今日の俳句、こうのこうき
2018年8月
31日(金)
変わり目にすり切れるほど草の花
コスモスが咲いています。 毎年のことですが、明日から9月ですわね。
かわりめに すりきれるほど くさのはな季語=草の花 ※秋といえば草の花です。春はサクラなどの木の花。 ※考えすぎる癖をね。きょうもありがとうございます。
30日(木)
切りすぎてかすかに傷む爪に秋
まったく言葉が浮かばなくて、 気分転換に爪を切っていたら すっと思いついた句。
きりすぎて かすかにいたむ つめにあき季語=秋 ※秋は基本的に過ごしやすい季節です。でも確実に、どんどん寒くなる、冬までの繋ぎの季節とも。 ※洋品店はもう秋・冬物。きょうもありがとうございます。
29日(水)
そんなこんなでへくそかずらの悪びれず
よくある雑草で、手入れのされていない庭のフェンスなどに絡み付いています。 「観賞用でも?」と思えるような、小さくてかわいらしい花ですよ。
そんなこんなで へくそかずらの わるびれず季語=へくそ葛 ※屁糞葛と書くのだから、笑ってしまうほどひどい名前。 ※理由は茎や葉には悪臭があるから。 ※俳句の主季語は「灸花(やいとばな)。火のついたお灸に見立てたとも(諸説あり)。 ※安心してください。早乙女花(さおとめばな)という別名もあります。 ※気にしなければ。きょうもありがとうございます。
28日(火)
ほっとけばいいのにいつもつくつくし
気づかなかっただけと思いますが、 今年初めてつくつく法師の声を聞いたかも。
ほっとけば いいのにいつも つくつくし季語=つくつくし ※法師蝉のこと。出現は8月になってから。 ※ツクツクホーシ、ホーシーツクツクなどと鳴く。 ※蝉時雨な1日。きょうもありがとうございます。
27日(月)
スコールとこの際だからはっきりと
古い雨どいなんて、何の役にも立っていない。 もはやキャパオーバーな感じ。
すこーると このさいだから はっきりと季語=スコール ※東京23区でスコール? 本当にものすごい雨量だった。 ※一般的には熱帯地方での夕立や雷雨を指すことが多い。 ※「壊れる!」と思った。きょうもありがとうございます。
26日(日)
ほどほどにものぐさなりて残暑かな
コンビニから自宅までの ほんの数分で小豆アイスが溶けはじめたよ。
ほどほどに ものぐさなりて ざんしょかな季語=残暑 ※立秋以後の暑さは、同じ気温であっても真夏以上に感じる。 ※暑さ疲れかも。きょうもありがとうございます。
25日(土)
生き方の変わらぬ人の猫じゃらし
このおかしな暑さ、いつまで続くのでしょうね~。(もういいかげんにして!)
いきかたの かわらぬひとの ねこじゃらし季語=猫じゃらし ※猫じゃらしも相変わらず。きょうもありがとうございます。
24日(金)
ささくれて偏りはじめ晩夏光
いかに丈夫な観葉植物といえども、 室内の光だけで丈夫に育てるのは、 あんがいむずかしいようです。っていうか、無理みたい。
ささくれて かたよりはじめ ばんかこう季語=晩夏光 ※夏後半の日差し。何となくでも秋の気配のようなものを感じるようになります。季語集的には立秋前のもの。 ※工夫と手間が必要なのね。きょうもありがとうございます。
23日(木)
前かがみにて台風とすれ違う
強風に向って反り返る人は、 まずいないだろう。
まえかがみにて たいふうと すれちがう季語=台風 ※東京も風が唸ってます。きょうもありがとうございます。
22日(水)
夜の蝉がふいにあらわれ水を買う
ふたたびの猛暑。資源ごみの日のペットボトルの数が凄まじいこと。
よのせみが ふいにあらわれ みずをかう季語=蝉 ※ちょっと油断していた。きょうもありがとうございます。
21日(火)
会話よく不思議と途切れ扇風機
ご丁寧に扇風機だけが首を振っている、なんてね。
かいわよく ふしぎととぎれ せんぷうき季語=扇風機 ※深夜ともなるとクーラーでは冷えすぎますね。 ※ときどき、ふいに。きょうもありがとうございます。
20日(月)
生きやすく生まれ変わりて花木槿
落花しては、次々と咲いている。
いきやすく うまれかわりて はなむくげ季語=木槿 ※五弁の一日花ですが、花期は長く10月くらいまで見られます。 ※剪定に強く、垣根にも利用されるほど丈夫な花木です。 ※花色が豊富。きょうもありがとうございます。
19日(日)
表層にしみこむ月の咀嚼音
風が急に秋らしくなると、 月の見え方も変ったかのように、感じます。
ひょうそうに しみこむつきの そしゃくおん季語=月 ※春は花、夏は緑、秋は月。冬は、なんだろう? 咳? ※今、YouTubeで美しい(?)咀嚼音の動画が流行っているとか。へぇー。 ※ぽっかりと欠けている。きょうもありがとうございます。
18日(土)
太陽は太古のままに赤のまま
正しくは、犬蓼(いぬたで)。 道端に咲いています。
たいようは たいこのままに あかのまま季語=赤のまま ※赤紫色の小粒の花を多数つける。いたるところで見る。 ※同色のタネをままごと遊びの赤飯にしたので、この名がある。 ※秋らしい雑草。きょうもありがとうございます。
17日(金)
カーテンの音する秋の初めかな
久しぶりにクーラーを消して、窓を開けている。
かーてんの おとする あきのはじめかな季語=初秋 ※立秋後の八月のこと。空気はすでに秋らしい。 ※意外にも。きょうもありがとうございます。
16日(木)
まったりと崩しながらのかき氷
都内の有名なかき氷店。 お盆でもやっぱり、それなりに並ぶのね。
まったりと くずしながらの かきごおり季語=かき氷 ※その昔は砂糖をふりかけるだけのシンプルなものだったらしいが、今やメニューが豊富でいろいろと目移りする。 ※トッピングもいろいろ。きょうもありがとうございます。
15日(水)
南瓜切るコツあり八月十五日
カボチャがかなり切りにくいことは知っていたが、スムーズに切るコツがあるなんて 考えもしなかった。
かぼちゃきる こつあり はちがつじゅうごにち季語=八月十五日 ※お盆と終戦日。きょうもありがとうございます。
14日(火)
いくたびのないものねだり踊りけり
さっきから「ふるさと」の歌が頭のなかで何度もリピートしていて‥‥。
いくたびの ないものねだり おどりけり季語=踊り ※盆踊りのこと。きょうもありがとうございます。
13日(月)
落雷に瞬き二つ三つ四つ
すぐ近くに落ちたらしい。 たぶん、目の前のマンション、の避雷針。 ものすごい音だった。
らくらいに まばたきふたつ みっつよつ季語=落雷 ※身がすくんだよ。きょうもありがとうございます。
12日(日)
桃冷すニキビに似たるものつぶす
何かのはずみに、 うっかり潰してしまうこともあるだろうよ。
ももひやす にきびににたるもの つぶす季語=桃 ※モモの実のこと。冷やし過ぎると味が落ちてしまうそうだ。 ※繊細な感じのもの。きょうもありがとうございます。
11日(土)
あら虫が鳴いているのねつつがなく
まだ秋の訪れを 寂しく感じる余裕はない、 かもね。
あらむしが ないているのね つつがなく季語=虫の声 ※耳をすませば、すでに秋の虫が鳴いています。 ※災害級の暑さでも。きょうもありがとうございます。
10日(金)
夕立もいまは静かに干からびる
ほんの一時、パラパラ程度の雨でしたね。
ゆうだちも いまはしずかに ひからびる季語=夕立 ※夏の夕方に降るから夕立。短時間で局地的にザアーと降る雨。 ※この暑さで蝉も熱中症!? きょうもありがとうございます。
9日(木)
向日葵の誰か背中を押してくれ
今年のヒマワリは特に背が高いのでは? 自転車置き場の屋根を超えている。
ひまわりの だれかせなかを おしてくれ季語=向日葵 ※台風一家の青空。きょうもありがとうございます。
8日(水)
台風来る週刊誌には暴露ネタ
電車の中吊り広告など、ついつい読んでしまいますわ。
たいふうくる しゅうかんしには ばくろねた季語=台風 ※続きますね。きょうもありがとうございます。
7日(火)
勉強はとにかく嫌い今朝は秋
今月の電気代に、びっくり!!
べんきょうは とにかくきらい けさはあき季語=今朝の秋 ※立秋の副季語です。 ※エノコログサ(猫じゃらし)が目立ちはじめましたね。 ※ため息がこわい。きょうもありがとうございます。
6日(月)
肩幅の合わぬ服にて原爆忌
「原爆忌」とは、 俳句的な省略の言い方で、 一般的な呼び方ではないようです。
かたはばの あわぬふくにて げんばくき季語=原爆忌 ※1945年、広島、長崎に原爆が投下された日。 ※8月6日と9日。きょうもありがとうございます。
5日(日)
ひりひりとあしたのことを茄子料理
「未来」と書いて「あした」と読ますなどね、なるべく当て字は使わないようにしています。たぶん、一度も使ったことがないんじゃないかな。
ひりひりと あしたのことを なすりょうり季語=茄子料理 ※ナスは、煮る、焼く、炒めるなど、和洋中問わず重宝される夏野菜です。 ※インドの原産で、中国経由で8世紀ごろに日本に。 ※へんなこだわりかも。きょうもありがとうございます。
4日(土)
わくら葉の目立つ大樹の降ってくる
暑すぎるせいなのか、 そこら中の草木が疲れているようにも見える。
わくらばの めだつたいじゅの ふってくる季語=病葉 ※青葉の生い茂る頃の変色した葉のこと。 ※病気の葉だけでなく、本来は青々しているはずの葉が赤や黄色に色づくこともいう。 ※なんだろう。きょうもありがとうございます。
3日(金)
何いったって何やったって西瓜は丸い
おいらはそんなに、丸くはないけどさ。
なにいったって なにやったって すいかはまるい季語=西瓜 ※「1973年に103万トンあったスイカの出荷数は、2015年には30万トン弱に」(日本経済新聞、先月29日付けより)だそうだ。 ※ちなみにスイカは秋の季語。 ※そういえば、だね。きょうもありがとうございます。
2日(木)
すぐ売れるジャスミンの香の白きこと
日本では鉢植えで育てるものらしい。寒さに弱いそうだ。
すぐうれる じゃすみんのかの しろきこと季語=ジャスミン ※真夏に咲く香りのよい白い花。キンモクセイ科。 ※ジャスミン茶は、この花を乾燥させて混ぜたもの。 ※じつに白い。きょうもありがとうございます。
1日(水)
そそくさと眺めるだけの釣忍
道場(合気道の)に向かう途中の 花屋の軒先に吊ってある。 売り物なのか、どうなのか。 今日もあるな、と横目で確認して 大股で通り過ぎる。
そそくさと ながめるだけの つりしのぶ季語=釣忍 ※シダ類のシノブを球形や月、船などに成形したもの。 ※軒先などに吊るして観賞する。シノブの緑葉が涼しげです。 ※風流なもの。きょうもありがとうございます。