2010年

8月31日(火)

残暑という生きものをつくづくながめ

時間の使い方は習慣です。
続ける限りは続くけれど、
気を抜くとすぐにグダグダです。

ざんしょという いきものを つくづくながめ
季語=残暑

※暑いぞ8月。クタクタです。きょうもありがとうございます。


8月30日(月)

のうぜんの朱を深めては壊れゆく

他人の話を聞くことが苦手な人ほど、
コミュニケーションとかいう言葉をよく使う気がするよ。

のうぜんの しゅをふかめては こわれゆく
季語=のうぜん

※ノウゼンカズラ科のつる性落葉木
※今さらですけど、ノウゼンって蔓性の木なんですね。
※この暑さはなんなの。きょうもありがとうございます。


8月29日(日)

はんざきの小さき嘘に星流る

思ったことの半分も言えない。
それが普通でしょ?

はんざきの ちいさきうそに ほしながる
季語=星流る

※「はんざき」は山椒魚のことです。夏の季語です。
※流れ星は、8月11、12日ごろが最も多く見られるのだそうです。見上げるのを忘れてました。
※季重ねっすよ。きょうもありがとうございます。


8月28日(土)

継がれ行く年月なるも桐一葉

どんなものにも期限はつきものですが、
アイスクリームには賞味期限がないんですね。

つがれゆく ねんげつなるも きりひとは
季語=桐一葉

※知ってた? きょうもありがとうございます。



8月27日(金)

誘いを拒める花や水葵

潜在能力は能力ではありません。
こればっかりはちゃんと人の目に見えないと
ぜんぜん意味ないです。
と、おばあちゃんが言っていました。

いざないを こばめるはなや みずあおい
季語=水葵

※水田や沼に自生します。花期は7〜10月ごろ。
※ハート形の葉がアオイに似ているのでミズアオイというそうです。
※古くは食用だったそうです。今では絶滅のおそれもある希少植物なのだとか。
※皮肉なことに、その花言葉は「前途洋々」。
※がんばれ。きょうもありがとうございます。


8月26日(木)

沈黙の中に生まれし女郎花

ふて腐れても何の得にもなりません、でしたね。

ちんもくの なかにうまれし おみなえし
季語=女郎花

※オミナエシは秋の七草。小さな黄色い花を粟のご飯にたとえ、粟花ともいいます。
※黄色い粟飯を女飯、白い米飯を男飯。そんな時代もあったのね。それらが転じてオミナエシ、オトコエシになったとか。
※変われば変わる。きょうもありがとうございます。


8月25日(水)

降りしきる雨にまぎれてはまおもと

言葉を武器にする人は、言葉で自滅している。
ような気もしなくない。
多くのものはないものねだり。

ふりしきる あめにまぎれて はまおもと
季語=はまおもと

※ハマオモトは、浜木綿の傍題です。花は7〜8月ごろ。葉がオモトに似ているから、浜の万年青なのだとか。
※印象深く、存在感のある花。曼珠沙華に似た白い花です。
※関東以西の海岸に自生しています。
※近所で浜木綿を栽培しています。バケツの中の浜木綿は窮屈そうです。
※今日も暑かったね。きょうもありがとうございます。


8月24日(火)

ときどきは嫌いも好きに南瓜かな

夏休みの宿題は、泣きながら、
夏休み明けからはじめてました。
こりない子どもでした。

ときどきは きらいもすきに かぼちゃかな
季語=南瓜

※カボチャは植物学上、大きく2つの種類に分けられるそうです。日本南瓜と栗南瓜。それ以上はよく知りません。
「エブリ リトル シング クワガタと少年」 という文庫本を読みました。この本を読んで自殺を思いとどまったなどの逸話で話題になったそうですね。ぜんぜん知りませんでした。読みやすくて、おもしろいよ。
※ラストに「一見無意味な経験を本当に無駄に終わらせてしまうか、それともそれを糧にできるか。人間には二種類しかいない」ってなセリフが出てきます。なんとなく。
※ぼくらの世代は高校の夏休みの宿題で、大抵、夏目漱石の「こころ」、太宰治の「人間失格」、島崎藤村の「破戒」もあったかな?、私小説系の大家の作品のいずれかで読書感想文を書かされました。読んだけど書かなかったけど。
※麦茶だと思って飲んだら烏龍茶でした。きょうもありがとうございます。


8月23日(月)

嫌われていると悟りし残暑かな

ものの捉え方など考え方しだいのようです。
当たり前なんだけど、当事者になると忘れてしまうものなんですよね。
ふしぎ、ふしぎ。
人のことは言えないけど・・・・。

きらわれて いるとさとりし ざんしょかな
季語=残暑

※毎日暑いですね。きょうもありがとうございます。


8月22日(日)

鉄道草言い訳きかぬ年となる

自己暗示を解くのも自分自身なんですよね。

てつどうぐさ いいわけきかぬ としとなる
季語=鉄道草

※りっぱな雑草です。明治の文明開化によって帰化した植物なのだそうです。
※俳人には好かれますが、農家には嫌われる害草なのだそうです。
※誕生日じゃないですよ。きょうもありがとうございます。


8月21日(土)

日日草生きる術など身につけし

幽霊というのは、過去にとらわれた人。
今ここに立脚していない人。
だから、足がないのだそうです。

にちにちそう いきるすべなど みにつけし
季語=日日草

※原産地は西インドで、江戸時代後期に渡来したそうです。
※7月から秋の半ばまで咲き続け、日々新しく咲きかわるのでこの名があるそうです。
※たまたま通りかかったお寺に、「一怒一老、一笑一若」という標語がありました。
※小学校の授業で生まれて初めて俳句をつくった。「そんな標語みたいな俳句があるか、馬鹿」と、先生に怒られた。そういえば、あはは、すっかり忘れてた。
※30人ほどのクラス全員がつくって、怒らせたのはぼくだけ、だったような。どんな句をつくったんだろうね?
※まだ50代だったと思うけれど、子どもの目には70近いおばあちゃんに見えました。
※もったいないよ。きょうもありがとうございます。


8月20日(金)

いつの日か夢だけ残し飯饐える

誰もがみんな同じように、1日は24時間なんですよね。

いつのひか ゆめだけのこし めしすえる
季語=飯饐える

※すべてにおいて100%意見が合致することなどあるわけないのよ。
※すっぱい。きょうもありがとうございます。


8月19日(木)

桐一葉無名を軸に舞いながら

謙虚は美徳であったとしても、遠慮は損するだけかもね。

きりひとは むめいをじくに まいながら
季語=桐一葉

※一葉落ちて天下の秋を知る、そうです。もう秋を感じています?
※なんとなく。きょうもありがとうございます。


8月18日(水)

流れ星ひとつひとつに限りあり

限界を超えるっていうけどさ、
何ごとにも限界はあるらしい、たぶん。
「執着」と「こだわり」は、よく似ているよ。

ながれぼし ひとつひとつに かぎりあり
季語=流れ星

※流れ星は、8月中旬に最も多く見られるそうです。
※区別できてっか、おれ? きょうもありがとうございます。


8月17日(火)

天の川ぽたぽたおちる不器用さ

不満は常に自分自身の中にあるんだってさ。
逃げてる自分への不満なんだってさ。
・・・・かもしれません。

あまのがわ ぽたぽたおちる ぶきようさ
季語=天の川

※旧暦だと昨日が七月七日だったみたいです。忘れてました。
※意味不明。きょうもありがとうございます。


8月16日(月)

生きる意味線香花火脈打てば

明日、仕事で早起きしなければいけないので・・・・。

いきるいみ せんこうはなび みゃくうてば

季語=線香花火

※あたくし、会社を出たら仕事のことは、いっさい忘れます。それはそれは器用なほどに。
※あまりに器用すぎて、朝一の打ち合わせなどを完全に忘れてしまうことがあります。ぜんぜんダメじゃん!
※以前は苦労してました。仕事を家に持ち帰たり、徹夜が続いたり、とにかく一日中仕事仕事。仕事に追われる夢もみるときた。あるとき気づいたんですよね。仕事がめちゃめちゃ速くなればいんだって。速ければ速いでデメリットもあるけどね。手抜きはしないよ。ときどきは。
※パチパチパチ。きょうもありがとうございます。


8月15日(日)

何一つ残さず生きて盆の月

人は鏡だ。ほんとにそうだ。そうなんだ。
と、本気で思い込むことにしてみます。

なにひとつ のこさずいきて ぼんのつき
季語=盆の月

※旧暦八月十五日は名月。盆の月は、その1ヶ月前の盂蘭盆の夜の月のこと。
※秋になって初めての満月のこと。今年は8月24日です。
※お盆は? きょうもありがとうございます。


8月14日(土)

朝顔のきのうと違う憂いかな

目的も目標もなく
磨かれる感性なんてないと思うのよ。
偉そうですけど、思うのよ。

あさがおの きのうとちがう うれいかな
季語=朝顔

※文芸では、伝統的にアサガオは秋の花なのだそうです。
※旧暦七月七日頃の花とされ、牽牛花という別名があるそうです。七夕の彦星のこと。
※「源氏物語」などの古典に出てくるアサガオは、今のアサガオではないとか? でも、それがなんなのかは正確にはわからないみたいです。
※アサガオのつるは左巻きなのだそうです。植物って不思議ですよね。たまには、右巻きがいてもいいのにね。
※アサガオといえば、会社の便器の高さと大きさが・・・・また別の機会にしよう。
※千代女の「朝顔に釣瓶とられてもらい水」という句が有名です。この句ね、「釣瓶が使えなくて困った」という読み方と、「朝顔をそのままにしておくやさしさ」という2つの読み方があります。どちらもアサガオを無下に扱わないという点では同じなのですが・・・・。
※状況説明でもなく、蘊蓄でもなく、発見の押し付けでもなく、俳句をおもしろく、もっと親しみやすく解説する方法ってないものですかねぇ〜。
※先日、少し遅めのランチを食べていたら、隣のテーブルから販売か何かの仕事をしている風の女性たちのガールズトークが聞こえてきて・・・・。「おとこの思い込みハートは重い」のひと言に、思わず笑ってしまいました。メールのハートマークの使い方のことのようです。うまいフレーズですよね。字足らず。
※誰だって好んで貧乏くじは引きたくない。心の動き方は今も昔も変わらないようです。
※葉っぱ、文ふみ。きょうもありがとうございます。


8月13日(金)

気休めの言葉が嫌い水中花

ほんとに馬鹿だったと気づいたときは、
大抵が手遅れなんですよね。

きやすめの ことばがきらい すいちゅうか
季語=水中花

※どの季語集にも「水にいれると、花鳥などの形にぱっと開く仕組みの玩具」ということが書いてあります。
※江戸時代からあったそうです。
※最初から水の入った透明な容器の中の水中花しかみたことがないかもです。
※日の経つのが速くて遅い。きょうもありがとうございます。


8月12日(木)

白靴の程なく消えしまぶしさや

古いものがいいのではなく、
古いからいいのでもなく、
普遍だからいいのであって、
だからそれは、
今でも十分につくれる気がしています。
口語でも十分にいけると思う。

しろぐつの ほどなくきえし まぶしさや
季語=白靴

※文語でもつくれて、口語でもつくれて、別に一貫している必要性などぜんぜんない、と思います。
※むしろ、文語でつくりたいときもあれば、口語でつくりたいときもある。それが自然で、普通です。
※一貫していないことに不自然さを感じるものですが、ほんとは一貫していることの方が不自然、なのかもしれません。
※一貫している人は信頼されます。努力なしにはありえないからだと思ってみたりします。
※なんとでも。きょうもありがとうございます。


8月11日(水)

寄り添いて線香花火落ちにけり

当たり前のことは忘れがち。
でもそこにこそ詩があるのかもしれません。


よりそいて せんこうはなび おちにけり
季語=線香花火

※知識がなければわからない俳句もいっぱいある。人のことは言えない。知識がなければ意味はわからないけれど、それでも名句として残ってものは、ほんらい俳句に意味など必要ないから、なのではないでしょうか。
※普通です。きょうもありがとうございます。


8月10日(火)

夏の月五臓六腑に落ちにけり

昔、「腑に落とす」とはどういうことか、
と、懇々と説教されたことがあります。
そのとき、
嫌いな人間に何を言われても
「腑に落ちない」、と思いました。

なつのつき ごぞうろっぷに おちにけり
季語=夏の月

※俳句のいろはを覚えると、見えなくなることもあるのかもしれません。
※ひねてますよ。きょうもありがとうございます。


8月9日(月)

底紅の紅が小さく息漏らす

第一印象って馬鹿にできません。
けっこう根深く残っているもの。

そこべにの べにがちいさく いきもらす
季語=底紅

※木槿(むくげ)のこと。大きな5弁花で、花の底の赤いものを、俳句では底紅といいます。
※朝に咲いて夕方にしぼむ1日花ですが、まるっきりはかない感じはしません。
※きょうもありがとうございます。


8月8日(日)

人間の溶け込んでいる夏の夜

美点も欠点も、人それぞれのはずなんですけどね。
どうしても、一括りにしてしまいがちですね、楽だから。

にんげんの とけこんでいる なつのよる
季語=夏の夜

※苦労はお金を払ってまで買うものでは、けっしてありません。なきゃないで、けっこうなことじゃん。
※秋を感じますか? きょうもありがとうございます。


8月7日(土)

暗がりの生きとし生けるものに夏

複雑なことを単純にしたいと思うのも、
単純なことを複雑にしたいと思うのも、
自己主張というものなのかもしれません。
ただ、名作といわれるものは、
いたってシンプルな構成でできているようです。

くらがりの いきとしいける ものになつ
季語=夏

※俳句はリズムがいのちで、それをわざわざ崩す理由なんてない、と思う。
※例外もあると思う。きょうもありがとうございます。


8月6日(金)

盛夏とは出口なきよう思いしも

まねしたものは残り、あやかったものは消える?

せいかとは でぐちなきよう おもいしも
季語=盛夏

※真夏と盛夏は辞書的には同じ意味のようです。
※言われてみれば、真夏の方より盛夏の方が元気な感じはしますよね。なんとなく。
※日傘、うらやましいです。きょうもありがとうございます。


8月5日(木)

片陰にこころ半分休めたる

理屈で勝ったと思ったら大間違いだ、とか。
理屈に飲み込まれちゃったら、言葉はきっと色褪せちゃうね。

かたかげに こころはんぶん やすめたる
季語=片陰

※たいへんだ。きょうもありがとうございます。


8月4日(水)

しばらくは汗の乾きを受け止める

こころは態度に現れるものらしいですね。
でも、100%ではないでしょう。
そんなことわかっているけどね。

しばらくは あせのかわきを うけとめる
季語=汗

※暑いですね。きょうもありがとうございます。


8月3日(火)

言葉より冷たきものが滴りぬ

けっきょく、一番の不満は、
思い通りに物事が、人が動かないってこと。

ことばより つめたきものが したたりぬ
季語=滴り


※山の岩壁やこけ類などからの滴りに限定されるそうです。水道や雨の滴りは季節感がないので入らないそうです。
※時計の音が聞こえる。きょうもありがとうございます。


8月2日(月)

風鈴や音が涙に変わるとき

他のひとの言葉を、
ただ拝借しても、
大したものは残っていませんね。
いまさらながら思いました。

ふうりんや おとがなみだに かわるとき
季語=風鈴

※工夫しないとね。きょうもありがとうございます。


8月1日(日)

口ずさむ歌は少なし大夕焼


他者の気持ちをあれこれ推測するよりも、
自分がどうしたいかの方が、ずっと重要みたいです。

くちずさむ うたはすくなし おおゆうやけ
季語=夕焼

※あっという間に8月ですね。きょうもありがとうございます。


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