• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2014年7月

31日(木)

曲がり角ひとつ手前で夕焼けて

夕焼けがキレイなら、あしたは晴れるらしい。

まがりかど ひとつてまえで ゆうやけて
季語=夕焼
※夕方の太陽光は、真昼のそれよりも長く大気中を通過するそうです。
※ゆえに青い光は拡散し、赤色だけが残る、それの現象が夕焼け。
※斜めから射すだけに。きょうもありがとうございます。

30日(水)

間違いを打ち消すように水を打つ

水をまくなら、朝方か夕方がよいとか。

まちがいを うちけすように みずをうつ
季語=打水
※暑い日に玄関先や庭、道路などに水をまくこと。涼しげな光景です。
※日中だと蒸し暑くなるんだっけ? きょうもありがとうございます。

29日(火)

気乗りせぬ仕事に合わせ鰻の日

古くからの風習のようです。

きのりせぬ しごとにあわせ うなぎのひ
季語=鰻の日
※「鰻の日」は、土用鰻の傍題。
※夏負けしないようにウナギを食べる日、土用の丑の日。
※その風習は江戸時代に広まったと言われていますが‥‥。
※万葉集に、夏痩せにウナギを、という歌があるとか。
※ウナギは夏に多くとれる。きょうもありがとうございます。

28日(月)

要らぬこと考え過ぎて土用かな

近ごろ、パッケージの裏書きを
見るようになっちゃいましたよ。

いらぬこと かんがえすぎて どようかな
季語=土用
※土用とは、海の日あたりから立秋(8月8日)までの18日間のことをいいます。
※酷暑と呼ばれる時期ですから。きょうもありがとうございます。

27日(日)

辻褄を合わすかぎりは蝉鳴けり

雨の上がった束の間に、蝉の声が聞こえてきた。
今夏はじめての蝉の声。

つじつまを あわすかぎりは せみなけり
季語=蝉
※鳴くのは雄のセミだけです。
※梅雨が明けると、様々なセミの混声合唱がはじまります。
※暑苦しいと感じることは多々ありますが、朝方に聞くセミは印象が違うかも。
※要は温度と湿度の関係か? きょうもありがとうございます。

26日(土)

病葉や無駄な記憶の多しこと

忘れたらいけないことなど、
ほんとはそう多くないはずなのだが‥‥。

わくらばや むだなきおくの おおしこと
季語=病葉
※夏の木々の中にあって、黄色く変色した葉っぱなどのこと。
※落葉の時期でもないのに散っている葉や、病気の葉も同じくワクラバと言います。
※全体が青々としているだけに、朽ちゆく葉は目に付きやすい。
※仕事は忘れないよ。きょうもありがとうございます。

25日(金)

平凡も非凡もなくて半ズボン

クールビズで半ズボンは、
まだまだハードルが高そうですね。

へいぼんも ひぼんもなくて はんずぼん
季語=半ズボン
※夏服のひとつ。夏の休日は大人の半ズボン的な姿も多くなりましたね。
※熱帯夜に寝不足だ。きょうもありがとうございます。

24日(木)

雷光の走るにまかせ足早に

建物が揺れるほどの大音響のカミナリに出合うと
昔の人がカミナリを「神鳴」と書いた気持ちが分かる気がします。

らいこうの はしるにまかせ あしばやに
季語=雷
※雷は夏の季語。春や秋の雷に比べ、天候の関係から激しいものが多い。
※練馬方面に落ちる大きな稲光を見たよ。きょうもありがとうございます。

23日(水)

締切のきりきり迫る大暑かな

飲みなれたインスタントコーヒーも
麦茶だと思って飲むと、ひどく苦い。

しめきりの きりきりせまる たいしょかな
季語=大暑
※7月23日、24日ごろにあたる暦上の節目。二十四節気のひとつ。
※文字通り1年で最も暑い時期で、この日から15日間が夏のピークとされています。
※汗が吹き出ます。きょうもありがとうございます。

22日(火)

七月の風まったりと動き出す

冷房の室外機の熱風を、
わずかに避けられない園芸植物たちが、
意外にたくましい。

しちがつの かぜまったりと うごきだす
季語=七月
※7月は中旬に梅雨明けを向かえ、暑さが一段ときびしくなる時期です。
※関東もやっと梅雨明けですね。きょうもありがとうございます。

21日(月)

海の日や海から遠くここにあり

海洋国というか、島国というか、
呼び方でずいぶんと印象が違うものですね。

うみのひや うみよりとおく ここにあり
季語=海の日
※海の日は、海の恩恵に感謝するとともに海洋国日本の繁栄を願う日なのだとか。
※穏やかに。きょうもありがとうございます。

20日(日)

鷹揚にうなずき合いて仏桑花

知らなければ仏花の一種と考えてしまいそうですが、
誰もがよく知るハイビスカスのことです。

おうように うなずきあいて ぶっそうげ
季語=仏桑花
※中国から琉球を経由して日本に渡来したといわれ、
琉球木槿(りゅうきゅうむくげ)という呼ばれ方もします。
※花は大ぶりのムクゲといった感じで、長く突き出た蘂がいかにも南国的です。
※赤色の印象が強い花ですが、他にもピンク、朱色、黄色、絞りなどがあります。
※イメージと真面目と。きょうもありがとうございます。

19日(土)

真に受けて眺めるだけの灸花

ヤイトバナの正式名称は、ヘクソカズラといいます。
花以外全体に悪臭があるそうですよ。

まにうけて ながめるだけの やいとばな
季語=灸花
※やぶなどで見る雑草のひとつで、アカネ科のつる性植物。
※白い筒状で、紅紫色のとじ蓋をしたような、可愛らしい小花です。
※一見、固そうな筒状の小花ですが、実際はうす紙のようにやわらかい。
※ヤイトはお灸のこと。花の形が火の付いたお灸を連想させるようです。
※確かに紙で包んだお灸に似ています。きょうもありがとうございます。

18日(金)

世の中を斜から眺め寝冷せし

そんなことはない、と、思いたいのですが‥‥。

よのなかを はすからながめ ねびえせし
季語=昼寝
※寝苦しい夜につい油断してしまい、朝方に腹などを冷やして体調を崩すこと。
※冷えすぎると、風邪を引いてしまったり、腹を下してしまったりすることも。
※気を付けたいと思います。きょうもありがとうございます。

17日(木)

損ばかりしてきたような団扇かな

よく街中で配っている
広告入りのプラスチック製のうちわは、
思いのほか長待ちしますね。

そんばかり してきたような うちわかな
季語=団扇
※どこか品のある扇子にくらべれば、団扇は至って庶民的かも。
※蒸し暑い日が続きますね。きょうもありがとうございます。

16日(水)

のんびりと事をかまえて百日紅

サルスベリの木肌って、
マネキンのそれに似ているかも?!

のんびりと ことをかまえて さるすべり
季語=百日紅
※6~9月にかけて、小さな紅色の花が枝先に群れ咲きます。
※百日は咲き続けるため、漢名は百日紅と書く。
※猿さえ滑り落ちそうな木肌なので、和名はサルスベリ。
※白やピンクなどの花色もあります。きょうもありがとうございます。

15日(火)

数匹は何するものか蟻の群れ

群がるアリなど、見ていて気持ちのいいものではありません。
なので、じっくり観察したわけではありませんが、
ふと気になりました。

すうひきは なにするものか ありのむれ
季語=蟻
※アリは社会的な生き物であるといいます。
※一匹が獲物を見つけると仲間を呼んで、隊列を為してエサの確保に向かうとか。
※梅雨が明けると、アリの活動はさらに活発になります。
※飴玉に群れていたよ。きょうもありがとうございます。

14日(月)

ひまわりの爛々として静まれり

日盛りに咲くヒマワリは、音を持っていない。
昔から漠然とそんな感じを持っていました。

ひまわりの らんらんとして しずまれり
季語=向日葵
※夏の花といえば、ヒマワリですね。
※昔から老若男女問わず好まれる花なのでしょうかね。
※泰然自若‥‥には、遠い。きょうもありがとうございます。

13日(日)

昼までは元気なひとの暑気中り

やっぱり、湿気がすごいのね。
湿気とりも満タン、交換どき。

ひるまでは げんきなひとの しょきあたり
季語=暑気中り
※夏の暑さに体調を崩してしまうこと。身体が弱ること。
※今週はかなり暑いらしいよ。きょうもありがとうございます。

12日(土)

日ざかりに見るものすべて頼りなく

午後の眩しさに、一瞬たじろぎました。

ひざかりに みるものすべて たよりなく
季語=日盛
※夏の日の正午から午後2時、3時のもっとも暑い時間帯のこと。
※あまりの強い日ざしに、街の音が飲み込まれたような不思議な時間帯でもあったりします。
※言い過ぎでしょ!? きょうもありがとうございます。

11日(金)

何ごともなきよう願うかたつむり

新宿の地下街に続く階段の中段あたりの側面に、
小さなカタツムリが張り付いていたよ。

なにごとも なきようねがう かたつむり
季語=蝸牛
※カタツムリは梅雨時に多く見られます。
※「マイマイ目の有肺類で、陸生の巻貝」、というと、何か別の生き物みたいだ。
※気づかないだけか、ここらでは見かけない。きょうもありがとうございます。

10日(木)

いつになく人信じ過ぎアイスティー

性善説か?、性悪説か?
そんなの両方ですよ。

いつになく ひとしんじすぎ あいすてぃー
季語=アイスティー
※その昔には、「冷し紅茶」とか、コールドティーとか、と、呼ばれたらしい。
いつの時代の話かは知らない。
※ここ1、2年の季語集には、アイスティーもアイスコーヒーも記載がないみたい!?
※日常的過ぎなのかな。きょうもありがとうございます。

9日(水)

はじけたらはじけしままに夏の草

気づけば空き地を覆い尽くす夏草、
その勢いはまったくもって驚異的です。

はじけたら はじけしままに なつのくさ
季語=夏草
※勢いよく生い茂る夏の草のこと。
※春の草に比べ、力強く緑も濃い。まさに青々といった感じです。
※毎日見るけど、見ているようで見ていない。きょうもありがとうございます。

8日(火)

あてもなく置き去りとなり日向水

唐突だけど、
バスターミナルの標識は、ちっとばかり分かりにくいと思う。

あてもなく おきざりとなり ひなたみず
季語=日向水
※炎天下、たらいなどに水を張り、外で温めた水を日向水といいます。
※日差しでほどよく温まった水を、昔は洗濯や行水などに使ったそうです。
※台風の季節になりましたね。きょうもありがとうございます。

7日(月)

それぞれの七夕飾り結わえおり

新暦とか、旧暦とか、
どっちでもよくなってきましたよ。

それぞれの たなばたかざり ゆわえおり
季語=七夕
※七夕まつりに嘘も本当もないですね。きょうもありがとうございます。

6日(日)

状況はさして変わらず明け易し

週に2回はかなり早起きしているのに、
寝る時間は今までとあまり変わらない。
というか、変えられず。

じょうきょうは さしてかわらず あけやすし
季語=明け易し
※この季語には、伝統的に、あっという間に夜明けだという、夜の時間を惜しむ気持ちが込められているそうです。
※ひと昔前は、寝苦しい夜などに、強く思ったのかもしれませんね。
※なのに朝活をはじめてみました。きょうもありがとうございます。

5日(土)

よろこびもしとしと湧きし梅雨籠

どの分量をどれだけ多くするかは、
いつだって自分次第なのだけれども‥‥。

よろこびも しとしとわきし つゆごもり
季語=梅雨籠
※梅雨のこの時期、降りしきる雨に、家から出ずにいること。
※そんな季語もあります。きょうもありがとうございます。

4日(金)

振り払う傘のしずくに沙羅の花

カサにしるしを付けようかどうかを迷って、
けっきょくは毎度付けなかったんだ。

ふりはらう かさのしずくに しゃらのはな
季語=沙羅の花
※梅雨ごろに咲くツバキ科の白い五弁花。正式な名前は「夏椿(なつつばき)」。
※ツバキのように花ごと落ちる。1日花なので、咲けば毎日のように落ちる。
※沙羅の名は、釈迦にゆかりのある沙羅双樹に似ていることから、
それにあやかって付けられた名前だといいます。
※インド産の沙羅双樹は日本の風土に合わず、自生していないと聞きます。
※学校で暗記させられた『平家物語』の冒頭の沙羅双樹もまた、沙羅の花なのだとか。
※何ごとも諸行無常だね。きょうもありがとうございます。

3日(木)

寝不足にアイスクリームすぐとける

要領が悪くて「忙しい」とか、
気持ちだけが「忙しい」とか、
「忙しい」にも、いろいろありますからね。

ねぶそくに あいすくりーむ すぐとける
季語=アイスクリーム
※蒸し暑い日でした。きょうもありがとうございます。

2日(水)

うっかりもちゃっかりもあり合歓の花

合歓の花は、夏の強烈な日差しよりも、
少々の雨空が似合うようです。

うっかりも ちゃっかりもあり ねむのはな
季語=合歓の花
※マメ科の落葉高木。夜になると手を合わせたように葉をたたむことから、
眠りの木、「ねむの木」という名がついたとか。
※糸状の薄紅色の花弁を、広げた刷毛のようにふわりと開く美しい花。
※当て字である「合歓」には、男女が共に寝るという意味もあるそうです。
※また明日から雨だってね。きょうもありがとうございます。

1日(火)

ありふれた小箱のなかに雲の峰

平和とは、非凡なことだというよ。

ありふれた こばこのなかに くものみね
季語=雲の峰
※空の向こうに見える眺めは、まるで山の峰のような白く美しい夏の雲。
※でもその正体は積乱雲。入道雲とも呼ばれます。
※通過する際に短時間で激しい雨を降らせ、カミナリを伴うことも。
※きょうもありがとうございます。