今日の俳句、こうのこうき
2019年5月
31日(金)
どくだみの力の抜けし背中より
場所を選ばず生えるので、 ほぼ雑草として扱われる。
どくだみの ちからのぬけし せなかより季語=どくだみ ※ドクダミは通称。正式には十薬と呼ばれ、多くの薬効があることで知られている。 ※見た目は可愛らしいが、独特の臭みがあり日かげを好み群生する。 ※十字の白い花。きょうもありがとうございます。
30日(木)
ハンガーに吊るされている五月など
月末ですね。早いものですね。
はんがーに つるされている ごがつなど季語=五月 ※6月は1年の半分。きょうもありがとうございます。
29日(水)
ぼんやりとおもねる軽さ夏布団
寝しなは蹴とばし、 朝方はくるまっている。
ぼんやりと おもねるかるさ なつぶとん季語=夏布団 ※夏用の薄い布団。きょうもありがとうございます。
28日(火)
見返りに蛍袋の甘くなる
今年は夏の花の開花が、 少々早いのかもしれない。
みかえりに ほたるぶくろの あまくなる季語=蛍袋 ※昔の子どもたちは、この花の中にホタルを入れて遊んだのだとか。 ※乳白色や薄紫色をした釣鐘形の花を付ける。 ※線路脇でよく見る。きょうもありがとうございます。
27日(月)
あくせくと東京中が日焼けして
早くも炎天下。いつもの道が、長く感じたよ。
あくせくと とうきょうじゅうが ひやけして季語=日焼け ※5月も油断できない。きょうもありがとうございます。
26日(日)
横道に入りておどろく蔦若葉
壁面が青々とすれば、風景がかわる。
よこみちに いりておどろく つたわかば季語=蔦若葉 ※壁や塀に絡みつくツタの若葉。季語集によっては春の季語。 ※勢いを感じる5月。きょうもありがとうございます。
25日(土)
せっけんの細るがごとく昼寝覚め
5月とは思えない暑さに、うっかり体調を崩しそう。
せっけんの ほそるがごとく ひるねさめ季語=昼寝覚 ※ふりがなを振らず「昼寝覚」とする場合、読みは「ひるねざめ」と濁る。広辞苑等には載っていないので、俳句独特の言い回しなのかもしれませんね。 ※気を付けましょう。きょうもありがとうございます。
24日(金)
磨かれて自由とみなすブラシの木
ユニークなかたちなので、 一度見たら忘れません。
みがかれて じゆうとみなす ぶらしのき季語=ブラシの木 ※「ブラシの木」は和名で、その名の通りコップを洗うブラシのような赤い花を付けます。 ※原産はオーストラリア。庭木としてわりとよく見る。 ※見ようによっては美しいかも。きょうもありがとうございます。
23日(木)
脳みその沸き立つように夏めく日
ここ数日、夕日は美しいが、 昼夜の気温差に少々疲れる。
のうみその わきたつように なつめくひ季語=夏めく ※「夏めく」は文字通り、様々なものが夏らしくなることですが‥‥。 ※昼はすでに真夏なのね。きょうもありがとうございます。
22日(水)
南天の花の記憶の不文律
それでも見れば、なんとなく。
なんてんの はなのきおくの ふぶんりつ季語=南天の花 ※秋の赤い実と同じ数の花を付けるが、見過ごすほどに目立たない。 ※小さく白い花。きょうもありがとうございます。
21日(火)
紫陽花は重く静かに踊りけり
アジサイが咲きはじめましたね。
あじさいは おもくしずかに おどりけり季語=紫陽花 ※数多の園芸種が存在する。きょうもありがとうございます。
20日(月)
ほっそりと爪尖りだす夏の雨
この時期の雨は、 涼しいというより少々肌寒い。
ほっそりと つめとがりだす なつのあめ季語=夏の雨 ※新緑のころの雨は、緑雨とも呼ばれます。 ※雨音が響く。きょうもありがとうございます。
19日(日)
シャワー浴び温くこわばるかすり傷
夏になるとシャワーだけで済ます機会が多くなる(?)。だから夏の季語となっているそうだ。まあ、そのひとの習慣による。
しゃわーあび ぬるくこわばる かすりきず季語=シャワー ※お風呂は入るまでが面倒だ。きょうもありがとうございます。
18日(土)
万緑や忘れるために思い出す
新緑も日に日にその濃さを増している。
ばんりょくや わすれるために おもいだす季語=万緑 ※生命力あふれる木々の緑。きょうもありがとうございます。
17日(金)
全力を急かされそそと雲の峰
いかにも夏らしい風情の雲。 さっそく立ち上がっていたよ。
ぜんりょくを せかされそそと くものみね季語=雲の峰 ※積乱雲、入道雲のこと。雷や雹をもたらす雲。 ※遠目で見るもの。きょうもありがとうございます。
16日(木)
ここだけの懺悔するなら薔薇喋る
花がしゃべるわけはないが、 花にしゃべりかける気持ちは わからなくもない。
ここだけの ざんげするなら ばらしゃべる季語=薔薇 ※誰もが知る花のひとつ。歴史を紐解けば紀元前にまでさかのぼる。 ※おしゃべりさん。きょうもありがとうございます。
15日(水)
青空にすかさず願うとき薄暑
日中、窓を閉め切っていると 少々暑い。
あおぞらに すかざすねがうとき はくしょ季語=薄暑 ※少し汗ばむくらいの暑さのこと。 ※雨マークが消えた。きょうもありがとうございます。
14日(火)
もろもろの入り口に立ち棕櫚の花
「魚卵の集まったような」 なるほど、そうも見える、花には見えない花。
もろもろの いりぐちにたち しゅろのはな季語=棕櫚の花 ※直立する幹の頂から黄色い塊が垂れる。無数の細かい花の集積。 ※何とも言えない存在感がある。きょうもありがとうございます。
13日(月)
ぶり返す弱みはあれど風薫る
初夏らしい風に、 今日の夜は雨の匂い。
ぶりかえす よわみはあれど かぜかおる季語=風薫る ※青葉若葉のころの心地よい風のこと。 ※しばらく雨模様? きょうもありがとうございます。
12日(日)
可哀そうなんて言いながら冷やし中華
今年は冷夏なんて予想もあるけれど、 もう「冷し中華」の旗が出ていたよ。
かわいそう なんていいなら ひやしちゅうか季語=冷し中華 ※キュウリなどの夏野菜をのせた冷たい中華そば。 ※はやいですね。きょうもありがとうございます。
11日(土)
膨れ上がる初夏のごとくに咀嚼せし
文意から外れていたとしたら、 「咀嚼」という漢字を読めるかどうか、どうだろう。
ふくれあがる しょかのごとくに そしゃくせし季語=初夏 ※体感的には5月は「春」だ。暦的には5月5日ごろに立夏となる。 ※立夏からひと月ほどが「初夏」。梅雨入り前の心地よいひととき。 ※今年は「春」とは言いにくい。きょうもありがとうございます。
10日(金)
戯言の小さな疼きあざみ咲く
葉や茎には、するどい棘がある。
たわごとの ちいさなうずき あざみさく季語=薊 ※アザミは春から秋にかけて咲く。種類も多い。そのため、夏に咲くものは「夏薊」、秋に咲けば「秋薊」と呼び分けている。 ※「春薊」と呼ぶひとも。きょうもありがとうございます。
9日(木)
いちはつや無益な事のいとおしく
畑などのそばに無造作に咲いていたら、 たぶんイチハツ、と、覚えることにしたよ。
いちはつや むえきなことの いとおしく季語=いちはつ ※姿かたちが花ショウブやカキツバタによく似ています。 ※アヤメ科の中で一番早くことから、この名があるとか。 ※一初草→イチハツ、だって。きょうもありがとうございます。
8日(水)
幸運の次に来るもの衣更え
季節の変わり目は、いろいろとめんどうだ。
こううんの つぎにくるもの ころもがえ季語=衣更え ※一般的には夏服に替えること。冬から春にかけて着ていた服もそろそろ用済み。 ※クールビズには早いかも。きょうもありがとうございます。
7日(火)
気の向かぬ一日紫蘭咲くままに
10日間丸々休めたわけではないけれど、休み明け初日の気分は、なんだか同じ。
きのむかぬ いちにち しらんさくままに季語=紫蘭 ※ラン科の多年草。育てやすいのか、住宅地の庭先でよく見る花。 ※明るい紫色。きょうもありがとうございます。
6日(月)
著莪の花浅き眠りのようなもの
種をつくらない地下茎の花。誰かがそこに植えない限り、その場に自生することはまずない。
しゃがのはな あさきねむりの ようなもの季語=著莪の花 ※神社の境内など、薄暗い場所でよく見る花。アヤメ科の常緑多年草で、別名を胡蝶花(こちょうか)という。 ※白紫の花。きょうもありがとうございます。
5日(日)
階段をのぼっておりて子どもの日
長期休暇は、長いようで短い。 でも日常は遠のく、のよね。
かいだんを のぼっておりて こどものひ季語=子供の日 ※休みもあと1日。きょうもありがとうございます。
4日(土)
ぶちまける空に大地に我に雹
ここらへんは 一瞬だったけれど。
ぶちまける そらにだいちに われにひょう季語=雹 ※積乱雲からばらばらと落ちてくる氷の粒。雷を伴うことが多い。 ※みどりの日。きょうもありがとうございます。
3日(金)
あちらからこちらに疲れ夏近し
春を惜しむほど、 まだ春らしさを実感していないよ。
あちらから こちらにつかれ なつちかし季語=夏近し ※今年は冬が長かった‥‥。きょうもありがとうございます。
2日(木)
口ずさむのみの八十八夜かな
唄でしか知らないが、今日が八十八夜。
くちずさむのみの はちじゅうはちやかな季語=八十八夜 ※茶摘みの最盛期と言われる時期。 ※立春から数えて八十八日。きょうもありがとうございます。
1日(水)
それなりにオープンマインド花は葉に
昨日からずいぶんと 改元関連の番組を見ちゃったよ。
それなりに おーぷんまいんど はなははに季語=花は葉に ※桜の花の時期が去って、若葉になること。 ※令和でこんにちわ。きょうもありがとうございます。