• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2019年6月

30日(日)

緑蔭にありて大きな雨の粒

うれしい雨と、
うれしくない雨と。

りょくいんにありて おおきな あめのつぶ
季語=緑陰
※涼しげな夏の木陰のこと。
※明日よりこのサイトも13年目に。きょうもありがとうございます。

29日(土)

見透かされ色とりどりの熱帯魚

色鮮やかだから、めずらしい。

みすかされ いろとりどりの ねったいぎょ
季語=熱帯魚
※観賞用に飼育される熱帯地方の魚の総称。
※いろいろいる、おもしろい。きょうもありがとうございます。

28日(金)

煌々と眠りに誘うハイビスカス

10月まで咲いている。
意外に長い。

こうこうと ねむりにさそう はいびすかす
季語=ハイビスカス
※南国以外では温室栽培らしい。きょうもありがとうございます。

27日(木)

あったから黙ってくぐる茅の輪かな

年末と6月末の2回、
神社の鳥居の下などに設置される、
大きな茅(ちがや)でできた輪っか。
それを「茅の輪」という。

あったから だまってくぐる ちのわかな
季語=茅の輪
※お参りの前に、決められた手順にしたがってくぐることで、参拝者のけがれをはらう。
※夏の季語。きょうもありがとうございます。

26日(水)

しばらくは宙ぶらりんの夏の風邪

まさか、熱中症?
なんて思ったら、かぜでした。

しばらくは ちゅうぶらりんの なつのかぜ
季語=夏の風邪
※夏風邪は長引くとか。冷房の効きすぎにもご注意くださいね。
※気温の変化と疲れかもね。きょうもありがとうございます。

25日(火)

片陰に落ちて憐れか本望か

とかく暑い日は、
日かげを選んで
歩きたくなる。

かたかげに おちてあわれか ほんもうか
季語=片陰
※夏の太陽が建物や塀の片側に濃い影をつくる。これを片陰という。
※梅の実がいっぱい落ちている。きょうもありがとうございます。

24日(月)

まいっかなんて煽れば梅雨の朝

何にも書くことがなければ、
書かなきゃいいんだな。

まいっか なんてあおれば つゆのあさ
季語=梅雨
※よく降りましたな。きょうもありがとうございます。

23日(日)

間の抜けた眠りの中に茄子の花

茄子の花に「あだ花」はないと言われている。
つまり、咲いた花はすべて実になるという。
これもいわゆる俗説。

まのぬけた ねむりのなかに なすのはな
季語=茄子の花
※初夏から秋かけて次々と咲く。紫色の合弁花で、中心に黄色い雄しべがある。美しいとも言える、かも。
※その昔は観賞用の花でした。きょうもありがとうございます。

22日(土)

水玉の夢が見たくて今日は夏至

曇りときどきドシャブリ。
それでも昼は長かった。

みずたまの ゆめがみたくて きょうはげし
季語=夏至
※1年でもっとも昼の時間の長い日。夜の7時を数分過ぎてもまだ日の光が残っている感じだ。
※そして夜明けが早過ぎる。きょうもありがとうございます。

21日(金)

のうぜんや呼べば小さく空回り

夏の観賞用の花。
遠くからでも、
よくわかる。

のうぜんや よべばちいさく からまわり
季語=凌霄の花
※花びらのないラッパ状の合弁花で明るいオレンジ色。
※様々なものにからまって上へと伸びるつる性の落葉樹です。
※そして、咲いては散る花。きょうもありがとうございます。

20日(木)

ラベンダー咲いていましたこの先に

ああ、あれがラベンダーの花だったのね。
と、やっとこさ、気づいたのでした。

らべんだー さいていました このさきに
季語=ラベンダー
※香りのよいハーブとして知られています。穂状に咲く紫色の小さな花。花期は6月~8月と意外に長い。
※本日20日発売の俳句総合誌「俳句四季」(2019年7月号)にて、ぼくの句をイラスト入りで紹介いただきました。2017年7月5日と同18日の2句。よかったら確認してみて。
※本人が一番びっくりだから。きょうもありがとうございます。

19日(水)

あれこれとメールは届き夜はつまる

お礼のための返信メール。
仕事以外のものは、
どうにもこうにも遅れがちだ。
ごめんなさい。

あれこれと めーるはとどき よはつまる
季語=夜のつまる
※短日のこと。夜が短いこと。短日とは、短歌の時代には男女の含みのある季語でした。
※時代は大きく変わりましたよ。きょうもありがとうございます。

18日(火)

水ようかん当たり障りのない君へ

そんなの、ふつうに、
勘弁んだわな。

みずようかん あたりさわりのない きみへ
季語=水羊羹
※みずみずしい夏向きの羊かん。きょうもありがとうございます。

17日(月)

満月の降ってくるまで青紫陽花

美しい青色のセイヨウアジサイは、
どんな環境でもあの色が出るのかなぁ。

まんげつの ふってくるまで あおあじさい
季語=紫陽花
※アジサイは一般的に土の状態によって花色が変化することで知られています。酸性土なら青系、アルカリ性土なら赤紫系。
※色が変わるのは在来種? きょうもありがとうございます。

16日(日)

枇杷の実のその不似合いの種とする

ビワの実が道路に落ちて、
通行人や車が踏んでしまうと、
掃除がとても大変、なのだそうだ。

びわのみの そのふにあいの たねとする
季語=枇杷
※ビワはバラ科の常緑樹。花は地味に冬に咲き、鮮やかなオレンジ色の実は半年をかけて夏に実る。
※都市の果実は大変だ。きょうもありがとうございます。

15日(土)

若竹や急ぎ足にて雨しのぐ

まさに「雨後の筍」だ。

わかたけや いそぎあしにて あめしのぐ
季語=若竹
※この時期に一気に成長する今年竹。ひと目でわかります。
※寒かった、寒すぎた。きょうもありがとうございます。

14日(金)

くちなしの乾いた笑いもれちゃった

「天網恢恢。嘘を付くなら、生涯嘘を突き通せ!」
的な教訓、けっこう好きなんです。

くちなしの かわいたわらい もれちゃった
季語=くちなし
※香りのよい花として知られています。白い六弁の風車のような花。
※咲きはじめは、まぶしいくらいに白く、徐々に黄色く変化してゆく
※諸行無常じゃね。きょうもありがとうございます。

13日(木)

よく出来た誇大広告夕焼けて

夕焼けがきれいだと
「明日は晴れる」と、それこそ大昔から。

よくできた こだいこうこく ゆうやけて
季語=夕焼け
※夕焼けは夏の季語。梅雨時の夕焼けは、梅雨夕焼け。
※今日は一切梅雨っぽさなし。きょうもありがとうございます。

12日(水)

梅雨月夜わずかな隙間見逃さず

昨日だったか、
白い月がぽっかり浮いていた。

つゆづきよ わずかなすきま みのがさず
季語=梅雨月夜
※梅雨時の月。きょうもありがとうございます。

11日(火)

その節はなどとうそぶく夾竹桃

桃色が一般的ですが、
涼しげな白い花もよく見る。

そのせつはなどと うそぶく きょうちくとう
季語=夾竹桃
※花は桃に、葉は竹に、それぞれ似ている。都市公害に強い常緑の花木として重宝されている。
※そして夏の間中咲き続けます。きょうもありがとうございます。

10日(月)

梅雨寒や大望今もなくもなく

ひとが並んでいるなぁ、と思うと、
近ごろはたいてい、タピオカのお店。

つゆざむや たいもういまも なくもなく
季語=梅雨寒
※梅雨とは、こんなに寒いものだっけ? 寒さが長引くと冷夏に。
※1日中、よく降りますね。きょうもありがとうございます。

9日(日)

うわごとのようにさみしく黴やすく

気づけば、気になる。
気づかなければ、そのまま。
気づいても、そのままのことも。

うわごとのように さみしく かびやすく
季語=黴
※梅雨時期から盛夏にかけて繁殖しやすい。
※きのこと同じ菌類。きょうもありがとうございます。

8日(土)

単純さ歓迎される梅雨晴間

数日続くと思っていたら、
ことのほかいい天気でしたね。

たんじゅんさ かんげいされる つゆはれま
季語=梅雨晴間
※梅雨時の晴れ間のこと。
※来週は梅雨寒らしいぞ。きょうもありがとうございます。

7日(金)

腹の虫わずかに疼き梅雨に入る

てか、天気予報通りでしたね。

はらのむし わずかにうずき つゆにいる
季語=梅雨
※ウメの実が熟す時期なので、梅雨と書く。
※ジャバジャバとよくも降った。きょうもありがとうございます。

6日(木)

透き通る口火や夏の蝶となる

小さな白い蝶をよく見る。

すきとおる くちびや なつのちょうとなる
季語=夏の蝶
※白い蝶は高く飛ばない? きょうもありがとうございます。

5日(水)

青梅のいずれ気まぐれはぐらかす

落果しやすく、
すでに足もとに転がっている。

あおうめの いずれきまぐれ はぐらかす
季語=青梅
※まだ若い黄色く熟す前の梅で、梅干しはこれを塩漬けしたもの。
※熟すと甘みがでる。きょうもありがとうございます。

4日(火)

棒状の深きまばたき花葵

梅雨入り前に咲くが、
いかにも夏らしい花。

ぼうじょうの ふかきまばたき はなあおい
季語=花葵
※タチアオイのこと。背の高い多年草で、ピンク色などの大型の花を付ける。
※フリルのような花。きょうもありがとうございます。

3日(月)

地に足を付けて六月あたらしく

6月は昼間が最も長く、
雨の多い季節となる。

ちにあしを つけてろくがつ あたらしく
季語=六月
※そして油断しがち。きょうもありがとうございます。

2日(日)

美央柳すれ違うから夢うつつ

園芸の世界では、
「ビヨウヤナギ」も「キンシバイ」も
まとめて「ヒペリカム」と呼ぶ。
言いにくいが、今っぽいかもね。

びようやなぎ すれちがうから ゆめうつつ
季語=美央柳
※この時期、庭や公園の植え込みでよくみる黄色い花。はみ出すほどの長いおしべが目印です。
※花数が多い。きょうもありがとうございます。

1日(土)

あじさいや街がふわりと間延びして

梅雨時の花といえば、
アジサイです。
来週あたりでしょうか、
東京の梅雨入り。

あじさいや まちがふわりと まのびして
季語=紫陽花
※アジサイは庭木に最適な花木のひとつです。
※とにかく丈夫。きょうもありがとうございます。