• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2012年10月

31日(水)

秋深し逃げてどうなることもなし

いろいろとヘンだという自分を、
だれがヘンでないと保証してくれるの?

あきふかし にげてどうなることなし
季語=秋深し
※いよいよ冬ですよ。きょうもありがとうございます。

30日(火)

あきらめの悪さもありて紅葉かな

ボスキャラって、どんなものなのだろう、と。
人は見かけによりません。

あきらめの わるさもありて もみじかな
季語=紅葉
※ほんとにそうですね。きょうもありがとうございます。

29日(月)

しばらくは満足してる竜田姫

竜田揚げとは関係あるのだろうか。
ないのだろうか。ないならないでいいけれど、
微妙にあるような気もしなくもない。

しばらくは まんぞくしている たつたひめ
季語=竜田姫
※竜田姫は野山を紅葉で彩り粧う女神です。奈良の竜田山が神格化されたのだとか。
※竜田揚げは紅葉の名所として名高い奈良の竜田川に由来するとか、いないとか。
※たまたま見つけたネットの情報を、まるで以前から知っていたかのように・・・・。
※ネットは便利で安易です。でもそれを動かすそれは、途方もなく高度です。
※使い方です。きょうもありがとうございます。

28日(日)

心なしとげとげしくて冬支度

仕事と思えばりっぱな仕事じゃないか。

こころなし とげとげしくて ふゆじたく
季語=冬支度
※朝も寒くなり、夜も寒くなり、昼も曇れば寒くなり。冬の用意をはじめる頃合いです。
※寒がりにとっての冬は。きょうもありがとうございます。

27日(土)

この先もいろいろありて草紅葉

かえでだけが紅葉ではなし、
樹木だけが紅葉するわけでなし。

このさきも いろいろありて くさもみじ
季語=草紅葉
※モミジは燃えいずる様子をあらわす「もみいづる」から派生した言葉といわれています。
※世界は広いものね。きょうもありがとうございます。

26日(金)

前置きの長さをはかる蔦もみじ

「さるかに合戦」くらいなら、
そらで話すことができると思ったのですが。

まえおきの ながさをはかる つたもみじ
季語=蔦紅葉
※「蔦」だけでも秋のモミジを指す季語となっています。
※それだけツタモミジが美事ということなのでしょうね。
※だろうね。きょうもありがとうございます。

25日(木)

すっきりと信じ切れない梅擬

辞典をよくよく見ると
モドキには「張り合う」という意味がありました。

すっきりと しんじきれない うめもどき
季語=梅擬
※真紅の実を鑑賞する庭木として親しまれています。
※その実は野鳥たちの大好物でもあるそうです。
※花ではなく枝や葉がウメに似ているからウメモドキなのだとか。
※ウメと張り合っているのは何なのか。きょうもありがとうございます。

24日(水)

つぶやきのあれこれありぬ秋の暮

楽天的というだけで、どれだけ心強いか。

つぶやきの あれこれありぬ あきのくれ
季語=秋の暮
※現在では「秋の暮」といえば、秋の夕暮れを意味します。
※いつの頃からか、秋の季節が暮れるという感覚は通じにくくなったのでしょうか。
※夜がそこそこ寒くなり・・・・。きょうもありがとうございます。

23日(火)

二次元にはりついている秋時雨

「何もしないよりはいい」と「何もしない方が無難」
うまく折り合いが付くわけないですよね。

にじげんに はりついている あきしぐれ
季語=秋時雨
※さっきまで晴れていたのに、急にぱらぱらと雨が降り出すことがあります。しばらく降り続くのかと思えば、いつの間にか晴れて、また降り出す。
※これが本来の「しぐれ」と呼ばれるもので、京都など山に囲まれた土地で多く見られる現象なのだといいます。
※現在では都会の通り雨も「しぐれ」と呼ばれています。
※傘持って出た? きょうもありがとうございます。

22日(月)

しばらくは匂いの残る今朝の月

このサイトをはじめたころに購入したプリンターも、
いよいよ取り替え時となったようです。
重なるときは不思議と重なりますね。

しばらくは においののこる けさのつき
季語=月
※最近ではコンビニでPDFデータの出力ができるんですってよ。今度試してみましょ。
※曖昧な感じの月でした。きょうもありがとうございます。

21日(日)

からたちの実の足枷となる夕日

地味にすごいことって、いろいろありそうです。

からたちのみの あしかせとなるゆうひ
季語=枳殻の実
※枝が進化したのか、驚くほど鋭く長いトゲが特徴的です。そのくせ実はピンポン球のようにまん丸で黄色くて可愛らしい。
※香は良いが、苦味と酸味が強すぎて人間の口には合わないそうです。
※そんなカラタチの種は誰がどうやって運ぶのでしょうか。苦味のわかるアクロバティックな鳥類でしょうか? 葉っぱはアゲハの幼虫が好んで食べるそうです。
※オレンジとカラタチを掛け合わせた「オレタチ」という新種があるとか。
※面白い。きょうもありがとうございます。

20日(土)

緩やかににんげんとなる捨案山子

時間的感覚というのは、人それぞれのようで・・・。

ゆるやかに にんげんとなる すてかがし
季語=案山子
※俳句の季語としては、カカシではなく「かがし」が正式なようです。
※カガシは本来、田の神の依代であったといわれています。
※カガシの音は「嗅がし」から来ているとか。「嗅がし」とは、鳥獣が嫌う悪臭のするものを串刺しにして田畑に立てたもの。例えば獣肉や魚の頭、髪の毛などを焼き、農作物を荒らす鳥獣よけにしたといわれています。
※かが(やか)し。きょうもありがとうございます。

19日(金)

世の中はまがまがしくも椿の実

災い転じててんてこ舞いなこの数日、少しばかり寝不足です。

よのなかは まがまがしくも つばきのみ
季語=椿の実
※ツバキは、古代、不老不死の霊木と考えられていました。
※そろそろ完熟する時期です。ひとつの実から3~5個の種が採れます。
※種を絞った油は『椿油』として、食用・灯油・機械油・頭髪用油など幅広く利用されています。
※よよいのよい。きょうもありがとうございます。

18日(木)

丹念に靴を磨いて金木犀

急いでいるときに限って近道とやらを試したくなって、
懲りもせず後悔したりする。

たんねんに くつをみがいて きんもくせい
季語=金木犀
※モクセイの存在に気付くのは、雨あがりの香であることも多いかも。
※大抵は散りはじめてその存在に気付くことが多いかもしれません。
※金木犀、銀木犀、淡い黄色の「淡黄色木犀(ウスギモクセイ)」という園芸種もあるのですね。
※また雨だ。きょうもありがとうございます。

17日(水)

相容れぬ不満の出どこ星月夜

都心では新月であることすら気付かないことが多い。

あいいれぬ ふまんのでどこ ほしづきよ
季語=星月夜
※秋は大気が澄んでいるので、星がよく見える、と言われています。
※今日は雨でしたけどね。きょうもありがとうございます。

16日(火)

手に余ることも承知のさねかずら

青空にもいろいろな青空があるようです。

てにあまることもしょうちの さねかずら
季語=実葛
※植物の名はサネカズラといいますが、俳句では美男葛の名で親しまれています。
※その昔、若枝の樹皮を水に浸して整髪油の代わりにしたことから「美男かずら」と呼ばれるようになったといいます。
※紅く艶やかな実が丸い房となってぶら下がります。実のつきかたが独特です。
※どくとくか。きょうもありがとうございます。

15日(月)

裏腹な大人となりて赤い羽根

募金にもいろいろなカタチや仕組み、組織があるようです。

うらはらな おとなとなりて あかいはね
季語=赤い羽根
※赤い羽根共同募金は毎年10月1日からはじまるそうです。期間は一か月。
※三つ子の魂はいくつまで? きょうもありがとうございます。

14日(日)

あれこれと書き足してゆく萩に雨

萩はもう終わったのかと思っていたら、
図書館に行く途中の路地に
ひっそりと咲いていました。

あれこれと かきたしてゆく はぎにあめ
季語=萩
※ハギという名はその総称で、正確にはいくつかの種類があります。
※例えばヤマハギ、マルバハギなど。庭先でよく見るのはミヤギノハギという品種だとか。
※肌寒い一日。きょうもありがとうございます。

13日(土)

水澄みて役には立たぬものとなり

引き際って、いくつになっても、
むずかしいものなのでしょうね。

みずすみて やくにはたたぬ ものとなり
季語=水澄む
※秋はすべてが澄みわたる季節であるといわれています。
※川の水が澄んできたかのようでした。きょうもありがとうございます。

12日(金)

折り鶴の背を膨らませそぞろ寒

性分なのか、環境なのか。

おりづるの せをふくらませ そぞろざむ
季語=そぞろ寒
※なんとなく寒いと感じる時間が徐々に増えてきましたよね。
※「そぞろ」は、わけもなく、なんとなく、といった意味合いです。
※はたと気付くことがある。きょうもありがとうございます。

11日(木)

惰性で続くキャッチボールと鰯雲

どうでもいいことは、まんまどうでもいいです。

だせいでつづく きゃっちぼーると いわしぐも
季語=鰯雲
※いかにも秋らしいイワシ雲。学名は巻積雲(けんせきうん)というそうです。
※この雲が出るとイワシが大漁なのだとか。雨の前兆であるともいわれています。
※空は? きょうもありがとうございます。

10日(水)

秋の日のジャムの小瓶にかき消され

そういえば、貯金箱いっぱいに
小銭をためた記憶がない、かも。
いや、あったか?

あきのひの じゃむのこびんに かきけされ
季語=秋の日
※釣瓶落としともいわれる秋の1日のこと。場合によっては秋の太陽であることも。
※朝の気温が20℃を下回るようになっても、日中の日ざしはまだ衰えていないかのようです。
※寒暖の差に風邪を引きそうです。きょうもありがとうございます。

9日(火)

裏紙にセロハンテープ秋うらら

「いつまでもそのままでいてくださいね。」
素敵な言葉のようで、
呪いの言葉だったりもするような、しないようなぁ、だ。

うらがみに せろはんてーぷ あきうらら
季語=秋うらら
※秋の次は厳しい冬。そんな次の季節を忘れてしまうような、穏やかな秋晴れの日のこと。
※日中は暖かでしたが、夜ともなるとそろそろ足もとの冷えが気になります。
※そんなもの。きょうもありがとうございます。

8日(月)

怪獣の着ぐるみにある秋思かな

世の中に説明できないことは多々あれど、
説明のいらないものなどあるのだろうか。

かいじゅうの きぐるみにある しゅうしかな
季語=秋思
※秋の寂しげな雰囲気に誘われて物思いにふける、ということもあるのでしょうね。
※本格的に秋ですから。きょうもありがとうございます。

7日(日)

吾亦紅評価はいつもあと一歩

マニアックであることと、個性的であることは、
ぜんぜん違うんですけどね。

われもこう ひょうかはいつも あといっぽ
季語=吾亦紅
※地味で目立つ花ではありませんが、日本の野に咲く秋の代表的な花です。
※紅というよりむしろ茶色なのではと、毎度のように思います。
※艶やかさも華やかさもない、散ることすらない、だけどバラ科の花なのよ。
※植物学上はバラ科の仲間、と言われても、その外見からとても想像できないね。
※ゆえに「われもまた紅い」吾亦紅とは、洒落た名前ですよね。
※いつごろから吾亦紅と呼ばれるようになったのでしょうかね。
※駅前の花屋さんにありました。きょうもありがとうございます。

6日(土)

にわとりはコーコケコッコ鬼胡桃

誰しも所々で本音は見え隠れしているものらしい。
いちいち気にしていたら、それはそれで辛いので、
いちいちは気にしないけれど。

にわとりは こーこけこっこ おにくるみ
季語=鬼胡桃
※クルミの一種で、日本に自生する種であるらしい。
※話題の『館長庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』に行ってきました。残念ながらこの連休中までなのですが・・・・それが残念。
※鳴き声は夜明けの合図。きょうもありがとうございます。

5日(金)

許しても許しきれない青蜜柑

口調ってむずかしい。
普通のつもりで普通でないなら、
普通じゃないのだろうね。

ゆるしても ゆるしきれない あおみかん
季語=青蜜柑
※ミカンは冬が旬ですが、青ミカンとして秋になると出回りはじめます。
※つい気づかず。きょうもありがとうございます。

4日(木)

秋色のほどほど揺れて楽しかり

「あきいろ」ではなく「しゅうしょく」。
国語辞典にも「あきいろ」ではなく「しゅうしょく」と・・・・。
いまのいままで
俳句だけの特別な読み方だと、思っていましたよ。

しゅうしょくの ほどほどゆれて たのしかり
季語=秋色
※秋色は、秋の景色や秋らしい気配のこと。
※古歌では「秋の色」として紅葉をイメージさせることが多いといいます。
※そうだったんだ。きょうもありがとうございます。

3日(水)

蚯蚓鳴く一事が万事という感じ

厄介ごとからは解放されたいと思うのが、
人情だと思うのですが。

みみずなく いちじがばんじというかんじ
季語=蚯蚓鳴く
※昔々、ケラの声をミミズの声と思い違いしていたことが、この季語のはじまりらしい。
※欧米では虫の声は雑音、という話を聞いたことがあります。そうなのですか?
※ミミズに目がないのは、昔に蛇の美しい歌声と交換したからなのだとか。
※いろいろと違うのね。きょうもありがとうございます。

2日(火)

乱れ萩風に乗せざる祈りかな

まれにですが、誤って一部を更新し忘れることがあります。
そんなこともありますので、あしからず。

みだれはぎ かぜにのせざる いのりかな
季語=乱れ萩
※秋の七草のひとつ。初秋に咲き始め、仲秋には散りこぼれます。
※秋の草の代表の如く草冠に秋でハギなのですが、でも本当は「木」なんですけどね。
※近所の美事な白萩はそれは美事に咲きこぼれていました。
※美事なだけに、掃除大変なんだろうなぁ、とか、余計なことも考えてしまいます。
※急いて事を仕損じる、でしたっけ。きょうもありがとうございます。

1日(月)

なにひとつ変わらぬ人や菊白し

図書館でたまたま目にした本を借りてみました。
タイトルから想像したものとは全然違いました。
でも読み出したらつい、読んでしまいました。

なにひとつ かわらぬひとや きくしろし
季語=菊
※菊は秋の代表的な花であり、日本の代表的な花のひとつかと。
※古くは中国から渡来した花なのだそうです。平安のころと考えられています。
※当初は観賞用ではなく、長寿のための薬として重宝されていたようです。
※朔日の月曜日だ。きょうもありがとうございます。