• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2018年12月

31日(月)

年越して要らぬことまで念入りに

ほんとうは、「~まで」ではなく、
要らぬこと「だけ」かもしれない。

としこして いらぬことまで ねんいりに
季語=年越し
※大晦日から新年に変ること。時間の経過。
※年越しに関する行事などもいう。
※よいお年を! きょうもありがとうございます。

30日(日)

あてどなく合わせ鏡の息白し

寒くて早朝に目が覚めた。
今までそんなこと、あったかな?

あてどなく あわせかがみの いきしろし
季語=息白し
※寒さで人の吐く息が白く見えること。
※犬も猫も息白し。きょうもありがとうございます。

29日(土)

こじらせてみよと煽りし冬の花

「こじらせる」に濁点を付けると
「ゴジラせる」になる。
その名の由来は、
ゴリラとクジラの合成語だそうだが‥‥。

こじらせて みよとあおりし ふゆのはな
季語=冬の花
※冬に咲いている花のこと。冬バラもまだ咲いている。
※気づいてしまった!? きょうもありがとうございます。

28日(金)

鯛焼きやみぞおちめがけやってくる

ふと口ずさんでいるときがある。
「およげ!たいやきくん」、
今さらながらにシュールな歌詞ですわね。

たいやきや みぞおちめがけ やってくる
季語=鯛焼き
※「およげ!たいやきくん」は、1970年代に流行った童謡です。それはそれは空前の大ヒットでした。
※仕事納め? きょうもありがとうございます。

27日(木)

菊枯れていのちをまたぐ月明り

花びらをほろほろと落すわけでもなく、
その色が徐々に失われてゆく。

きくかれて いのちをまたぐ つきあかり
季語=菊枯る
※枯れてゆく菊、枯れてしまった菊のこと。
※混在している。きょうもありがとうございます。

26日(水)

いつになく他人行儀や古暦

壁に掛かっているカレンダーを
パラパラとめくってみた。
他人事みたいに。

いつになく たにんぎょうぎや ふるごよみ
季語=古暦
※新年の暦に対する旧年の暦のこと。
※新しいカレンダーが届くと、数日を残す今年のカレンダーもすでに使い切った感じです。
※がんばった。きょうもありがとうございます。

25日(火)

引き返す手掛かりとして藪柑子

神社やお寺などの
庭園でよく見ます。

ひきかえす てがかりとして やぶこうじ
季語=藪柑子
※艶のある葉の下に、5㎜ほどの赤い実をつけます。
※もういくつ寝ると~♪、正月飾りとしても使われます。
※縁起物。きょうもありがとうございます。

24日(月)

何かしら赤い実のあるクリスマス

ツリーの飾りとか。
ケーキのイチゴとか。
テーブルのリンゴとか。

なにかしら あかいみのある くりすます
季語=クリスマス
※年賀状書かないと‥‥。きょうもありがとうございます。

23日(日)

温むまで無言なりけり枇杷の花

バラ科の常緑樹ですが、
誰もが見過ごすほどの地味な花なんです。

ぬくむまで むごんなりけり びわのはな
季語=枇杷の花
※暖かそうな毛むくじゃらの花軸に小さな白い花を付けます。
※甘い香りがしますが、きれいな花でも趣のある花でもありません。
※雨の日は特に地味。きょうもありがとうございます。

22日(土)

やわらかくほだされてゆく柚子湯かな

柚子をふたつに割って、
袋に入れて、浮かべています。

やわらかく ほだされてゆく ゆずゆかな
季語=柚子湯
※冬至の日に入る柚子を浮かべた風呂のこと。
※風呂の湯に柚子の実を入れるだけですが、昔から万病を防ぐと信じられてきました。
※毎年、スーパーマーケットの棚に冬至用の柚子が並ぶので、今も多くの家庭で行われているのでしょうね。
※とりあえずは風邪予防に。きょうもありがとうございます。

21日(金)

火の色の絡まる一日冬木立

今年は赤色が
流行っているみたいですね。

ひのいろの からまるひとひ ふゆこだち
季語=冬木立
※冬らしい木々のこと。枯木だけでなく常緑樹も含みます。
※イルミネーションもキラキラ。きょうもありがとうございます。

20日(木)

気がつけば短日だから秘密めく

余すところ10日ともなると、
カウントダウンはしたくなる。

きがつけば たんじつだから ひみつめく
季語=短日
※日暮れが早いこと。冬至の日が最も短く、その日を境に徐々に春に向かう。冬本番はこれからですが。
※今年は22日が冬至です。きょうもありがとうございます。

「俳句」と「川柳」の違いについて書いてみましたよ。

19日(水)

忘却の曲線疼く年の暮れ

いよいよ年末という感じ‥‥
が、残念ながらまだうすい。

ぼうきゃくの きょくせんうずく としのくれ
季語=年の暮
※一般的には12月13日ごろから大晦日までをいう。
※今どきはクリスマスの方が大切なイベントなのかもしれない。
※正月というより冬休み的な感覚。きょうもありがとうございます。

18日(火)

ものぐさは北風として弾みおり

あら、「ノルマ」って
ロシア語だったのね。

ものぐさは きたかぜとして はずみおり
季語=北風
※冬に吹く身を切るような冷たい風のこと。
※北か北西の風。きょうもありがとうございます。

17日(月)

湯冷めして人間くさくなりにけり

インフルエンザの予防接種をした。
関係あるのかないのかは知らないが、
1日中眠くてしょうがなかった。

ゆざめして にんげんくさく なりにけり
季語=湯冷め
※入浴後に身体を冷やすこと。風邪にご注意。
※寒くて鳥肌が立つね。きょうもありがとうございます。

16日(日)

こめかみを狙いて冬の流れ星

スバルとオリオン座
ならわかる。

こめかみを ねらいてふゆの ながれぼし
季語=冬の星
※大気が澄むため、冬は星の光が鋭く見えるという。
※ふたご座流星群、見えた? きょうもありがとうございます。

15日(土)

三分の一があなたでわたし冬

急激に寒くなったので
様々なことに支障を感じる。
肩がこるとか、腰がかたいとか。

さんぶんの いちがあなたで わたしふゆ
季語=冬
※毎年のあかぎれも。きょうもありがとうございます。

14日(金)

目と鼻に手足をくわえ日向ぼこ

冬の日の駅のホーム、
少々歩いても日かげより日なただ。

めとはなに てあしをくわえ ひなたぼこ
季語=日向ぼこ
※日向ぼっこ。寒い日に太陽光に当たって温まること。
※時間のあるときに限る。きょうもありがとうございます。

13日(木)

ほうじ茶のほのかな赤み師走めく

出がらしのほうじ茶、
きれいな赤みを帯びる
タイミングがあった。

ほじちゃの ほのかなあかみ しわすめく
季語=師走
※12月の異称は、新暦でもまるで違和感がない。
※茶葉を変えるのが面倒でした。きょうもありがとうございます。

12日(水)

あっさりと生き恥さらす裸木です

早々と紅葉したハナミズキは、
今日の雨風ですっかり枯木立状態。

あっさりと いきはじさらす はだかぎです
季語=裸木
※冬になって葉っぱがすべて落ちた枯木のこと。
※骨格のような枝が露わになることを裸にたとえた季語。
※枯れっぷりも見事。きょうもありがとうございます。

11日(火)

寝返りは眠くなるまで布団かぶる

実際は寝ているときも
人は何度も寝返りをうちますが、
寝ているときのことはわからない。

ねがえりは ねむくなるまで ふとんかぶる
季語=布団
※冬の季語です。きょうもありがとうございます。

10日(月)

絵の中に絵のあるごとく落葉掃く

アジサイのもみじがいい感じです。
日当りに関係があるようです。

えのなかに えのあるごとく おちばはく
季語=落葉
※はははのは。きょうもありがとうございます。

9日(日)

冷めた目で繕うならば冬の鳥

愛嬌というか、
とぼけた顔をしているけれど。

さめためで つくろうならば ふゆのとり
季語=冬の鳥
※冬に見る鳥のこと。水辺にも山にも街中にもいる。
※電線にも。きょうもありがとうございます。

8日(土)

雲よりも流されやすくみな黄葉

イチョウ黄葉が見ごろです。
近所の公園では、ドウダンツツジも、
カエデもきれいに真っ赤です。

くもよりも ながされやすく みなもみじ
季語=黄葉
※木の葉が黄色く色付くことで、「こうよう」とも「もみじ」とも読みます。
※黄葉する木としては、イチョウ、ケヤキ、クヌギなどが代表的。
※東京・中野区にて。きょうもありがとうございます。

7日(金)

くしゃみして笑っています冬いちご

くしゃみも冬の季語なのですが、
これもまた一年中出るもの。

くしゃみして わらっています ふゆいちご
季語=冬苺
※古い歳時記では、冬に実る野生のキイチゴ属の木の実のこと。
※近年は、市場に出回るハウスもののオランダイチゴも含まれます。
※ちなみに旬は5~6月。12~4月はハウスもの。それ以外は輸入もの。
※時代の流れです。きょうもありがとうございます。

※昨日の句、上五「それとなく」→「ぼんやりと」に変更しました。

6日(木)

ぼんやりとこぼれた先が冬の水

ポットのお湯が長く持たない、
と感じることが多くなった。
ポットが古くなったのか、
それだけ寒いのか。
たぶん前者かな?

ぼんやりと こぼれたさきが ふゆのみず
季語=冬の水
※今日は寒かった。きょうもありがとうございます。

5日(水)

窮屈な耳鳴りほどのみかん割る

みかんの美味しい季節
となりました。

きゅうくつな みみなりほどの みかんわる
季語=蜜柑
※メジャーなのは温州みかん。日本生まれの品種です。
※本当に美味しい。きょうもありがとうございます。

4日(火)

空腹に耐えかね我に枯葉舞う

夕方、生暖かい突風に驚いた。
まるで春一番のようだった。

くうふくにたえかね われに かれはまう
季語=枯葉
※枯れた草木の葉。落ちている、樹にある関係なく枯れていれば枯葉。
※おやつを買いに。きょうもありがとうございます。

3日(月)

怒らせぬ程度の主張マスクする

人間は多くの情報を
相手の口元から得ている、
のかもしれない。
目は口より‥‥、とは言いますが。

おこらせぬ ていどのしゅちょう ますくする
季語=マスク
※風邪の季節になると、自然発生的に利用率が高まります。
※マスク=無表情? きょうもありがとうございます。

2日(日)

セーターに生活のあと袖口に

いつからか(唐突に)、
ズボンがパンツとなったように、
セーターの呼び名も(勝手に)
世代交代しているかもしれない?
(ちょっと不安になって検索してみた)
とりあえずは、まだ現役のようで安心した。

せーたーに せいかつのあと そでぐちに
季語=セーター
※冬らしく寒い日でしたね。きょうもありがとうございます。

1日(土)

託つことほどよく尽きて十二月

1年は早いです。
1か月なんてあっちゅう間です。
どうしましょ?

かこつこと ほどよくつきて じゅうにがつ
季語=十二月
※「託つ(かこつ)」とは、何かを口実にすること。
※つまり師走です。きょうもありがとうございます。