今日の俳句、こうのこうき
2018年6月
30日(土)
お互いに舌を出し合う炎暑かな
1時間ほどの運動で汗だく。絞れるほど。 このまま8月になったら、どうなっちゃうんだろう?
おたがいに したをだしあう えんしょかな季語=炎暑 ※「炎熱(えんねつ)」という季語もある。とにかく暑いということ。 ※お気を付けて。きょうもありがとうございます。
29日(金)
たましいの渇くついでの水あたり
水を買う時代だ。 「水あたり」どころか、「生水」という言葉も めっきり聞かなくなった、かも。
たましいの かわくついでの みずあたり季語=水あたり ※水の飲みすぎなど、水が原因で腹を下すこと。 ※漢字で書くと「水中(り)」だ。難解語のひとつだろう。 ※なんと梅雨明け! きょうもありがとうございます。
28日(木)
晴れ晴れと夏の雲なり数多なり
夏空に浮かぶなら、至ってふつうの雲も夏の雲。
はればれと なつのくもなり あまたなり季語=夏の雲 ※夏の雲は白さが際立つため、時間帯によって趣が大分違う。 ※朝日の中の雲、青空に浮かぶ雲、夕焼けに染まる雲。 ※朝は少々曇りがち。きょうもありがとうございます。
27日(木)
つぎつぎに咲いて緩めの立葵
立葵の一番上の花が咲くと、 梅雨もそろそろ終わりなんだとか。
つぎつぎにさいて ゆるめの たちあおい季語=立葵 ※真っ直ぐに伸びる茎は2mほどになる。 ※茎の上半分に大型の花をいくつも付けます。 ※梅雨明けた? きょうもありがとうございます。
26日(火)
立ち上がり座り直して捻り花
気持ちよく刈り込まれた芝生など、 こんなところにというところに、 ひょこりと咲いていたりします。
たちあがり すわりなおして ひねりばな季語=ひねりばな ※正式にはネジバナといいます。 ※ラン科の小さな花で、梅雨のころによく見かける。 ※文字通りネジのよう。きょうもありがとうございます。
25日(月)
炎昼に足の短き影となる
ま、本人とて、べつだん、足が長いわけじゃないけどね。ほっといて。
えんちゅうに あしのみじかき かげとなる季語=炎昼 ※真夏の暑い昼。まるで空が燃えているようだという。 ※ギラギラ太陽。きょうもありがとうございます。 ※昨日の句、どうにも気になったので、「錆びつく」を「錆びゆく」に直しました。あしからず。
24日(日)
ぼんやりと錆びゆくときの暑さかな
暑くなると水の消費が 急にはやくなる。
ぼんやりと さびゆくときの あつさかな季語=暑さ ※蒸し暑い。きょうもありがとうございます。
23日(土)
大いなる水たまりこそ梅雨の月
近道のような、そうでもないような道。 道幅いっぱいの水たまり。
おおいなる みずたまりこそ つゆのつき季語=梅雨の月 ※いかにも雨上がりらしい月もあれば、晴れやかなときもある。 ※雲に翳る。きょうもありがとうございます。
22日(金)
欲のないまぶしさのあり今年竹
明るい緑色をしているので、 すぐにわかります。
よくのない まぶしさのあり ことしだけ季語=今年竹 ※若竹のこと。竹の成長は驚くほど早い。 ※梅雨晴れの日。きょうもありがとうございます。
21日(木)
見返りを容易く求めちょうど夏至
今日は、一年の中でもっとも昼の長い日。
みかえりを たやすくもとめ ちょうどげし季語=夏至 ※二十四節気の一つで、北極では夜がなく、南極では昼がない。 ※一日中曇り空だったけど。きょうもありがとうございます。
20日(水)
躍り出て雨に短し蚯蚓かな
なぜ雨の日にミミズが?、という、長年の疑問を検索してみた。 諸説あり、つまりは謎の行動、ということが、わかったよ。
おどりでて あめにみじかし みみずかな季語=蚯蚓 ※よく見るミミズはシマミミズというものらしい。 ※さっそく目についた。きょうもありがとうございます。
19日(火)
連なりて何でもない日の枇杷小粒
店先には、6月いっぱいは並ぶそうだ。
つらなりて なんでもないひの びわこつぶ季語=枇杷 ※梅雨時に実る。街中のビワも鈴なりに実をつけている。 ※夏にしか見ない果実。きょうもありがとうございます。
18日(月)
飽き足らず黴ゆく如く眠りたし
黴の香、確かにあるような気がします。
あきたらず かびゆくごとく ねむりたし季語=黴 ※カビは菌類。キノコとならいものを総じてカビという。 ※アオカビ、クロカビ。きょうもありがとうございます。
17日(日)
怠りて先の知れたる梅雨の闇
観葉植物のモンステラが、 なんだか枯れてしまいそう。
おこたりて さきのしれたる つゆのやみ季語=梅雨闇 ※梅雨時は厚い雲に覆われ昼間でも暗い。 ※ぐったり。きょうもありがとうございます。
16日(土)
成り行きか意志あるものか五月雨
農作物にとっては、恵みの雨。 有難くとも面倒なもの。
なりゆきか いしあるものか さつきあめ季語=五月雨 ※「さつきあめ」または「さみだれ」と読みます。 ※梅雨時の長雨のことで、仕事などでよく使われる「さみだれ式」の語源です。 ※今日は旧暦五月三日。きょうもありがとうございます。
15日(金)
梅雨冷のこの気だるさももつれ合い
ビニール傘のビニール同士がひっついて、 簡単に開いてくれないときの残念な気持ち。
つゆびえの このけだるさも もつれあい季語=梅雨冷 ※梅雨時の思いがけない寒さをいう。 ※梅雨疲れにご注意を。きょうもありがとうございます。
14日(木)
沙羅の花使い捨てにて美しく
毎日咲いて、毎日落花する。
しゃらのはな つかいすてにて うつくしく季語=沙羅の花 ※みずみずしい感じの白色一重の一日花。 ※仏教にまつわるインド産の沙羅双樹とは別もの。似ているからか、間違ったかで付けられた名前。 ※ので、正式には夏椿という。きょうもありがとうございます。
13日(水)
くつくつとかさぶたかゆし額の花
こそばゆい感じが、似ているのかも?
くつくつと かさぶたかゆし がくのはな季語=額の花 ※ガクアジサイとも言い、アジサイの原種のひとつ。 ※毬のようにはならず、その縁だけを装飾花が彩る。 ※園芸種も多い。きょうもありがとうございます。
12日(火)
くちなしの花こくりこくりと日に染まる
夕方、いきなりの土砂降りにおどろいたのなの。
くちなしのはな こくりこくりと ひにそまる季語=梔子の花 ※大きな純白色の花で、枝先に一つだけ花をつける。 ※白い花は次第に黄色みを帯びてくる。最後には錆色に。 ※かぐわしい花。きょうもありがとうございます。
11日(月)
竹煮草雨に打たれて面倒に
白い花のように見え、そのじつ花びらがない。
たけにぐさ あめにうたれて めんどうに季語=竹煮草 ※空き地などあらゆる荒れ地に現れるケシ科の多年草。 ※竹細工を作る際、一緒に煮ると竹がやわらかくなるとか。 ※竹のようにまっすぐ伸び、最大で2メートル。葉も大きい。 ※つぼみが白い。きょうもありがとうございます。
10日(日)
幸せを願いてまるくかたつむり
ナメクジでは、どうしたって嫌われる。
しあわせを ねがいてまるく かたつむり季語=蝸牛 ※ユーモラスな殻を持った軟体動物(ヌメヌメと伸びたり縮んだりは、ナメクジと同じだけどね)。 ※梅雨どきに多い。きょうもありがとうございます。
9日(土)
明日よりは紫陽花日和なりにけり
東京での開花時期は、例年、梅雨入りとほぼ一致しているそうです。今年は少し開花の方が早かったかもしれない。
あすよりは あじさいびより なりにけり季語=紫陽花 ※梅雨時に咲く。真夏日よりも雨や曇りの似合う花。 ※七変化とも呼ばれ、咲きはじめの白から徐々に色が変る。 ※しばらく雨の予報。きょうもありがとうございます。
8日(金)
よく炊けて筍飯の夜も更けて
使っていたのは、水煮のタケノコだけどね。
よくたけて たけのこめしの よもふけて季語=筍飯 ※いま一番流通しているのは、中国原産の孟宗竹(もうそうちく)というもの。 ※早いものは3月中旬から市場に出回るが、季語としては初夏。 ※古くから食用とされ、「古事記」にも登場するとか。古くは「たこうな」または「たかんな」と呼んだ。 ※明日もだな。きょうもありがとうございます。
7日(木)
梅雨晴れやどうしたものか腹のへる
今年の梅雨は、カッーと晴れて、ときどきドカッーと雨が降る感じらしい。
つゆばれや どうしたものか はらのへる季語=梅雨晴 ※梅雨の合間の晴天のこと。 ※さっそくの洗濯日和。きょうもありがとうございます。
6日(水)
夏の目覚まし力いっぱい叩かれる
寝不足の日、 目覚まし時計を止める手に つい力が‥‥。
なつのめざまし ちからいっぱい たたかれる季語=夏 ※梅雨入りしたの? きょうもありがとうございます。
5日(火)
平日の後ろめたさやほととぎす
あまりに休みなく鳴くので、 最初、録音かと思った。
へいじつの うしろめたさや ほととぎす季語=ほととぎす ※鋭くとか、気迫のこもったなどと表現されますが、実際はそんなに激しい鳴き方だとは思わない。 ※やたらと当て字の多い鳥でもある。例えば「時鳥」「子規」「不如帰」「杜鵑」など、すべてホトトギス。 ※夏を告げる鳥。きょうもありがとうございます。
4日(月)
思い出も白くなりおりえごの花
花のかたちのまま、ことりと散る。
おもいでも しろくなりおり えごのはな季語=えごの花 ※星型の白い花が無数に咲く。 ※花柄が長く、必然的に花は下向きになる。 ※基本は山の木。きょうもありがとうございます。
3日(日)
あっさりと実の引き締まる桜かな
熟すとレーズンのような色になります。
あっさりと みのひきしまる さくらかな季語=桜の実 ※サクラの花のあとに、小さな赤い実をつけます。 ※食用(サクランボ)ではない、花を愛でるためのサクラの実は豆粒ほど。 ※地味に実る。きょうもありがとうございます。
2日(土)
のびのびと真っ当なほど日の盛り
木洩れ日が心地いい。
のびのびと まっとうなほど ひのさかり季語=日の盛 ※夏の日のもっとも日差しの強い時間帯のこと。 ※正午から午後2、3時あたりをさす。 ※白い雲。きょうもありがとうございます。
1日(金)
一切を笑い飛ばして夾竹桃
真夏の日差しどころか、大気汚染にも負けない丈夫な花木として知られています。
いっさいを わらいとばして きょうちくとう季語=夾竹桃 ※葉は竹に、花は桃に似ていることから、この名がある。 ※一般的には淡い紅色系だが、園芸種には白も黄色も。 ※そして、長く咲く。きょうもありがとうございます。