今日の俳句、こうのこうき
2019年3月
31日(日)
優しさに溺れ溢れる花の人
散り始めるころが、 一番の見ごろかもな。
やさしさに おぼれあふれる はなのひと季語=花人 ※花見をする人のこと。花見人、桜人ともいう。 ※花疲れ的な。きょうもありがとうございます。
30日(土)
なだらかに続く坂道花曇り
夜は予報通りの 雨になりましたね。
なだらかに つづくさかみち はなぐもり季語=花曇 ※サクラの咲く時期の曇り空のこと。「桜曇り」ともいう。 ※すごい人出でした。きょうもありがとうございます。
29日(金)
無駄という後ろめたさに水温む
明日の花見は、寒そうだ。
むだという うしろめたさに みずぬるむ季語=水温む ※水が温むこと。真冬の水に比べれば、かなりましになった。 ※コタツはまだしまえない。きょうもありがとうございます。
28日(木)
花にらの風さみしくて風の色
ニラといっても野菜のニラではなりません。 でも、花や葉の匂いはニラそのもの。
はなにらの かぜさみしくて かぜのいろ季語=花韮 ※淡い紫色の六弁花。道端などあちこちで見かけます。 ※野菜のニラの花は夏。花のカタチはまるで違います。 ※食用不可。きょうもありがとうございます。
27日(水)
満開の桜のなかの隠しごと
中野駅前の桜並木、 ほぼ満開だった。
まんかいの さくらのなかの かくしごと季語=桜 ※桃の花も。きょうもありがとうございます。
26日(火)
空っぽの自由不自由すみれ咲く
たいていは、かたまって咲いています。
からっぽの じゆうふじゆう すみれさく季語=菫 ※日本のスミレは約50種ある。たぶん、よく見るスミレはタチツボスミレです。 ※パンジーもスミレの仲間で、漢字で書くと三色菫(さんしきすみれ)。 ※名前だけよくは知られてる草花。きょうもありがとうございます。
25日(月)
在りし日の別れを惜しむ紫木蓮
この世に初めて誕生した花木 であると考えられています。
ありしひの わかれをおしむ しもくれん季語=紫木蓮 ※モクレンの花のこと。単にモクレンと呼ぶ場合は紫色の花。 ※遥か大昔から確かにありそう。きょうもありがとうございます。
24日(日)
長生きの秘訣のように桜咲く
まだ咲いていない ソメイヨシノもあるようだ。
ながいきの ひけつのように さくらさく季語=桜 ※満開までがいろいろ楽しい。きょうもありがとうございます。
23日(土)
黄梅やその名を首にぶらさげて
別名を「迎春花」という。 意外に花期が長い。
おうばいや そのなをくびに ぶらさげて季語=黄梅 ※ウメの仲間ではなくモクセイ科。2月ごろから咲きはじめる。 ※枝をつる状に長く伸ばし、華やかな黄色い花を咲かせます。 ※そのじつ、香りのない花。きょうもありがとうございます。
22日(金)
争いの類に疲れ花の雨
真夜中に雨というより、 雹の降るような音がした。
あらそいの たぐいにつかれ はなのあめ季語=花の雨 ※サクラの咲くころに降る雨のこと。 ※すぐに止んだけど。きょうもありがとうございます。
21日(木)
花どきの一度ならずの遠回り
ソメイヨシノは咲きはじめ。 彼岸桜はよく咲いている。
はなどきの いちどならずの とおまわり季語=花 ※「花」とは、サクラのこと。いつから? 平安時代から。 ※「人」でいうなら、青春。きょうもありがとうございます。
20日(水)
投げ捨てた影に重たく春満月
桜の開花宣言は待ち遠しいが、 判定方法はお役所的だ。 ゆえに待ち遠しい、のかもしれない。
なげすてた かげにおもたく はるまんげつ季語=春満月 ※「楽しい」は、寛容だ。きょうもありがとうございます。
19日(火)
ほろびれば春の水よりやわらかに
うんざりとは、 思わないくらいにはなった。
ほろびれば はるのみずより やわらかに季語=春の水 ※温かみを感じるようになれば、春の水。 ※もう少しかな。きょうもありがとうございます。
18日(月)
ぼんやりとすれ違うから春の月
あと2、3日もすると ソメイヨシノが咲きはじめるらしい。
ぼんやりと すれちがうから はるのつき季語=春の月 ※春らしい月とは、水を含んだようなやわらかな感じです。 ※街中も花が多くなった。きょうもありがとうございます。
17日(日)
古草とつぶやいてみる立ち去れず
年を越す常緑の草も 含まれる、のか?
ふるくさと つぶやいてみる たちされず季語=古草 ※若草に対する枯草のこと。 ※どうなんだろう。きょうもありがとうございます。
16日(土)
週末の長き眠りに春の鳥
頭の中も春なのかしら。なんていいこと。
しゅうまつの ながきねむりに はるのとり季語=春の鳥 ※春に鳴く鳥のこと。春は多くの鳥にとっての繁殖期にあたります。 ※囀りもそのひとつ。きょうもありがとうございます。
15日(金)
出がらしのような土にて草の春
体感とそれにはズレがある。 往々にして。
でがらしの ようなつちにて くさのはる季語=春の草 ※春となり萌えだす草ぐさのこと。 ※春らしさは柔らかさ。きょうもありがとうございます。
14日(木)
米粒の白さや今日はホワイトデー
じつはすっかり、忘れていた。
こめつぶの しろさやきょうは ほわいとでー季語=ホワイトデー ※バレンタインデーのお返しをする日。誰もが知っているけれど、根付いているようないないような日。 ※歯の白さもあるな。きょうもありがとうございます。
13日(水)
ふつふつとつまんだ先が春の夢
「の」なのか、「に」なのか、 はたまた「を」なのか、 迷った末に「が」が、しっくりときた。
ふつふつと つまんださきが はるのゆめ季語=春の夢 ※「春の夜の夢のごとし」のように、はかなさのたとえとして使われることが多い。 ※もちろん単純に、春の夜の眠りの中で見る夢でもいい。 ※とかく人生にたとえがち。きょうもありがとうございます。
12日(火)
幸せのとなりのとなり杉花粉
庭木とか、公園とか、意外に身近にある。
しあわせの となりのとなり すぎかふん季語=杉花粉 ※スギは風媒花のため、風が吹くと多量の花粉を飛ばします。 ※虫を呼ぶ必要のないスギの花は、まるで花らしくない花。 ※それが花粉症の原因。きょうもありがとうございます。
11日(月)
自ずから潮目変わり目白木蓮
ハクモクレンが咲きはじめた。
おのずから しおめかわりめ はくもくれん季語=白木蓮 ※モクレンの仲間で、白い花を咲かせるからハクモクレン。 ※葉に先立て、枝先にたくさんの花をつける。 ※天に向って咲く。きょうもありがとうございます。
10日(日)
前を行く女は春の歩幅にて
冬もののコートは、必要なさそうだ。
まえをゆく おんなははるの ほはばにて季語=春 ※夜から雨音が続く。きょうもありがとうございます。
9日(土)
満月を待たずに咲くや沈丁花
「ちんちょうげ」ではなく、 「じんちょうげ」なんです。
まんげつを またずにさくや じんちょうげ季語=沈丁花 ※生け垣や歩道の植え込みとしてよく見る花。 ※秋の金木犀に負けないほどの芳香がある。 ※いまだ、呼び間違う。きょうもありがとうございます。
8日(金)
出遅れて小出し小出しや山覚める
山眠る(冬)↓山覚める(初春)↓山笑う(仲春) という感じかな。
でおくれて こだしこだしや やまさめる季語=山覚める ※芽吹きはじめ、冬山から春の山へと移り変わる様子をいう。 ※サクラが咲けば大笑い。きょうもありがとうございます。
7日(木)
眠気には勝てぬ春寒ひと区切り
寒そうだったので厚着した。 若干、汗ばんだ。
ねむけにはかてぬ はるさむ ひとくぎり季語=春寒 ※寒い寒いと言っても、さすがに三月。 ※電車の中とか。きょうもありがとうございます。
6日(水)
三月の雨の滲まぬ人となり
三月の長雨、数日間降り続く雨を春霖(しゅんりん)と言います。
さんがつの あめのにじまぬ ひととなり季語=三月 ※三月は気温が上昇する関係で、雨になる日も多くなる。 ※となりたし、だ。きょうもありがとうございます。
5日(火)
無意識のおのおの解け春ごたつ
洗濯ものの乾きも、 だいぶ早くなってきた。
むいしきの おのおのほどけ はるごたつ季語=春炬燵 ※まだしばらくはコタツ生活。きょうもありがとうございます。
4日(月)
らしきことらしからぬこと薄紅梅
ウメなのか? サクラなのか? 遠目ではよくわかない。
らしきこと らしからぬこと うすこうばい季語=薄紅梅 ※紅梅系は白梅より少し遅れて咲くと言われている。 ※たしかに。きょうもありがとうございます。
3日(日)
無駄という選択肢あり雛祭り
「桃の節句」とも呼ばれます。 本来は、雛を飾るから雛祭り。
むだという せんたくしあり ひなまつり季語=雛祭り ※宮中行事を原点とする、女の子のための節句。子どもの成長と明るい未来を願い祝う。 ※様々なかたちがある。きょうもありがとうございます。
2日(土)
ドラマには適役必須猫の恋
換気のために窓を開けたら、 猫の凄まじい声が飛びこんできた。
どらまには てきやくひっす ねこのこい季語=猫の恋 ※早春は猫の発情期の季節となる。昼夜とわず、鳴き声がやかましい。 ※あら、春っぽい。きょうもありがとうございます。
1日(金)
三月の足の冷たさ腹の減る
無駄に腹を立てるより、ずっと平和。
さんがつの あしのつめたさ はらのへる季語=三月 ※日に日に暖かくなる、はず。きょうもありがとうございます。