今日の俳句、こうのこうき
2015年2月
28日(土)
それとなく横目で見るも春寒し
だいぶ春らしくなったけれども、
いつになれば暖かくなるのかしら?
それとなく よこめでみるも はるさむし
季語=春寒し
※風がまだまだ冷たくて。きょうもありがとうございます。
27日(金)
それぞれに思惑のあり二月尽く
二月末ともなると、
年末年始のことなどすでに古い話、
に、思えてきます。
それぞれに おもわくのあり にがつつく
季語=二月尽く
※それぞれの月に付けることができますが、気候の変化に伴って、気分も大きく変るような、
境目の月であることが好ましいようです。
※例えば、寒さが緩みはじめる二月末、桜から新緑へと移り変る四月末、秋の深まる九月末。
※余すところ1日。きょうもありがとうございます。
26日(木)
どこまでが本気か嘘か猫柳
いずれにしても、
地味に目立ちます。
どこまでが ほんきかうそか ねこやなぎ
季語=猫柳
※ヤナギ科の一種で、枝に楕円の花穂をいくつも付けます。
※猫じゃらしにも似たふわりとした花穂は、まるで銀色の小猫の毛のよう。
※日本中の水辺に自生するほか、切り花や庭木としても親しまれています。
※ヤナギだけど枝は普通の枝でして。きょうもありがとうございます。
25日(水)
さえずりや捻じれしままの結び目に
近ごろ、何やらの小鳥たちを見かけますが、
メジロ以外の名前がよくわかりません。
さえずりや ねじれしままの むすびめに
季語=囀
※早春から晩春にかけての、繁殖期に入った鳥たちの鳴き声。
※それらは縄張りの主張のためだったり、求愛のためだったりします。
※地鳴きとは異なり、高く鋭いものです。
※灰色の小鳥。きょうもありがとうございます。
24日(火)
つい君に同情をせし草萌ゆる
タンポポを見つけました。
咲いてるどころか、いくつかは綿毛になっていましたよ。
ついきみに どうじょうをせし くさもゆる
季語=草萌
※地中から草の芽が顔を出すこと。草萌の主題季語は「下萌」。
※「下もえは、古くはひそかに思い焦がれる意に使った。」(*)といいます。
※タンポポってこんなに早かった? きょうもありがとうございます。
*「山本健吉 基本季語五〇〇選」講談社学術文庫より
23日(月)
打ち解けて来たかのように春めけり
水はまだまだ冷たいですが、
鳥たちが日向で水浴びをしていたよ。
うちとけて きたかのように はるめけり
季語=春めく
※春らしくなることです。きょうもありがとうございます。
22日(日)
春曇りにて根本をはぐらかす
とくべつ大きな不満が
あるというわけでもないのだけれども。
はるぐもりにて こんぽんを はぐらかす
季語=春
※「春の雲」、「春雲」という季語はありますが、「春曇り」という季語はないようです。
※「春曇り」という言葉は、一般的ではないかもしれませんが、あることはあります。
※桜の咲くころの曇り空をあらわした「花曇り」という季語は有名ですよね。
※冬の曇り空のように気重ではないけれど、何か残念な感じはあります。
※初春はなおさらかも。きょうもありがとうございます。
21日(土)
強気にも弱気にも見えシクラメン
よくよく観察してみると‥‥
つよきにも よわきにもみえ しくらめん
季語=シクラメン
※シクラメンには「篝火草」という威勢のいい和名があります。
※紅色の花びらが炎のように見えることから付いた名のようです。
※でもよくみると、シクラメンの花が本来は下向きに付いていることが分かります。
※花が咲くと花びらだけが反り返り、雌しべ、雄しべは下を向いています。
※贈りものに喜ばれる花のひとつで、品種も豊富です。
※紅を筆頭に、白、ピンク、絞りなど様々な花色があります。
※色が変れば印象も違うし。きょうもありがとうございます。
20日(金)
パンジーの危うくも見え咲きあふれ
家との境界にきれいに咲き並んでいましたよ。
ぱんじーの あやうくもみえ さきあふれ
季語=パンジー
※スミレ科の花で、和名を三色菫(さんしきすみれ)といいます。
※三色は花を彩る紫、黄色、白を指しています。
※「パンジー」は英名です。その由来はフランス語の「パンセ(思考)」から来ているのだとか。
※親しき仲にこそ垣かも。きょうもありがとうございます。
19日(木)
青空のいつまでも見え八重紅梅
紅梅は雌しべまで赤い色をしています。
あおぞらの いつまでのみえ やえこうばい
季語=八重紅梅
※八重咲きの紅梅。
※紅梅は白梅よりも開花時期がやや遅く、花の見れる期間も長いと言われています。
※ちなみに薄紅梅の雌しべは白梅に近いみたいです。
※一転、まさに春らしい陽気でした。きょうもありがとうございます。
18日(水)
一切が馬鹿らしくなり春の雨
春の雨というよりも、冬の雨でしたね。
いっさいが ばからしくなり はるのあめ
季語=春の雨
※季語としての「春の雨」のイメージは、しっとりとしたもの。
※新暦の立春以降を春とするならば、寒々とした「春の雨」があって当然なのかも。
※寒くて残念。きょうもありがとうございます。
(またアップしたつもりで、し忘れていた~、残念。)
17日(火)
混在を許さぬ如く冴えかえる
午前中、けっこうな雪が降りましたね。
こんざいを ゆるさぬごとく さえかえる
季語=冴返る
※春の兆しを感じたと思ったら、真冬のような寒さが戻ってくることを「冴返る」といいます。
※シベリア寒気団の影響らしく、すっかり春と思えるまではこの繰り返しのようで。
※暖かかったり、寒かったり。きょうもありがとうございます。
16日(月)
賑やかにまじめくさってしじみ汁
いつだって他人のことなら、
よくわかる(気になっている)みたい。
にぎやかに まじめくさって しじみじる
季語=蜆汁
※シジミは春の季語です。
※一般的な旬は1~2月の寒い時期と真夏の8月ごろ。
※1年中出回っているシジミはほとんど輸入ものだったりするそうです。
※肝臓などにいいと江戸時代から注目される食材です。
※飲んだのはインスタントだけれども。きょうもありがとうございます。
15日(日)
薄氷やはにかむようにすねるよに
キレイな響きの季語ですが、
知らなければまず読めないというところが、微妙。
うすらいや はにかむように すねるよに
季語=薄氷
※春になって薄くはった氷のこと。
※冷え込む早朝に見られ、日が昇るとほとんどは消えてしまう。
※冬ではなく早春の季語。きょうもありがとうございます。
14日(土)
きっかけのすぐになくなり梅うるむ
感謝するべきことは、
素直に感謝するべきなのかも。
きっかけの すぐになくなり うめうるむ
季語=梅
※ふと足をとめて梅見など。きょうもありがとうございます。
13日(金)
誰にでもいい顔をして春寒し
どちらに重点を置くかで、
印象はだいぶ異なるはずなのですが‥‥。
だれにでも いいかおをして はるさむし
季語=春寒し
※「春寒し」は、春らしさの中にも寒さがあるというもの。立春後の寒さをいいます。
※ほぼ同義の「余寒」は、立春後にも冬の寒さが残っているというもの。
※とはいえ、個々の感じ方かも。きょうもありがとうございます。
12日(木)
気づかねばよかったことと知りて春
グレーのままでもよかったのに‥‥、
と、思ったこともあったり、なかったり。
きづかねば よかったことと しりてはる
季語=春
※週末も暖かいといいですね。きょうもありがとうございます。
11日(水)
おだやかにお手やわらかに建国の日
「建国記念日」として国民の休日となったのは、
戦後21年ほど経ってからだといいます。
おだやかに おてやわらかに けんこくのひ
季語=建国記念日
※2月11日は、初代・神武天皇が即された紀元元年一月一日を、明治期に新暦に当てはめた日だと言われています。
※戦前は建国記念日ではなく紀元節と呼ばれていたそうです。終戦後一時廃止されました。
※難しことは分かりませんが。きょうもありがとうございます。
10日(火)
目の奥に如月という季節かな
初春、とはいえ、厚着のまま。
むしろ重ね着をしているかも。
だから、「衣更着(きさらぎ)」とも書くそうな。
めのおくに きさらぎという きせつかな
季語=如月
※如月はもともとは旧暦二月の異称。今では新旧の区別はない。
※2月は寒の明ける時期ですが、むしろ寒中よりも寒い日があります。
※遠慮の如し月なのか。きょうもありがとうございます。
9日(月)
気の長い約束をせしうす紅梅
ふと思った。
梅と聞いて頭に浮かぶ花色は?
きのながい やくそくをせし うすこうばい
季語=薄紅梅
※紅梅は白梅より少し遅れて咲くと言われています。
※白梅にくらべ香りは劣りますが、花の時期は長いようです。
※赤、白、ピンク? きょうもありがとうございます。
8日(日)
疲れずに負けをみとめる春浅し
あと1週間もすれば寒さも緩む?
つかれずに まけをみとめる はるあさし
季語=春浅し
※立春後とはいえ春まだ浅く、厳しい寒さが残っていること。
※雨でもありました。きょうもありがとうございます。
7日(土)
丁寧に生きたつもりのほうれん草
赤い根っこは甘みもあって美味しいのに、
捨ててしまう人も多いようで‥‥。
ていねいに いきたつもりの ほうれんそう
季語=ほうれん草
※ほうれん草は、緑黄色野菜の中でも栄養価が高いと言われています。下茹でが必要など少々あつかいが面倒なのですが。
※1年中出回っている野菜ですが、とくに美味しいのは冬なのだとか。
※ほうれん草を漢字で書くと、菠薐草。
※逆説的には、どうなの? きょうもありがとうございます。
6日(金)
今ここにないゆえにある初春かな
風はいまだ冷たくとも
日中の日差しは少し変ったかも。
いまここに ないゆえにある しょしゅんかな
季語=初春
※初春は春を3つに分けた場合の初めの春。仲春・晩春と続きます。
※新暦に当てはめると、2月=初春、3月=仲春、4月=晩春とされています。
※正確には立春(2月4日ごろ)から啓蟄(3月6日ごろ)までの約1ヵ月間をさします。
※はじまりはゆるやかに。きょうもありがとうございます。
5日(木)
吐息だけ残し二月の雪となる
積もることはありませんでしたが、
なんとも寒い1日でした。
といきだけ のこしにがつの ゆきとなる
季語=二月
※二月は春のはじまりの月。
※暦の上では春なのにね。きょうもありがとうございます。
4日(水)
問いかけて少し間のあく梅が香に
種類は分かりませんが、梅がほぼ満開でした。
といかけて すこしまのあく うめがかに
季語=梅が香
※梅の別名は「花の兄」であり「春告草(はるつげぐさ)」。
※いずれも他の花木に先駆けて咲くことから付けられた名前のようです。
※春も近いのだから。きょうもありがとうございます。
3(火)
変り目にあきれながらも豆をまき
年の数だけ豆を食べるという習慣、
なんだかすっかり忘れていましたよ。
かわりめに あきれながらも まめをまき
季語=豆撒き
※2月3日の節分は、冬と春の変り目となる日。立春の前日です。
※豆撒きは室町時代からはじまったとされる節分の行事です。
※「鬼は外、福は内」。豆撒きは家や家族に潜む邪気を払う行為ですが、厳しい冬を忘れて春を迎えるという気持ちの切り替えでもあるのかもしれませんね。
※関西の風習だった「恵方巻」も今ではすっかり市民権を得たようですね。
※新暦の明日(立春)はとっても寒いらしい。きょうもありがとうございます。
2日(月)
冬の雲名実ともに冬の雲
空は青かったけれど、かなり寒かった。
ふゆのくも めいじつともに ふゆのくも
季語=冬の雲
※冬晴れの雲もありますが、共通イメージは空全体を覆う灰色の雲かも。
※北風がさむい。きょうもありがとうございます。
1日(日)
あれこれと思うばかりではや二月
近所のお寺で豆まきがありました。
三々五々と人が集まってきて、
たぶん地元の人だけで、思った以上ににぎやかでしたよ。
あれこれと おもうばかりで はやにがつ
季語=二月
※旧暦十二月十三日。きょうもありがとうございます。