• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2012年11月

30日(金)

花柊ぶつかり合いてこぼれけり

目立たないものほどその内面は別ものだ、
とは、よく言われることで・・・・。
似て非なるものは、たくさんありますね。

はなひいらぎ ぶつかりあいて こぼれけり
季語=柊の花
※ヒイラギの花はモクセイ科です。金木犀のようにいい匂いがします。
※ですが、その白い小花は葉に隠れていて目立ちません。知らない人も多いと思います。
※ヒイラギといえば、ギザギザな葉が特徴的です。
※トゲが多いのは若木です。年を重ねるごとに丸い葉となるため、葉っぱがつるりと卵形をしていたら、それは老木です。
※似ています。きょうもありがとうございます。

29日(木)

いつまでたっても不器用な冬構

フローリングよりも畳みの方が
暖かく感じるものなのかなぁ。

いつまでたっても ぶきような ふゆがまえ
季語=冬構
※防寒・防雪・防風などの冬対策をまとめて冬構えといいます。
※最近、古民家が注目されていますが、古いままではかなり寒いのだろうね。
※今どきは結露対策も入るのか。いろいろな商品があるんですね。
※日本人だもんね。きょうもありがとうございます。

28日(水)

縦長の日本列島冬帽子

お気に入りの冬帽子があります。
雨の日や混雑する場所や、
置き場に困るような所に行くときは
使わないことになっています。
なにか本末転倒な感じです。

たてながの にほんれっとう ふゆぼうし
季語=冬帽子
※むしろ、もったいない? きょうもありがとうございます。

27日(火)

東京の空のましろに青写真

好戦的な人は一見「前向き」ですが、
結局のところは「後ろ気」なような
気がしてならないのですが・・・・。

とうきょうの そらのましろに あおしゃしん
季語=青写真
※青写真は冬の季語です。なぜ冬なのかは知りません。日光写真とも言います。
※その昔は、子どもにとって「冬の遊びの最たるもの」だったそうです。
※子どもの頃に一度だけ日光写真で遊んだ記憶があります。それが冬だったかどうかは覚えていません。
※真っ白けっけ。きょうもありがとうございます。

26日(月)

セーターの毛玉をひどく気にしてる

洋服類のなかで、冬服が一番捨てにくい気がします。
かさばるから? そうではなくて。
たかいから? そうではなくて。
愛着があるから? でもないんだけど。

せーたーの けだまをひどく きにしてる
季語=セーター
※ただなんとなく。きょうもありがとうございます。

25日(日)

使い捨てマスクの満員電車かな

「言動が正直過ぎる」と言われ続けると、
なんか麻痺しちゃうのかもしれないですね。

つかいすてますくの まんいんでんしゃかな
季語=マスク
※マスクは冬の季語です。インフルエンザが流行りだす季節ですね。
※だと思います。きょうもありがとうございます。

24日(土)

目的の駅通り過ぎ日向ぼこ

なんで目的の駅の2、3駅前くらいから
急に眠くなったりするのでしょうね?

もくてきの えきとおりすぎ ひなたぼこ
季語=日向ぼこ
※「日向ぼっこ」、「日向ぼこり」とも。冬は暖かい日向がなんともうれしい。
※最近、NHKが面白いです。きょうもありがとうございます。

23日(金)

上っ面ばかりの勤労感謝の日

どうでもいいことは、気安く言葉にできます。
肝心なことは、なかなか言葉にできません。

うわっつらばかりの きんろうかんしゃのひ
季語=勤労感謝の日
※勤労感謝の日は宮中での祭事のひとつ、新嘗祭(にいなめさい)が起源とされています。
※新嘗祭はその年の収穫を神々に感謝する古くから続く重要な儀式なのだそうです。
※「嘗(な)める」という漢字には、味わうとか試すといった意味合いがあるようです。
※連休初日は雨でしたね。きょうもありがとうございます。

22日(木)

冬服に合わせて靴を磨きおり

最近の冬服は薄くて軽くなりましたよね。
ほんとに暖かいかどうかは価格によるのですが。

ふゆふくに あわせてくつを みがきおり
季語=冬服
※連休ですね。きょうもありがとうございます。

21日(水)

ゆっくりとフリーハンドで描く冬

上手に絵が描けるってだけで、うらやしいのですが。

ゆっくりと ふりーはんどで えがくふゆ
季語=冬
※冬になっても眠いです。きょうもありがとうございます。

20日(火)

温もりを求めてしまう冬の蜂

歯の治療中に口内を照らす
ライトのスイッチに蜂が一匹とまった。
まさに冬の蜂だ。どこから入ってきたのか、
手をすり足をすり落ち着きがない。
滅多にない機会だ、じっと観察してしまった。
それに歯医者さんは気付くのだろうか。
治療中だ、患者は喋ることもままならない。

ぬくもりを もとめてしまう ふゆのはち
季語=冬の蜂
※ハチの種類によって異なりますが、一般的に越冬できるのは次の女王蜂候補のみです。
※女王蜂候補は春になるとそれぞれに一匹で巣作りをはじめ、一からそれぞれの群を育てていきます。その過酷な条件を生き残ったものだけが女王蜂となります。
※ミツバチは蓄えたハチミツを消費しながら、群で越冬するそうです。
※素手じゃないしな。きょうもありがとうございます。

19日(月)

冷淡な気持ちもありし花八手

スマートフォンにも使える手袋を買いました。
急な着信などにとても便利です。
繊細なことに期待はしていません。

れいたんな きもちもありし はなやつで
季語=花八手
※日本原産の花です。別名は「天狗の団扇」(季語ではありません)。
※その葉はまるで八本指の手をひらいたかのような形をしています。
※小さな白い花がより集まって、小さな毬をいくつもつくって咲きます。
※日陰でも咲く八手の花はどこか寒々しい白い花ですが、日向に咲く八手の花はシャボン玉のような白い花です。
※陰と陽で印象が違います。きょうもありがとうございます。

18日(日)

木枯らしやたくさんのこと忘れ去り

新幹線の車窓から夜景をみようと乗り出したら、
そこに自分の姿があってびっくりしました。
車窓がまるで鏡のようでした。

こがらしや たくさんのこと わすれさり
季語=木枯らし
※北西寄りの季節風です。木を枯らすほどの風という意味。
※そういえば木枯らし1号はもう吹いたのでしたっけ?
※無事帰宅。きょうもありがとうございます。

17日(土)

八百万の加護を求めて紅葉川

伊勢神宮には、内宮と外宮の2つの宮があり、
それぞれの中に複数のお宮が点在しています。
とにかく広い。
初のお伊勢まいりは、
ちょうど賽銭箱の中身を回収する時間帯とかぶってしまい、
訪れる先々で賽銭を入れたそばから回収の人が現れるという
ご利益のありそうな(なさそうな)絶妙なタイミングでした。

やおよろずの かごをもとめて もみじがわ
季語=紅葉山
※伊勢全体が色とりどりに紅葉していました。来週あたりが見ごろかも知れません。
※伊勢にて、1日中雨でした。きょうもありがとうございます。

16日(金)

参道をひろびろ歩く小春風

神様のいない?、お伊勢まいりですが、
人はそれなりにいっぱいでした。

さんどうを ひろびろあるく こはるかぜ
季語=小春風
※寒さの深まる11月中旬から12月、まるで春のように晴れわたる日のことを
「小春」とか「小春日和」といいます。
※「小春」は旧暦十月の異称です。「小六月」ともいいます。
※元寇の襲来から日本を救ったとされる風の神様がまつられていました。
※そもそも伊勢神宮は、日本の総氏神・天照大御神をおまつりする最高位の神社です。
※なんか違いますよ。きょうもありがとうございます。

15日(木)

明瞭なはじまりもなく神の旅

今日は七五三です。
氏神に詣でて成長を願う儀式です。
ほほえましい光景です。
旧暦でいえば神無月のこの時期、
八百万の神々はお留守なのですが・・・・。
新暦と旧暦のおかしな矛盾、日本らしくて面白い。

めいりょうな はじまりもなく かみのたび
季語=神の旅
※陰暦十月一日になると日本中の神々が出雲大社に集まるといわれています。
※出雲大社に集った八百万の神々は、来年の男女の縁結びを皆で相談して決めるそうです。
※毎年、大変な苦労をして夫婦の縁を結んでいるようです。
※明日から2、3日、伊勢に行ってまいります。明日、明後日は、伊勢から更新するつもりなのですが・・・・上手く行ったらうれしいです。
※ちなみに今日は旧暦十月二日だそうです。きょうもありがとうございます。

14日(水)

黙りを恐れ微笑む石蕗の花

政治討論のニュースを、
興味を持って見たのは、
今日がはじめてかも。

だんまりを おそれほほえむ つわのはな
季語=石蕗の花
※ツマブキの花は、花は菊に、葉は蕗に、よく似ています。
※観賞用として街中でよく見かけますが、本来は海岸や海辺の山に自生する力強い花です。
※古くから日本の冬の花として親しまれてきたようです。
※鮮やかな黄色い花、長く伸びた茎、光沢のある大きな葉。
※華やかなようで華やかさに欠ける印象は、冬の花だからなのでしょうか。
※どうでしょうか。きょうもありがとうございます。

13日(火)

末枯のひとつ手前の曲がり角

歯医者さんに歯の汚れを落としにいったら、
虫歯を発見させてしまった。
歯の治療って、口を開けたままにしているのが、
つらいんだよね。

うらがれの ひとつてまえの まがりかど
季語=末枯
※「うらがれ」は、先端から草木が枯れ行く様子を季語としています。
※日本人の言語感覚の素敵な一例かと思います。好きな季語のひとつです。
※「虫歯!? 痛くもなんともないんですけど・・・・」。きょうもありがとうございます。

12日(月)

初冬や意味の分からぬマニュアル書

最初から二、三番目でつまづく
マニュアル書が一番損した気分です。

はつふゆや いみのわからぬ まにゅあるしょ
季語=初冬
※季節の変わり目にはいろいろ。きょうもありがとうございます。

11日(日)

金柑や自己満足とオノマトペ

雨だったこともあり、
風邪気味なこともあり、
コタツを入れたこともあり、
気付けば今日は一歩も外に出ていませんでした。

きんかんや じこまんぞくと おのまとぺ
季語=金柑
※オノマトペとは、「ギィー」とか「ワンワン」とか「ニコニコ」とか、擬音語や擬声語、擬態語をひとまとめにした外来語です。
※もとはフランス語なのだとか。日本語はそれらの種類が非常に多いそうです。それだけ表現が豊かということでしょうか。
※ミカン科の中でも小型の実で、果実ではなく皮に甘みと香りがあるそうです。
※生食したり、砂糖漬けにしたりします。
※表面がなめらかで金色、見た目が美しいから金の蜜柑なのだとか。
※ごろごろ。きょうもありがとうございます。

10日(土)

茶の花や気ままに我をよろこばす

嗜好品のお茶は、意外に高いな
と思うことのある消耗品です。

ちゃのはなや きままにわれを よろこばす
季語=茶の花
※茶の木は中国から渡来したものです。秋から初冬にかけて咲き続けます。
※寒風を避けるためか、花の様子は少しうつむきかげんです。
※椿や山茶花の仲間で、多数の金色の蕊があるのが特徴です。花は白い。
※椿などにくらべると地味ですが、それなりに人目を引く冬の花です。
※食後のお茶は欠かせません。きょうもありがとうございます。

9日(金)

肩肘を張ってこのまま冬はじめ

マウスが壊れたので交換しただけなのですが、
なんだかパソコン自体が速くなった気がします。不思議です。

かたひじを はってこのまま ふゆはじめ
季語=冬はじめ
※11月のはじめは、まだ晩秋なのか初冬なのか曖昧な感じです。
※とはいえ、北風の冷たさにそろそろコートの出番かなと思いました。
※パソコンのリニューアルの速さについて行けてません。
※日が落ちるとね、寒いね。きょうもありがとうございます。

8日(木)

自販機の音声ガイド柿たわわ

甘くなるのを待っているのか、
単に放置しているだけのなのか。

じはんきの おんせいがいど かきたわわ
季語=柿
※カキはKAKIで通じる日本の代表的な果実だそうです。
※ご近所を散策していると、枝いっぱいに実ったカキを結構な頻度で発見します。
※そこに甘柿と渋柿があるというのが、なんとなく詩的なのかもしれない。
※そして熟柿となるのだね。きょうもありがとうございます。

7日(水)

方向を定めて冬となりにけり

我慢強さは、一般的には、美点かもしれない。
周囲にとっては都合が良いのだから。

ほうこうを さだめてふゆと なりにけり
季語=冬
※立冬でしたが、小春日でした。きょうもありがとうございます。

6日(火)

カルピスもホットとなりて木の実落つ

電車に乗ったら、メガネが一気にくもった。
寒くなったのですね。

かるぴすも ほっととなりて このみおつ
季語=木の実落つ
※果実以外の総称として「木の実」が使われています。
※季節感だよ。きょうもありがとうございます。

5日(月)

菊日和私利も私欲もありにけり

原価がどれだけかは知りませんが、
廉価でお値段以上ということは・・・・
どういうことなの?

きくびより しりもしよくも ありにけり
季語=菊日和
※菊の盛りの秋晴れの日のことで、「菊うらら」とも言うそうです。
※有難いのか、あり得ないのか。きょうもありがとうございます。

4日(日)

鬼の子の思いの丈の糸垂るる

買い物に行って、肝心なものを買い忘れた。
そんな気分かも・・・・!?

おにのこの おもいのたけの いとたるる
季語=鬼の子
※鬼の子はミノムシの別称です。ミノムシガの幼虫。
※ミノムシは鬼の捨て子なのだとか。それでも父を慕い、「父よ父よ」と鳴いている。そんな言い伝えがあります。
※雄は春には成虫となって飛び出しますが、雌は袋の中で一生を終えるそうです。
※風が冷たくなってきました。きょうもありがとうございます。

3日(土)

空芯菜パスタに添えて文化の日

知人のお祝い事がありました。
懐かしい顔ぶれがありました。

くうしんさい ぱすたにそえて ぶんかのひ
季語=文化の日
※近ごろ人気の空芯菜は、中国や東南アジアの野菜のようです。シャキシャキとした食感の若葉や茎を食します。茎の中心が空洞です。中国語では「空心菜」と書くそうです。
※文化の日は、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ための祝日とされています。
※子どもの頃、『寅さん』のような『ブラック・ジャック』になりたいと思っていました。
※よかったです。きょうもありがとうございます。

2日(金)

初紅葉季語にもなれぬ発泡酒

お通し代を計算し忘れると、
つい騙された気分になるんです。

はつもみじ きごにもなれぬ はっぽうしゅ
季語=初紅葉
※東京の有名どころの紅葉は、だいたいは11月中旬頃からが見ごろのようです。
※麦酒(ビール)は夏の季語です。じつは発泡酒とビールの違いがよくわかりません。
※もうすぐですね。きょうもありがとうございます。

1日(木)

吉祥草吐息に映る歪みかな

しばらくぶりに出した礼服のパンツが、驚くほどにきつい。
何とかしないと、座れない。
おいしい食事もおいしく食べられない。
こうなったら1日断食でもするしかないか?

きちじょうそう といきにうつる ゆがみかな
季語=吉祥草
※吉事を知らせる花という言い伝えがあるようです。
※別名を観音草ともいいます。お寺によく植えられているからかもしれません。
※どちらにしろめでたい。きょうもありがとうございます。