2008年

4月30日(水)

まばたきの数だけ消える春の星

散る桜残る桜も散る桜 良寛
手にとるなやはり野におけ蓮華草 飄水
俳句に馴染みのない人でも一度くらいは耳にしたことがあるのではないでしょうか。
有名な俳句なのだとは思うのですが、残念ながら歳時記には、
いずれもほとんど、おそらく、紹介されることはありません。
ぼくは、好きな句です。
むしろ、口伝てに生き残る、
そんな句を、いつか、つくってみたいものです。

まばたきの かずだけきえる はるのほし
季語=春の星

いつもありがとうございま〜す!

※この時期、一等星などの強い光を放つ星以外、その光はほとんど届かないようです。
※「手にとるなやはり野におけ蓮華草(れんげそう)」は、人買いをたしなめた句だと言われています。「散る桜残る桜も散る桜」の背景は残念ながら知りません。教訓的な匂いのするモノは、どうも好まれないらしい。飄水は、「びょうすい」と読むのですかね?


4月29日(火)

枳殻の花はいつでも棘のなか

楽天的なモノの考え方のできる人と
そうでない人の差って、いつから、どこから、なぜに、生じるのでしょうね?
ときどき、頭を悩ますことがあります。
一生わからないよ、という類のモノなのかもしれないけどね。

からたちの はなはいつでも とげのなか
季語=枳殻の花

※バラとは比べものにならないほどの鋭い棘を持っています。かつては生け垣として多用されたとか。
小学校で「からたちの花」の歌を習いますが、少なくとも都心部では見ることの適わない花のようです。
白色五弁の甘い香りの花を、棘の近くに咲かせます。鎌倉など歴史のある街並みでは、今も見かけます。


4月28日(月)

茎立や蔑むこころ太りしも

九九が苦手なんです。例えば、七の段。
いきなり七三が、あれ?となって、
ひっくりかえして、三七=二十一って感じですよ。
でも困ったことに、社会に出てから、それで困ったことがないんですよね。
計算機ってものもあるのだし、別に、って感じで来ちゃいましたよ。
なんかいやな感じですか? すいません。
もちろん学校の勉強はした方がいいと思います。九九だって大切です。
それはもうホントにそう思います。
使わないから忘れちゃっただけで、
当時は暗算だってちゃんとできましたよ。たぶん。
でもホントのことなんだよね。

くくたちや さげすむこころ ふとりしも
季語=茎立

※カブやダイコン、ハクサイなど野菜類が花を咲かせるために、花茎や薹(とう)を伸ばすこと。
畑に取り残されたものや採種用のものが普通。この時期になると、野菜の味は落ちるそうです。
「とうが立つ」の語源です。
※先日偶然、近所で茎立の花をけっこうな数咲かせている家庭菜園を見つけました。綺麗でしたよ。


4月27日(日)

石楠花や近ごろ夢を見ておらぬ

答えなどない、それが、答えだ。
おお、かっこいい。
でも、恥ずかしくて、ちょっと面と向かってはいないけど。
笑いながらなら、言えるかな?
「答えがないのが答えだ。ぶぁははは」、ちょっと違うかなぁ。
「答えがないのが答えだ。ぎゃはは」も不自然ね。
「えへへ」もなぁ〜。「うひょひょひょ」? 豪快に「がはははは」とか?
ちょっとはにかむように「ふふ」とか?
「わはは」、「ほほほ」、「うきき」、「だはは」、「でへへ」・・・・。
書いているうちに、だんだんバカらしくなってきましたよ。
あはは。いつも読んでくれて、ありがとうございます。

しゃくなげや ちかごろゆめを みておらぬ
季語=石楠花

※シャクナゲもツツジの仲間です。もともとは山地や谷間に群がって咲きます。
地域によって自生する種類が異なるらしく、手もとの資料ではそれぞれにその記述に差異がみられます。
名前を伏せたら、まるで違う花のようです。ちょっとおもしろい。


4月26日(土)

チューリップ手塩にかけて鬼育つ

気づけば「鬼」ということばを、よく使っておりまする。
「鬼」が好きな分けでもなく、もちろん「鬼」がいると信じているわけでもない。
いわゆる「鬼」の登場する物語は好きだけど。
単純なことを複雑にするより、複雑なことを単純にする方が、ずっと楽しい。

ちゅーりっぷ てしおにかけて おにそだつ
季語=チューリップ

河馬の考え逆立ち上手、言わぬがハナの鼻提灯。なんてね。

※ところで、はじめて書いた花の絵は? やっぱりチューリップ?
チューリップには10数系統、約3,000以上の品種あると言われています。
チューリップ 原種」でイメージ検索すると、ちょっと面白い、かも?


4月25日(金)

消しゴムはあらためるもの紫雲英咲く

ラーメンなどのスープを飲むためのスプーンみたいなものを、レンゲといいます。
そんなことは、誰もが知っています。たぶん。
でも、ぼくは、レンゲだったか、スミレだったか、あれ、どっちだったけ?、
と、分からなくなることがあります。ときに「スミレ」の方を選択しては笑われます。
字面のみで認識しているから混同するのかもしれない。
なんって、賢そうなフリをしてバランスをとってみたりなんかして。

けしごむは あらためるもの げんげさく
季語=紫雲英

※レンゲ草のこと。近代になって、緑肥(りょくひ)、草などをそのまま土にすき込んで肥料にすること、
として使われるようになったそうです。田園一面を紅色に染めます。
その昔は鄙びた花として、和歌はもちろん、俳句にすらほとんど取り上げられなかったそうです。


4月24日(木)

一を足し二を足し無限蝿生る

自分自身の価値観でその人を判断するのではなく、
その人の価値観でその人を判断するべきなのかもしれません。
こんがらがっちゃいますけど、できるものならそうしたい、
のだけれども・・・・人には感情ってものもあるのだしね、
そうそう綺麗に見事に割り切れるものじゃないからね・・・・。

いちをたし にをたしむげん はえうまる
季語=蝿生る

がんばりましょう。そうしましょう。ときには矛盾もあるけれど。
いつもありがとうございます。

※正数の反対は負数。それらすべてとゼロを合わせた数の総称が整数。大昔に学校で習ったのでしょうけれども、つい先ほど気づきましたよ。正数と整数は、同じ「せいすう」というのね。
※余談ですけど、いつものことですけど、大魔王サタンの腹心(?)のベルゼブブの別名は「蝿の王」。
しかもサターンと同じく堕天使なんだってさ。


4月23日(水)

わざわいのもとの在り処やねじあやめ

結果も大切だけど過程も大切です。当たり前か。
でも、結局のところ、すべてはいつか
「それを誰が喜んでくれるの?」ってことに帰結するような気がします。
「誰が喜んでいる?」でもいいけど。なんとなく。

わざいわいの もとのありかや ねじあやめ
季語=捩菖蒲

※葉が2、3回ねじれているので、この名がついたそうです。花はあやめに似ています。
綺麗で香りも良いけれど、でも、あやめじゃないらしい。およおよ。


4月22日(火)

紛擾を静かに浸す水芭蕉

漢字のお勉強みたいで、すいません。普通、読めないと思います。
読める人は自分を基準にしないでね。そもそも日常生活ではまったく必要ない。
ぼく自身、この句と切り離して、ぽっと出題されたら、たぶん読めない。
じゃあ、他の言葉に置き換えられるか?
とりあえず、少しだけ頭を悩ませてみたけど・・・・。
時間の経過と共に、ま、これはこれでいいかなぁ、と思えてきたのね。
新しい言葉を知る、ということは意外に楽しいことだ。
それにはある程度条件があって、
ひとつにはストレスなく知ることができる、ということが必要なのかもしれない。

ふんじょうを しずかにひたす みずばしょう
季語=水芭蕉

どうにもならないことは、悩むだけ無駄さ。

※水芭蕉の白い大きな花は、本来の花ではないそうです。仏像の背中にある光背(こうはい)に見立てて、
仏炎花(ぶつえんか)という。真ん中の花軸の小さな粒々がほんとうの花。
※紛擾=ごたごたもめること。


4月21日(月)

言霊や酸葉の色も変わりゆく

うわ、やられた。ってことありますよね。いい意味でさ。
なんとなく悔しいけど、それはそれでしょうがない。
いろいろ変化していきます。

ことだまや すいばのいろも かわりゆく
季語=酸葉

※すかんぽのこと。道ばた、土手、野原、田のあぜなどに多い。酸性土を好むらしく、食べれば酸っぱい。
成長すると、しだいに葉の赤みが緑色に変わっていきます。ちょっと変わってる。


4月20日(日)

かざぐるま風を待つだけ少しまし

同じような不満を持つもの同士って、つい話が合うような気になっちゃいます、よね?
それが良いとか悪いとか、大切なものを逃すとか逃さないとか、
そんなことはどうでもよろしいことよ。
どうでもよかぁないけど、とりあえず、どうでもいいもんね。
どんなものにも得るものはあると言うし、そうかもしれないなぁと思っているし。
でも、多くは通りすがりのようなもの。いつかは離れていくもの、おそらくはね。

かざぐるま かぜをまつだけ すこしまし
季語=風車


いつもありがとうございます。

※言われてはじめて気が付いた。
子どもの風車とドン・キホーテの風車は同じ漢字だけど読みが違うのね。
カザグルマが春の季語になった所以は、浄瑠璃の物語の中で
貴人が風車売りに身をやつして庶民に紛れる場面にあるらしい。
「風触るれば則ち花輪悉く転舞す。自ら春初発生の気有り」(講談社 カラー図説日本大歳時記より引用)


4月19日(土)

くすぶれる想いと共に躑躅咲く

え〜い、まとまらない。
パソコンの調子が悪くて、せっかく書いたものが消えてしまったよ。おう。
データを復旧するよりササッと書き直した方が早いや、
と思ったけど、わずかな時間差なのに、なんでですかね、なんだかとてもまとまりが悪い。
同じことなのに。いったんこれで完了と思ったのに。いや。
ということで、また明日、なんだかね〜。

くすぶれる おもいとともに つつじさく
季語=躑躅

※躑躅の音読みは「てきちょく」と読みます。
行っては戻り、行っては戻り、足踏みするような状態を言うそうです。
ツツジの名は、家畜が誤ってそれを食べ、
足を振るわせ苦しみながら死んでいったことに由来すると言われています。

ツツジの仲間は、花も葉もその蜜にも毒があるのだそうです。おーい。


4月18日(金)

雑念が入りなおさら風光る

雨ですね〜。
いくつのときだったかな?
はっきり覚えていないけど、あるとき、
「うるさい!なんでもかんでも他人のせいにするから腹が立つんだ!」
と怒鳴られたことがあります。
そのときの、ものすごくつまらないケンカの原因も覚えています。
もっとも、その後何度も同じ言葉で叱られてきたんですけどね。
いまだにときどき忘れます。むずかしいことだよね。

ざつねんが はいりなおさら かぜひかる
季語=風光る

※しだいに日の光が強くなっていく、うららかな春の日の軟風のこと。
たぶん幼稚園のころ、はじめて木に登り、風に揺らぐ木洩れ日を見て涙が出そうになった。10分の9はホントの話。


4月17日(木)

線引きはひとつではなし磯遊び

いや〜、きのうはびっくりしちゃたね。目が覚めたら、もういい時間でさ。
やばい遅刻だってんで、ぱぁとだぁと更新して、猛ダッシュ。ほんとに大急ぎ。
そしたら、家庭ゴミの集積車がちょうど駅の入口に止まっていてね。
朝から陽気もよかったものだから、なんっていうかこうさ、
ものすごく走ったものだから息もかなり上がってるじゃない?
思わずうっと手を鼻にやったわけ。
でも、一所懸命仕事している人たちには失礼でしょう?
いい子ぶっているわけじゃなくて、ほんとに。
手を勢いよく動かした瞬間に、ふとそんなことを考えたから力が緩んだのかもね。
握っていた財布が、ぽっ〜んと、飛んでいったのさ。
そしたらね、そしたらね・・・・
飛んでいった先が電柱でさ、電柱にはさ、朝だしさ、お犬さまのさ・・・・。
ベッチョってさ、真ん真ん中にね、ベッチョって・・・・ううう。

せんびきは ひとつではなし いそあそび
季語=磯遊び

※野遊びと同じようなもので、春の行楽のひとつ。貝を掘ったりお弁当を食べたり、海岸で自然に親しみます。


4月16日(水)

いつまでも微熱の続く蝶々かな

ちょうちょ、ちょうちょ、なのはにとまれ〜♪
なのはにあいたら♪ あいた?

いつまでも びねつのつづく ちょうちょうかな
季語=蝶々

※「あいた」は、「飽いた」なのだそうです。「あ、痛〜」でも「あっ板」でもないようです。
ちなみに、辞書には「ちょうちょ」とは記載されていませんでした。残念、でもないけど。


4月15日(火)

花通草めげることなど知りもせで

なんといいますか、あれですね、
じゃんじゃん、どんどん仕入れていかないと
次第に幅が狭くなってくるものですね。
あ、これ一度使った、これも、あれも、それも、と、なってくるよ。
とくに印象の強いものは、やっぱりね。
気にしなければいいだけのこと、なんだけどさ。
小説、映画、音楽、エッセイ、エトセトラ、エトセトラ・・・・仕入れないと。

はなあけび めげることなど しりもせで
季語=通草の花


いつもありがとうございます。


※新緑とともに、濃い紫色の花が咲きます。葉と短い枝にまぎれて、気付かぬこともあったりなんかして。


4月14日(月)

核心をつぶやく先や紫荊

信じることは、いいことだ。それ故の狭量はどうかと思うけれど・・・・。
ところで、エスキモーの人たちが、
西洋医学が自分たちの生活に浸透するとともに風邪を引くようになった、
というお話は本当なのですかね?
真実のようにも思えるし、よくできた現代の寓話でもあるみたい。

かくしんを つぶやくさきや はなずおう
季語=紫荊(花蘇枋)

※葉に先立って、小さな紅紫色の蝶のような花を枝上にびっしりと咲かせます。
葉は、ハートのカタチに似ています。漢方では、その樹皮を解毒や腫れ物に使うそうですよ。


4月13日(日)

判断の付かぬことなど捨てて春

頭の中が忙しいので、ちょっと深呼吸してきます。
そんな日です。日曜日です。では、またあした。ほいじゃらね。

はんだんの つかぬことなど すててはる
季語=春

はじめて小津安二郎監督の「東京物語」を観ました。
なんとなく避けてた。ええもう、ありがとうございます。



4月12日(土)

花いちご炭水化物また増える

どげんも、こげんも、牛丼も。詭弁も、不便も、ガリ勉も。インテリジェンスも、テリヤキも。甘いも、うまいも、ジャガイモも。ひな形、カタカナ、シジュウカラ。ぐりぐり、ぐちぐち、ダイダラボッチ。ジャリジャリ、ボリボリ、シャングリラ。おちおち、ぼちぼち、ダンゴムシ。結構、毛だらけ、猫灰だらけ。さ、深呼吸。

はないちご たんすいかぶつ またふえる
季語=苺の花

意味なんってない、よ。
いつもありがとうございます。

※イチゴ=白い花、だけでもないらしい。黄色や紅色もあるとか? 結構、品種が多い。
よく見るのはオランダ苺というそうですよ。



4月11日(金)

連翹は人目を引くも静かなり

すべてに答えは必要じゃない。
むしろ明快な答えほど邪魔なものはない。すこぶる便利だけど・・・・。
己が何者だろうが、人が何様だろうが、ほんとはどーでもいいことだ。
答えを出してしまったら、そこでジ・エンド。
進歩も、進化も、進展も、何も必要なくなる。

れんぎょうは ひとめをひくも しずかなり
季語=連翹

※葉に先駆けて、一面に鮮やかな黄色い花を咲かせます。
枝は蔓のように長く伸び、地に着くほどにたわみたれます。なんと地面に着くと、そこから根を出すのだとか?
で、その後、どうすんだ? 不思議です。



4月10日(木)

咳三度続けば生る春の蝿

そうそう、あんまり自信はないのだけれど、
面倒くさい人ほどぞんざいに扱わない方がいいそうですよ。
さらに面倒くさくなるからだってさ。それだけで十二分に面倒くさいじゃないかぁ〜。
とはいえ、必要以上に丁寧に扱うことだけは要注意らしい。
お会いしたらにこやかにあいさつだけはするとか、こころにもないお世辞は言わないとか、
あからさまに避けないとか、すこぶる常識的な範囲で良いみたい。
それくらいならできるかも?

せきみたび つづけばうまる はるのはえ
季語=春の蝿

「五月蝿い(うるさい)」って、当て字、うまいですよね。

※ 厳密に言うと、季語には「春の蝿」と「蝿生る」という2つの春に見かける蝿がいます。ちょっとめんどくさい。「春の蝿」は越冬した成虫の蝿で、「蝿生る」はその通り春になって生まれたばかりの蝿のことです。ちなみに季語では5月はすでに夏です。あ〜めんどくさい。


4月9日(水)

ふところで春の夕焼け磨きけり

かの「走れメロス」にも元ネタがあるらしい。
それを知ってガッカリする人もいるらしい。
自分で自分を勇気づけるために創作する人もいるらしい。
誰かに誉めてもらいたい一心で創作する人もいるらしい。
誰かに伝えたいという衝動から創作する人もいるらしい。
なるほど、「必要」がなくて生まれるものなど、何もないのかもしれない。

ふところで はるのゆうやけ みがきけり
季語=春の夕焼

※「秋の夕焼け鎌を研げ」という諺があります。古から、夕焼けは晴天の前兆です。この諺は、明日の収穫に備えて鎌を研いでおけということ。でも、処変われば何とやらで、新潟では「秋の夕日焼け、明日の勿怪(もっけ)」というのだとか。勿怪とは、思いがけないこと。この場合は、収穫に影響する雨のことらしいです。おもしろいものです。


4月8日(火)

紫木蓮きらいの次ぎにくることば

思考にもクセというものがあるらしい。よくは知らない。
「自分が逆の立場だったなら?」ということを何気に考えるけど、
肝心なときに忘れていることがあります。
身近であればあるほど忘れてしまうようです。
ま、それが普通なのかもしれませんが・・・・。

しもくれん きらいのつぎに くることば
季語=紫木蓮

「ガチョーン」とか「アッチョンブリケ」とか、
そういうのも発明っていうの?


4月7日(月)

春眠や不平不満の玉手箱

ま、あれです。なんと言いますか、
自分自身が読みたくないことは、書く必要などないこと、なのかもしれません。
会話ならいざ知らず、
いくらでも思いとどまることも、修正を加えることも、
削除することだってできちゃいます。それだけのことです。

しゅんみんや ふへいふまんの たまてばこ
季語=春眠

春は眠いですねぇ〜。いつもありがとうございます。


4月6日(日)

春愁や丸めた紙をまたひらく

変わりゆくもの、時のながれ、人のこころ、風の道、
さくら、パンダ、笹舟、人参、ファッション、映画、音楽、絵画、漫画、
新聞、出版、伝統、格式、法律、科学、教育、スポーツ、お祝い、言霊、息継ぎ、
散歩、年齢、俳句、手相、運命、菜っ葉、大雑把、あらゆるものすべて。
変えられぬもの、時のながれ、人のこころ、たぶんという気持ち。

しゅんしゅうや まるめたかみを またひらく
季語=春愁

やっほー

※春愁とは、ひとしきり笑った後に、ふと訪れる悲しみとか寂しさみたいなもの。


4月5日(土)

忘らるることの多かり春日傘

寄り道も、回り道も、美化しなければ宝物、なのかもしれません。
ふと、そんな気がしましたよ。それだけですよ。

わすらるる ことのおおかり はるひがさ
季語=春日傘



4月4日(金)

白木蓮おわりしこともすぐ慣れる

「太陽と北風」のお話が、今頃になってやっと腑に落ちた気がします。
「イカロス」のお話も、なるほどなぁ、と、よく分かる。
ずいぶん、寄り道、回り道したような気もするけれど。
今度は、
「それを理解するまでに、かなりの長い時間がかかったぞ。」ということを、
忘れないようにしないとなぁ〜、と思う。

はくもくれん おわりしことも すぐなれる
季語=木蓮

いつもありがとうございます。

※木蓮には、白い花を付ける「ハクモクレン」と、紫の花を付ける「シモクレン」があります。
厳密に言うと別種(?)らしいです。その定義が大切な人には大切だけど、一般には花の色の違いくらいで十分なのかもしれません。


4月3日(木)

しばらくは散りて価値ある桜かな

よくよく考えてみると「好き」に大した理由はないけれど、
「嫌い」にはもっと理由がないのかも・・・・。違うかも?
ただ、大抵「嫌い」を語るときは多弁よね。しかも受け入れられやすい。
自分のプライドを満足させるために、
他人のプライドを傷つけたらろくなことがないのにねぇ〜。
気をつけましょう。そうしましょう。

しばらくは ちりてかちある さくらかな
季語=桜

鳥のさえずりが響きはじめましたよ〜。


4月2日(水)

桜風月の誘いし夢の色

これだけは、自信を持って言い切れますよ。
他人のアイデンティティーを貶したら、恨まれます。
そんな単純なことを、
つい忘れてしまう大人が多すぎるのかもしれません。
今も昔も、ぼくもあなたも、日本も世界も、神も仏も、まるっと、にんげんすべてが。

さくらかぜ つきのさそいし ゆめのいろ
季語=桜

最近、なんだか胃が重い。そりゃ食べ過ぎだ。かもしんない。


※アイデンティティー → 日本語訳としては「同一性」。
日常で使われているニュアンスは、「その人がその人である理由」みたいな感じでしょうか。
家族、友人、故郷、本、映画、音楽、絵、詩・・・・好きなものすべてを、ぜぇ〜〜んぶ、ひっくるめて、その人。


4月1日(火)

春光や目くじらひとつ立ちにけり

4月1日はエープリルフールですが、
目くじらの語源は「鯨」とは関係ないそうです。残念です。
想像してみてくださいな。鯨が二足歩行で行進している姿。
どう?

しゅんこうや めくじらひとつ たちにけり
季語=春光

新しい年度です。きょうもありがとうございます。

※春のやわらかい陽光の中に見える、その景色、様子のことです。
同じ語感として、春色、春の匂い、春景色、春容、春望、春景などがあります。

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