さに驚くほどの虫の声

昨日は気づきませんでしたが、
秋の虫がきっちりと鳴いています。

りちぎさに おどろくほどの むしのこえ
季語=虫
※秋に鳴く虫を総称して「虫」といいます。
※てっきり。きょうもありがとうございます。

8日(火)

自惚れもつまりは揺らぐ今朝の秋

日本が亜熱帯などになったら、
ほとんどの季語が消滅するな。
いつのことかは知らないが。

うぬぼれも つまりはゆらぐ けさのあき
季語=今朝の秋
※立秋の日の朝のこと。昨日が立秋でした。
※このところの秋の気配といえば、台風かしら??
※残暑お見舞い申し上げます。きょうもありがとうございます。

7日(月)

切れ切れに燻る如くひとりむし

「ひとりむし」
ひらがなにしたら、
なんだかよくわからない。
でも、なんか、おもしろい。

きれぎれに くすぶるごとく ひとりむし
季語=火取虫
※灯火に集まる夏の虫のこと。そのまわりを飛びまわる。
※ガが一番多いと思いますが、コガネムシもよく見る。
※常夜灯の下にいろんな虫。きょうもありがとうございます。

6日(日)

すれ違う人の多さや風死せり

酷暑にて、日陰ひとつない
真昼間の横断歩道待ちとか。

すれちがう ひとのおおさや かぜしせり
季語=風死す
※単に無風ということでなく、さっきまで吹いていた風がピタリと止んでしまったことをいう。
※体調管理を大切に。きょうもありがとうございます。

5日(土)

八つ当たりぎみに病葉ねじれおり

全体が青々としているので、
しぜん、目立ちます。

やつあたりぎみに わくらばねじれおり
季語=病葉
※夏の繁茂の時期に、虫食いなどで変色したり、落ちたり、変形したりする葉のこと。
※理由はいろいろ。きょうもありがとうございます。

4日(金)

茄子よりは花がすまして皮肉など

ナスは花と実が
同時期にみられます。

なすよりは はながすまして ひにくなど
季語=茄子の花
※花は初夏から秋まで咲きます。そして次々と実をつけます。
※花は薄紫色で、その昔は観賞用だったともいわれています。
※インド原産。きょうもありがとうございます。

3日(木)

見当もつかぬ答えに羽蟻這う

突然羽が生えてきて、
うまく飛べるものなのだろうかね。

けんとうも つかぬこたえに はありはう
季語=羽蟻
※アリに羽が生えるのは、交尾期の特長といわれています。
※初夏から晩夏にかけて多くなります。
※ウロウロしてた。きょうもありがとうございます。

2日(水)

半べそのそのまま烏瓜の花

しぼんだ花で気づくことも。

はんべそのそのまま からすうりのはな
季語=烏瓜の花
※夜に咲くつる性の花。
※レースを広げたような白い花が独特です。
※朝にはしぼみます。きょうもありがとうございます。

1日(火)

こめかみを強くおさえて戻り梅雨

まったくもって
梅雨時のようです。

こめかみを つよくおさえて もどりつゆ
季語=戻り梅雨
※梅雨明け後に、また梅雨のような雨が降ること。
※しばらく天候不順。きょうもありがとうございます。