2010年

10月31日(日)

運命の静まりかえる荻の朝

頑張らなくていいときに頑張るから、疲れるんだよね。

うんめいの しずまりかえる おぎのあさ
季語=荻の朝

※一見、オギとアシの区別はむずかしいそうです。オギは穂が真っ白。アシは紫褐色。
※10月も、もう終わり。きょうもありがとうございます。


10月30日(土)

団栗や両手の伸びるところまで

身近なものに受け入れてもらえないものは、
遠くのものにも受け入れてもらえない、らしい。

どんぐりや りょうてののびる ところまで
季語=団栗

※台風は? きょうもありがとうございます。


10月29日(金)

秋時雨とうの昔に忘れしも

人に合わせるって簡単なようでむずかしい。
自分のうれしいと、相手のうれしいは異なる場合が多いから。

あきしぐれ とうのむかしに わすれしも
季語=秋時雨

※秋のしぐれのこと。しぐれ、キレイな言葉ですね。
※明日は台風っすか? きょうもありがとうございます。


10月28日(木)

冷まじや頭痛の種を持ち帰る

調子のいいときと、悪いときで、選句も微妙に変化します。
体調が悪いとやっぱり機嫌もわるいもの。

すさまじや ずつうのたねを もちかえる
季語=冷まじ

※スサマジという語感からは、今日みたいな寒さを想像します。
※でも、季語の原義としては、涼しいというよりは重く、寒いというよりは軽い、やや強い秋の冷気のことです。
※もともとの語は、「すさぶ」や「すさむ」なのだとか。
※ちょっと回復。きょうもありがとうございます。


10月27日(水)

草の花朽ちるときまた空の青

雑草の趣は名を知らないからことにあり、
名を知れば雑草は雑草でなくなる。

くさのはな くちるときまた そらのあお
季語=草の花

※名のある草の花も、名もなき草の花も、同じ草の花。その総称としての季語。
※秋の草の花は種類が多く、千草(ちぐさ)の花、百草(ももくさ)の花ともいわれます。
※なんてな。きょうもありがとうございます。


10月26日(火)

待ち人やせんだんの実のほのかなり

組織の中で損するタイプと得するタイプ。
どっちだと言われれば、明らかに損するタイプですね。

まちびとや せんだんのみの ほのかなり
季語=せんだん

※樗(おうち)の実のことです。オウチ、オウチと初めて耳にしたとき、何のことかと思いました。
※果実はサクランボくらいの大きさで、秋になると黄色くなります。冬、落葉しても多くの実が残っています。
※よく勘違いされるようです。「栴檀は双葉より芳し」の栴檀は、香木の白檀(びゃくだん)の別称でもあって、オウチのことではありません。まぎらわしいよね。
※あはは。きょうもありがとうございます。


10月25日(月)

人里を離れ秋また秋となる

やっぱり人は鏡なんだな、と、ふと意識するときがあります。
大抵は忘れてる。こちらが曇っていれば、相手も同じような曇りをつくる.
そんなものなのかもしれません。

ひとざとを はなれあきまた あきとなる
季語=秋

※逆もしかりだけれども、逆はむずかしい。きょうもありがとうございます。


10月24日(日)

神々の手心を知る櫟の実

欠けているものに気づき、それを補おうとするとき、大にして焦る。
で、途中で続かなくなる。楽して得られるものは、それなりのものなのに。

かみがみの てごころをしる くぬぎのみ
季語=櫟の実

※ドングリの中のひとつ。ドングリの背くらべ。
※クヌギの他に、ナラやカシワなどがありますが、大抵はクヌギをドングリと呼んでいるみたいです。
※風邪を引くとやる気も失せます。きょうもありがとうございます。


10月23日(土)

血肉より一足早く蔦紅葉

堂々めぐりの考えは、その限界を示している。
言われてみれば、その通りですね。

ちにくより ひとあしはやく つたもみじ
季語=蔦紅葉

※天気の変わり目に弱いです。すっかり秋なのですが、妙に寒かったり暑かったり、それが秋ってものでしたっけ?
※さてさて。きょうもありがとうございます。


10月22日(金)

うつむいていのちをこうていのこづち

言葉にすると、ほら、なんとなく。
そういうものかもしれません。

うつむいて いのちをこうて いのこづち
季語=いのこづち

※うっかり、すっかり、風邪を引きました。風邪が流行っています。気を付けてくださいね。
※いやいや。きょうもありがとうございます。


10月21日(木)

南天の実の余りある嘆きかな

「なんとなく」が許されない場所は、
窮屈で、退屈で、居心地が悪い、
のだろうね。
逆もあるのかもしれない。

なんてんのみのあまりある なげきかな
季語=南天の実

※難転。きょうもありがとうございます。


10月20日(水)

後の月どこかでみなのつながりし

自分を大切にしない人は、人にも大切にしてもらえない。
基本中の基本みたいないです。

のちのつき どこかでみなの つながりし
季語=後の月

※十三夜のこと。旧暦九月十三日の月のこと。少しばかりかけた月を愛でる。満月ではなく、三日月でもなく、いかにも日本人らしいセレクトかもしれません。
※なんとか流星群がみれるピークみたいですね。でも雨みたいです。
※お大事に。きょうもありがとうございます。


10月19日(火)

銀杏や成ることよりも落ちること

見ているのに、見えていないもの。
探せばいろいろありそうです。

ぎんなんや なることよりも おちること
季語=銀杏

※イチョウの実、木に付いているところを見たことありますか?
※一般的にギンナンと読んでいるものは、梅干のような実の中にある種子です。
※でも本来はその多肉質の実をギンナンというらしいです。でもって、その実が臭いのもとなんですと。
※すいません。ギンナンってドングリのようなものだと思っていました。
※なんと。きょうもありがとうございます。


10月18日(月)

色づけば幸せなのか青蜜柑

自己評価といえども、他人の評価を基準にしていたりするもの。

いろづけば しあわせなのか あおみかん
季語=青蜜柑

※ミカンは晩秋に色づきはじめます。
※そんなもんだ。きょうもありがとうございます。


10月17日(日)

大概は冷たきままに木の実落つ

イライラの原因って、意外に簡単なところにあるのかもしれません。

たいがいは つめたきままに このみおつ
季語=木の実

※きのみともいいます。どんぐりころころどんぶらこ。一般的に柿などの果実は含まれません。
※苦手意識。きょうもありがとうございます。


10月16日(土)

去り際のひとりひとりの秋の声

自分の欠点を誰かに指摘されるほど、腹の立つことはないでしょ?
親切で正直で優しい人にほど、言われたくないものでしょ?

さりぎわの ひとりひとりの あきのこえ
季語=秋の声

※秋になると空気が澄みはじめ、さまざまな物音に対し敏感になってくる、といった感じの季語です。
※どうですか。きょうもありがとうございます。


10月15日(金)

少年の声に振り向き案山子かな

伝えたいことを俳句にする、という場合もありますが・・・・。
最近、それでいいのか?、と、疑問に思うこともあります。

しょうねんの こえにふりむき かかしかな
季語=案山子

※理由を突き放したところに理由が生まれるのであって、
理由ありきでつられたものは単に理屈っぽいだけ、のような気もしなくもないです。
※このごろ。きょうもありがとうございます。


10月14日(木)

雨よりも涙は鹹い秋の風

非凡さを求めても、
3か月もすれば飽きてしまいますよ。

あめよりも なみだはからい あきのかぜ
季語=秋の風

※原句は「雨よりも涙はからい秋の風」です。「はからい」と読んでしまうので漢字にしました。
※一般的には「辛い」なのだけれど、どうしても「辛い」は違う気がして、一度はひらがなにしたのですが・・・・。
※先生に教えていただいたのが、「鹹い」という漢字。
※「辛い」は全般を、「鹹い」は塩からい、しょっぱい、を意味するそうです。
※先生いわく、俳人ならふりがなしで読めるそうです。あはは・・・・
※秋の風は日に日に冷たさを増してゆきます。素風、金風、色無き風、ともいいます。
※3日もすれば忘れます。きょうもありがとうございます。


10月13日(水)

秋晴やきょうはこんなに水曜日

この世でもっとも無駄な時間は、
嫌いな奴のことを「やっぱり嫌いだ」と、
ひとり再確認している時間
なのかもしれません。

あきばれや きょうはこんなに すいようび
季語=秋晴

※呆れるほどに無駄。きょうもありがとうございます。


10月12日(火)

吊されて蓑虫の色褪めにけり

近ごろ作句する数が激減してね。
このままじゃ、やばい、と思いながら・・・・。
毎日続けるって、こういうことかと感じながら・・・・。
明日からまたがんばりますぅ。

つるされて みのむしのいろ さめにけり
季語=蓑虫

※そうですね。きょうもありがとうございます。


10月11日(月)

木犀の風の便りを請うており

ついてると思えば、ついてるし、ついてないと思えばついてない。
そんなものみたいです。不思議ですね。

もくせいの かぜのたよりを こうており
季語=木犀

※モクセイは2回開花するそうです。
※たぶん。きょうもありがとうございます。


10月10日(日)

雨風のとけたる匂い金木犀

どうでもいいことが多すぎますが、
どうでもいいことほど気になりますよね。

あめかぜの とけたるにおい きんもくせい
季語=金木犀

※伊豆の雲見というところに、潜りに行ってきました。地形が面白くて、ヘタに海外に行くよりも楽しいかもと思いました。
※帰る頃に晴れ渡り、それまでずっと雨でした。体育の日なのにね。
※めずらしい。きょうもありがとうございます。


10月9日(土)

鬼灯の袋の中の夢に入る

かろやかなことばかりではないでしょう?

ほおずきの ふくろのなかの ゆめにいる
季語=鬼灯

※ホオズキの袋の繊維が残り、中の赤い実が透けて見えるものを虫鬼灯というそうです。
※ホオという虫が好むのでホオズキと名付けられたとか。
※大抵は安易というか単純。きょうもありがとうございます。


10月8日(金)

宵闇の夜の深さを聞きにけり

仕事を休むことに妙な罪悪感がいまだにあります。
学校を休むことには一切感じませんでしたけどね。
みんなお互い様、休みは上手に休まないとね、と思います。

よいやみの よるのふかさを ききにけり
季語=宵闇

※月の出がだんだん遅くなって行く、月明かりのない暗さ。
※今日は新月。月と太陽が同じ方向を向いて月が完全に隠れる日。
※都会では「夜が暗い」ってことはない。きょうもありがとうございます。


10月7日(木)

滑稽と笑えぬものやえのこ草

好きなことをしている限り、
時間など忘れて、食事も睡眠も忘れてしまうもの。

こっけいと わらえぬものや えのこぐさ
季語=えのこ草

※小犬の尾っぽに似ているからエノコログサ、猫がよろこぶからネコジャラシ。海外では緑の狐のしっぽ。緑はタヌキばかりじゃないんですね。
※先日、近所でイタチみたいな長い動物をみたよ。夜中に住宅街を歩いてた。
※アワのご先祖なのだとか。
※インスタント。きょうもありがとうございます。


10月6日(水)

鶏頭や熱の終わりを告げており

うその返報は、きっと、うそ。

けいとうや ねつのおわりを つげており
季語=鶏頭

※花期は8〜11月なのだそうです。意外と長く咲いていたんですね。
※万葉集にも「からあゐの花」として登場する渡来の花。ずいぶん古くからある花だったんですね。
※白い花の白ケイトウというものがあるそうです。黄色も橙もあるとか、見たことはありません。
※俳句でケイトウといえば、赤でございます。
※ならいいけど。きょうもありがとうございます。


10月5日(火)

真夜中の月に閉ざせり金魚かな

「前後」の間隔は人によって違う。
短い人もいれば、長い人もいる。

まよなかのつきにとざせり きんぎょかな
季語=真夜中の月

※傍題は二十三夜。半月に近い月。もしくは、その前後の夜半に昇ってくる月の総称とも。
※もう新月に近いけど。きょうもありがとうございます。


10月4日(月)

金木犀がさよらなをこじ開けた

かなしくないから、かなしいふりをするのかな?
さみしくもないから、さみしさに憧れのかな?
微量のかなしみとさみしさと妄想と。

きんもくせいが さよならを こじあけた
季語=金木犀


※風に乗ると50メートル先でも匂うそうです。
※金木犀の花にも風情はありますが、匂わないと気づかない。花がこぼれないと気づかない。
※木犀の犀という字、幹の表面が動物のサイの皮に似ているからなのだそうです。今度よくみてみよう。
※「真のユーモアの源泉は哀愁である」、マーク・トウェインの言葉だそうです。チャップリンも似たようなことを言っていたような気がします。
※むつかしいですね。きょうもありがとうございます。


10月3日(日)

曼珠沙華血の色深く住みにけり

くやしさも、うらめしさも、嫉妬も、距離が近いからこそ、なのでしょうね。

まんじゅしゃげ ちのいろふかく すみにけり
季語=曼珠沙華

※ユーモアの源泉は・・・・、なんでしたっけ?
※先月、やっと、なぜか?、このサイトへのひと月の訪問者が500人を上回りました。毎月、微妙なラインで超えなかったんですよね〜。お陰様です。
※じつは毎月500オーバーが第一の目標です。自主出版の平均的な発行部数が500冊だということなので。今後ともよろしくお願いいたします。がんばってみます。
※満開? きょうもありがとうございます。


10月2日(土)

銀色の夢の果てなり富士薊

気分も天気に左右されるものなのかしら?

ぎんいろの ゆめのはてなり ふじあざみ
季語=富士薊

※高さが2メートルにもなるものもあるのだとか。アキアザミの代表がフジアザミ。富士山や富士の裾野に多いそうです。
※なんとなく。きょうもありがとうございます。


10月1日(金)

はじめから終わりを信じ夕化粧

さりげない場所にさりげなく。


はじめから おわりをしんじ ゆうげしょう
季語=夕化粧

※夕べに咲いて朝萎むからユウゲショウといいます。
※白粉花のこと。種の中の胚乳に白い粉があります。これを子どもが白粉にして遊んだそうです。
※メキシコ原産で、外国産の花ではもっとも古い花のひとつといわれています。
※赤・白・黄色。きょうもありがとうございます。


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