今日の俳句、こうのこうき
2015年4月
30日(木)
落ち着いて見るとはなしに春の雲
もう4月も終わりなんですね。
おちついて みるとはなしに はるのくも
季語=春の雲
※春の雲は、はっきりとカタチをなさないふんわりとした感じです。
※夏に近づくにつれ、くっきりとした輪郭を持つようになります。
※早くて長閑です。きょうもありがとうございます。
29日(水)
何べんも咀嚼するかに春の暮
自分がおもしろいと思うものがおもしろい。
常にそうでありたいとは思うのですが‥‥。
なんべんも そしゃくするかに はるのくれ
季語=春の暮
※「春の暮」とは、春の夕暮れのことです。
※勘違いしがちなのですが、春という季節の終わりではありません。
※毎年の実感としては、春の終わりは5月中旬頃だったりしますよね?
※が、しかし、今年はすでに夏日なんですよね~。すでに半袖なんですー。
※この先、どうなることやら。きょうもありがとうございます。
28日(火)
ここに来て怖じ気づいたら団子花
少しくらいは目立ちたい、
という気持ちがないわけではないのだが。
ここにきて おじけづいたら だんごばな
季語=団子花
※コデマリの花のこと。
※名前の通り、小さく毬状にまとまる白い花がたわんだ枝に団子状に連なります。
※我ながらめんどくさい。きょうもありがとうございます。
27日(月)
モッコウバラもっともらしき矜持より
人はみな多面的なのだから。
もっこうばら もっともらしき きょうじより
季語=薔薇
※モッコウバラ(木香薔薇)とは中国原産のバラです。
※白と黄色、一重も八重がありますが、よく見る庭木は黄色い八重咲きが多いかも。
※あちこちで満開~。きょうもありがとうございます。
26日(日)
蔦若葉一日おけばまた迷う
お金は出さないけれど口は出す、
おおよそ嫌われるパターンですかね。
つたわかば いちにちおけば またまよう
季語=蔦若葉
※どんなものにでも絡まり「伝う」から、ツタという名が付いたと言われています。
※大抵のことは筒抜け。きょうもありがとうございます。
25日(土)
はじめからさみしきことを花馬酔木
好きな人には、
愛らしくて賑やかな花なのかもしれない。
はじめから さみしきことを はなあしび
季語=馬酔木の花
※鈴蘭に似たつぼ型の花は下向きに連なり咲きます。
※一つの枝に連なる花はまるでかんざしのようです。
※花色は白と薄紅色があります。
※花や葉に毒性があることで知られ、馬や牛などが食べると酔ったような状態になることから、この名が付いたそうです。
※そこそこ香りの好い花なのですが、毒があるため虫も寄り付かず、そのままの状態で仲春から初夏にかけて楽しめるといいます。
※育てやすく常緑低木であることから、公園などの植え込みでよく見ます。
※「あせび」とも読みますね。きょうもありがとうございます。
24日(金)
つつじ咲く白を好みて赤となり
ひとの目線より高い位置に咲き誇るなら、
なんとまあ自己主張の強いこと。
つつじさく しろをこのみて あかとなり
季語=躑躅
※花色は白、赤、ピンク、黄、紫など多彩です。赤はまさに燃えるような赤。
※ちなみに大昔から、花には毒性があると言われています。
※今が盛りですかね。きょうもありがとうございます。
23日(木)
逆さまにあらゆることを藤の花
街中で思いがけず藤棚に出合うと、
なんだか得した気分です。
さかさまに あらゆることを ふじのはな
季語=藤の花
※藤の花は日本原産の花。風に揺れる様はじつに優雅です。
※晩春の代表格な花。きょうもありがとうございます。
22日(水)
人脈は春は曙つんざくも
大人の言うことは聞いておけばよかった、
と、今さらながらに思うも。
じんみゃくは はるはあけぼの つんざくも
季語=春は曙
※清少納言の『枕草子』で最も有名一節「春は曙。やうやうしろくなりゆく‥‥」を、
どうしても意識してしまう季語ですね。
※信頼できるかどうかだからね。きょうもありがとうございます。
21日(火)
ちらちらと空にながれし桜餅
桜餅発祥の向島・長命寺に行ってみたいと思いながら、
シーズンになるとすっかり忘れてた。
ちらちらと そらにながれし さくらもち
季語=桜餅
※桜餅は、餡の甘味と葉の塩味、その絶妙な掛け合せを楽しむものであったらしい。
※桜餅に使うサクラの葉は、去年のものを塩漬けしているそうですよ。
※葉っぱ、どうしてるんだろう、と疑問でした。きょうもありがとうございます。
20日(月)
褒め言葉貶し言葉や春嵐
意地の悪い風に傘をたたむことも、
手放すこともできず、悪戦苦闘しましたよ。
ほめことば けなしことばや はるあらし
季語=春嵐
※春の強風や突風で、雨と一緒の場合も多い。
※壊れなくてよかった。きょうもありがとうございます。
19日(日)
性分といえばそれまで葱坊主
浅葱色(あさぎいろ)という伝統色は、
もともとはネギの葉をイメージした色なのだとか。
しょうぶんと いえばそれまで ねぎぼうず
季語=葱坊主
※ネギの花のこと。坊主頭のようにも見えるからネギボウズ。
※ネギの青い部分の先端に、無数の白い花をボール状に付けます。
※その名前から擬人化されることの多い季語です。
※ネギは冬の代表的な野菜で、市場に出回るのは花を付ける前に収穫されたものです。
※種を採るための花。きょうもありがとうございます。
18日(土)
重箱の隅に春昼置き去りに
抑圧と開放みたいな対比でしょうか。
じゅうばこの すみにしゅんちゅう おきざりに
季語=春昼
※春の昼のイメージは、のどかで明るいものです。そして、眠くなるもの。
※他の季節で「昼」にスポットを当てた季語は、基本的にないみたいです。
※寝不足だとなおのこと眠い。きょうもありがとうございます。
17日(金)
突然の雨にもめげず花みずき
遠目から見ると
満開の八重桜のようにも。
とつぜんの あめにもめげす はなみずき
季語=花水木
※花のカタチは山法師の花に似ています。なので、別名はアメリカ山法師。
※明治時代にアメリカに贈った桜の木のお礼として届けられたのが「花水木」でした。
※近眼にはなおさら。きょうもありがとうございます。
16日(木)
未来とも過去とも告げず芝ざくら
芝桜の苗を買いました。
プランター栽培なので
来年も咲く保証はないのだけれど。
みらいとも かこともつげず しばざくら
季語=芝桜
※原産は北アメリカで、繁殖力の強い花です。
※名前のとおりサクラに似た小さい花を無数に咲かせます。
※地面をおおうように咲く明るい花なので、サクラのようなはかなさはないかも。
※関東近辺にお住いなら、秩父市の羊山公園に咲く一面の芝桜がおすすめ。
※人工のものは好かんという気持ちも分かるけどね。きょうもありがとうございます。
15日(水)
くどくどと考え過ぎて霞草
考え過ぎると、結局は控えめがいいよ、
なんてことにもなりかねない。
くどくどと かんがえすぎて かすみそう
季語=霞草
※中央アジアのコーカサス地方原産の小花で、ナデシコ科の1年草です。
※厳密に言うと、花束に添えられる霞草は別種らしいのですが。
※一株に数百もの小花が咲くというから驚きですね。
※受け取る人の自由だと思う。きょうもありがとうございます。
14日(火)
春霖や声くぐもりて他人ごとに
5月のゴールデンウィークも
頭の中にある頃なのだけれども、
春の長雨。
しゅんりんや こえくぐもりて ひとごとに
季語=春霖
※春霖とは、春の長雨のことです。
※春の始めはむしろ気圧が不安定なので、数日間雨が降り続くことも。
※あしたも!? きょうもありがとうございます。
13日(月)
遅き日は笑うよりなく流される
日々実感しているようでいて、
当然気づくことになる。
おそきひは わらうよりなく ながされる
季語=遅き日
※日中の時間が長くなるにつれ、日暮れの時間も遅くなります。
※遅日は、夕暮れ時に重心を置いた季語であると言われています。
※本格的な雨が続きます。きょうもありがとうございます。
12日(日)
面倒な人ばかりなり四月なり
寒い寒いと言いながらも
4月も半分に近い。
めんどうな ひとばかりなり しがつなり
季語=四月
※ご自由に。きょうもありがとうございます。
11日(土)
花時の雨あがるかにみえて雨
俳句で「花」といえば「桜」ですが、
今どきは様々な花が咲いています。
はなどきの あめあがるかに みえてあめ
季語=花時
※ひとつのことではないらしい。きょうもありがとうございます。
10日(金)
満面の笑みに耐えかね花の冷え
むしろ、連日の寒さに、笑ってしまいそうだ。
雨に震えながら‥‥
まんめんの えみにたえかね はなのひえ
季語=花の冷え
※「花冷え」と同じ。サクラの咲く頃に急激に寒くなること。
※あきらめてすっかり冬着。きょうもありがとうございます。
9日(木)
やんわりと毒のまわりし落椿
赤い椿。
誰が並べたのか、
8つほどきれいに道端に並んでいました。
やんわりと どくのまわりし おちつばき
季語=落椿
※普通の花と異なり、ツバキは花弁ごとぽとりと落ちます。
※地に落ちたとき、意外と大きな音がします。
※嫉妬と毒は相性がいい。きょうもありがとうございます。
8日(水)
ゆるやかに持ち上げられてチューリップ
おだてられて悪い気はしないのだが、
毎度毎度のワンパターンは、いただけない。
ゆるやかに もちあげられて ちゅーりっぷ
季語=チューリップ
※チューリップの原種は中央アジアだと言われています。
※盛んに品種改良を行ったのがオランダのなのだとか。
※身近になくとも身近な花。きょうもありがとうございます。
7日(火)
親しみに温度差という花の雨
東京の桜は、
平日に満開となって、休日に散った感じです。
したしみに おんどさという はなのあめ
季語=花の雨
※サクラの咲く頃にふる雨のこと。
※そして冬着に逆戻り、さむい! きょうもありがとうございます。
6日(月)
一重八重山吹の黄の強さかな
庭木や植え込みに、
今が盛りと咲き誇っています。
ひとえやえ やまぶきのきの つよさかな
季語=山吹
※しなやかな枝に、たくさんの黄色の花を付けます。
※特長的な緑色の細い枝は、花のない季節でも簡単に見分けることができます。
※日本原産の植物で、山吹色の名はこの花が由来です。
※山吹の一重は結実し、八重のものは結実しないそうです。
※鮮やかな五弁の花。きょうもありがとうございます。
5日(日)
オンオフのはっきりしてる桃の花
花に興味のない人は、
サクラの一種と思っているかも。
おんおふの はっきりしてる もものはな
季語=桃の花
※今も昔も、ひな祭りに欠かせない花です。
※梅や桜よりも大ぶりな五弁花で、一輪咲きと八重咲きがあります。
※花色は濃紅、濃紫、白などで、庭木としても広く親しまれています。
※桃の花に気づくのは、梅が終わりソメイヨシノが咲き始めるあたりでしょうか。
※梅や桜と同じバラ科ですけどね。きょうもありがとうございます。
4日(土)
雪柳はかなきことを懐かしく
咲いている範囲が広いほど、
まるで降り積もった雪です。
ゆきやなぎ はかなきことを なつかしく
季語=雪柳
※サクラと同じバラ科。公園の植え込みなどでよく見かけます。
※ひとつひとつは小さな白の五弁花。きょうもありがとうございます。
3日(金)
柳より風ととのいて吹き抜ける
柳の美しさも近景より遠景。
やなぎより かぜととのいて ふきぬける
季語=柳
※柳の芽も開きはじめ、みずみずしい若葉が目を引きます。
※水辺ならなおのこと。きょうもありがとうございます。
2日(木)
物足りず散りては寄りて花筏
街で満開のサクラを見つけると、
自然と足が向かってしまう傾向があります。
ものたりず ちりてはよりて はないかだ
季語=花筏
※水面に落ちた桜の花びらが寄り集まって流れるさまを、筏に見立てた季語です。
※穏やかならばなおさら。きょうもありがとうございます。
1日(水)
群がりてとりとめのなく紫荊
「ひとり」よりみんなだけど、
「ひとり」も大切なのだ。
むらがりて とりとめのなく はなずおう
季語=紫荊
※蘇芳の花、花蘇芳ともいます。季語集では、木辺に芳と書くのが正式なようです。
※マメ科の落葉樹で大木になるような木ではありません。
※葉より先に小さな蝶形の花を群がるように咲かせます。
※庭木として人気ですが、目立つようで目立たない赤紫の花。その咲き方は独特です。
※新年度だ。きょうもありがとうございます。