• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2014年6月

30日(月)

真に受けていつまで続く夏薊

とくべつな感慨もなく、今日で丸7年。
病欠した分を引いても、まだ2,550句に少し足りないくらいか。

まにうけて いつまでつづく なつあざみ
季語=夏薊
※キク科の多年草で、春、夏、秋と見ることができます。夏がアザミの花の盛り。
※「夏アザミ」は、夏に咲くアザミの総称です。
※葉の先端や苞に意外に鋭いトゲがあるので、お気を付けください。
※刺さると痛いよ。きょうもありがとうございます。

29日(日)

このところ激しくなりて梅雨の雷

夕方の雷。
すぐ近くに落ちたのか、
テレビと部屋の照明が突然消えて、おどろいた。

このところ はげしくなりて つゆのらい
季語=梅雨の雷
※雷が鳴ると梅雨明けが近いといいますが、雨をともなうものではないらしい。
※今年の梅雨は長いのか? きょうもありがとうございます。

28日(土)

親しみの数だけふいにさみだるる

気をまぎらわすのではなく、気をそらすことだろうか。

したしみの かずだけふいに さみだるる
季語=さみだるる
※梅雨どきの雨のこと。
※梅雨は、雨というよりも、雨の続く時期全体を包括する言葉です。
※それに対して「五月雨」は書いて字のごとく、旧暦五月に降る雨そのもののこと。
※年々、雨がうっとしくなりますよ。きょうもありがとうございます。

27日(金)

礼装と言いて明るきアロハシャツ

と、言っている、クールビズの人がいましたよ。

れいそうと いいてあかるき あろはしゃつ
季語=アロハシャツ
※ハワイでは、アロハシャツが正装として認められています。
※そういえば、式典や冠婚葬祭などで、アロハシャツを着ている姿を、
ニュースなどで見ることがありますね。
※アロハシャツは日本の移民から生まれたという説もあるとか。
※アロハには「あいさつ」の意味があるそうです。きょうもありがとうございます。

26日(木)

つややかなバナナが個装されており

バナナの自販機を見つけたよ。
見たまんまですが、なぜバナナ?

つややかな ばなながこそう されており
季語=バナナ
※バショウ科の果実。現在も夏の季語とされています。
※今さらですが。きょうもありがとうございます。

25日(水)

青梅雨や湯気立ちのぼる炊飯器

昨日今日と午後になって、すごい豪雨でしたね。

あおつゆや ゆげたちのぼる すいはんき
季語=青梅雨
※青葉の頃の梅雨という意味です。
※しばらく空を眺めた。きょうもありがとうございます。

24日(火)

近ごろはくたびれやすく花菖蒲

そりゃあ、若い頃とは違いますよ。

ちかごろは くたびれやすく はなしょうぶ
季語=花菖蒲
※ハナショウブは江戸時代に作られた、アヤメ科の園芸種です。
※アヤメやカキツバタよりも大形で、見ごろは6月初旬から中旬くらい。
※先週末に菖蒲園に足を運びましたが、花は終わりの頃でした。
※少し遅かったかも。きょうもありがとうございます。

23日(月)

のうぜんの噛みつくように咲きにけり

女性的なようで、ちょっと俺様な感じだね。

のうぜんの かみつくように さきにけり
季語=のうぜん
※ノウゼンカズラ科のつる性の落葉樹です。
※茎を他の樹木や壁などにまき付けて長く伸びます。
※じょうご形をしたオレンジ色の花が印象的。
※中国原産で庭木として観賞用に植えられています。
※茎から重たげに垂れ下がりながらも、うつむくことなく咲きます。
※なんとなくですが。きょうもありがとうございます。

22日(日)

サボテンの花の赤さを諳んずる

駅前の花屋のサボテンが
赤い花を咲かせていましたよ。

さぼてんの はなのあかさを そらんずる
季語=サボテンの花
※サボテンの花は、色も形もさまざまです。
※キレイな花もあれば、そうでもない花も。きょうもありがとうございます。

21日(土)

捩花や時計の針は右回り

特別目立つ花ではないけれど、
よく見れば個性的な野草です。

ねじばなや とけいのはりは みぎまわり
季語=捩花
※日当りのいい芝地などでよく見かけます。
※ラン科の花で、5~7月がその時期。高さは15~30センチくらい。
※茎の先の穂が縄状に捻じれた形状をしています。
※そこに桃色のやさしい感じの小花をいくつも咲かせます。
※北半球と南半球では日時計の回り方は逆らしい。
※ネジバナは右巻きと左巻きがあるそうです。
※夏至でした。きょうもありがとうございます。

20日(金)

かなしみをうまく言えない花ざくろ

可憐と言えば、可憐な花なのかもしれない。

かなしみを うまくいえない はなざくろ
季語=花柘榴
※梅雨のこの時期に咲く赤い筒型の花。
※紅一点の由来となった花だけに、目立ちます。
※原産はペルシャやインドのあたりで、中国を経由し日本に渡来したといわれています。
※とかく日本では個性的かも。きょうもありがとうございます。

19日(木)

建て付けの悪い網戸の幾年か

むしろ開けなければ、何の不便もない。

たてつけの わるいあみどの いくねんか
季語=網戸
※いずれ「幾年も」になるのかも。きょうもありがとうございます。

18日(水)

短めの言葉を拾い風通す

風は、ふつう、まっすぐに抜ける。

みじかめの ことばをひろい かぜとおす
季語=風通す
※部屋の風を通しをよくすること。
※夏日でも風通しのよい部屋は過ごしやすい。
※可もなく不可もなく。きょうもありがとうございます。

17日(火)

らんちゅうのクセのある顔たのしみに

言葉が辛辣な人ほど、
打たれ弱かったりするから、おもしろい。

らんちゅうの くせのあるかお たのしみに
季語=蘭鋳
※中国で改良された鮒の変種。日本には室町時代に伝えられたといわれています。
※有名な出目金やランチュウは日本で品種改良されたそうです。
※ランチュウには背びれがなく、ずんぐりと丸い体型。頭部の瘤が特長的です。
※色、形、瘤の大きさもいろいろあるようで、珍重されています。
※まるで無自覚な人もいるけど‥‥。きょうもありがとうございます。

16日(月)

よく似てる親子の残すトマトかな

トマトは果菜のひとつだ。
果菜という言葉をいくつかの手元の辞書で引くと
「果実を食用とする野菜」と説明がある。
日本語ってムズカシイな、と、ぼんやり思う。

よくにてる おやこののこす とまとかな
季語=トマト
※今どき野菜に季節感はないですが、トマトは夏が旬です。
※「果実と野菜」ともある。きょうもありがとうございます。

15日(日)

ことさらに光をためて金糸梅

なにやら芝居がかってますかね。

ことさらに ひかりをためて きんしばい
季語=金糸梅
※キンシバイは、3センチくらいの鮮やかな黄色い5弁の花で、長い雄しべが特長です。
※6月も折り返したよ。きょうもありがとうございます。

14日(土)

不愉快なことあるらしく青蜥蜴

家と外、表と裏、その落差は、
極力少ない方が生きやすい、と、思いますよ。

ふゆかいな ことあるらいく あおとかげ
季語=青蜥蜴
※尾が青いのはトカゲの幼体です。なんとなく、警戒心が薄い気がします。
※成体のトカゲは茶褐色。やはり、どちらをよく見るかと言えば、幼体かもしれない。
※そもそも爬虫類は苦手です。きょうもありがとうございます。

13日(金)

ががんぼの広々としてさみしかり

子どもの頃には、よくお風呂場にいた気がしますよ。

ががんぼの ひろびろとして さみしかり
季語=ががんぼ
※蚊に似た異様に足の長い虫。細くて長いからかすぐに足がもげてしまいます。
※すごい大粒の雨にあった。きょうもありがとうございます。

12日(木)

身を伏せて梅雨の晴れ間と混ざりおり

心配性と几帳面は、似ているようで似てなくて‥‥。
どちらも、融通が利かない。

みをふせて つゆのはれまと まざりおり
季語=梅雨
※巻き込まれないように。きょうもありがとうございます。

11日(水)

雨しのぐ蛍袋のいい加減

ホタルブクロには、アメフリバナという異名があるそうな。

あめしのぐ ほたるぶくろの いいかげん
季語=蛍袋
※全国の山野に自生するキキョウ科の多年草。
※街中では線路沿いなどでよく見かけますね。
※提灯のようなふくらみのある花を下向き付けます。
※梅雨の頃によく咲きます。きょうもありがとうございます。

10日(火)

人の世の鏡に映す夏の蝶

人脈とは、どれだけの人を知っているか、ではなく、
どれだけの人に知られているか、なのだという。

ひとのよの かがみにうつす なつのちょう
季語=夏の蝶
※今日のような梅雨の晴れ間に見る蝶は、「梅雨の蝶」とも呼ばれます。
※目から鱗粉でしたね。きょうもありがとうございます。

9日(月)

青梅の馴れ馴れしさもここまでと

梅雨って、こんなにも、
ザーザーと雨の降るものなのですね。

あおうめの なれなれしさも ここまでと
季語=青梅
※青い未熟のうちに収穫されたのが「青梅」、やわらく熟した実を「実梅」と呼びます。
※庭木などの収穫されない実も、梅雨入り前後から黄色く色づきはじめます。
※だから、梅雨に梅の字があてられたそうです。
※何れ熟せば枝から離れます。きょうもありがとうございます。

8日(日)

昼顔の嘘に飽きればこざかしく

ほら吹きに必要なのは、
単にほら話を面白がってくれる環境のようだ。

ひるがおの うそにあきれば こざかしく
季語=昼顔
※朝顔によく似た、少し小さめのピンク色の花。
※どこにでもはえるつる性植物。昼間に咲いて、夕方にはしぼみます。
※根が深いために、夏の日差しにも耐えられるそうです。
※梅雨も平気みたい。きょうもありがとうございます。

7日(土)

濡れそぼつ疑似餌の如く金魚草

ちょっと天気予報を見る気もしない。

ぬれそぼつ ぎじえのごとく きんぎょそう
季語=金魚草
※直立した茎に段々に咲く花がキンギョに似ています。
※ひとつのエサに四方から金魚が集まってきた感じでしょうか。
※ヨーロッパン原産で、江戸の末期に渡来したそうです。
※一日中雨だったよ。きょうもありがとうございます。

6日(金)

雨音に飲まれ芒種の湯につかる

聞くとはなしに、耳を傾けています。

あまおとに のまれぼうしゅの ゆにつかる
季語=芒種
※新暦の6月6日前後は「田植えを始めるよい頃合い」とされています。
※「芒」はススキとも読むように、大きくはイネ科植物を指しています。
※正確には「イネ科植物の穂先にある針状の突起」のことらしいですが‥‥。
※ジャバジャバじゃね。きょうもありがとうございます。

5日(木)

アカシアの甘き匂いや走り梅雨

アカシアの花がこぼれ、梅の実が熟しています。

あかしあの あまきにおいや はしりづゆ
季語=走り梅雨
※本格的に梅雨入りする数日前に、その予兆のような雨が降り続くことがあります。それを「走り梅雨」とか、「前梅雨」とか呼んでいます。
※「流行のはしり」というときの「はしり」と同じ意味です。つまりは、先駆け。
※今日の雨はまさに梅雨の前ぶれかと思っていたら、そうそうに「梅雨入り」したそうですね。
※びっくりだね。きょうもありがとうございます。

4日(水)

四葩咲くそれもひとつの目安なり

野生のガクアジサイから、華やかな現在のアジサイへ。
果てしない話ですね。

よひらさく それもひとつの めやすなり
季語=四葩
※梅雨の時期の代表的な花であるアジサイの別名です。
※花に見えるものは4枚のがく片。そこから四葩という名が付いたとか。
※「葩」の訓読みは「はな」と読むようですよ。
※「万葉集」にもアジサイの名があります。
※雨降りますか。きょうもありがとうございます。

3日(火)

十薬はここぞとばかり咲き連ね

多くの人は、ドクダミと呼びます。

じゅうやくは ここぞとばかり さきつらね
季語=十薬
※十薬ひとつに、十種類もの薬を調合したかのような効果あると考えられてきました。
※ドクダミ茶にはデトックス効果あるとして、今なお根強い人気があるようです。
※真っ白な十字の苞と黄色い芯(こっちが本当の花)との取り合わせが印象的で、かわいらしい花です。
※ハート形の葉の独特な匂いと、その繁殖力の強さから雑草扱いされることも多い。
※あちこちの花壇が十薬だらけ。きょうもありがとうございます。

2日(月)

太陽に好かれぬように夏帽子

相性って、ありますよね。

たいように すかれぬように なつぼうし
季語=夏帽子
※夏にかぶる帽子は、麦わら帽子などのように暑さや直射を防ぐためのもの。
※暑さ対策も忘れずに。きょうもありがとうございます。

1日(日)

アカシアの花この月光を磨きおり

今日は6月になったばかりというのに、
とにかく、暑かった‥‥。

あかしあのはな このげっこうを みがきおり
季語=アカシアの花
※日本の「アカシア」は、正確には、北アメリカ原産の「ニセアカシア」と呼ばれるものです。
※甘い香りのする白い蝶型の小花。マメ科の木で、高枝に房状に集まって咲きます。
※「アカシアの蜂蜜」は、このニセアカシアからとれたもの。
※ちなみに偽物でない「アカシア」は、オーストラリア原産の熱帯植物で、日本には自生していません。花はミモザに似ています。
※単にまぎらわしだけの豆知識ですね。マメ科だけに。
※夜の涼しさがうれしい。きょうもありがとうございます。