2014年11月

30日(日)

くたびれたこころにも似て古コート

外套で通じるのは、何歳までだろう。

くたびれた こころにもにて ふるこーと
季語=コート
※防寒を目的とした上着のことで、オーバー、外套(がいとう)などの呼び方があります。
※時代によって、世代によって、デザインや目的によって、呼び方が変ります。
※「コート」だって、もともとは和装用の上着のための言葉だったそうですよ。
※そういえば、初めて「アウター」って言葉を耳にしたとき、何のことか分からなかったわ。
※逆もまたナンとやら。きょうもありがとうございます。

29日(土)

他人ごとのように受け取り神無月

小さな祠の神様すら、お留守らしい。

ひとごとの ようにうけとり かみなづき
季語=神無月
※神様の不在の月という意味の旧暦十月の異称です。陽暦11月とだいたい同じ時期。
※日本中の神様が出雲大社に集まるため、そこかしこの神様が留守になるのだとか。
※ちなみに今年は閏月のため、今日は旧暦十月八日にあたります。
※神ではなく雷という説も。きょうもありがとうございます。

28日(金)

漆黒の闇もどこかに冬ぬくし

光があれば闇もあるみたいな。
闇があって光みたいな。

しっこくの やみもどこかに ふゆぬくし
季語=冬ぬくし
※冬といいながらも暖かな陽気であること。
※入れ子な天気ですね。きょうもありがとうございます。

27日(木)

冬日さす物わかりなどよくもなく

「ふゆび」と濁るものかと思ったら、
どうやら濁らなかった。

ふゆひさす ものわかりなど よくもなく
季語=冬日
※冬の太陽のこと。もしくはその日差しのこと。
※直射はまだまだまぶしい。きょうもありがとうございます。

26日(水)

それなりに成り行きまかせ冬紅葉

この雨でだいぶ色が深まってきたみたい。

それなりに なりゆきまかせ ふゆもみじ
季語=冬紅葉
※紅葉だけでは秋の季語なので、この時期、便宜上冬と付けたくもなるのですが‥‥。
※本意は冬枯れの進む中に残る鮮やかな紅葉のこと。
※山のモミジは色付きも早く、その分散るのも早いのです。
※街中の紅葉はこれから。きょうもありがとうございます。

25日(火)

非難めくざれごともあり冬の雨

冬の雨は寒いから歓迎されない。
雨は嫌いじゃないけれど。

ひなんめく ざれごともあり ふゆのあめ
季語=冬の雨
※寒い中に降り続く雨の一般的なイメージは、暗くうら寂しいもの。
※冬の雨は雪国ではめずらしい、と言います。雪になるのだから。
※こちらは一日中雨でした。きょうもありがとうございます。

24日(月)

これからのことなりにけり柿落葉

柿の葉が見事に紅葉しています。
多くの庭の柿の木は、実が残ったままだ。

これからの ことなりにけり かきおちば
季語=柿落葉
※柿紅葉は一枚一枚が色とりどりで、それぞれに趣があります。
※それに気づくのは落葉してからだったりします。
※オレンジもあれば黄色もある。きょうもありがとうございます。

23日(日)

まだ遊び足りぬかのよに帰り花

ぽつりと咲く花は、おおかた小ぶりで、
誰も気づかないことの方が多いのだろう。

まだあそび たりぬかのよに かえりばな
季語=帰り花
※11月の小春日に誘われて咲く、季節外れの花のこと。
※「返り花」とも書き、「忘れ花」、「狂い花」とも呼ばれています。
※サクラ、ツツジ、ヤマブキなどが代表的です。
※勤労感謝の日でしたね。きょうもありがとうございます。

22日(土)

ゆくゆくは紅葉とならん紅葉かな

窓を開けたらハチが飛び込んで来た。
無事に外へ出してやろうとして、しばし悪戦苦闘。

ゆくゆくは もみじとならん もみじかな
季語=紅葉
※東京の中野あたりも、そろそろなのかしら、という感じです。
※小さな蜂のようなものでした。きょうもありがとうございます。

21日(金)

とりとめのないことなれど小六月

あまりの陽気に、
どこかで返り花が咲いていそうです。

とりとめの ないことなれど ころくがつ
季語=小六月
※11月中旬から12月上旬ごろの、春のような暖かい日を小春日といいます。
※同じように、6月の陽気に似ている日を小六月と呼んでいます。
※こちらはポカポカ陽気というよりも、冬の装いでは軽く汗ばむ感じです。
※でも日陰は寒いったら。きょうもありがとうございます。

20日(木)

待っていることのできない初時雨

「安定」と「無難」はとても相性がいいようです。
(隙間を見つけるには、運と根気が必要なのかもしれない。)

まつっている ことのできない はつしぐれ
季語=初時雨
※初冬の頃に多い通り雨のようなもの。青空から一転、降ったりやんだりを繰り返します。
※はかないこと、定まらないことが、古くからの本意とされています。
※時雨れることの多い陰暦十月はしぐれ月とも呼ばれるそうですよ。
※12月中旬並みの寒さって‥‥。きょうもありがとうございます。

19日(水)

それらしく同情もせし湯ざめかな

せっかく温まったのに、
と思うくらいに、夜が冷えてきましたね。

それらしく どうじょうもせし ゆざめかな
季語=湯ざめ
※入浴後に身体を冷やすこと。ぐずぐずしていると風邪のもとにも。
※気を付けないと。きょうもありがとうございます。

18日(火)

ふみこんでとうとう冬と思い立つ

寒がるか、楽しむか、ゆるめるか。

ふみこんで とうとうふゆと おもいたつ
季語=冬
※ビル風も冷たかったよ~。きょうもありがとうございます。

17日(月)

友人と知人の違い浮寝鳥

厳密に、というよりも、
そもそもが気持ちの問題なのでしょうね。

ゆうじんと ちじんのちがい うきねどり
季語=浮寝鳥
※水上で浮かびながら寝ている鳥という意味。水鳥のこと。
※冬に渡って来て春に帰る水鳥。カモ、ユリカモメ、カイツブリ、オシドリなどが代表的です。
※なんとなくですけどね。きょうもありがとうございます。

16日(日)

眠い目をこすりてみれば木枯しも

ふっと気になって検索してみたら、
東京地方の木枯1号は先月の27日でした。
晴天でも寒いわけです。

ねむいめを こすりてみれば こがらしも
季語=木枯
※木枯しが吹けば冬本番といわれる、北西の季節風です。
※なんかズレてましたね。きょうもありがとうございます。

15日(土)

鮟鱇の切身ひとつもグロテスク

ふつう家庭でアンコウは切れないため、
ぶつ切りにされた状態で店頭に並んでいます。

あんこうの きりみひとつも ぐろてすく
季語=鮟鱇
※口が大きく扁平なからだに鱗はなく、いかにも深海魚という姿です。
※大きなものでは1.5メートルにもなるのだとか。小さいものは30センチくらい。
※アンコウの身は柔らかく滑るため、「吊し切り」という特別な方法がとられます。
※内臓は身よりも美味いとされ、鍋にはすべての部位が入ります。
※あんこう鍋にしました。きょうもありがとうございます。

14日(金)

冬めきて逃げ足ことに重たげに

ひさびさに、追われる夢を、見てしまった。

ふゆめきて にげあしことに おもたげに
季語=冬めく
※冬らしくなってくること。
※朝がそこそこ冷えてきた。きょうもありがとうございます。

13日(木)

だいたいは十一月に気づきおり

来年の話も、
ちらほら話題に出はじめました。

だいたいは じゅういちがつに きづきおり
季語=十一月
※暦の上では11月は冬のはじまる月です。
※前半は暖かい日も多いですが、後半は冬らしさを肌で感じはじめます。
※勘違いしやすいですが、小春日と呼ばれるのは11月の暖かい日のこと。
※やや着込んだら日中暑かった。きょうもありがとうございます。

12日(水)

このところ桜紅葉に諭されて

桜の花が「明るさ」なら、
桜の紅葉は「乾き」という美しさなのかしら。

このところ さくらもみじに さとされて
季語=桜紅葉
※サクラの葉は他の木々よりも早く色付きます。
※とはいえ、近ごろは花水木の紅葉の方が目立っている感じですが。
※山一面を染める諸々のモミジよりも、ずっと生活圏に近いのがサクラモミジ。
※その薄い葉は赤くなる前に褐色もまま落ちることが多く、赤のイメージはありません。
※だいたいのことは、とりあえずから。きょうもありがとうございます。

11日(火)

末枯れてほどよく懲りし今昔

葉っぱの色が美しく変化することを
心待ちにしています。

うらがれて ほどよくこりし いまむかし
季語=末枯れる
※草木の葉がその先端から枯れ始めること。
※末(うら)と読ませますが、末(すえ)のこと。つまり、先端、先っぽ、先の方。
※大部分はまだ青い。きょうもありがとうございます。

10日(月)

おいそれと変わる気もなく花八つ手

庭木として親しまれていますが、
咲いたかどうかなど誰も気にしていないのだろうなぁ、
という感じの花。

おいそれと かわるきもなく はなやつで
季語=花八つ手
※日向でも日陰でもよく育つ花。
※じみですが、よく見れば美しいのかもしれない花。
※枝先の白い球状の花穂に、白い小花をたくさん付ける、日本原産の花。
※11~12月の花の少ない時期に咲く、ウコギ科の独特な花
※八手の花が咲きました。きょうもありがとうございます。

9日(日)

山茶花につねに遠慮の入りまじる

昔から
「もみじは峰より染め、花はふもとより咲く」
と言われています。

さざんかに つねにえんりょうの いりまじる
季語=山茶花
※晩秋から咲き始めるツバキ科の花で、3~7メートルとわりと小ぶりな常緑樹。
※ツバキとは異なり花びらを散らせます。咲けばこぼれ、次から次と咲き続けます。
※36年後、紅葉はクリスマスの時期までずれ込むとか!? いつだったかNHKの番組で見た。
※昔は良かったと嘆くのか。きょうもありがとうございます。

8日(土)

石蕗の花を目指してどこまでも

ひねくれ者も認めざるを得ない。
喩えるなら、そんな感じです。

つわぶきの はなをめざして どこまでも
季語=石蕗の花
※見事に鮮やかな黄色い花で、カタチは菊によく似ています。
※この時期になると庭や花壇、公園などあちこちで目にします。
※もともとは温暖な地域の岩場に自生し、葉がフキのそれに似ているそうです。
※九州地方のキャラブキの佃煮はこれが原材料なんですって。
※目印のようなもの。きょうもありがとうございます。

7日(金)

冬空と思えば冬空なのかもね

とはいえ、今月は閏九月なんですってね。

ふゆぞらと おもえばふゆぞら なのかもね
季語=冬空
※旧暦は月の動きを基準に1年を算出しています。農業には非常に適した暦なのだとか。
※しかし現在の太陽暦ほど正確ではないようで、閏月というものが存在しました。
※1年が365日ではなく354日なんですって。
※つまり3年に一度、帳尻合わせるのためにいづれかの月をだぶらせる必要がありました。
それを閏月(うるうつき)と呼びます。
※ひと口に冬空と言っても、日本海側と太平洋側ではだいぶ違いますからね。
※まして細長いし。きょうもありがとうございます。

6日(木)

とりあえず言葉だけでも冬支度

今日は寒いの? 暖かいの?

とりあえず ことばだけでも ふゆじたく
季語=冬支度
※来たるべき冬に備えて衣食住全般の調達や修理などをすること。
※今年はカイロをさっそく買い置きした(たまたま目に付いたから)。
※7日は立冬ですよ。きょうもありがとうございます。

5日(水)

終わるような終わらぬような貴船菊

百日草も、茄子の花も、朝顔もまだ咲いています。
意外と元気だったりして。

おわるような おわらぬような きふねぎく
季語=貴船菊
※秋明菊の別名です。季語集によっては貴船菊が主題に。
※貴船菊は京都の地名にちなんだ名前といいます。
※中国原産で、日本には室町時代に渡来したそうです。
※菊といっても花びらに見えるものはがく片。
※姿は形は菊によく似ていますが、じつはキンポウゲ科のアネモネの仲間なのだとか。
※街中でよく見るのは濃いピンクの花色ですかね。白もあります。
※菊まつりの時期ですね。きょうもありがとうございます。

4日(火)

待つことが馬鹿らしくなり鰯雲

もっと雲のかたまりが
大きくなると羊雲と呼ばれます。

まつことが ばからしくなり いわしぐも
季語=鰯雲
※秋の雲は高度が高く変化に富んでいます。
※小さな雲のかたまりが規則正しく空一面に並んでいる様子をいいます。
※それが魚のウロコやサバの斑紋のように見えるので、鱗雲、鯖雲とも呼ばれます。
※この雲が出るとイワシが大漁となるといわれています。だから、鰯雲。
※さざ波のような雲です。きょうもありがとうございます。

3日(月)

いみじくも黄花コスモス咲くところ

コスモスに黄色はないそうです。

いみじくも きばなこすもす さくところ
季語=コスモス
※黄花コスモスはその名の通り黄色い花を咲かせます。
※ふつうのコスモスとは同属の別種ですが、どちらも同じメキシコ原産です。
※コスモスは江戸末期ごろに、黄花コスモスは大正時代に渡来したといわれています。
※黄花コスモスの方が明るい感じがあり、学校や公園の花壇などでよく見ます。
※一般的には細か過ぎる違いなのかも。きょうもありがとうございます。

2日(日)

ぶらぶらと拝むでもなくかりんの実

可愛らしい響きとはかみ合わない、
粗野で無骨な感じかと。

ぶらぶらと おがむでもなく かりんのみ
季語=花梨の実
※高さ5、6メートルになるバラ科の落葉樹で、庭園や寺社などで見かけます。
※大きく枝を広げ、洋梨に似た大型の実をたわわに付けます。
※中国原産のため、唐梨(からなし)という名も。
※黄色く熟すとよい香りを放ちますが、固すぎて生食には向きません。
※そのため食材としては、砂糖漬けや果実酒などに利用します。
※ちょっぴりごつごつ。きょうもありがとうございます。

1日(土)

遅咲きの萩の面目躍如かな

来週には立冬を向かえますが、
東京はこれからが秋本番というところでしょうか。

おそざきの はぎのめんもく やくじょかな
季語=萩
※字の形にも表れているように、ハギは秋を代表する花木で、秋の七草のひとつです。
※一般的には9月になると咲きはじめ、秋の彼岸のころが盛りとされています。
※ひと口にハギと言っても、ハギにもいくつかの種類があります。
※儚いようにみえて荒れ地にも生えるとても強い花木なのだとか。
※今年もあと2か月ですよ。きょうもありがとうございます。

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