• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2020年1月

31日(金)

ようやくとつまづきながら冬日和

ようやくと つまづきながら ふゆびより
季語=冬日和
※寒い冬の日の、からりと晴れた一日。
きょうもありがとうございます。

30日(木)

線引きの知らず知らずに日向ぼこ

せんびきの しらずしらずに ひなたぼこ
季語=日向ぼこ
※風のない冬の日、日向でからだを温めること。日向ぼっこ。
きょうもありがとうございます。

29日(水)

枯野にて漫然とあり月きれい

かれのにて まんぜんとあり つききれい
季語=枯野
※荒涼とした冬の野原。
きょうもありがとうございます。

28日(火)

歯磨き粉絞り出すころみぞれけり

はみがきこ しぼりだすころ みぞれけり
季語=霙
※雨まじりの雪のこと。
きょうもありがとうございます。

27日(月)

こんこんと眠るがごとく寒の水

こんこんと ねむるがごとく かんのみず
季語=寒の水
※寒中の水のこと。冷たく澄んでいることから、雑菌が少ないとされ、古くは酒造りや薬に利用されました。
きょうもありがとうございます。

26日(日)

水仙花明日は雪にて痛み分け

スイセンは日本の花のようでいて、
地中海沿岸原産のヒガンバナ科の多年草。
ギリシャ神話にも登場する。

すいせんか あすはゆきにて いたみわけ
季語=水仙花
※水仙の花のこと。
※「雪中花(せきちゅうか)」とも呼ばれる、この時期の花。
きょうもありがとうございます。

25日(土)

冬銀河遊び疲れておもしろく

ふゆぎんが あそびつかれて おもしろく
季語=冬銀河
※銀河は天の川のこと。
※冬は空気が澄んでいるので星がよく見える。街以外では。
きょうもありがとうございます。

24日(金)

空席に自問自答や山眠る

くうせきに じもんじとうや やまねむる
季語=山眠る
※冬山を擬人化した季語。色のない山はまるで眠っているかのように静かだという意味。
きょうもありがとうございます。

23日(木)

半分はあちらに流れ芝枯れる

はんぶんは あちらにながれ しばかれる
季語=枯芝
※枯れた芝生のこと。天気によって見え方が変わる気がする。
※春になって芝を焼くのは、雑草の種などを駆除するためとか。
きょうもありがとうございます。

22日(水)

山茶花の散るだけ散って機嫌よく

さざんかの ちるだけちって きげんよく
季語=山茶花
※椿によく似た花木。さまざまな形に剪定できることから、生け垣によく用いられています。
※もともとは四国や九州で自生する日本特産の花木。現在たくさんの園芸種が存在する。
きょうもありがとうございます。

21日(火)

優しげにしなびれ寒の夕焼けに

天気が良くても、風が冷たい。

やさしげに しなびれかんの ゆうやけに
季語=寒夕焼
※冬の夕焼けの時間は短い。寒茜ともいう。
きょうもありがとうございます。

20日(月)

痛そうに大寒の日の影を踏む

今日から大寒ですよ。

いたそうに たいかんのひの かげをふむ
季語=大寒
※二十四節気のひとつ。一年で最も寒いとされる節分までの15日間。
きょうもありがとうございます。

19日(日)

寒晴れや言い間違いに耳ざとく

穏やかな休日。

かんばれや いいまちがいに みみざとく
季語=寒晴れ
※寒さの厳しい寒中の晴れ間。
きょうもありがとうございます。

18日(土)

なぐさめを残らず雪に寒波来る

初雪となった日。

なぐさめを のこらずゆきに かんぱくる
季語=寒波来る
※大陸からの寒気団。まるで波のように繰り返しやって来る。
きょうもありがとうございます。

17日(金)

言い返す気力も失せて湯冷めする

いいかえす きりょくもうせて ゆざめする
季語=湯冷め
※入浴後に体を冷やしてしまうこと。ぐずぐずしていると風邪を引く原因にもなる。
きょうもありがとうございます。

16日(木)

しぶしぶと太陽に枯れ風に枯れ

街には常緑樹が多い。
冬になると、いやでも気づく。

しぶしぶと たいようにかれ かぜにかれ
季語=枯る
※草木が枯れること。様々に見通しが良くなる。
きょうもありがとうございます。

15日(水)

融通の利かぬあなたに日脚伸ぶ

ほんのちょっとずつ。

ゆうずうの きかぬあなたに ひあしのぶ
季語=日脚伸ぶ
※冬至を過ぎると、日に日に昼間の時間が長くなります。
きょうもありがとうございます。

14日(火)

まっすぐに傷つきやすくくしゃみする

あまりに寒いと鼻水が出るように、
くしゃみも出るのかな?

まっすぐに きずつきやすく くしゃみする
季語=くしゃみ
※「くしゃみ」は冬の季語。
きょうもありがとうございます。

13日(月)

寒晴れに折るか畳むかうやむやに

「かんばれ」と「がんばれ」、
なんか似ている、と思った。
そんだけ。

かんばれに おるかたたむか うやむやに
季語=寒晴れ
※寒中の晴れた日のこと。例年なら晴れてもかなり寒い。
きょうもありがとうございます。

12日(日)

ろうばい咲く居心地悪く多弁なり

梅の仲間では、ありません。

ろうばいさく いごこちわるく たべんなり
季語=蝋梅
※蝋細工のような光沢のある半透明の黄色い花。中国原産。
きょうもありがとうございます。

11日(土)

こんもりと八つ当たりめき寒椿

こんもりと やつあたりめき かんつばき
季語=寒椿
※寒中に咲く早咲きのツバキです。
きょうもありがとうございます。

10日(金)

輪の中に入りそびれし餅を焼く

明日は鏡開きですね。

わのなかに はいりそびれし もちをやく
季語=餅
※その昔は正月用に家庭で餅をつくことが多かったため、冬の季語とされています。
きょうもありがとうございます。

9日(木)

思うところありてしばらく寒の雨

単純に気温だけではない
寒さがある、気がします。

おもうところ ありてしばらく かんのあめ
季語=寒の雨
※寒に入って降る雨のこと。
きょうもありがとうございます。

8日(水)

今日という何でもない日息白し

三が日に50作目の
「男はつらいよ お帰り寅さん」
を見たよ。
おもしろかったよ。

きょうという なんでもないひ いきしろし
季語=息白し
※寒さで吐く息が白く見えること。人も、動物も。
きょうもありがとうございます。

7日(火)

分別のありて一月七日かな

「ふんべつ」とは、
もともと仏教用語なのだとか。
「ぶんべつ」と濁ると、
まるで意味が変わる。

ふんべつのありて いちがつ なのかかな
季語=七日
※一般的に「松の内」の最後の日で、正月気分もほぼこれで終わる。
※無病息災を祈り七草粥を食べる「七草の節句」の日でもある。
きょうもありがとうございます。

6日(月)

寒月や仕舞い忘れしものとして

二十四節気の「小寒」となりました。
一年でもっとも寒いひと月の始まりの日。

かんげつや しまいわすれし ものとして
季語=寒月
※寒中のお月様。この時期の月は総じて青白く鋭い感じがします(ぼんやりはしていない)。
きょうもありがとうございます。

5日(日)

十円分淑気投げ入れ伸びやかに

淑気とは、正月ならではの
改まった気配や空気、景色を指す言葉。
あるかもね。

じゅうえんぶん しゅくきなげいれ のびやかに
季語=淑気
きょうもありがとうございます。

4日(土)

使い捨てカイロ使いて人想う

値段に差がある。
パッケージをよくよく見てみると、
どうやら使用時間に違いがあるようだ。

つかいすて かいろつかいて ひとおもう
季語=使い捨てカイロ
※漢字で書くと「懐炉」。その原型となるものは江戸時代の元禄期に発明されたそうですよ。
きょうもありがとうございます。

3日(金)

初夢にバナナの皮で転ぶひと

現実では見たことのない光景。

はつゆめに ばななのかわで ころぶひと
季語=初夢
※元旦もしくは正月2日に見る夢をいう。
※昔から縁起がいいとされる夢は「一富士、二鷹、三茄子」。
きょうもありがとうございます。

2日(木)

三が日二日は何もせず笑う

一般的には、
正月の三が日がおとそ気分。

さんがにち ふつかはなにも せずわらう
季語=三が日
※1月1日、2日、3日のこと。4日からは仕事始めのところも。
きょうもありがとうございます。

1日(水)

さまざまな匂いの交ざり去年今年

考えてみると、
けっこうピンポイントな季語。
午前零時をまたぐときのこと。

さまざまな においのまざり こぞことし
季語=去年今年
※除夜の鐘の鳴り響くとき、新しい年に期待しつつ、去年もいろいろあったなぁ、と感じ入るような言葉。
今年もどうぞよろしく。きょうもありがとうございます。