今日の俳句、こうのこうき
2018年5月
31日(木)
まっすぐに歩いていたら青時雨
メガネをかけているものには、ちょっと迷惑。濡れたら拭くのが面倒だもの。
まっすぐに あるいていたら あおしぐれ季語=青時雨 ※雨が止んだ後に、木々の青葉からこぼれ落ちる雨のしずくのこと。青葉時雨ともいう。 ※響きがいい。きょうもありがとうございます。
30日(水)
あらかじめ汗の分だけ水を飲む
合気の道場で小耳に挟んだ豆知識。 真偽のほどはわからない。
あらかじめ あせのぶんだけ みずをのむ季語=汗 ※汗、汗ばむは夏の季語。きょうもありがとうございます。
29日(火)
勝ち負けに疲れし朝に姫女苑
ハルジオンとよく似ているので、 関心がなければ、どっちがどっちか 見分けはつかない。
かちまけに つかれしあさに ひめじょおん季語=姫女苑 ※葉と茎の接触部分に違いがあり、じつは簡単に見分けることができる。 ※食べられるらしい。きょうもありがとうございます。
28日(月)
生きづらさ割り切るように初鰹
今でも、なんだかんだ、うれしいもの。
いきづらさ わりきるように はつがつお季語=初鰹 ※今年初めて食べたものではなく、この時期に採れるはしり鰹のことをいう。 ※漁のピークは盛夏。きょうもありがとうございます。
27日(日)
ほたるぶくろ回り道して穏やかに
提灯花の別名があります。
ほたるぶくろ まわりみちして おだやかに季語=蛍袋 ※提灯のような形をした花。花色は白から赤紫まである。 ※道端、線路わき、林のふち、いたるところで咲いています。 ※その昔、子どもが花の中にホタルと入れて遊んだのだとか。 ※釣鐘草とも。きょうもありがとうございます。
26日(土)
野に咲きしことなど忘れ花菖蒲
菖蒲園の見ごろは、もう少し先ですね。
のにさきしことなどわすれ はなしょうぶ季語=花菖蒲 ※アヤメ科の国産園芸種で、江戸時代初期から改良がはじまる。 ※端午の節句の「菖蒲」はサトイモ科。花の咲かない別もの。 ※まだ空いていた。きょうもありがとうございます。
25日(金)
罪びとの罪らしきものゼラニウム
初夏の季語ですが、 秋まで咲き続けます。
つみびとの つみらしきもの ぜらにうむ季語=ゼラニウム ※鉢植えなどで楽しむ赤い花。 ※赤以外にもピンク、白、絞りなどがある。 ※南アフリカ原産で、日本には幕末ごろに渡来したという。 ※和名は天竺葵。きょうもありがとうございます。
24日(木)
炭酸水買って眺めるアカンサス
表参道にて。数本、立ち並んでいる姿に、 まるで違和感がないな、と思った。
たんさんすいかって ながめる あかんさす季語=アカンサス ※大きな葉に、太い花茎。背の高いものは2メートルにもなる。 ※南ヨーロッパ原産の大型多年草。和名は「葉薊」。 ※淡いピンクの花を横向きに、花茎を下から上に咲き上がる。 ※神楽鈴を連想する。きょうもありがとうございます。
23日(水)
万緑に近づき雨の賑わいに
緑がどんどん濃くなって行きます。
ばんりょくにちかづき あめのにぎわいに季語=万緑 ※草木の緑にあふれていること。 ※長雨。きょうもありがとうございます。
22日(火)
あることをないことにせし薄暑かな
夜は夜らしく、 うっかり半袖では肌寒い。
あることをないことにせし はくしょかな季語=薄暑 ※梅雨前の汗ばむ(ような)暑さのこと。 ※薄暑の「薄」は、薄暮、薄明、肉薄などと同じく、「近づく」「おしせまる」という意味。 ※いまだ初夏。きょうもありがとうございます。
21日(月)
たましいのぬるりとふれし夏の雲
積乱雲だけが、夏の雲ではない。
たましいの ぬるりとふれし なつのくも季語=夏の雲 ※夏の空に浮かく雲。輪郭がはっきりとしている。 ※青空がまぶしい。きょうもありがとうございます。
20日(日)
「わたし」という厄介なもの風薫る
まずは「晴れ」であることが条件。
「わたし」という やっかいなもの かぜかおる季語=風薫る ※初夏の南風のこと。薫風(くんぷう)。 ※まるで若葉青葉の香りを運んで来るかのよう、ということ。 ※感覚的な季語です。きょうもありがとうございます。
19日(土)
本棚を二つ買い増し青嵐
二人がかりで、 組み立てるのに、ひと苦労。
ほんだなを ふたつかいまし あおあらし季語=青嵐 ※青葉のころの少し強めの南風。 ※だいたい5月から7月ごろにかけての季語。 ※爽やかな嵐? きょうもありがとうございます。
18日(金)
青梅や悪女ならずも傷口に塩
一応、花を観賞する「花梅」、実を採取するための「実梅」という区別があるそうです。 実際のところは、あいまいらしい。
あおうめや あくじょならずも きずぐちにしお季語=青梅 ※見上げると青葉若葉に隠れて青い実がなっています。 ※葉隠れ梅。きょうもありがとうございます。
17日(木)
柿の花落ちてしまえばよく落ちる
柿の花は新しい枝につくため、秋に実のなった枝は冬に切り取る。
かきのはな おちてしまえば よくおちる季語=柿の花 ※クリーム色の合弁花は、青葉にまぎれて目立たない。 ※落下するのは雄花。実となる雌花より小さいです。 ※落花を見て気づく。きょうもありがとうございます。
16日(水)
昼顔の日だまりとみに美しく
暑い夏のはじまりを知らせる、 そんな花かもしれない。
ひるがおの ひだまりとみに うつくしく季語=昼顔 ※朝顔は朝だけ咲く花。昼顔は日中に咲くピンク色の花。 ※根が深いため、強烈な真夏の日差しにも耐えられる。 ※「頓(とみ)に」は、急に、にわかに、という意味。 ※身近なものに絡まる。きょうもありがとうございます。
15日(火)
じゃがいもの花さも親しげに今日のこと
ご近所にジャガイモ畑を見つけた。 ダンシャクの花は白、メイクィーンの花は薄紫だそうだ。
じゃがいものはな さもしたしげに きょうのこと季語=馬鈴薯の花 ※俳句では、一般的に馬鈴薯(ばれいしょ)と書いて「じゃがいも」と読ませるようです。 ※ジャガイモはナス科の多年草。花もどこか似ています。 ※白い花だったよ。きょうもありがとうございます。
14日(月)
十薬と呼ばれ真白な花となる
薬草であり、お茶であり、いろいろ重宝されています。
じゅうやくとよばれ ましろな はなとなる季語=十薬 ※別名は「ドクダミ」。日本中で見ることができます。 ※日かげを好み大きな群れとなるため、植え込みや庭などではやっかいな雑草です。 ※白い花は清楚な感じ。きょうもありがとうございます。
13日(日)
生き生きと青葉若葉の濡れそぼつ
傘を持っていない人、けっこう見かけたなぁ。
いきいきと あおばわかばの ぬれそぼつ季語=青葉若葉 ※初夏、木々の葉の中にもそれぞれに濃い薄いのある様子。 ※一本の木の中にも、緑葉の濃淡を見ることができます。 ※午後からドシャブリ。きょうもありがとうございます。
12日(土)
勢いのありてざわつく銭葵
どこら辺が「銭」っぽいのか。 花なのか、果実なのか、よくわからない。
いきおいのありて ざわつく ぜにあおい季語=銭葵 ※道端や線路沿いでよくみる薄紫色の花です。 ※花びらに濃紫色の線が放射状に伸びています。これは虫を誘うためなのだとか。 ※江戸時代に観賞用として渡来した外来種。 ※毎年同じ場所に。きょうもありがとうございます。
11日(金)
気を抜けばみな南天の花となる
冬、小さな赤い実を愛でるナンテン。 反面、初夏に咲く花は地味すぎて誰も気にもとめない。
きをぬけば みななんてんの はなとなる季語=南天の花 ※枝の先に花穂を伸ばし、白い花を群がり付けます。 ※鎌倉時代など、古くから庭木として用いられてきました。 ※小さな六弁の花。きょうもありがとうございます。
10日(木)
日だまりの弾けて咲くは水木かな
「水木の花」は、夏の季語。 春に咲くのは、「花水木」。つまりは、別ものです。
ひだまりの はじけてさくは みずきかな季語=水木の花 ※全国の山野に自生するミズキ科の落葉高木です。 ※5月くらいから白い小さな花を枝先に群がり付けます。 ※華やかなハナミズキは北アメリカ原産の落葉小木。 ※目につくが地味かも。きょうもありがとうございます。
9日(水)
生きものの背景として青葉雨
『生誕150年 横山大観展』に行ってきたよ。 連休中のことだけどね。
いきものの はいけいとして あおばあめ季語=青葉雨 ※青葉のころに降る雨のこと。 ※青葉若葉。きょうもありがとうございます。
8日(火)
鍋底に汚れのたまる青葉寒
真夜中ともなるとそこそこ冷え込みます。
なべぞこに よごれのたまる あおばざむ季語=青葉寒 ※青葉、若葉のころの寒さのぶり返しをいう。 ※若葉寒、若葉冷とも。きょうもありがとうございます。
7日(月)
かたばみの花や気さくに道尋ね
野草かと思えば、園芸種もあるようだ。
かたばみのはなや きさくに みちたずね季語=酢漿の花 ※ハート形の3枚の葉に、黄色い五弁の花を咲かせます。 ※日なたに多い。きょうもありがとうございます。
6日(日)
後手後手に回りて思う立夏かな
ふと見上げると、 マンションのベランダから鯉のぼり。
ごてごてに まわりておもう りっかかな季語=立夏 ※夏来たるですよ。きょうもありがとうございます。
5日(土)
大げさな予言のごとく柏餅
当たるも八卦、当たらぬも‥‥。
おおげさな よげんのごとく かちわもち季語=柏餅 ※カシワの葉にくるんだ餅菓子。 ※端午の節句には、ちまきとともに供えるもの、らしい。 ※連休もあと1日。きょうもありがとうございます。
4日(金)
くじ運の良し悪し二人静かな
参道のわきにぽつぽつと。
くじうんの よしあし ふたりしずかかな季語=二人静 ※葉と葉の間から2本の花穂(かすい)を伸ばし、小さな白い花をつけます。日かげを好む花。 ※みどりの日。きょうもありがとうございます。
3日(木)
問われても困る憲法記念の日
大方はそんな感じだろう。おいらも。
とわれてもこまる けんぽうきねんのひ季語=憲法記念日 ※風の強い日だ。きょうもありがとうございます。
2日(水)
身から出た錆びか憐れか棕櫚の花
花と言うより黄色い塊。 見ようによっては内臓みたい。
みからでた さびかあわれか しゅろのはな季語=棕櫚の花 ※ヤシ科の常緑高木で、枝分かれすることなく直立する。 ※粟粒のような花を無数に抱えた大きな花穂を下げる。 ※幹の頂付近から。きょうもありがとうございます。
1日(火)
飛び石のここぞと跳ねる五月かな
三連休は短いが、四連休はなんか長い。
とびいしの ここぞとはねる ごがつかな季語=五月 ※個人的感想として。きょうもありがとうございます。