• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2015年1月

31日(日)

ろうばいや晴れたる日には晴れやかに

冬の青空が本当に似合う花だと思います。

ろうばいや はれたるひには はれやかに
季語=蝋梅
※蝋細工のような独特の光沢のある黄色い花。年明け早々に咲きはじめる花です。
※花のかたちは梅に似ています。梅とは違う、とてもよい香りがします。
※ロウバイ科の落葉低木。きょうもありがとうございます。

30日(金)

雪降りて人は優しくなりぬべし

春の桜、秋の月、冬の雪。

ゆきふりて ひとはやさしく なりぬべし
季語=雪
※雪に関連する季語は非常に多く、今も昔も代表的な季語のひとつ。
※長引けばどうか? きょうもありがとうございます。

29日(木)

さしあたり寒波なるもの受け入れて

明日からしばらくは、
ものすごく、寒いらしい。

さしあたり かんぱなるもの うけいれて
季語=寒波
※シベリア方面から寒気団が流れて来ること。これにより寒さがいっそう厳しくなります。
※寒気がたて続けに押し寄せて来ることから寒波というそうです。
※とはいえ、明けてみないとわからない。きょうもありがとうございます。

28日(水)

月凍つるきれいごとなど好みては

白い息にくもる鏡のような
半分の月が昇っていました。

つきいつる きれいごとなど このみては
季語=月凍つる
※冬の月のこと。寒空ゆえに、より青白く、より美しく感じるのかもしれません。
※上弦の月(+1日)。きょうもありがとうございます。

27日(火)

寒暖の差にもめげずに冬木の芽

週末は雪になるかもしれないとか。

かんだんの さにもめげずに ふゆきのめ
季語=冬木の芽
※落葉樹の枝先に目立つ木の芽のこと。冬枯れの木は、すでに春咲きの芽を備えております。
※梅の芽のふくらみが目立ちはじめましたね。きょうもありがとうございます。

26日(月)

溜めこめば吐き出す自然夜半の冬

冬の真夜中は
しんしんとして静かです。

ためこんで はきだすしぜん よわのふゆ
季語=夜半の冬
※夜半とは夜中のこと。きょうもありがとうございます。

25日(日)

靴擦れを癒すがごとく冬ごもり

べつに靴ずれしたわけではありませんよ。

くつずれを いやすがごとく ふゆごもり
季語=冬籠
※寒い冬、家の中にこもりがちになること。豪雪地帯では尚更なのかもしれません。
※動物の場合は、冬の間中外に出ないのが冬眠。ときどき餌を求めて外に出るのが冬籠りだといわれています。
※2日と我慢できないかも。きょうもありがとうございます。

24日(土)

にんげんの影のふくらむマフラー巻く

マフラーをするしないで、風邪を引くことも‥‥

にんげんの かげのふくらむ まふらーまく
季語=マフラー
※晩冬のマフラーは、おしゃれのためというよりもほぼ必需品かもしれません。
※蝋梅が満開でした。きょうもありがとうございます。

23日(金)

凡人の自由不自由日脚伸ぶ

「あっ、日が伸びた」、と実感した日。

ぼんじんの じゆうふじゆう ひあしのぶ
季語=日脚伸ぶ
※日が伸びる速度は、昔から「一日に畳の目一つ分」とも言われています。
※まだまだ寒い日は続きますが、春の予感を踏まえた、やわらかな季語です。
※冬至からひと月。きょうもありがとうございます。

22日(木)

小気味よく頭のとがる寒玉子

「こぎみよく」と、濁るものだと信じていました。

こきみよく あたまのとがる かんたまご
季語=寒玉子
※古くから寒中のニワトリの玉子は、とくに栄養価が高いと言われてきました。
※大量消費する現在はどうなのさ。きょうもありがとうございます。

21日(水)

西暦を和暦に変えて炬燵の間

カレンダーの平成27年、昭和90年という数字に、
あらためて驚いたりなんかして‥‥

せいれきを われきにかえて こたつのま
季語=炬燵
※暖房器具は年々進化していますが、コタツの存在は別ものですかね。
※田舎の掘ごたつがうらやましかった。コタツは家族団らんの象徴だし。
※頭の中で変換してみるも。きょうもありがとうございます。

20日(火)

カイロして貯まらぬ貯金箱眺む

子どものころに
ハクキンカイロと言うものがあったな、と、
ふと思い出して検索してみたら、あらびっくり、
今もしっかりと需要があるじゃないですか。

かいろして たまらぬちょうきんばこながめ
季語=カイロ
※今は使い捨てが主流ですが、そのもととなる懐炉(火をつけた懐炉灰を金属などの容器に入れて使用する)は、江戸の元禄時代に発明されたとか。
※手ごろな石を温めて布にくるむ温石はさらに古い時代の暖を取るための道具。
ハクキンカイロは揮発性のベンジンを使用しているそうです。
※「使い捨て」が進化の終わりではないみたいね。きょうもありがとうございます。

19日(月)

にぎやかにツキのない日のくしゃみかな

手ぐらいあてろよ、みたいなね。

にぎやかに つきのないひの くしゃみかな
季語=くしゃみ
※くしゃみ、咳、鼻水。風邪の三大症状は、寒い冬の季語となっています。
※19日はトークの日だったとか。きょうもありがとうございます。

18日(日)

言い掛けて静かに暮れる冬すすき

寂しい情景ですが、
妙な存在感があります。

いいかけて しずかにくれる ふゆすすき
季語=冬芒
※枯れたススキのこと。一般的には枯芒と呼ぶことが多いでしょうか。
※枯尾花は、その穂を雄鳥の尾に見立てた古い呼び方です。
※葉も穂も枯れて最後は真っ白になります。
※風のない穏やかな一日。きょうもありがとうございます。

17日(土)

我ひとり我振り返る冬木かな

頑固な人は孤立しやすいみたいだ。

われひとり われふりかえり ふゆきかな
季語=冬木
※冬木も枯木も同じようなものです。だいたい同じです。
※そんな冬木、枯木にすら確固たる美を求める、そこが日本のいいところなのでしょうね。
※先日、俳人の多く集まるパティ―に出ました。魅力的な人、積極的な人、人待ち顔の人、何しに来たのだろうという人、いろいろな人がいましたよ。
※夜中に更新したつもりで、更新し忘れ‥‥。
1日遅れで、すいません、きょうもありがとうございます。

16日(金)

セーターに袖を通せば老い易く

つまり、おしゃれって?

せーたーに そでをとおせば おいやすく
季語=セーター
※なんとなく。きょうもありがとうございます。

15日(木)

雨宿りするつもりなく寒の雨

夕暮れどき、この冷たい雨に
傘もささない幾人かとすれ違ったのでした。

あまやどり するつもりなく かんのあめ
季語=寒の雨
※寒中に降る雨のこと。どの季節よりも、寂しい気分になる雨かもしれません。
※静かな雨でした。きょうもありがとうございます。

14日(水)

手の届くところにありし寒椿

目を楽しませても、
温かみはうすいのかも。

てのとどく ところにありし かんつばき
季語=寒椿
※冬のうちに開花する早咲きのツバキのこと。
※ツバキは春の季語なので、寒中に咲くツバキを寒椿とします。
※咲く時期の違いだけで、春のツバキと同じものです。
※寒中でなければ冬椿。きょうもありがとうございます。

13日(火)

イエスともノーとも言えず寒見舞

困ったときの曖昧な返事こそ、
相手には迷惑なものなんですよね。

いえすとも のーともいえず かんみまい
季語=寒見舞
※一年でもっとも寒さの厳しい寒中に知り合いの安否をたずねること。
※暑中見舞いと同じで、訪問、手紙、電話、メールなど親密度によって使い分けます。
※お歳暮の代わりに、新年になってから「寒中見舞い」とすることも。
※寒い日が続きますね。きょうもありがとうございます。

12日(月)

きびきびと動くでもなく寒没日

脈絡もなく思い出すことってありますよね。
(きっかけがあればなおさら‥‥)

きびきびと うごくでもなく かんいりひ
季語=寒没日
※寒中の日没のこと。日が暮れたと思ったら、あっという間。
※夜になれば冷え込みはさらに厳しくなります。
※成人の日でしたね。きょうもありがとうございます。

11日(日)

あらそいの遠くにいたし冬の鳥

冬木の中に
一羽のメジロを見つけましたよ。

あらそいの とおくにいたし ふゆのとり
季語=冬の鳥
※「冬の鳥」は冬に見かける鳥の総称として用いられます。
※「冬鳥」とすると、冬の渡り鳥に限定されます。
※メジロは本来秋の季語ですが、場所によっては一年中あらわれるそうです。
※鏡開きの日でした。きょうもありがとうございます。

10日(土)

忘れたら思い出すだけ福寿草

めでたすぎるくらい、めでたい名前だ。

わすれたら おもいだすだけ ふくじゅそう
季語=福寿草
※菊に似た黄金色の花で、雪を割って咲く生命力のあふれる花です。
※日本産のキンポウゲ科の多年草です。寒い地方に多く、群生します。
※江戸時代から観賞用として栽培され、現在も正月用の花として人気があります。
※野生は旧暦の正月ごろに咲き始めるため、元日草とも呼ばれています。
※今年の旧正月は2月19日ですよ。きょうもありがとうございます。

9日(金)

差し引いてみるも蜜柑のやわらかし

リンゴもいいけど、冬はミカンでしょうか。
手軽さでは。

さしひいて みるもみかんの やわらかし
季語=蜜柑
※ミカンといえば温州蜜柑ですが、江戸時代に偶然生まれた品種だといわれています。
※蜜柑山の風景は印象深いものです。潮風のあたる場所はとくに甘みが増すそうですよ。
※「コタツとミカン」は今もあり? きょうもありがとうございます。

8日(木)

寒木瓜や低きとこより夢を見る

寒い時期に咲く花なのに
肩の力が抜けているような花。

かんぼけや ひくきとこより ゆめをみる
季語=寒木瓜
※冬に咲いている木瓜(ぼけ)の花のこと。
※これは四季咲きの木瓜の花で、普通の木瓜は春に花を付けます。
※梅に似た花で、梅よりもふっくらとした厚みがあります。
※花色は赤・白・絞りとありますが、寒木瓜といえばやはり真っ赤な花でしょうか。
※木瓜(ぼけ)という名はウリに似た実を付ける木という意味なのだとか。
※気づけば深呼吸。きょうもありがとうございます。

7日(水)

気負わずも七草がゆの味のする

近ごろ、ハウス栽培の
「七草粥セット」がよく売れるみたい。

きおわずも ななくさがゆの あじのする
季語=七草粥
※正月七日、無病息災を願い春の七草を入れた七草粥を食べます。
※せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ
※なずな=ペンペン草、すずな=カブ、すずしろ=ダイコン
※古くは朝粥にして食しました。もともとは平安初期からの宮廷の習わしだったとか。
※本当の味は知りませんよ。きょうもありがとうございます。

6日(火)

大人しく鼻から抜ける寒の入

そろそろ寒中稽古がはじまります。

おとなしく はなからぬける かんのいり
季語=寒の入
※一年のうちで最も寒気が厳しくなる時期を寒中(寒の内)といいます。
※この入り口を寒の入といい、1月5日か6日ごろにあたります。二十四節気の小寒と同じ日。
※寒の期間は、この寒の入(小寒)から節分(立春の前日)までの約30日間をいいます。
※風が出てきました。きょうもありがとうございます。

5日(月)

気づまりに葉牡丹の葉のおどけおり

お道化る。
漢字で書くとヘンな感じ。

きづまりに はぼたんのはの おどけおり
季語=葉牡丹
※ハボタンはキャベツを観賞用として改良したもの。花の少ない冬季に彩りを添えます
※とはいえ、やはり花らしくはありません。かといって野菜らしくもありません。
※キャベツは江戸時代に渡来しますが、野菜として普及するのは明治になってからとか。
※新年の花であったりもして。きょうもありがとうございます。

4日(日)

日常のこみあげてくる四日かな

憂鬱な人も、ホッとする人も。

にちじょうの こみあげてくる よっかかな
季語=四日
※多くの会社は、1月4日もしくは5日が仕事始めですからね。
※どちらでしょう。きょうもありがとうございます。

3日(土)

安穏な日々を満たせる年始酒

これでお正月の三が日も終わりですね。

あんのんな ひびをみたせる ねんしざけ
季語=年始酒
※年始に訪れた客人にすすめる酒のこと。年酒(ねんしゅ/としざけ)。
※ついでに「寝酒」が冬の季語だと知りました。まるで季節などないようですが‥‥。
※今と昔は違いますね。きょうもありがとうございます

2日(金)

初夢や夢みる幅もかわりつつ

よい夢の順番は、一富士、二鷹、三なすび。
見たことないけど。

はつゆめや ゆめみるはばも かわりつつ
季語=初夢
※諸説ありますが、現在では正月に初めてみた夢のことのようです。
※それがふつうかも。きょうもありがとうございます。

1日(木)

言うほどの実感もなく今年かな

年が改まりました、
という気持が大切なわけで。

いうほどの じっかんもなく ことしかな
季語=今年
※タイミングと語感が合えば、ちゃんとした季語ですよ。
※明けましておめでとうございます!