今日の俳句、こうのこうき
2016年1月
31日(日)
飾らない夕日を好む寒の梅
夕日がまぶしかったから。
かざらない ゆうひをこのむ かんのうめ季語=寒の梅 ※寒いうちから咲く種類の梅です。 ※寒中に咲いているから寒梅。 ※あら、もう1ヵ月。きょうもありがとうございます。
30日(土)
厳寒や一人のときも顎をあげ
この冬一番の寒さだったとか。
げんかんや ひとりのときも あごをあげ季語=厳寒 ※ひしひしと悴むばかりの寒さ。 ※上げ過ぎはNG。きょうもありがとうございます。
29日(金)
白菜は捨てるとこなしただ無言
ほとんどが水分で、味に妙なクセがない。
はくさいは すてるとこなし ただむごん季語=白菜 ※ビタミンC、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、食物繊維など含まれる栄養素が多い。 ※免疫力のアップにも。きょうもありがとうございます。
28日(木)
くたびれて散らぬままなり冬柏
寒風になびく音が聞こえます。
くたびれて ちらぬままなり ふゆかしわ季語=冬柏 ※カシワの冬枯れの様子。大きな葉は枯れたまま春まで枝に残ります。 ※新芽が出るころにようやく枯葉は枝から離れます。 ※その習性から「代が途切れない縁起物」とされています。 ※端午の節句の柏餅をつつむ葉っぱは縁起物だったのですね。 ※微風はカサカサ、強風はガサガサ。きょうもありがとうございます。
27日(水)
飲み干して迷いの透けし寒の水
面子という厄介もの。
のみほして まよいのすけし かんのみず季語=寒の水 ※冬の水より冷たく、澄みきっています。 ※薬のような効力があると信じられていました。 ※清涼なことから酒造りなどに使われたりします。 ※手が凍りそう。きょうもありがとうございます。
26日(火)
鉢植えに水含ませて冬ごもり
シクラメンが咲いています。
はちうえに みずふくませて ふゆごもり季語=冬ごもり ※冬の寒さで、家にこもっていること。 ※豪雪地帯では切実なことなのでしょう。 ※現在では緩やか意味で使われることが多いようです。 ※寒い日は出不精。きょうもありがとうございます。
25日(月)
ひとのよき輪郭なぞる鰤大根
わかし、いなだ、わらさ、めじろ、ぶり!(関東での呼び名)
ひとのよき りんかくなぞる ぶりだいこん季語=鰤 ※アジ科の回遊魚で、成長とともに名前の変わる出世魚です。 ※ブリと呼ばれるものは、70センチ以上に成長したもの。 ※寒ブリはとくに味が良いとされています。 ※和食の定番。きょうもありがとうございます。
24日(日)
さえざえと頬張るつよさ寒卵
賞味期限も寒の内
さえざえと ほおばるつよさ かんたまご季語=寒卵 ※寒中に生まれたニワトリの卵のこと。 ※昔からとくに栄養豊富といわれています。 ※しんしんと冷えます。きょうもありがとうございます。
23日(土)
皸や無性に響く置時計
軍に皮で皸(あかぎれ)。 なぜこの組み合わせなのでしょうかね?
あかぎれや むしょうにひびく おきどけい季語=皸 ※ヒビのひどいのがアカギレです。 ※指先など赤く開いた裂傷が痛々しい。 ※水仕事をしている人に多く、冬はとくにきびしい。 ※煩わしいこと。きょうもありがとうございます。
22日(金)
怒りより眠気の勝る寒波かな
無駄なストレスはいらないよ。
いかりより ねむけのまさる かんぱかな季語=寒波 ※大陸から来る寒気のこと。きょうもありがとうございます。
21日(木)
大寒やスマートフォンの電子音
まぁ、よく響くこと。
たいかんや すまーとふぉんの でんしおん季語=大寒 ※二十四節気のひとつで、1年でもっと寒いとされる日です。 ※寒入り(小寒)から数えて15日目にあたります。 ※週末はまた雪らしい。きょうもありがとうございます。
20日(水)
焚きつけし面影残す雪だるま
多くはただの丸いかたまり。
たきつけし おもかげのこす ゆきだるま季語=雪達磨 ※とけ残った、それら。きょうもありがとうございます。
19日(火)
蝋梅や置いてきぼりの泥と雪
香りに気づき、見上げたら、ほぼ満開。
ろうばいや おいてきぼりの どろとゆき季語=蝋梅 ※半透明の黄色い花を下向きに付けます。 ※蝋細工のような冷たい感じもしますが、香りがいい。 ※葉より先に花を付けます。梅とは無関係の花です。 ※残雪はわりとしぶとい。きょうもありがとうございます。
18日(月)
東京は歩き難くて雪またぐ
マンションなどのある歩道には雪が残ったままのことが多い。
とうきょうは あるきにくくて ゆきまたぐ季語=雪 ※予報通りの大雪でしたね。きょうもありがとうございます。
17日(日)
近道も早道もなし寒の雨
雪になるとか、結局ならないとか。
ちかみちも はやみちもなし かんのあめ季語=寒の雨 ※寒中に降る雨のこと。寒中は雨が少ない。 ※降れば空はなお暗く、寒さも一層きびしく感じます。 ※勘とていつかは鈍るもの。きょうもありがとうございます。
16日(土)
苦言とも愚痴ともつかぬ冬の星
オリオンやすばるは、見つけやすい。
くげんとも ぐちともつかぬ ふゆのほし季語=冬の星 ※冬空にまたたく星のこと。 ※空気が澄んでいるので、星の輝きが鋭く見える。 ※ときには。きょうもありがとうございます。
15日(金)
約束のかたちをなさず葉牡丹は
観賞のために栽培されるキャベツの仲間。
やくそくの かたちをなさず はぼたんは季語=葉牡丹 ※キャベツの変種がハボタンです。 ※花の少ないこの時季、花壇や鉢植えでよく見かけます。 ※花のふりはしていない。きょうもありがとうございます。
14日(木)
片意地を張りて真白き寒椿
花が少ないから目立つ、とは、かぎらない。
かたいじを はりてましろき かんつばき季語=寒椿 ※早咲きのツバキのことで、寒中に咲いているツバキの総称です。 ※庭木などの園芸品種には早咲きが多く、すでに咲いています。 ※日常は気忙しい。きょうもありがとうございます。
13日(水)
冬三日月晒した指の尖りゆく
暖冬で手袋を買いそびれたままでした。
ふゆみかづき さらしたゆびの とがりゆく季語=冬三日月 ※冬の月は研ぎ澄まされた感じのする月です。 ※綺麗な三日月が浮かんでた。きょうもありがとうございます。
12日(火)
夕暮れは近くで遊ぶ水仙花
23区内にも初雪。本来の冬の寒さになってきました。
ゆうぐれは ちかくであそぶ すいせんか季語=水仙 ※清楚な姿が好まれ、花壇や生け花によく用いられます。 ※横向きに数輪咲く。きょうもありがとうございます。
11日(月)
成人の日の四捨五入のできぬかな
かつては二十歳でした。当たり前だけどね。
せいじんのひの ししゃごにゅうの できぬかな季語=成人の日 ※戦後に制定された国民の休日で、かつては1月15日でした。 ※連休はうれしい。きょうもありがとうございます。
10日(日)
白菜の自問自答の軽さかな
子どもの頃、白菜にある黒いはん点がどうしても気に食わなかった!
はくさいの じもんじとうの かるさかな季語=白菜 ※日本での本格的な栽培は日清・日露戦争以後といわれています。 ※原産は中国で、変種がとても多いそうです。 ※黒いはん点は栄養過多による変色で、食べてもなんら問題ない。 ※栄養は豊富。きょうもありがとうございます。
9日(土)
いいように取りてこつりと餅を焼く
真空パックで、個包装な感じ。
いいようにとりて こつりともちをやく季語=餅 ※正月用に用意した餅のこと。もしくは用意すること。 ※信用できる人を信用したい!きょうもありがとうございます。
8日(金)
ひとはひと私はわたしアロエ咲く
アロエの花、知ってます?
ひとはひと わたしはわたし あろえさく季語=アロエ ※初冬から咲き始めます。今も咲いています。 ※火傷などに効く民間薬として脚光を浴びた時代がありました。 ※花壇や街路の隅に忘れられたかのようなアロエを見つけます。 ※渡来したのは江戸時代なのだとか。想像よりずっと古い。 ※長い花穂に赤い筒状の花が連なり、爆竹のようなイメージです。 ※比較的新しい季語かと。きょうもありがとうございます。
7日(木)
七種は七色でなし慈しむ
せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ。
ななくさは なないろでなし いつくしむ季語=七種 ※七種は七草とも書きます。 ※古くから1月7日に七草粥を食べる風習があります。 ※七種類の草を入れたお粥で、無病息災や長寿を願います。 ※正月に食べ過ぎた胃をいたわるためとも言われています。 ※多芸は無芸。きょうもありがとうございます。
6日(水)
目の上の汚れを落とし寒の入
目の下にはくま!
めのうえの よごれをおとし かんのいり季語=寒の入 ※1月5日か6日が二十四気の小寒にあたり、「寒の入」となります。 ※ここから約ひと月が「寒」で、本格的に寒くなる(はずです)。 ※あ、小豆餅食いたい。きょうもありがとうございます。
5日(火)
初暦とつとつとつと身軽なり
5日を仕事始めとする企業も多いようです。
はつごよみ とつとつとつと みがるなり季語=初暦 ※新年になって使い始めるカレンダーのこと。 ※それにしても暖かい日が続きますね。きょうもありがとうございます。
4日(月)
去年との線引き新た腕時計
ここはすぱっと切り替えます。
きょねんとの せんびきあらた うでどけい季語=去年 ※「去年今年」はよく見る季語ですが、去年だけでも季語なんです。 ※初昔(はつむかし)というしゃれた季語もあります。 ※新年となって新たな去年を振り返るということ。 ※さあ、仕事はじめ。きょうもありがとうございます。
3日(日)
初夢もみくじと同じ小吉よ
一富士、二鷹、三茄子。 もっとも難易度の高いのは、意外にナスなのかもしれない。
はつゆめも みくじとおなじ しょうきちよ季語=初夢 ※諸説あります。2日の夜から3日の朝にかけて見る夢、もしくは元旦の夜から2日の朝にかけて見る夢、ともいわれています。 ※どちらが正しいかよりも都合のいい方でよいのかもしれません。 ※なんたって正月ですから。きょうもありがとうございます。
2日(土)
眼前に同類のいてお正月
正月は、人間性が透けて見える!?
がんぜんに どうるいのいて おしょうがつ季語=正月 ※三が日の三日間がもっとも正月気分を味わえるものなのですが‥‥。 ※今年はそうでもないのかも? きょうもありがとうございます。
1日(金)
行列をしばらく眺め初御空
良い一年でありますように。
ぎょうれつを しばらくながめ はつみそら季語=初御空 ※元日の大空のことで、天を敬う言葉。ようは気持ちの問題です。 ※明けましたおめでとうございます!本年もどうぞよろしく!