• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2017年1月

31日(火)

春近しひと煮立ちして一つまみ

料理はほとんどしないけど。

はるちかし ひとにたちして ひとつまみ 
季語=春近し
※春が近いと感じること。その気配。
※どこを見ても。きょうもありがとうございます。

30日(月)

ほこらしく禍福をまじえ冬の星

それにしても、都会の夜は明るすぎ。

ほこらしく かふくをまじえ ふゆのほし
季語=冬の星
※冬は空気が澄んでいるため、星の光彩も鋭くなります。
※濁れば反故。きょうもありがとうございます。

29日(日)

美しく去れやそ知らぬ寒鴉

街中の餌場にあらわれて、
やかましいぞ。

うつくしくされや そしらぬかんがらす
季語=寒鴉
※寒さにじっとしているカラスのこと。本質は強暴。
※枯木とカラス。古くから憐れさの象徴として好まれます。
※厳寒はとくに餌が乏しいため、油断は禁物。
※省エネモードってやつ。きょうもありがとうございます。

28日(土)

迷いても分け隔てなく水仙は

清楚で可憐で気品があって、
香り高い花といわれます。
でも、わりと身近。

まよいても わけへだてなく すいせんは
季語=水仙
※白い花びらに囲まれた、中心の黄色い花びらは副花冠(ふくかかん)と言うとか。
※そこらに群生しているよ。きょうもありがとうございます。

27日(金)

はればれと汚れも知らず氷張る

氷も厚みを増せば、
かんたんには解けない。

はればれと よごれもしらず こおりはる
季語=氷張る
※厳冬期は、川や滝、海までも凍らせますからね。
※無邪気な邪気みないな。きょうもありがとうございます。

26日(木)

米を研ぐ指の先より湯冷めして

美味しく焚くには、
すすぎ2回に、洗いを最低2回だったかなぁ。

こめをとぐ ゆびのさきより ゆざめして
季語=湯冷め
※風呂上がりはうっかりしていると風邪の原因になりやすい。
※台所俳句的な。きょうもありがとうございます。

25日(水)

乏しさもときに楽しく日脚伸ぶ

夕焼けと夜空の間が、
夕方らしい紺色になってきた。

とぼしさも ときにたのしく ひあしのぶ
季語=日脚伸ぶ
※冬至(12月22日前後)からひと月も過ぎると日が長くなってきたなぁ、と感じるようになります。
※20分くらいは長くなった? きょうもありがとうございます。

24日(火)

妄想は大口あけて冬夕焼

突き刺すかのように美しい。

もうそうは おおぐちあけて ふゆゆやけ
季語=冬夕焼
※寒中の夕焼けはとくに鮮明と言われています。
※冬だけにその時間は短く、すぐに暮れてしまいます。
※気づかないことも多い。きょうもありがとうございます。

23日(月)

風邪かしら口にするなり風邪を引き

意識し過ぎると、途端にぐだぐだ。

かぜかしら くちにするなり かぜをひき
季語=風邪
※「風邪の神」という季語があります。
※風邪をはやらせる疫病神のことで、やはり冬の季題です。
※引き寄せてしまう? きょうもありがとうございます。

22日(日)

手袋や顔をこすりて口ひらく

スマホは置き忘れないが、
手袋はどこかに忘れがち。

てぶくや かおをこすりて くちひらく
季語=手袋
※傘と同じね。きょうもありがとうございます。

21日(土)

用もなく用があるかの雪催

昨日はまさに
雪もよいでしたが‥‥

ようもなく ようがあるかの ゆきもよい
季語=雪催
※寒々として、いかにも雪になりそうな空模様のこと。
※昨日は大寒。きょうもありがとうございます。

20日(金)

あなたよりあなたに似たる冬帽子

実際はファッションとしての
役割の方が強いのかもしれない。

あなたより あなたににたる ふゆぼうし
季語=冬帽子
※季語の本意としては、防寒用の温かな帽子のこと。
※その総称。冬帽ともいう。
※毛帽子(毛皮の帽子)、雪帽子、綿帽子、頭巾という季語もあるが、今はもう使われていない。
※時代ですかね。きょうもありがとうございます。

19日(木)

幼さの鼻から抜ける枯芙蓉

枝先に枯れ色の実をつけます。

おさなさの はなからぬける かれふよう
季語=枯芙蓉
※中国原産の落葉低木。初秋に咲く大輪の一日花は、古くは美人薄命の象徴でした。
※枯れきった姿も、繊細でいて、どこか子どもの玩具のようでもあり、儚げです。
※とても折れやすい。きょうもありがとうございます。

18日(水)

顎引いて迷いすくなき寒卵

寒さが厳しくなると
産卵の回数も減るそうだ。
それが自然。

あごひいて まよいすくなき かんたまご
季語=寒卵
※ニワトリのタマゴは栄養素的に完全に近いと言われます。
※とくに寒中のタマゴは滋養強壮に優れ、古くは贅沢品でした。
※つるんとしているよ。きょうもありがとうございます。

17日(火)

臘梅やはにかむもろさ月に添え

ろう細工のような、月のような花です。

ろうばいや はにかむもろさ つきにそえ
季語=臘梅
※ウメに似た半透明の黄色い花。香りはランに似ているとも。
※江戸時代初期に中国から渡来しました。ので、別名は唐梅。
※新年、真っ先に咲く。きょうもありがとうございます。

16日(月)

あかぎれや利き手をかえて主義かえて

ひとつでも不便だけど、
ふたつ以上は少々めげる。

あかぎれや ききてをかえて しゅぎかえて
季語=皸
※あかぎれは寒さのために指先の皮が裂ける症状です。赤い肉色が見えて痛々しい。
※皮に軍と書いて皹(ひび)。左右逆にすれば皸(あかぎれ)。
※毎年大変。きょうもありがとうございます。

〇本日より更新時間が変ります。だいたい当日の午前中、ときどき未明。よろしくお願いいたします。

15日(日)

二心滲み出るかに氷柱なる

外気と室温の差が、
はなはだしいたら。

ふたごころ にじみでるかに つららなる
季語=氷柱
※水の滴りが棒状に凍ったもの。大小さまざま。
※屋根氷柱、軒氷柱、草氷柱などの表現も。
※東京都心部も朝は氷点下。きょうもありがとうございます。

14日(土)

冬ごもり蓋まっすぐに持ち上げる

そして、じょうずに、
ひっくり返す。

ふゆごもり ふたまっすぐに もちあげる
季語=冬籠
※寒くて家の中にこもりがちなことをいいます。
※結露もびっくり。きょうもありがとうございます。

13日(金)

舵取りのおとなしかに冬の梅

百花に先駆けて咲く
と、いわれています。

かじとりの おとなしやかに ふゆのうめ
季語=冬の梅
※早咲きのウメの総称。時期は気象風土よって異なります。
※今はまだ寒に入って間もないので、寒梅とも呼びます。
※日の当たる場所で春を待たずに咲きはじめます。
※うめ、咲きました。きょうもありがとうございます。

12日(木)

和を以て色の潰えぬ室の花

同じ日に購入した切り花も、
それぞれ長持ちの度合いが違う。

わをもって いろのついえぬ むろのはな
季語=室の花
※冬に温室で促成栽培される花のこと。
※この時期に市場に出回花のほとんどでしょうか。
※本来は春に咲く花。きょうもありがとうございます。

11日(水)

火の中に火のある如く寒椿

遠い記憶の中の椿は、
紅色の一重だったかな。

ひのなかに ひのあるごとく かんつばき
季語=寒椿
※冬のうちから咲く早咲きのツバキのこと。
※「冬椿」とも「早咲きの椿」ともいう。
※八重も咲いている。きょうもありがとうございます。

10日(火)

約束のための約束寒日和

貧乏くじみたいなものかなぁ~。

やくそくのためのやくそく かんびより
季語=寒日和
※寒中のからりと晴れた日。冬晴れよりは明らかに寒い。
※お大事に。きょうもありがとうございます。

9日(月)

あれこれの笑顔にふれて息白し

寒の雨のあとは
暖かいというが、ほんとうだ。

あれこれの えがおにふれて いきしろし
季語=息白し
※寒さで吐く息が白く見えること。
※すぐに大寒波だと。きょうもありがとうございます。

8日(日)

ふて寝してふるえるほどの寒の雨

暖房も部屋が温まるまで
時間がかかるようになったなぁ。

ふてねして ふるえるほどの かんのあめ
季語=寒の雨
※寒中に降る雨のこと。
※この時期に雨が降るのは暖かいから。そうでなければ、雪になっている。でも、寒いものは寒い。
※コタツでつい船を漕ぐ。きょうもありがとうございます。

7日(土)

買い物のついでのように松納

玄関のちょっとした輪飾りを取り払う。

かいものの ついでのように まつおさめ
季語=松納
※正月も終わり門松などを片付けること。
※関東は6日か7日、関西は14日か15日に行います。
※正確には飾納だな。きょうもありがとうございます。

6日(金)

わだかまり捨てる朝あり福寿草

早速、三連休。
ほっとしている人も多いのでは?
わたくしも。

わだかまり すてるあさあり ふくじゅそう
季語=福寿草
※キクによく似た花で、江戸時代から正月用の花として親しまれています。
※元日草とも呼ばれます。もっとも旧暦の元日のことなので、自然に咲くのは新暦の2月ごろです。
※明るく力強い花。きょうもありがとうございます。

5日(木)

寝不足や余力のありぬ寒の入

これからめっぽう寒くなるというのに。

ねぶそくや よりょくのありぬ かんのいり
季語=寒の入
※1年で最も寒い1ヵ月のはじまり。
※うがい手洗い大事。きょうもありがとうございます。

4日(水)

戯言や薄目を開けて初昔

まだまだ知らない季語がありますよ。

ざれごとや うすめをあけて はつむかし
季語=初昔
※過ぎたばかりの前年を振り返ること。
※気分的には大昔。きょうもありがとうございます。

3日(火)

風呂の水流して終える三が日

さあ、明日から仕事始め。
正月な感じは、しばらく続きますけどね。

ふろのみず ながしておえる さんがにち
季語=三が日
※1月1日、2日、3日のこと。もっとも正月らしい数日。
※一般的には松の内(1月7日)までが正月とされています。
※短い休みでしたね。きょうもありがとうございます。

2日(月)

括り付け白紙としたる初みくじ

数日もすれば、
すっかり忘れているから。

くくりつけ はくしとしたる はつみくじ
季語=初神籤
※初詣で引くおみくじのこと。
※まあまあでしたよ。きょうもありがとうございます。

1日(日)

はじまりは得てしてまるく年迎う

新年のいろいろを、
毎年、繰り返す。

はじまりは えてしてまるく としむかう
季語=年迎う
※新年を迎えること。新しい一年の始まり。
※旧暦では「新年」と「新春」がほぼ同じ時期になります。
※年賀状の「迎春」や「新春」はその名残り。
※2017年だぁ! きょうもありがとうございます。