今日の俳句、こうのこうき
2015年5月
31日(日)
喋らねば会話の途切れ立葵
我慢は、そう長く続かないので。
しゃべらねば かいわのとぎれ たいあおい季語=立葵 ※大型の五弁花で、いかにも夏の花という趣があります。 ※背が高く、直立した茎の下から順番に花が咲き上って行きます。 ※唐突に上から咲くこともあります。 ※毎年咲いています。きょうもありがとうございます。
30日(土)
すずらんは誰彼となく友という
見た目は、涼しいげで、可愛いらしい花です。
すずらんは だれかれとなく ともという季語=鈴蘭 ※白い鈴のような花を鈴なりに付けます。 ※山地や高原などに広く自生し、観賞用として庭などに植えられます。 ※「蘭」と書くけど、ランではなくユリの仲間。 ※そして有毒植物だったりします。きょうもありがとうございます。
29日(金)
水平の中に積もりぬ竹落葉
どんな些細なものでも、一面に降り積もれば、そこから風情が生まれる。
すいへいの なかにつもりぬ たけおちば季語=竹落葉 ※初夏、竹の子を育てるために黄葉した古い葉を落し、新しい葉と入れ替わります。 ※たとえば塵でも。きょうもありがとうございます。
28日(木)
アカシアのこれより先の白昼夢
信じたものが本物で、目の前のことが現実。
あかしあの これよりさきの はくちゅうむ季語=白昼夢 ※甘い香りのする白い蝶型の花を房状に咲かせます。ハチミツが有名。 ※植物学上は、針槐(はりえんじゅ)と呼ばれ、別名はニセアカシア。 ※植物学上の「アカシア」はオーストラリア原産の常緑樹のことを指します。 ※では、日本で「アカシア」と呼ばれているものは? → じつは北アメリカ原産の落葉高木だそうです。 ※たくさん散る花。きょうもありがとうございます。
27日(水)
しらじらと溜めれば淀む花うつぎ
おから料理の「卯の花」は、この花のイメージなのだといいます (どこらがそうなのかは、よくわかりません)。
しらじらと ためればよどむ はなうつぎ季語=花卯木 ※卯の花、卯木(うつぎ)の花のこと。万葉集にも出てくる古くからある花です。 ※全国に自生しますが、庭木にもなっています。目立つようで知らない? ※ユキノシタ科の五弁花で涼しげな白色。枝先に群がるように咲きます。 ※幹の中が空っぽだから「空木(うつぎ)」とも書きます。 ※卯月(旧暦の四月)とは、この花が咲くから。きょうもありがとうございます。
26日(火)
サルビアはたくさん咲いてでも不安
漠然とした不安というものが、一番不安なものなのかも。
さるびあは たくさんさいて でもふあん季語=サルビア ※夏から秋にかけて花穂に沢山の花を付けます。ブラジル原産のシソ科の草本です。 ※赤だけでなく、白、紫、桃色などがあります。印象としては真夏の花かも。 ※本来は多年草なのだそうですが、日本では秋が終わると枯れてしまいます。 ※赤い花が店先に並び始めましたよ。きょうもありがとうございます。
25日(月)
ひとつだけへたの欠けたる夏蜜柑
市場に出回るは、枝にぶら下がったまま冬を越して、4月、5月に収穫されたものらしい。
ひとつだけ へたのかけたる なつみかん季語=夏蜜柑 ※色付くのは他の柑橘類と同じく秋です。でもまだこの時期は酸っぱすぎるそうです。 ※時間をかけて美味しくなります。きょうもありがとうございます。
24日(日)
悔しさに口を閉じれば朴の花
勝ち負けの問題じゃないが、言われっぱなしはないな。
くやしさに くちをとじれば ほおのはな季語=朴の花 ※背の高い木で上部に上向きに花を付けるため、下からはその姿が見れない。 ※モクレンに似た大きな白い花。大抵は強い香りでその存在に気づきます。 ※まず考えろ。きょうもありがとうございます。
23日(土)
長年のうかつのまじる金銀花
全方向にオープンマインドな人など、いないよ。 (人は信じたいことしか信じないもの)
ながねんの うかつのかじる きんぎんか季語=金銀花 ※スイカズラの別名です。蔓性の常緑低木。 ※白く咲いて数日すると黄色く変色する花。だから金銀花と呼ばれます。 ※だけど一斉に色が変わるわけでもなく、白と黄色の花が混在する姿が面白い。 ※筒状の花を二輪一組として、無数の葉の付け根に咲かせます。 ※蜜が甘いとか。きょうもありがとうございます。
22日(金)
慢心のあって蜜柑の花となり
『みかんの花の咲く丘』という有名な童謡、何かとごっちゃになって記憶しているのかもしれない。
まんしんの あってみかんの はなとなり季語=蜜柑の花 ※清楚な五弁の小花で、たくさんの花を付けます。 ※花びらにはやや厚みがあり、そのおかげか白が引き立ちます。 ※ミカンの実は身近でも、ミカンの花は知らない人も多いのかも。 ※甘い香りがします。きょうもありがとうございます。
21日(木)
さまざまが気になりはじめ山法師
晩春に目を楽しませてくれたピンクの「花水木」によく似た、 夏にまぶしい白いシャツのような花。そろそろ盛りかも。
さまざまが きになりはじめ やまぼうし季語=山法師の花 ※「山法師」は弁慶のような格好をした僧侶の別名です。 ※白い花(本当は苞)を僧の頭巾に見立てたと言われています。 ※爽やかなんです。きょうもありがとうございます。
20日(水)
十薬の癖の強さも折り込んで
あっという間に、気づけば、十薬の花盛り。
じゅうやくの くせのつよさも おりこんで季語=十薬 ※「どくだみ」の名でよく知られています。茎と葉に独特の臭気があります。 ※古くから民間薬として重宝され、さまざまな効用から十薬と呼ばれました。 ※「どくだみ」の名は一般的でも、多くはその花を知らないようです(じつは雑草のごとく、そこらじゅうで咲いています)。 ※青々とした葉に白い十字の花が可憐です(本当は花ではなく苞です)。 ※雑草扱いでもあり。きょうもありがとうございます。
19日(火)
ざぶざぶと輝きを増し若楓
夏は洗濯物の乾きが早いからうれしい。 (いつか白はくすみ、色は褪せるけれども)
ざぶざぶと かがやきをまし わかかえで季語=若楓 ※若葉したカエデの葉のこと。一般的にはモミジという呼び名のほうが通じるのかも。 ※すでに紅葉している葉を数枚見つけることもありますが、あれば病葉(わくらば/病気の葉っぱのことで、夏の季語)なのでしょうかね。 ※先々のことは考え過ぎない。きょうもありがとうございます。
18日(月)
つながりは取捨選択の初夏の風
初夏のことを首の夏と書いて、首夏(しゅか)ともいいます。少々使いにくい傍題ですよね。
つながりは しゅしゃせんたくの しょかのかぜ季語=初夏 ※初夏はほぼ5月のことで、立夏より梅雨入りまでの過ごしやすい季節。 ※爽やかな方で。きょうもありがとうございます。
17日(日)
鳴りやまぬ耳鳴りに似てビヤホール
「とりあえずビール」の「とりあえず」は、きっと良い意味での「とりあえず」だ。
なりやまぬ みみなりににて びやほーる季語=ビヤホール ※暑い日には格別ですね。きょうもありがとうございます。
16日(土)
はじめほど気にもとめずに姫女苑
雑草は雑草なりにがんばるんです。
はじめほど きにもとめずに ひめじょおん季語=姫女苑 ※キクに似た小さな花で、高さは60センチくらい。 ※公園・空き地はもちろん至る所で初夏から秋まで見ることができます。いわゆる雑草。 ※とてもよく似た春紫苑(はるじおん)と見分ける方法は花の色。 ※姫女苑は白色で、春紫苑は淡い紫色です。 ※ほぼ同じですが、春紫苑は春の花で違う花。 ※身の丈って大事かも。きょうもありがとうございます。
15日(金)
打ち捨てることもできずに百合の花
花びらが欠けても生きてる気がして(まぁ生きてるんだけど)。
うちすてる こともできずに ゆりのはな季語=百合 ※初夏から秋にかけて日本各地で見られます。種類の多い花です。 ※切り花全般。きょうもありがとうございます。
14日(木)
結び目をあちらこちらに棕櫚の花
庭木などでしか見たことがないのですが、 温かい山などにはふつうに自生しているそうですよ。
むすびめを あちらこちらに しゅろのはな季語=棕櫚の花 ※ヤジ科の常緑樹。庭木や公園などでおなじみの樹木です。 ※粟粒のような細かい花を、無数の穂状に咲かせます。 ※子どもの頃、大人に担がれてシュロの木には「椰子の実」が成るものだと、大人になるまでずっーと信じていました(子どもをノリで担ぐな!)。 ※まぁ、嘘と勘違いは違うけど。きょうもありがとうございます。
13日(水)
柿若葉性善説を楯として
嫌いにならない努力って、なんだか空しいわ。
かきわかば せいぜんせつを たてとして季語=柿若葉 ※芽吹いたばかりの若葉は明るい萌黄色をしています。 ※そして深緑となって、紅葉するとひとつとして同じ模様のないユニークな葉っぱです。 ※実は目立つが花は地味。きょうもありがとうございます。
12日(火)
大げさに咲いて金雀枝なりにけり
賑やかで明るい花に、 知らず癒されることがあります。
おおげさに さいてえにしだ なりにけり季語=金雀枝 ※エニシダは細長い枝に蝶型の黄色い花を無数に付けます。 ※その華やかさは遠くからでもわかるほどです。 ※逆に葉っぱは小さく控えめといえば控えめ(葉っぱが退化したのだとか)。 ※マメ科なんですよ。きょうもありがとうございます。
11日(月)
新緑は好きも嫌いも青々と
秘密主義のいいけれど、
けっきょくは誤解を生むだけだから。
しんりょくは すきもきらいも あおあおと
季語=新緑
※初夏のころの瑞々しい木々の若葉。青葉よりも柔らかい葉のイメージ。
※早速、台風の心配。きょうもありがとうございます。
10日(日)
順繰りに生まれ変わりし雛罌粟は
「保身」はときどき意味不明。
じゅんぐりに うまれかわりし ひなげしは
季語=雛罌粟
※強く触れると破けそうな四弁花で、風にそよぐ姿が愛らしい。
※繊細そうに見えて道端などにふつうに自生しています。
※「虞美人草(ぐびじんそう)」とも呼ばれます。
※責任転嫁だけは勘弁してほしい。きょうもありがとうございます。
9日(土)
気にかけてまた持て余す薄暑かな
雨の予報でしたが、さほどでもなかった。
きにかけて またもてあます はくしょかな
季語=薄暑
※薄暑とは、初夏にあたる5月ごろのこと。
※5月が最も過ごしやすいのか。きょうもありがとうございます。
8日(金)
横着はトマトの苗を植えてより
「トマトが赤くなると医者が青くなる」そうです。
実が付くとすれば、7月あたりか。
おうちゃくは とまとのなえを うえてより
季語=苗植う
※ウリ、キュウリ、ナスなどの野菜の苗は初夏のものです。「苗木植う」は春の季語。
※トマトはナス科の一年草で、赤茄子とも呼ばれていました。
※原種はミニトマトよりも小さいらしいぞ!?
(「からだにおいしい 野菜の便利帳
」より)
※どちらかといえば几帳面ですが。きょうもありがとうございます。
7日(木)
ややありて求め合うかに葉桜に
立夏となれば知らず、
初夏らしさを探しはじめます。
ややありて もとめあうかに はざくらに
季語=葉桜
※「葉桜」にマイナスイメージがないかも。きょうもありがとうございます。
6日(水)
優劣を決めるがごとく夏に入る
長めの休暇で大変なのは
休み明けですかね。
ゆうれつを きめるがごとく なつにいる
季語=夏に入る
※立夏のこと。この日から暦上では夏になります。
※朝にはスイッチ・オン!? きょうもありがとうございます。
5日(火)
しゃくしゃくと水流れれば子どもの日
しゃくしゃくは、
余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)のしゃくしゃく。
しゃくしゃくと みずながれれば こどものひ
季語=こどもの日
※憲法記念日の翌年に制定された国民の祝日のひとつ。昔の端午の節句。
※晴れてよかった。きょうもありがとうございます。
4日(月)
鉄線の花のからまる縁を切る
鉄線花といえば、
紫色でしょうか。
てっせんの はなのからまる えんをきる
季語=鉄線花
※つる性植物の女王とも呼ばれ、クレマチスの名で親しまれています。
※もともとは中国原産のつる性植物で、花色はクリーム色なのだとか。
※大輪の花に見えるものは、じつはがく片が変形したのものです。
※まるで針金のような蔓が、鉄線という名前の由来。
※初夏らしい花。きょうもありがとうございます。
3日(日)
ありふれた日々の憲法記念の日
昭和22年5月3日に日本国憲法が施行されました。
それを記念した日。
ありふれた ひびのけんぽう きねんのひ
季語=憲法記念日
※国民の休日のひとつ。きょうもありがとうございます。
2日(土)
隙間なく埋めて八十八夜かな
(夏も近づく八十八夜~♪)
今日の最高気温は30度近く、
すでに夏日で汗だく。
すきまなく うめて はちじゅうはちやかな
季語=八十八夜
※茶摘みの盛んな時期で、立春から88日目です。
※昔から畑の種まきを始める目安の日でもあるようです。
※油断できない! きょうもありがとうございます。
1日(金)
おもかげを整えながら春の果
夕方の西日の強さに耐え兼ね、
早々と扇風機を出してしまいました。
おもかげを ととのえながら はるのはて
季語=春の果
※春の終わりのこと。春を惜しむ気持ちが込められています。
※春があってよかったね。きょうもありがとうございます。