2011年

1月31日(月)

楪や時間とともに忘れられ

行き詰まったときは視点を変えればいい、のか?

ゆずりはや じかんとともに わすれられ
季語=楪

※もうすっかり正月気分などありませんが、新年の飾りに用いられる木です。縁起物として庭木にも。
※春に新葉が生いととのってから、それに譲るように古葉が落ちます。
※新旧が相譲る様に似ていることから、譲り葉、親子草などと呼ばれます。
※明日から2月だ。きょうもありがとうございます。


1月30日(日)

何食わぬ顔で雑食寒雀

人は見た目じゃないというけれどね。
気持ちに余裕のある人だかりじゃないですものね。

なにくわぬ かおでざっしょく かんすずめ
季語=寒雀

※寒中は羽毛をふくらませてまるまるとみえます。
※この時期は食物が少なくて大変なのでしょう。
※いろいろですね。きょうもありがとうございます。


1月29日(土)

夕空に後ろをとられ寒の木瓜

間を保てないから「間抜け」。
間って大切なんですね。

ゆうぞらに うしろをとられ かんのぼけ
季語=寒の木瓜

※寒ボケは改良品種なのだそうです。
※読者800を超えました。きょうもありがとうございます。


1月28日(金)

厳寒にまた泣いている泣いている

「賢いさ」を競おうとするでしょ?
自分の方が「賢いんだよ」と、
最初に思った方がだいだい負けだよね。

げんかんに またないている ないている
季語=厳寒

※分厚いコートを着て、ユニクロのヒートテックも着込んで、
セーター着てマフラー巻いて、ホカロンも使って、それでも寒いです。
※先週、海に潜りに行きました。1メートル以上はある超でかいキアンコウをみました。
海底32メールくらいの深さ。アンコウって平べったいんだよ。
※真冬は寒いけど、伊豆でも海の水が澄んでいて25メートくらい先まで見えたかな。
※わかる? きょうもありがとうございます。


1月27日(木)

人生の中に織り込む若菜かな

礼節も大切かもね。
しばられるのは、いやだけど。

じんせいの なかにおりこむ わかなかな
季語=若菜

※いまさらですが、七草の句。若菜は七草の総称です。
※七草は、万病を払い、邪気を除くといわれています。
※せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな(カブ)、すずしろ(大根)
※今日、銀座の句会に参加してきました。勉強になりました。詳しくはまた別の機会に。
※ときどきは超結社などの句会に参加してみるのもいいかもしれませんね。
※俳句に関してはまだ内にこもっていたいのだけれども・・・・あはは。
※ただ、なんとなく。きょうもありがとうございます。


1月26日(水)

麦の芽の青さを借りて月をみる

そもそも長い文章を一気に読ませる、
なんてことは職人技なんですよ。
一行目は二行目を読ませるために、
以降はさらに読ませるために。
つまずかないように、飽きないように。
かなりの技量と工夫が必要なんですよ。

むぎのめの あおさをかりて つきをみる
季語=麦の芽

※高浜虚子の「季寄せ」によると、1月の季語。他で調べると、芽を出すのは11月から12月くらい。
※ひと目で長い、読む気がしない、ってなるくらいの長さがあって。何が違うんでしょうね? 雰囲気?
※365日、クオリティの高い長文をかけるなんて、尊敬ものです。カンタンには真似できません。
※まあいいや。きょうもありがとうございます。


1月25日(火)

たいがいのことがうとまし寒の月

なんだかわからなことは、
わからないままにしていても、
さして困ることはない。
例外もあるけどね。

たいがいのことがうとまし かんのつき
季語=寒の月

※寒いからね。きょうもありがとうございます。


1月24日(月)

日脚伸ぶ音のすべてを吸い込みて

後天的に習得することが困難で、
誰もが許せない欠如、それが「真摯さ」なんだって。

ひあしのぶ おとのすべてを すいこみて
季語=日脚伸ぶ

※はっきりと実感するのはもう少しあとでしょうが、でも確かに日が長くなりましたね。
※一年でもっとも昼が短いのは冬至(12月22日前後)のころです。
※もうひと月。きょうもありがとうございます。


1月23日(日)

我に似てもろく冷たきつららかな

「積み上げることはむずしく、
壊すことはカンタンだ」とは言うけれど。
理解はしていても、それでもやっぱり、むずかしい。

われににて もろくつめたき つららかな
季語=氷柱

※はやく春にならないですかね。きょうもありがとうございます。


1月22日(土)

冬の草骨の匂いのあるという

気まぐれなところを直そうと思っても、
それ自体が気まぐれだから・・・・。
よくいう「リセット」って、
すべてを0に戻すことではないのでしょう?

ふゆのくさ ほねのにおいの あるという
季語=冬の草


※良い天気でしたね。きょうもありがとうございます。


1月21日(金)

大寒にそぼろとなりしこころかな

厳しいことを言うのは簡単だ、という気がします。
簡単というより安易?
口にした方は気分が良いけど、
言われた方はいい気がしないのだから。

だいかんに そぼろとなりし こころかな
季語=大寒

※昨日が大寒でした。一年で一番寒い日。
※どんなことにも、サービス精神は大切ですよ。なんて。
※「タイカン」と発音するのだと思ってました、つい先ほどまで。思い込み。
※おぼろじゃないよ、そぼろだよ。「そぼろ」は、ものが乱れ、こんがらがること。
※風邪引かないでね。きょうもありがとうございます。


1月20日(木)

むらさきにくごもる空や冬薔薇

一度でも恐怖心に取りつかれたらすくんでしまう。
誰しも。何もしなければ蓄積されるだけ。
あれもだめ、これもだめ。
並大抵のことでは取り除けない。
しかし、それができるのは人間だけなのだそうです。

むらさきに くごもるそらや ふゆそうび
季語=冬薔薇

※冬に咲いているバラのこと。温室で咲くバラは、冬バラとは呼ばないそうです。
※でしょうね。きょうもありがとうございます。


1月19日(水)

雪上に凍ることもできずにいる

悪意を悪意と捉えず、
好意を好意と考えない、
としたら、それはそれでいいのかなぁ?

せつじょうに こおることもできずにいる
季語=雪

※なんとなく・・・・。きょうもありがとうございます。


1月18日(火)

いつまでも葉牡丹なりや懲りもせず

こりたら終わりというけれど・・・・
「余白」がなくなったら考え直さなくちゃね。

いつまでも はぼたんなりや こりもせず
季語=葉牡丹

※キャベツの仲間。キャベツのように丸くならない、色づいた葉が牡丹に似ているからハボタンというそうです。
※花ではないけれど、正月の生け花として好まれるそうですね。
※春になると茎を塔のように立てて、淡黄色の花を咲かせます。茎立(くくたち)といいます。
※俳句もね。きょうもありがとうございます。


1月17日(月)

蝋梅やみなしごとなりおのずから

自分のこと以上に
他人に興味のある人なんていない。
自分が他人だもの。

ろうばいや みなしごとなり おのずから
季語=蝋梅

※香りが高く、生命観のあるようなないような花。
※その名の通り、まるでほんとの蝋細工のような淡い黄色の花です。
※無色という色? きょうもありがとうございます。


1月16日(日)

やわらかく冬の星座が手を振りて

悩みがあるときって、
いろんなことが示唆的に聞こえたり、
見えたりするものなんですよね。
こまったものですよね。

やわらかく ふゆのせいざが てをふりて
季語=冬星座

※冬の空には、双子座、オリオン座、牡牛座、こいぬ座、おおいぬ座などが見えます。
※ふと思い出した。きょうもありがとうございます。


1月15日(土)

一月や闇の中より闇生まる

強すぎる後悔は、悪意に似ているよ。

いちがつや やみのなかより やみうまる
季語=一月

※正月気分も抜けちゃいましたね。きょうもありがとうございます。


1月14日(金)

温もりの消えて久しき寒卵

時を重ねるごとに、怒りは積み重なってゆく。
おのれに対する静かな怒りは、やがて堅牢な殻を形成してゆく。

ぬくもりの きえてひさしき かんたまご
季語=寒卵

※卵はビタミンCと食物繊維以外の必要な栄養分のすべてを含んでいるといわれています。
※なかでも寒中に産んだ卵は、滋養が多いそうです。滋養が多いって、なに?
※似てる? きょうもありがとうございます。


1月13日(木)

やぶこうじ神のつぶての五つ六つ

人は見かけじゃ分からんよ。
でも見た目で判断しちゃったほうが、楽なんですよ。
それだけのことですよ、たぶん。

やぶこうじ かみのつぶての いつつむつ
季語=藪柑子

※常緑の間に、つやのある丸い真っ赤な実を付ける。
※なんとなくね。きょうもありがとうございます。


1月12日(水)

水鳥の波紋小さくつかみおり

人が当たり前と思うことは、すでに見慣れたもの。
見慣れたものは、過去のもの。

みずとりの はもんちいさく つかみおり
季語=水鳥

※水に浮かぶ鳥の総称ですが、秋に渡ってきて春に帰る鳥が多いので、俳句では冬の季語となっています。
※和歌の枕詞として使われる「水鳥の」は、水に浮き漂う不安を比喩しているものが多いのだとか。
※希望と言えども、不安あってのものなんでしょうけどね。
※小さな小さな。きょうもありがとうございます。


1月11日(火)

雪だるま転がりようを忘れおり

嫌いな人が多いということは、
それだけ自分も煙たがられている、
ということなのにね。
意外と気づかないものですよね。
まわりは大人だから。

ゆきだるま ころがりようを わすれおり
季語=雪だるま

※わかるけど。きょうもありがとうございます。


1月10日(月)

寒の水方向をまた見失う

人間には7つの大罪があるそうです。
傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲。
すべてがあって人間なんですけどね。

かんのみず ほうこうをまた みうしなう
季語=寒の水

※寒に入りましたね。寒中の水は薬になると言われています。
※震えるほど寒いです。きょうもありがとうございます。


1月9日(日)

山眠るあなたのように眠りおり

どこにでもいるような人の方が、
どこにもいないんじゃないでしょうか。
なんて思ったりします。ときどき。

やまねむる あなたのように ねむりおり
季語=山眠る

※「山眠る」は、春の季語「山笑う」と対となるもの。富士のような大きな山ではなく、もっと身近な山にふさわしい表現のようです。
※言葉に溺れると、驕ってしまうよ。
※気にかけてくれる、それだけでうれしいもの。きょうもありがとうございます。


1月8日(土)

鯨かないつしか骨になりぬべし

クジラと聞いて思い出すのは、
小学校の給食にでたクジラの肉かな。
じつに固かった、ってことくらいしか覚えていないけど・・・・。

くじらかな いつしかほねに なりぬべし
季語=鯨

※生態系の話しは、むずかしいですね。あちらを立てれば、こちらが立たず。こちらを・・・・みたいな。
※どうも。きょうもありがとうございます。


1月7日(金)

緑色の記憶がましろき雪に

一番古い記憶って何ですかね?
その記憶って、自分の後ろ姿を俯瞰で見ていたりしませんか。

みどりいろのきおくが ましろきゆきに
季語=雪

※まっしろけ。きょうもありがとうございます。


1月6日(木)

気まずさをふたつ折り込み冬椿

人の気持ちを盛り上げるって、むずかしい。
そこにある負のものは完全に無視するってことなのだろうから。

きまずさを ふたつおりこみ ふゆつばき
季語=冬椿

※寒さは無視できないね。きょうもありがとうございます。


1月5日(水)

吹き零れ白菜は白菜であり

困ったときに、困ったままにしておくと、
ほんとに困ったことになることもありますよ。

ふきこぼれ はくさいは はくさいであり
季語=白菜

※はじめないと、はじまらないそうですよ。
※繰り返しですね。きょうもありがとうございます。


1月4日(火)

大空は冬木をいつも取り残す

普段できないことは、休み中にもできないものですね。
今さらですが、ほんと、休みは休みとして使うべきかも知れませんね。

おおぞらは ふゆきをいつも とりのこす
季語=冬木

※冬の木々全般をさしています。ただ、冬木といえば落葉樹が似合います。
※寒いですね。きょうもありがとうございます。


1月3日(月)

飴色の憂いに染まる雑煮かな

おみくじを引きました。
「曇った鏡に人の姿はうつらぬ」と書いてありました。
大吉でした。

あめいろの うれいにそまる ぞうにかな
季語=雑煮

※人の集まる場所には、いろいろな解釈あって面白いです。
※お休みも今日まで。きょうもありがとうございます。


1月2日(日)

初鴉初明り水道の水

「昔はよかった」ってことは、未来を期待してない言葉ですわね。
いくらでも変化するのに。

はつがらす はつあかり すいどうのみず
季語=初鴉

※初鴉は、元日に見るカラス。もしくはその声。
※季重ねですね。情景の主体はカラス。初日の出の時間からカラスが活動しているかどうかは、実は知りません。
※季語としての「初明り」は、元日の明け方、東の空にさすやわらかい光のこと。
※元日の朝、目覚めて感じる光も個人にとっての「初明り」といえるのでは?
※厳密には知らんよ。きょうもありがとうございます。


1月1日(土)

元日は潤目鰯を笑うため

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
新年を迎えて大きく変わるものって
何ですかね?

がんじつは うるめいわしを わらうため
季語=潤目鰯


※魚へんに弱いと書いてイワシ。いつも大きな魚に追い回されているから、だそうです。
※イワシは3種類に大別されます。真鰯、かたくち鰯、潤目鰯。
※大きな目がうるんで見えるので、ウルメイワシという名に。
※脂肪が少なく味が淡泊。塩焼きや煮物には適さず、干物にする。
※沢山の幸運が訪れますように。きょうもありがとうございます。

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