2008年

5月31日(土)

踊子草動かぬものに運はなし

これまた下手な格言みたいな句だなぁ、こりゃこりゃ。
格言といえば、ちょっと意外なものを見つけちゃいましたよ。
If I had no sense of humor, I would long ago have committed suicide.
インド独立の父、マハトマ・ガンジーの言葉なのだそうです。
実は、常に、にこやかな人だったんですって。
教科書のガンジーさんって、笑ってましたっけ?
意外じゃない? 別に?
こりゃまた失礼。

おどりこそう うごかぬものに うんはなし
季語=踊子草

いつもありがとうございます!

※オドリコソウは、半日陰に群生するしそ科の多年草。名前の由来は、その花の形が、笠をかぶって躍る人の姿に似ているからなのだとか。
※アカデミー賞映画「ガンジー」でも、その人物像は、悩み苦しむ人だったようなぁ?
その方が分かりやすいからかな? でも、おもしろい映画ですよ。


5月30日(金)

花アカシアとどかぬものにとどけよう

言っていることとやっていることの違う人って、
はたから見ていても気持ちのいいものではありません。
ときどき「自分、大丈夫か?」と、不安になることもなきにしもあらず。
たぶん、あります。これが、というものでもないけれど、気づかずに。
みんな、そんなもんでしょ?

はなあかしあ とどかぬものに とどけよう
季語=アカシア

なんもかんも断定できるなんて・・・・。

※ 日本で言うアカシアは、妙は話ですが、ニセモノなのだそうです。
俗名「針槐(はりえんじゅ)」、正しくは(?)ニセアカシア。あっそう。
※ 原産は北米。明治20年頃から庭園や街路樹用として輸入されたとか。
エキゾチックな素敵な名前ですが、日本の自然では手に負えない帰化植物なんだってさ。わからないものだね〜。



5月29日(木)

草笛や裸足でかける幸不幸

「ひとこと」で言い得ること、「ひとこと」で伝えられること、
そんなもの、この世の中にはない。
仮にあったとしても、万人に等しくなんて無理ですって。
逆もまた然り。
言葉は万能じゃないの。バンドエードでもないの。
レレのレなの。

くさぶえや はだしでかける こうふこう
季語=草笛

ハッ、ピ〜〜?

※草笛も、メロディらしい調べを奏でるまでには、それなりの時間が必要なようです。


5月28日(水)

子どもらはでんぐり返し麦熟れる

よく学びよく遊べというけれど。
結局のところ、こだわりの多い人は、
いわゆるクリエイティブと呼ばれる仕事には向いていないようです。
こだわることはいいことで、まるで個性のようでもあるけれど・・・・。
弘法筆を選ばず。なるほど。
もっとも、人のことばかりは言っていられない。あたりまえだ。
ほんと気をつけないと・・・・。

こどもらは でんぐりがえし むぎうれる
季語=麦の秋

※「麦の秋」、「麦秋」は、麦が熟したことであり、その頃の季節をいいます。
東京の真ん中で「麦秋」といっても、なんだか空々しい。麦は5〜6月に黄褐色に成熟して収穫されます。


5月27日(火)

憐憫というははかなく卯波立つ

牧野富太郎という植物博士を、知ってるかい?
ほんの数日前まで、ぜんぜん、まったく知りませんでしたよ〜。
天才は100年に1回あらわれるとか。好きこそものの上手なれとか。
天才とはやり過ぎてしまった人だとか。死んで花実が咲くものかとか。
素直に納得できちゃいます。たぶん。
牧野博士に関する、
親しみやすいコンテンツがもっとあればいいのに・・・・と思っちゃった。
もったいない。

れんびんと いうははかなく うなみたつ
季語=卯波

牧野富太郎(1862年〜1957年)は、世界的な植物学者。小学校を中退、その後、一切の学歴を持たず博士号をとった唯一(?)の人物なのだとか。それより何よりその偉業がすごい。あまりクローズアップされないのには、それなりに理由があるのかもしれないけれど・・・・。
※卯波(うなみ)は、陰暦4月の海や川に立つ白波のこと。
※憐憫(れんびん)とは、ふびんに思うこと。あわれみの気持ち。(岩波国語辞典より)
ずっと「れんび」と読むのだと思ってた・・・・だめじゃん。



5月26日(月)

真実はどちらが決める忍冬

充実している人は、迷惑なほどに、自己主張はしないそうです。
言われてみてば、そういうものなのかもしれないですね。
充実と満足は、違うのだろうなぁ〜。
でも、まぁ、無神経に指摘しない方が良いと思います。
よく分かんないけど。

しんじつは どちらがきめる すいかずら
季語=忍冬

※スイカズラは、吸葛とも書くそうです。甘味の少ない時代に、甘い蜜を吸ったからなのだとか。
※ニントウともいいます。これは、冬、落葉しても一部は常緑のまま冬を越すから。
※スイカズラの花は、初め白色、次第に黄色に変色していきます。金銀花(キンギンカ)という別名もあります。


5月25日(日)

卯の花やときに目出度きこともあり

水ですら留まれば腐ることができるのにね。
思考が固まったら、どうなっちゃうの、かね?
昨夜、シェイクスピアの「ソネット集」というものを読んだの。
すごいの。
そもそも「ソネット集」がどういうものなのかも知らなかったから、
びっくりしちゃったよ。

うのはなや ときにめでたき こともあり
季語=卯の花

わっはっは

※卯の花は、枝先に密集して、20〜30個の白い円錐形の花を咲かせます。匂いがない、のだそうです。
そうだったの? ぜんぜん気づきませんでした。
※イギリス文学中、最高のソネット(14行詩)集と言われています。154ものソネットの連作。
解説の中にもあるけど、そもそも物語を伝える文学形式ではないのに、一連の物語になっている、そんな感じ。
初版は1609年、シェイクスピア40歳前後の作品なんだってさ。
老人の美しい青年に対する恋慕もしくは友愛。そこから詩人の実生活が垣間見えると言うけれど・・・・。



5月24日(土)

えごの花きれいなままでふさぎ込む

相手のことを考えるフリをして
逃げてることって、ありますよね。
たぶん、無意識。
思考の癖って、いたい、いたたたた・・・・

えごのはな きれいなままで ふさぎこむ
季語=えごの花

週末は雨、なんかい?


石神井公園に、えごの花がいっぱい咲いていますよ〜。


5月23日(金)

麦飯や正しい箸の握り方

食事をする時間がなく、
移動しながらでもと思って
オニギリの専門店で麦飯のオニギリを買いました。
あわてて。言葉の響きからして美味しそうだったし。
でも、でも、
麦飯のオニギリは
歩きながらは食べれません!
ということを学びました。えらい。
どこが?

むぎめしや ただしいはしの にぎりかた
季語=麦飯

※麦飯は、白米と大麦または裸麦を混ぜて炊いたもの。
麦は脚気予防に良いとされるビタミンB1が豊富。季題となる夏季の主食としたのは、昔の人の知恵なのだとか。


5月22日(木)

蛇苺見える毒なら避けられる

ネガティブな発言の多い人は、
誉められたいのか、嫌われたいのか、よくわからん。
別にいいんですけどね。ぼくの人生じゃないのだしさ。
人間が自己精製する一番の猛毒は、嫉妬心というもの、なのかもしれない。
何を偉そうに? ごめん。
でも、自分自身を、確実に蝕みます。
こわい、こわい。

へびいちご みえるどくなら さけられる
季語=蛇苺

いつもありがとうございま〜す。

※ヘビイチゴは、有毒ではないそうです。知らなかった。
なぜ、ヘビイチゴと呼ばれるようになったかは諸説あって定かではないようです。
ま、食べてもマズイからかもしれません。知らないけど。見た目は、かわいいだよね。


5月21日(水)

椎の花くすぶる色は骨の色

クマがころんだ、どてん。
パンダがころんだ、こてん。
その違いは、なんなんだぁ〜
って、思った?

しいのはな くすぶるいろは ほねのいろ
季語=椎の花

動きもせずに、じーっとしていたら、頭が痛くなってきますよ。

※淡くて黄色い小さい花を、びっしりと密集させて咲かせます。むせかえるような強烈な甘い匂い。
神社や寺院の境内に多く、早いところではもう咲いています。
※パンダは笹を食べるために、指の骨の作りがクマ以上に進化したらしいよ。聞きかじりだけどね。


5月20日(火)

重なりて夢見がちなり松落葉

ジャバジャバ降ってるね〜。
「スターウォーズ」
初めて見たときは、すげ〜っとびっくりしたもんだよ。
たぶん、当時の子どもは、みな同じだろうなぁ。
ただね、なんとなく、
ぼんやりと主人公たちの衣装が古くさい感じがイヤだったんだよね。
今見ると特に違和感もないのだけれど・・・・。

かさなりて ゆめみがちなり まつおちば
季語=松落葉

※それから20年くらい後の話。監督のインタビュー記事か何かで読んだのだけれども、
最初から当時の感覚では古くさいデザインにしていたのだとか。
理由は、数十年後も廃れない映画にしたかったからなんだって。たしか、そんなようなことだったかな。


5月19日(月)

えごの花うつむく日々を通り過ぎ

世の中には、ほんとうに、
「自分の天才性を誰も認めてくれない」とか、口走っちゃう人がいるんですね〜。
びっくりしました。

えごのはな うつむくひびを とおりすぎ
季語=えごの花

※えごの花は、その枝先に沢山の花を下向きにつけます。白色の五弁花で、かわいらしい。
武蔵野に多いらしいです。


5月18日(日)

手毬花疑心暗鬼に朝が来る

或るお婆さんから聞いた話。
昔々、まだまだ若かりし頃、
「家族の悪口を言う男とは、絶対に結婚するな!」と、父親に厳しく言われたそうな。
封建的な何かが残っていた時代。
女性は男性の付属品くらいにしか考えていない、そんな父親だったらしいけれど。
その理由、何でだと思います? くすりとも笑えない話ですけど・・・・。

てまりばな ぎしんあんきに あさがくる
季語=てまりばな

※オオデマリのこと。アジサイのように小さい花を球状につけます。住宅街に結構多いですよ。
一見、白い花のようだけど、よく見ると青みがかっています。


5月17日(土)

金雀枝や楽しきことも色あせる

よく言われていることだけど、永遠に楽しいことなどない。
自分自身が、本人が、
いかにその楽しさを継続しようとしているか、していないか、
意外と単純なことだ。生きている限り飽きないわけがない。
継続する工夫を怠り、何もかも人のせいにしていたら報われるはずもない。
すべてのことは、そんなこと、たぶん、そんなこと
かな?

えにしだや たのしきことも いろあせる
季語=金雀枝

※深い緑色の枝に、黄色い蝶型の花を咲かせます。どこにあっても目を引く鮮やかな黄色。
ちなみに花言葉は、清楚とか熱情とかなんだって。ふん〜。


5月16日(金)

ひらがなが奇妙にさわぐ砂糖水

ある先輩が、「今の自分の精一杯をやっていれば、
訳知り顔の人の言葉など、はいはい、と聞き流せるものだよ」と、
言っていたことがあるんです。ずいぶん前のことだけど。
抵抗したくなるのは、手を抜いているからなんだって。
不思議なことを言うなぁ、と、当時は思ったのだけれどもね。
何かにつまずくと、思い出します。

ひらがなが きみょうにさわぐ さとうみず
季語=砂糖水

きのうの日中は、ちょっと暑いくらいでしたね。
体調に気をつけてくださいね。いつもありがとうございます。

※子どもの頃、大人がバタートーストに塩をかけているのを見て、美味しそうでさ、ひとりで試したことがあるのね。でも、子どもだったから、塩と味の素を間違ってさ、ものすごく、まずかった。で、砂糖をかけてみたんだけど・・・・無理だった。


5月15日(木)

クレマチス強がりひとつ月に浮く

普通そりゃ無理だろう、とか、なんだか考えちゃうような、
あまり人間的でないような、そんなことも“美徳”なのかしら?
やっと晴れましたね。

くれまちす つよがりひとつ つきにうく
季語=クレマチス

※俳句で鉄線花と呼ばれる花の学名が、クレマチスです。街中で見る園芸品のそれは学名のままクレマチスと呼ぶのが普通らしい。まるで針金のような細くて硬い蔓に、不釣り合いなほどに大きな花を咲かせます。今が見頃みたいです。


5月14日(水)

存在を消して卯の花腐しかな

お天気? あ、違った、お元気? 毎日、天気わるいね。
理屈を学ぶことは結構楽しい。楽しいと思う人には楽しい。
でも、理屈を捨てられなくなるくらいなら・・・・。
ちらっと思うのよね。
あしたは、晴れるかな。いつもありがとうございます。

そんざいをけして うのはなくたしかな
季語=卯の花腐し


※卯の花は、ウツギの略称です。卯月に咲くから卯の花。「卯の花腐し」は、その頃に降り続く雨のこと。
せっかく咲いた卯の花を、長雨が腐らせるという意味のようです。しゃれてます。



5月13日(火)

いつまでも気のないそぶり桜の実

桜の木に、実がなりはじめています。
大概の学校には、大きな桜の木があって、
街のそこかしこには桜の大木があるのに、見ているようで見てない。
もっとも、いわゆるサクランボとは違って、
全然目立たないのだから、知らなければ知らない、でしょ?
ぼくなんか、教えてもらわなければ、気づきもしなかったです。

いつまでも きのないそぶり さくらのみ
季語=桜の実

※ サクラの花は、絢爛豪華だけれども、その実は小豆ほどの目立たないものです。
市販されているサクランボは、そのほとんどが花を目的としないセイヨウミザクラの栽培品種なのだとか。
6〜7月に成熟します。
※ 食用のサクラの実は、桜桃(おうとう)ともいいます。


5月12日(月)

飛魚をうらやむこともなく生きて

トビウオ、ほんとは見たことないんですけどね。ある?
でも、食べたことは、あります。トビウオの干物、おいしかったです。
いま、東京国立近代美術館で「東山魁夷 生誕100年展」が行われています。
来週の5月18日(日)までだそうです。
むずかしいことは分かりませんが、とにかく引き込まれます。
中心がないような気もするのですが、釘付けになります。
そんな感じでしょうか。おすすめです。

とびうおを うらやむことも なくいきて
季語=飛魚

絵が描けるって、やっぱり、うらやましいな〜。

※トビウオは、浮力を付けるために風上に向かって飛ぶそうです。飛行時間は20〜30秒程度なのだとか。
ときに時速60キロで300メートル以上も飛ぶそうですよ。すごいのね。でも、なんで飛ぶの?


5月11日(日)

何事もなきように余花母に母

「しつけ」って、漢字で書けます?
一般常識なのかどうかは分かりません。
ぼく自身は、つい最近まで知らなかったです。
知らずに一生を過ごしたとしても、
困るようなことはない気もするんですけどね。
ほんと、知らないことばかりです。

なにごとも なきようによか ははにはは
季語=余花

きょうは、母の日ですね。
いつもありがとうございます。

※余花とは、立夏を過ぎ、葉桜になっても散らずに残っているサクラのことです。
探さないと気づかないものかもしれません。
※身を美しくで「躾(しつけ)」です。
この漢字をつくった人は、身を正しくとは、考えなかったんですね。ちょっと意外でした。


5月10日(土)

運命を刮ぎ集めて夏落葉

なんでもかんでも、まずは否定、って人がいますでしょ?
います、います、いますよねぇ〜。
仕事などでは、とくに、なんなのじゃ!と、さすがに内心ムカッとしちゃいます。
はっきり言って疲れます。なにせ一緒にいて愉快なわけがないからさ。
そういう人って大抵おこりんぼさんで、気をつかわせるし。
本心は、ただ誉めてもらいたいだけ、なのかもしれないけれど・・・・。
とか言っちゃって、そんな時期もあった気がする、ぼく自身。
あぁ〜、はずかしい。ごめんなさいね。

うんめいを こそぎあつめて なつおちば
季語=夏落葉

運命は変えられるけど、宿命は変えられない、とかとか、へぇ〜。
いつもありがとうございます。

※松、杉、椎、樫、樟、檜、柊などの常緑樹の落ち葉のことです。初夏に新しい葉と入れ替わります。
常緑樹ならではの新陳代謝でしょうか。冬を乗り切るための落葉樹の落ち葉とは根本的に異なります。


5月9日(金)

ひなげしの癇癪ゆれてなおゆれて

不思議なくらい、他人事になると、
どんな人にも“感情”があるってことを忘れがちじゃない?
どんなに偉い先生も、神話の中の神様も、みんな驚くほど“感情”的なのにね。
みんないっしょ、程度の差はあるけれど・・・・。

ひなげしの かんしゃくゆれて なおゆれて
季語=ひなげし

※別名は、虞美人草(ぐびじんそう)。楚王項羽の寵愛した虞美人が、この花に化したという伝説に由来するのだとか。
ヨーロッパ南部の原産で、原種は赤い四弁花。



5月8日(木)

目ぶたより重たきものや薔薇一重

凹んでいるときって、凹んでいる部分に塩をすり込むような「ことば」を、
自分の目や耳がオートマチックに拾い集めているような気がしない?
そんな風に感じたことない? どんな人にもバイオリズムはあるでしょ?
元気になれる「ことば」は意識的に探さないと、人それぞれだし、
他人まかせじゃ時間がかかってしょうがない、そんな気がしますよ。

まぶたより おもたきものや ばらひとえ
季語=薔薇

※最近(?)、ガーデニングなどでは、一重の原種に近いバラが流行っているのでしょうか?
今まで気づかなかっただけかもしれませんが、なんだかよく見る気がします。
ところで、七色のバラっていうのがあるのを知ってました?
作り物みたいだけど、本物。もうびっくり、まさに、無限じゃね。


5月7日(水)

ポケットは今日も空っぽ著莪の花

自分にやさしくない人は、他者にもやさしくないらしいよ。
例えば、倒れるまで働けちゃう人は、他者を倒れるまで酷使できるとか。
ストレスフルでお勉強を頑張ってきた人は、他者にも当然のようにそれを要求できるとか。
らしいよ。何だか逆みたいな感じだけど・・・・らしいよ。そうなの?

ぽけっとは きょうもからっぽ しゃがのはな
季語=著莪の花

※薮などに群生する、アヤメの仲間。白っぽい紫色の地に、中心に紫と橙の模様があります。
庭の下草にされることが多いらしく、公園などでも結構みかけます。


5月6日(火)

万緑や知らないことは増えるのみ

最近、思うんですけどね。
「らしく」とか「らしさ」とかって、案外、マイナス語に近いんじゃないかなぁ、
なんてね、ばかみたいなことを思うんです。そんだけ。
きょうも、ありがとうございます。

ばんりょくや しらないことは ふえるのみ
季語=万緑

※ 万緑とは、見渡すかぎりの新緑のことです。大地にみなぎる生命力を表現する季語として好まれています。
人間探求派の現代俳人・中村草田男によって初めて用いられた新しい季語です。といっても、戦前のことみたいです。
※「子曰く、由、汝に之を知ることを教えんか。之を知るを之を知ると為し、知らざるを知らずと為す、是知るなり。」(「論語」講談社文庫より)


5月5日(月)

大空が少しさがりて鯉のぼり

いつも大勢の人が並んでいる
話題のラーメン屋さんの前を通ったら、偶然、席が空いていてさ。
ラッキーと思ったね。
で、目の前に現れたラーメンを見て、おお、と思ったよ。ほんと。
でもさ、いろいろな偶然が重なってさ、ほんとだよ、
うっかり漬け物だと思って生のニンニクを食べちゃったのね。
そのまま一粒。食べたことある? 辛いんだよォ、ほんとほんと。
舌が微妙にしびれちゃってさ、せっかくのラーメンの味が分からなかったよ。
さすがに思ったね、自分の不注意を棚上げしてさ、思ったさ。
「今度は並ぼう」って、あはは、うそうそ。

おおぞらが すこしさがりて こいのぼり
季語=鯉幟

子どもの日ですね〜。大型連休も明日までですね〜。
いつもありがとうございます〜。

※鯉幟は江戸時代からの風習だと言われています。中国に、黄河の竜門というすごい滝を登り切った鯉が竜になる「鯉の滝登り」という伝説があります。当時は、武家のみに許されたものだったらしいですよ。
先祖が武家だとか公家だとか、いまどきって、うらやましい?


5月4日(日)

はじまりはいつもと同じ春惜しむ

それは妄想で、それに捕らわれて、絡み取られて、
いつも大切な何かを、知らず知らずのうちに、取りこぼしているとしたら?
何かが足りないと思うときって、その足りない何かとは、
単なる「努力」だけではないのかもしれないね。
いわゆる「努力」なしには、お話にもならないとは思うけれども。
「努力」だけなんって、誰だってホントは苦手だ。

はじまりは いつもとおなじ はるおしむ
季語=春惜しむ


※「暮春」や「行く春」と同じく、過ぎ行く春を惜しむ心のことです。「春惜しむ」の方が、感傷的な色合いが少し強いかもしれません。


5月3日(土)

妄想が両手をあげる月朧

西の魔女が死んだ」って、もう読みましたか?
読者アンケート第1位。6月には映画も公開されるんですって。人気あるんですね。
本の帯に「最後の3ページ、涙があふれて止まりません。」と書いてあります。
あながち大げさでもないようです。個人差はあるでしょうけれど。
しずかに泣いちゃいましたよ。

もうそうが りょうてをあげる つきおぼろ
季語=月朧

認めたくないという人に認めてもらうことに、どれほどの意味があると思う?

※朧月と同じ。「おぼろ」とは、明瞭でなくぼんやりした感じをいいます。
※「私は勘がいいから」という人がいます。自分で言うなよ、とも思いますが、それより何より、正直、あまり幸福そうには見えないのが不思議です。そうじゃない人もいっぱいいるんだろうけどさ。


5月2日(金)

それぞれにわずかにぶれる夏近し

すべてを知ろうとすることは、
二度と興味を持てなくなること、なのかもしれない。
変なこと言っています? そんな気もします。
バランスです。バランス。
それが何の苦もなくできるのであれば、
悩みなど存在しないのかもしれないけどね。

それぞれに わずかにぶれる なつちかし
季語=夏近し

※きのうは八十八夜。立春から数えて八十八日目です。新暦では5月2日頃。世の中、マニュアル通りにはいかないものですね。当たり前ですけどね。
※知ってました? 夏も近づく八十八夜〜♪という唱歌のタイトル・・・・「茶摘み」って言うんですって。


5月1日(木)

泣くことが葉桜となり歩むなり

ほんとうに、考えすぎると、ろくなことがないですね。
いいんですけどね。それでいいんですけどね。
何を言っているんでしょうね。何も言っていないに等しいですけどね。
ま、そんな日もありますよね。

なくことが はざくらとなり あゆむなり
季語=葉桜

5月ですね〜。葉桜が美しいですね〜。
いつもありがとうございます。

※桜の花が散り終わると、みずみずしい若葉につつまれます。

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