今日の俳句、こうのこうき
2016年2月
29日(月)
二月尽く持て余すならざらざらと
犬の毛を逆なでするような感じ。
にがつつく もてあますなら ざらざらと季語=二月尽く ※「尽く」は終わりという意味。まもなく春本番を迎えます。 ※4年に一度のうるう年とて、とくべつな実感はないな。 ※沈丁花が咲きはじめた。きょうもありがとうございます。
28日(日)
気怠さと機嫌のよさと枝垂梅
しだれていても、さして、やわらかな感じはしない。
けだるさと きげんのよさと しだれうめ季語=枝垂梅 ※梅見かな。きょうもありがとうございます。
27日(土)
親しみも斜め上なり猫柳
少しばかり、近づきがたいひとって、いますよね。
したしみも ななめうえなり ねこやなぎ季語=猫柳 ※柳の一種。花穂に猫のような銀色の毛がある。 ※ひらめくような艶があり目立ちます。枯木の中にあってはなおさら。 ※全国の川辺に自生していることから、江戸時代までは川柳(かわやなぎ)と呼ばれていたそうです。 ※どこにでも。きょうもありがとうございます。
26日(金)
まんさくや応援する人しない人
遠目には、地味な花かもしれません。
まんさくや おうえんするひと しないひと季語=金縷梅 ※裸木に細くちぢれた黄色い花が群がり咲く。とても印象的です。 ※例えるなら、リアリーダーが手にするボンボンのようなカタチ。 ※各地の山に自生しますが、観賞用の庭木としても。 ※「先ず咲く」が転じて「まんさく」と呼ばれるようになったとか。 ※人の名前のようだ。きょうもありがとうございます。
25日(木)
くつがえすあっけらかんと春の雪
朝、わずかに積もった雪が見えました。
くつがえす あっけらかんと はるのゆき季語=春の雪 ※春になってから降る雪のこと。 ※降っても長く残ることがないので淡雪とも呼ばれています。 ※結晶どうしがまとまる牡丹雪となりやすい。牡丹雪も春の季語。 ※凍らなくてよかった。きょうもありがとうございます。
24日(水)
少年の顔してあるく余寒あり
あまりに寒いと、足早になる。
しょうねんの かおしてあるく よかんあり季語=余寒 ※春寒し、残る寒さとほぼ同じ。 ※残暑の対語だけに、迷惑と思う気持ちが含まれているようです。 ※春は一進一退。きょうもありがとうございます。
23日(火)
広辞苑ひらひらめくる梅真白
辞書の紙は、むしろ黄色い。
こうじえん ひらひらめくる うめましろ季語=白梅 ※野の梅、「野梅」と書いて「ヤバイ」と読みます。見たことないけど。 ※見ごろかも。きょうもありがとうございます。
22日(月)
如何ほどの知恵を欲せし春の水
自分の心と頭で考えないと。
いかほどの ちえをほっせし はるのみず季語=春の水 ※本意は雪解けや雨で、川などの水量が増している様子。 ※または水が温んできた様子をいいます。 ※風呂の残り湯ですら真冬とは明らかに違います。 ※淡水全般、海水は含まない。きょうもありがとうございます。
21日(日)
夕焼けと近しくなりぬ春の塵
夕日が、まっすぐで、まぶしい。
ゆうやけと ちかしくなりぬ はるのちり季語=春の塵 ※春は埃や塵が立ちやすい季節だとされています。 ※冬は雪が降り霜が立つから土が湿っていることが多い。 ※風の強い一日。きょうもありがとうございます。
20日(土)
突いても押しても春の雨ならん
休日の傘はうっとしい。
つついても おしてもはるの あめならん季語=春の雨 ※春に降る雨すべてを指します。 ※春雨(はるさめ)と呼ばれるものは、2月末から3月に降る暖かな雨。 ※寒いときは寒い。きょうもありがとうございます。
19日(金)
紅梅や甲乙丙丁水に浮く
早いものはとっくに咲いている。
こうばいや こうおつへいてい みずにうく季語=紅梅 ※紅梅は白梅に遅れて咲くためか、独立した季語として存在します。 ※早いものは早く、遅いものは4月にならないと咲かない。 ※たんに梅といえば俳句では白梅を指します。 ※開花時期はそれぞれ。きょうもありがとうございます。
18日(木)
うっすらと調うまでの春の雲
青空といえども、それとなく白っぽい。
うっすらと ととのうまでの はるのくも季語=春の雲 ※やわらかそうな雲です。きょうもありがとうございます。
17日(水)
椿より白い欠伸のこぼれおり
メジロは、ウグイスではない。
つばきより しろいあくびの こぼれおり季語=椿 ※ツバキの受粉は虫ではなく、メジロなどの小鳥が媒介となります。 ※花ごと落ちて、また咲いて。きょうもありがとうございます。
16日(火)
たのしげな人をひきよせ花ミモザ
空が青ければ、輝いてみえる。
たのしげな ひとをひきよせ はなみもざ季語=花ミモザ ※黄金色の球状の花を細い枝に無数に付けます。 ※アカシアの一種で、「銀葉(ぎんよう)アカシア」とも呼ぶ。 ※とにかく明るい。きょうもありがとうございます。
15日(月)
蕗の薹浮かれすぎればほろ苦く
春を告げる山菜。
ふきのとう うかれすぎれば ほろにがく季語=蕗の薹 ※早春の味覚で、開花前のものを摘み取り食します。 ※本来、山菜の苦みやえぐみは外敵から身を守るためのもの。 ※ふきのとうは苦みを味わう。きょうもありがとうございます。
14日(日)
友選ぶことあり春の風まとう
選り好みはあって当然だ。
ともえらぶことあり はるのかぜまとう季語=春の風 ※春一番が吹いて、びっくりの夏日! ※バレンタインデーだし。きょうもありがとうございます。
13日(土)
近づけば思いもよらぬ春あらし
日中には半袖姿の人もいたけれど。
ちかづけば おもいもよらぬ はるあらし季語=春嵐 ※春先のとくに激しい風のこと。雨になることが多い。 ※真夜中に暴風雨。きょうもありがとうございます。
12日(金)
しぼられて赤い根っこのほうれん草
本来はアクの強い野菜。
しぼられて あかいねっこの ほうれんそう季語=ほうれん草 ※忘れがちですが、旬は初春。 ※緑黄色野菜の中でもとくに栄養価が高いといわれています。 ※赤い根の部分は骨の形成に欠かせないマンガンが豊富とか。 ※元気のでない人に。きょうもありがとうございます。
11日(木)
パンの耳残し建国記念の日
主観の混ざっていない客観などあるはずもない。
ぱんのみみのこし けんこくきねんのひ季語=建国記念日 ※昭和44年(1969年)に実施された国民の祝日。今から47年前。 ※約半世紀。きょうもありがとうございます。
10日(水)
好きなものただただ並べ冴え返る
考えの甘さにいつか驚くのかも。
すきなもの ただただならべ さえかえる季語=冴え返る ※真冬の寒気が戻って来ること。 ※わずかに気の緩む頃のぶり返しは心身ともにこたえます。 ※北風が寒い。きょうもありがとうございます。
9日(火)
つつがなしどこながめても春浅し
沈丁花の芽が主張しはじめました。
つつがなし どこながめても はるあさし季語=春浅し ※立春後。暦上の春はまだまだ寒い。 ※「つづがない」は、息災であるという意味。 ※早春は二月いっぱい。きょうもありがとうございます。
8日(月)
留守電のなかにわずかに梅二月
留守電よりメールの方が、今どきはずっと便利なんだけど。
るすでんの なかにわずかに うめにがつ季語=梅二月 ※立春(寒明け)から次第に春らしくなって行く季節。 ※ただ寒中より寒い。きょうもありがとうございます。
7日(日)
のんびりとかまえて強し炭火かな
材質が堅いものほど、良質な炭になるのだとか。
のんびりと かまえてつよし すみびかな季語=炭火 ※昔の暖房器具には必要不可欠な燃料でした。 ※今では囲炉裏や茶事、身近なところでは焼き肉店の七輪などで。 ※炭はナラやカシなどの枝や幹を材料に作られます。 ※冷蔵庫の脱臭も炭のちから。きょうもありがとうございます。
6日(土)
春菊の話せばわかるなどは嘘
キクナとも呼びます。
しゅんぎくの はなせばわかる などはうそ季語=春菊 ※地中海沿岸が原産のキク科の緑黄色野菜。 ※葉の独特の香りが、鍋やおひたしなどに好まれます。 ※栄養価が高く、胃腸の働きを良くする働きがあるといわれています。 ※観賞用としても栽培されるようです。かわいらしい花。 ※まあ見てみて。きょうもありがとうございます。
5日(金)
立春やすぐに見つかるかくれんぼ
笑い出したくなるから、向いていない。
りっしゅんや すぐにみつかる かくれんぼ季語=立春 ※陰暦では立春(陽暦の4日か5日)が1年のはじまりでした。 ※立春大吉。きょうもありがとうございます。
4日(木)
ちかみちを探して迷う梅ほのか
ウメの八重咲きは、サクラのようにも見えますよ。
ちかみちを さがしてまよう うめほのか季語=梅 ※昼より夜のほうが香るそうです。 ※春を告げる花。きょうもありがとうございます。
3日(水)
あるだけの写し鏡の鬼やらう
冬から春に移り変わる日。とはいえ、この寒さ、うっかり油断はできない。
あるだけの うつしかがみの おにやらう季語=鬼やらい ※節分の豆まきのこと。 ※はじめは大晦日に行われる、邪気を払うための宮中儀式でした。 ※室町以降に農村の豊穣を願う行事と一緒になって、今日の豆まきとなったといわれています。 ※大昔からの人気行事。きょうもありがとうございます。
2日(火)
まどろみは我いたわりし冬苺
色艶よく粒が大きい。
まどろみは われいたわりし ふゆいちご季語=冬苺 ※冬に熟すイチゴ。自然なものもあり、温室栽培もある。 ※まだまだ炬燵の中。きょうもありがとうございます。
1日(月)
黄金色のらりくらりと春隣
冬らしさも、あとひと月。
こがねいろ のらりくらりと はるとなり季語=春隣 ※「春近し」と同じ。身近に春を感じるようになったということ。 ※遠しより近し。きょうもありがとうございます。