• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2019年7月

31日(水)

病葉や気にするほどに気後れて

わくらば。
漢字にすると残念な見た目だが、
ことばの響きは美しい、と思う。

わくらばや きにするほどに きおくれて
季語=病葉
※夏に通常の状態ではない葉のこと。変色したり虫食いだったり、青々と茂る季節だけに目立つ。
※心も身体も健康に。きょうもありがとうございます。

30日(火)

つぎつぎと人を吐き出し片蔭に

炎暑の横断歩道。
たとえ少し離れたとしても
日かげに身を寄せたくなる。

つぎつぎと ひとをはきだし かたかげに
季語=片蔭
※日中に建物や塀にできる濃い日陰のこと。当然、カゲができるのは片側だけなのでカタガケと呼ぶ。
※片かげり、夏陰ともいう。きょうもありがとうございます。

29日(月)

家ぐも逃がす本心とは言い難く

迷信を信じているわけではないが、
小さなクモだったので。

いえぐもにがす ほんしんとは いいがたく
季語=蜘蛛
※クモの仲間は日本だけでも約1000種はいるという。
※昔から日本では基本的に益虫と言われている。が、最近では海外から来た毒グモも話題なので何とも言えない。
※そもそも虫全般、苦手! きょうもありがとうございます。

28日(日)

炎天につかまりやすく飽きやすく

滅多にないことだったから、
「炎天」という季語が生まれたのだろうなぁ、
と想像します。

えんてんに つかまりやすく あきやすく
季語=炎天
※とにかく暑い日のこと。
※ここ数年は炎天日がふつう? きょうもありがとうございます。

27日(土)

大げさに積み重なりて雲の峰

のどかな夏の風景ですが、
それは遠目で眺めている限りのこと。

おおげさに つみかさなりて くものみね
季語=雲の峰
※大きな雲のかたまりが、まるで山のようだから、雲の峰。
※激しい雨や雷を伴う積乱雲で、入道雲とも呼ばれます。
※白く見えるのは光の加減。きょうもありがとうございます。

26日(金)

向日葵や咲いて振り向く夜の疲れ

咲いていましたよ。
大輪ではなかったけれど、
咲いていた。

ひまわりや さいてふりむく よのつかれ
季語=向日葵
※すでに見上げるほどの高さ。きょうもありがとうございます。

25日(木)

人くさく枝葉の伸びて夏の月

梅雨は明けたというけれど‥‥
すっきりしない。けど、暑い。

ひとくさく えだはののびて なつのつき
季語=夏の月
※スコールの音に驚いた。きょうもありがとうございます。

24日(水)

初蝉や収まりきらず煮え切らず

今日、近くの公園で
微かにセミの鳴き声が聞こえたよ。

はつぜみや おさまりきらず にえきらず
季語=初蝉
※夏になってはじめて聞くセミの鳴き声を初ゼミと言います。東京では、だいたい7月24日ごろからアブラゼミが鳴きはじめるそうです。
※ジージーと鳴くやつ。きょうもありがとうございます。

23日(火)

恵まれているかのごとく苔青し

ごく身近な苔に
喜ばしさは感じないが、
古刹やら日本庭園には
よく似合う。

めぐまれて いるかのごとく こけあおし
季語=苔青し
※夏に青々と茂るコケのこと。
※コケにも種類がある。きょうもありがとうございます。

22日(月)

しゃっくりのようにこみ上げ花木槿

ムクゲは本来、1日で散る花。
次々と咲くため、ずっと咲いている
ようにも見えるけど。

しゃっくりのように こみあげ はなむくげ
季語=木槿
※花期が長く7月~10月まで咲く。そのため秋の季語となっている。
※7月、8月が見ごろだと思う。きょうもありがとうございます。

21日(日)

イエスでもノーでもなくて梅雨明ける

今週あたり、梅雨明けしそうじゃない!?
天気予報では明後日火曜日に雷マーク。

いえすでも のーでもなくて つゆあける
季語=梅雨明け
※梅雨が明けること。昔から雷が鳴ると梅雨の終りといわれています。
※参院選の日。きょうもありがとうございます。

20日(土)

同じよに生まれて生きて百日紅

花の色は紅、ピンク、白、紫。
近所では紫色は見かけない。

おなじよに うまれていきて さるすべり
季語=百日紅
※夏から秋にかけて咲く花木です。漢名の「百日紅」は100日近く咲き続けることから付いた名前。
※ツルツルとした木肌から連想される「さるすべり」の読みは和名。
※猿も木から落ちる。きょうもありがとうございます。

19日(金)

蒸し暑さしゃべり散らして迂闊にも

風のない日などは、
とくにむしむしとした
暑さを感じる。

むしあつさ しゃべりちらして うかつにも
季語=蒸し暑い
※冷房は苦手とて。きょうもありがとうございます。

18日(木)

散らかっている机のなかの梅雨じめり

どちらかというと、
見えているところだけは
片付けるタイプだ。

ちらかっている つくえのなかの つゆじめり
季語=梅雨湿り
※曇っているのに、蒸し暑い。きょうもありがとうございます。

17日(水)

あきらめて眠る今日より長き梅雨

日照不足だと人は、
疲れやすくなるみたいね。

あきらめて ねむるきょうより ながきつゆ
季語=長梅雨
※久しぶりの梅雨晴れ。きょうもありがとうございます。

16日(火)

茗荷の子わざわざ言うかそんなこと

一般的には、
単にミョウガ、または花ミョウガ、
夏ミョウガ(秋ものであれば秋ミョウガ)
と呼んでいます。

みょうがのこ わざわざいうか そんなこと
季語=茗荷の子
※薬味などに使うミョウガのこと。花の咲く前のつぼみだから「ミョウガの子」。これも知らなければわからない季語のひとつですかね。
※ミョウガはショウガの仲間。きょうもありがとうございます。

15日(月)

雨音ののんびり聞こえ海開き

梅雨明けしてなくても
海開きするんだ‥‥
と、今日のニュースで知った。

あまおとの のんびりきこえ うみびらき
季語=海開き
※夏になり海水浴場を開放すること。地域により海開きの日は異なる。
※海の日でしたか。きょうもありがとうございます。

14日(日)

優しくて優しくなくて夏の菊

お盆の時期になると、
花屋さんにたくさん並ぶ。

やさしくて やさしくなくて なつのきく
季語=夏の菊
※夏に咲くキクのこと。夏菊という。
※小ぶりな花が多く、様々な色や形がある。
※大輪のキクは秋の花。きょうもありがとうございます。

13日(土)

夏草や忘れることを常として

アスファルトの草。
よくもこんなところに、
と、その生命力に驚く。

なつくさや わすれることを つねとして
季語=夏草
※夏に繁茂する草のこと。山であろうと街であろうとその姿は力強い。
雑草、ほんとはヨワヨワ!? きょうもありがとうございます。

12日(金)

寄り添いて妙にすまして夏野菜

ズッキーニもオクラも、
人気になったのは近年。
(日本でズッキーニの栽培が
始まったのは80年代なんだって)

よりそいて みょうにすまして なつやさい
季語=夏野菜
※夏に収穫される野菜のこと。季語としては認知されていない(少なくとも手持ちの季語集にはなし)。
※言うまでもなく今現在、「夏野菜」という言葉は広く浸透しています。コンビニ弁当やファミレスのメニューでもおなじみ。具体的には、トマト、ナス、オクラ、ズッキーニ、トウモロコシなど。
※野菜は四季折々あるけどさ。きょうもありがとうございます。

11日(木)

らしさなどありてここより夏畑

レンタルファームなどに興味はある。
が、すぐにあきてしまう自信も、相当ある。

らしさなどありて ここより なつばたけ
季語=夏畑
※夏の畑のこと。トウモロコシ、ナス、トマト、キャベツ、ネギ、枝豆などなど、近所の畑で確認した。
※いつまで続く梅雨。きょうもありがとうございます。

10日(水)

万緑の中にありけり欲深く

関東のアジサイの見ごろは、
そろそろ終わりですかね。

ばんりょくの なかにありけり よくぶかく
季語=万緑
※草木が茂り、緑が濃くなること。
※サルスベリが咲きはじめた。きょうもありがとうございます。

9日(火)

呪われて自由なりけり苔の花

コケが青々と、みずみずしい。

のろわれて じゆうなりけり こけのはな
季語=苔の花
※花びらのある花ではなく、雄しべや雌しべみたいなものが突起する。種類よって色も形も異なるが、まるで花が咲いたように見える。
※ちょっとした発見。きょうもありがとうございます。

8日(月)

昼顔や十年経てばみな古び

デジカメが壊れた。
手のひらに収まるくらいの小さいやつ。
ちょうど十年くらい使ったかも。

ひるがおや じゅうねんたてば みなふるび
季語=昼顔
※アサガオによく似た花。昼に咲き、少し小ぶりです。
※ピンク色。きょうもありがとうございます。

7日(日)

青柿のかたちになりぬ雨も青

七夕でしたね。
すっかり忘れていたけれど。

あおがきの かたちになりぬ あめもあお
季語=青柿
※まだ熟していない柿の実のこと。
※青といっても黄緑色。きょうもありがとうございます。

6日(土)

ぐだぐだも生きてる証百合の花

どっと疲れがやってくる、
そんな日もあるもんさ。

ぐだぐだも いきてるあかし ゆりのはな
季語=百合
※山百合、鬼百合、鉄砲百合などなど、たくさんの種類がある。
※自生種も多い。きょうもありがとうございます。

5日(金)

夕焼けて街の本屋が消えちゃった

先月ついに、町内に本屋が
一軒もなくなっちゃったのよ。

ゆうやけて まちのほんやが きえちゃった
季語=夕焼け
※夏の季語。一年通して見れるものですが、夕焼けといえば夏なんす。
※やっぱり不便だ。きょうもありがとうございます。

4日(木)

夕立に無用の数を数えけり

雨が続くと
いろいろ不便です。

ゆうだちに むようのかずを かぞえけり
季語=夕立
※ザッーと降り出す雨のこと。最初はポツポツと大粒。
※夏の夕方に。きょうもありがとうございます。

3日(水)

雨の日は食べすぎ注意半夏生

毎年この日の東京は、
53%の確率で雨になるそうです。
微妙な数字のようにも思えますが、
統計上びっくりな高確率なのだとか。

あめのひは たべすぎちゅうい はんげしょう
季語=半夏生
※七十二候のひとつで、二十四節気の夏至の後半5日間に当たる。
※本日、たしかに雨でした。きょうもありがとうございます。

2日(火)

帳尻の合わぬ曇天花ユッカ

公園などの公共施設で
よく見る気がします。

ちょうじりの あわぬどんてん はなゆっか
季語=ユッカ
※わりと大きめの白い釣り鐘状の花を鈴なりに付けます。
※驚くことに冬まで咲いている。きょうもありがとうございます。

1日(月)

七月のあらゆることをツケとして

7月はそのほとんどが
梅雨の時期と重なるが、
そのイメージは不思議なほどない
(きれいに消えている)。

しちがつの あらゆることを つけとして
季語=七月
※今日から13年目! きょうもありがとうございます。