• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2021年10月

31日(日)

ハロウィンやインスタントコーヒーを入れる

はろうぃんや いんすたんとこーひーを いれる
季語=ハロウィン
※10月31日、キリスト教の万聖節(ばんせいせつ)の前夜祭で、悪霊払いをする日とされている。
きょうもありがとうございます。

30日(土)

愛想よく振る舞うひとに菊日和

あいそよく ふるまうひとに きくびより
季語=菊日和
※菊の花の盛りの頃で、秋晴れの穏やかな日のこと。
きょうもありがとうございます。

29日(金)

水澄みていろいろ遠く感じけり

みずすみて いろいろとおく かんじけり
季語=水澄む
※秋、川や沼、池などの透明度が増すこと。街中を流れる河川ですら澄んで見える。
きょうもありがとうございます。

28日(木)

陽光の指針となりて秋の蝶

ようこうの ししんとなりて あきのちょう
季語=秋の蝶
※晩秋ともなると大型の蝶はすっかり姿を消す。秋晴れの日、小さな蝶に運が良ければ出会うくらい。
きょうもありがとうございます。

27日(水)

蓑虫や質問ばかり繰り返す

みのむしや しつもんばかり くりかえす
季語=蓑虫
※ミノガの幼虫で、蓑のような小さな巣を枝に吊るしその中で生きる。雄の成虫は蛾へと変態するが、雌は羽がなく一生巣から出ることはないという。
きょうもありがとうございます。

26日(火)

雑木紅葉目立たぬようにひとり言

ぞうきもみじ めだたぬように ひとりごと
季語=雑木紅葉
※カエデやイチョウなど名のある木以外の雑木が色づくこと。
きょうもありがとうございます。

25日(月)

末枯れて信号待ちの影を踏む

うらがれて しんごうまちの かげをふむ
季語=末枯れ
※草木の葉の先端から色が変わりはじめること。きれいに色づく葉もあれば、そのまま枯れてしまう葉もある。
きょうもありがとうございます。

24日(日)

霜降やついでのように恨みごと

そうこうや ついでのように うらみごと
季語=霜降
※二十四節気のひとつで、10月23日ごろ。またはこの霜降から立冬までの15日間を指す。実際に霜の降りる日はまだ先だが、誰もが冬が近いことを実感する季節となった。
きょうもありがとうございます。

23日(土)

陽光にみんな等しくピラカンサ

ようこうに みんなひとしく ぴらかんさ
季語=ピラカンサ
※鮮やかな赤やオレンジの実をたわわに付けるバラ科トキワサンザシ属の名。明治期に渡来し、庭木など晩秋の代表的な観賞用実もの。
きょうもありがとうございます。

22日(金)

冷まじやここから先は行き止まり

12月中旬並みの寒さだった日

すさまじや ここからさきは いきどまり
季語=冷まじ
※晩秋の寒さをいう季語のひとつ。心情的なものと重ねて、予想外の寒さ、(風などの)冷たさに使うことが多い。
きょうもありがとうございます。

21日(木)

愛でるともなく熟柿熟柿となりにけり

めでるともなく じゅくしじゅくしと なりにけり
季語=熟柿
※木に実ったまま熟した柿。渋柿も甘くなる。
きょうもありがとうございます。

20日(水)

質感の異なる秋思新しく

しつかんの ことなるしゅうし あたらしく
季語=秋思
※秋の物思い。
きょうもありがとうございます。

19日(火)

要もなく寂しくなりて椿の実

ようもなく さびしくなりて つばきのみ
季語=椿の実
※丸くて固い実をつける。熟すと分厚い皮が割れる。その中の種が椿油の原料となる。
きょうもありがとうございます。

18日(月)

十三夜小さなことをふつふつと

じゅうさんや ちいさなことを ふつふつと
季語=十三夜
※旧暦八月十五日の十五夜に対し、翌月の旧暦九月十三日の月のこと。「後(のち)の月」とも呼ぶ。少し欠けた月を愛でる。
きょうもありがとうございます。

17日(日)

肌寒や大事なことをないがしろ

はださむや だいじなことを ないがしろ
季語=肌寒
※晩秋、何か羽織るものが欲しくなる肌感覚としての寒さをいう。
きょうもありがとうございます。

16日(土)

実紫ただただ丸くただ丸く

みむらさき ただただまるく ただまるく
季語=実紫
※紫式部の実のこと。可愛らしい紫色の実をつけ、林や野原に自生する。庭木としても人気だが、多くは小式部という近縁種。
きょうもありがとうございます。

15日(金)

天高し体内時計すれ違う

てんたかし たいないどけい すれちがう
季語=天高し
※秋晴れの空は他のどの季節よりも高く感じる。
きょうもありがとうございます。

14日(木)

早口となって真っ赤な月を見る

はやくちとなって まっかな つきをみる
季語=月
※古くから秋は月の美しい季節とされています。
きょうもありがとうございます。

13日(水)

朝寒や鏡の中のみぎひだり

あさざむや かがみのなかの みぎひだり
季語=朝寒
※晩秋の朝の寒さ。
きょうもありがとうございます。

12日(火)

勝ち負けを勝手に決めて秋深む

かちまけを かってにきめて あきふかむ
季語=秋深む
※晩秋に向かっている感じをいう。
きょうもありがとうございます。

11日(月)

ぎんなんを避けたつもりで何か踏み

ぎんなんを さけたつもりで なにかふみ
季語=銀杏
※銀杏(いちょう)の実のこと。同じ漢字でギンナンとも読む。丸い黄色い実が熟すと落下するが、その種皮がひどく匂う。中心にあるのがあのギンナンだ。
きょうもありがとうございます。

10日(日)

小鳥来る溜まったものを返却す

ことりくる たまったものを へんきゃくす
季語=小鳥来る
※秋になって日本に渡ってくる小鳥、または山地からおりてくる小鳥のことをいう。
きょうもありがとうございます。

9日(土)

歩きけりぽつりぽつりと金木犀

あるきけり ぽつりぽつりと きんもくせい
季語=金木犀
※キンモクセイは江戸時代に渡来した中国原産の花木。秋の香り高い花として親しまれ、庭木として人気がある。
きょうもありがとうございます。

8日(金)

コスモスや嬉しくなってメロンパン

こすもすや うれしくなって めろんぱん
季語=コスモス
※メキシコ原産のキク科の1年草。高さは1メートルくらいで、いくつも枝分かれしてその先端に花を付ける。高いものでは2メートルにもなるという。
きょうもありがとうございます。

7日(木)

ものぐさや魚の骨に秋の夜

ものぐさや さかなのほねに あきのよる
季語=秋の夜
※秋の夜は長い。夕方5時台にはすでに暗く、あらためて驚く。
きょうもありがとうございます。

6日(水)

正面にごまかしきれぬ秋の風

しょうめんに ごまかしきれぬ あきのかぜ
季語=秋の風
※風は確かに秋を感じるのに、気温だけが妙に高い今日この頃。
きょうもありがとうございます。

5日(火)

人ごみを避けてあちらに秋日和

ひとごみをさけて あちらに あきびより
季語=秋日和
※今日も少々暑いくらいでしたが、とにかくよく晴れた。
きょうもありがとうございます。

4日(月)

毎年やテレビの中の赤い羽根

まいとしや てれびのなかの あかいはね
季語=赤い羽根
※毎年10月に行われる福祉事業などの共同募金。募金をすると赤い羽根がもらえる。この時期になると政治家やテレビのアナウンサーなどが胸に赤い羽根を付けている映像をよく見る。
きょうもありがとうございます。

3日(日)

要るような要らないような秋簾

いるような いらないような あきすだれ
季語=秋簾
※秋になっても掛けてるスダレのこと。夏の日差しと雨風に長いことさらされ痛みくすんでいる。
きょうもありがとうございます。

2日(土)

彼方から飛び込んでくる秋の雨

かなたから とびこんでくる あきのあめ
季語=秋の雨
※秋は意外と雨が多い。今日も降るとは思わなかった。
きょうもありがとうございます。

1日(金)

やや寒し些細なことに機敏なり

ややさむし ささいなことに きびんなり
季語=やや寒
※秋中盤から後半に感じる寒さのこと。「やや」には、「少しばかり」「だんだん」という意味がある。
きょうもありがとうございます。