• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2019年4月

30日(火)

平成の終りをかさね大連休

「ありがとう」と言えるのは、良いことだ。

へいせいの おわりをかさね だいれんきゅう
季語=大連休
※ゴールデンウィークのこと。黄金週間とも大型連休ともいう。
※夏休みも大連休? かもね。きょうもありがとうございます。

29日(月)

自ずから丸くなりけり昭和の日

意外に地下鉄は人が多かった。

おのずから まるくなりけり しょうわのひ
季語=昭和の日
※もともとは昭和天皇の誕生日。国民の休日。
※平成も明日で最後ですね。きょうもありがとうございます。

28日(日)

乏しさの外にはみ出す花しきみ

最近ではイリシウムと呼ばれ、
植え込みなどでよく見るようになりました。

とぼしさの そとにはみだす はなしきみ
季語=花樒
※シキミの花は、美しい常緑樹で3月、4月を通して咲いている。
※葉に香りがあり、古くから墓地や寺院の花木として好まれました。
※庭木に多いのは赤い花。きょうもありがとうございます。

27日(土)

機嫌よくややヘリくだる雨に蝶

コタツをしまったことを
後悔するほどに寒い、連休初日。

きげんよく ややへりくだる あめにちょう
季語=蝶
※蝶は春の季語。春は花の季節だから。
※よい連休を。きょうもありがとうございます。

26日(金)

弾力の衰えてなお八重桜

鳥の仕業らしい。花ごと無数に落ちている。

だんりょくの おとろえてなお はえざくら
季語=八重桜
※花びらが幾重にも重なり、ぽってりした印象の桜。
※毬のよう。きょうもありがとうございます。

25日(木)

申し訳程度に春の愁いなど

なんとなく、なにげなく、なにもなく。

もうしわけていどに はるの うれいなど
季語=春愁い
※春ゆえのもの悲しさであり、気だるさ。
※ふんわりとしたもの。きょうもありがとうございます。

24日(水)

うたた寝のついでにめぐる春驟雨

天気予報では、
しばらく雨模様‥‥。

うたたねの ついでにめぐる はるしゅうう
季語=春驟雨
※春のにわか雨のこと。冬のように寒くはない。
※サッと降る。きょうもありがとうございます。

23日(火)

呼び水となりて定まる藤の花

日は燦燦と降り注ぎ、
風はまだ微かに冷たい。

よびみずとなりて さだまる ふじのはな
季語=藤の花
※藤棚などから薄紫色の花を房状に長く垂らします。
※数10センチから長いものでは1~2メートルにもなる。
※風に揺れるさまが美しい。きょうもありがとうございます。

22日(月)

困ることしばしばありて花ずおう

数多の蝶が止まっているかのように、
花の咲く位置に規則性がない感じだ。

こまること しばしばありて はなずおう
季語=花蘇芳
※まさに枝のあちこちに赤紫色の小さい花を付ける。
※江戸時代に渡来したマメ科の落葉樹で、中国原産。
※これも花から先に咲く。きょうもありがとうございます。

21日(日)

つつじ真っ赤約束ばかりもうたくさん

ツツジが咲いたら、
春のような夏のような、
そんな日が多くなる。

つつじまっか やくそくばかり もうたくさん
季語=躑躅(つつじ)
※数百もの園芸種があり、その分、花色も名称も多い。ツツジという名はその総称です。
※選挙、行った? きょうもありがとうございます。

20日(土)

きみに秘密わたしに秘密ハナミズキ

桜と入れ替わるように
咲きはじめる。

きみにひみつ わたしにひみつ はなみずき
季語=花水木
※街路樹や庭木としてよく見る花。とくにピンクが人気だ。白もある。
※サクラと同じように花だけが先に咲く。
※嘘はいちいち面倒だ。きょうもありがとうございます。

19日(金)

たんぽぽの絮あっさりと風にのる

ふーっと吹く。ふわりとほぐれる。
大人だって、たのしい。

たんぽぽのわた あっさりと かぜにのる
季語=蒲公英の絮
※花が終わると、丸く白い綿毛に覆われる。
※飛んでけ。きょうもありがとうございます。

18日(木)

知恵付けてともに明るく桜草

ほんとうに似ているか、といえば、
そうでもない、と思う。

ちえつけて ともにあかるく さくらそう
季語=桜草
※草丈15~30センチ程度の多年草。花がサクラに似ていることから、この名がある。
※もともとは野生種で、江戸時代からの人気の園芸種。
※花色もいろいろ。きょうもありがとうございます。

17日(水)

早口で要件のみを風光る

せっかちというより、たぶん、
何か都合の悪いことがあるのだろう。
ぼろが出ないように。

はやくちで ようけんのみを かぜひかる
季語=風光る
※何もかも輝いて見える春、ゆえに風さえも‥‥。
※感じ方は人それぞれ。まさに主観による季語でしょうね。
※と、思う。きょうもありがとうございます。

16日(火)

桜しべ降りし真っ赤なわらべ歌

しばらくすると花の気配など
すっかり消えてなくなる。

さくらしべふりし まっかな わらべうた
季語=桜蘂降る
※花びらが散った後に、しべが落ちて地面を赤く染める。
※また来年。きょうもありがとうございます。

15日(月)

湯を注ぐ音につられて芝青む

全体がだんだんと
うす緑になってゆく。

ゆをそそぐ おとにつられて しばあおむ
季語=芝青む
※3月中旬ごろから芽吹きはじめる。まだ冬の枯れ色が所どころ残っている感じでしょうか。
※青芝は夏の季語。きょうもありがとうございます。

14日(日)

着崩して何はともあれ春の服

来週は、一気に夏日とか‥‥?

きくずして なにはともあれ はるのふく
季語=春の服
※油断はできない。きょうもありがとうございます。

13日(土)

何もせぬことに疲れし長閑なり

取り溜めたテレビドラマを
一気に見たら妙に疲れた。

なにもせぬ ことにつかれし のどかなり
季語=長閑
※春の日ののんびりとした様子。または気分。
※内容が重かったかね。きょうもありがとうございます。

12日(金)

大声で祈るがごとく朧なり

月が潤んでいたね。

おおごえで いのるがごとく おぼろなり
季語=朧
※霞がかった状態のこと。春に多い現象。
※昼は「霞」といい、夜には「朧」という。
※すべてが滲んで見える。きょうもありがとうございます。

11日(木)

ひとひとり鼻から抜けるさくらの夜

日差しは春なのに、
芯から冷える。

ひとひとり はなからぬける さくらのよ
季語=夜桜
※オカルトじゃないよ。きょうもありがとうございます。

10日(水)

溜め込んで散り出すまでの花の雨

手袋が必要なくらいの、
寒さだったのに、忘れてた。

ためこんで ちりだすまでの はなのあめ
季語=花の雨
※雪になった地域も。きょうもありがとうございます。

9日(火)

ひと頃のふやけた顔に落椿

八重とか、絞りとか、
華々しい花が多くなったかも。

ひところの ふやけたかおに おちつばき
季語=落椿
※花ごと落ちている椿のこと。これはこれで趣がある。
※地面に落ちるとぽとりと音がする。
※品種が多い。きょうもありがとうございます。

8日(月)

涙腺の緩み花冷えやり過ごす

雨の花見は
ビニール傘にかぎる。

るいせんのゆるみ はなびえやりすごす
季語=花冷え
※桜の咲くころの急な冷え込みをいう。
※寄り道して素通り。きょうもありがとうございます。

7日(日)

見たままの赤白黄色チューリップ

ふとモクレンの花の形に
似ているかも、と思った。

みたままの あかしろきいろ ちゅーりっぷ
季語=チューリップ
※いろんな形のチューリップがある。花色も豊富。
※ざっくり同形。きょうもありがとうございます。

6日(土)

嗅ぎ分けてみるみるうちに諸葛采

神社の裏庭に
いっぱい咲いていた。

かぎわけて みるみるうちに しょかつさい
季語=諸葛采
※紫色の花で、ちょっとした草むら、荒れた庭などでもよく見る。
※名前は諸葛孔明にちなむ。遠征する兵の食糧として活用したとか。
※花も葉も食べられる。きょうもありがとうございます。

5日(金)

身動きのとれないそれに春の塵

夕方のニュースでちらっと見た、
春ぼこり(春の塵)の映像がすごかった。

みうごきのとれない それに はるのちり
季語=春の塵
※春は気圧の関係で風の強い日が多い。必然、土ぼこりが立ちやすい。
※今日も強風。きょうもありがとうございます。

4日(木)

耳の中かたづけられず花疲れ

人の多さに疲れるとか、
寒すぎて疲れるとか、
そもそも飲み過ぎとか、
いろいろ。

みみのなか かたづけられず はなづかれ
季語=花疲れ
※花見の後に疲れること。花見疲れ
※言葉が残る。きょうもありがとうございます。

3日(水)

やっぱりね、そんな顔して春の空

寒いと散ることのできない桜って
なんだかちょっぴりかわいそう。
(花見シーズンが伸びて、うれしい限りですが)

やっぱりね、 そんなかおして はるのそら
季語=春の空
※空には様々な表情がある。きょうもありがとうございます。

2日(火)

菜箸の長さととのえ冴え返る

買い増し買い増しで、
長さがまちまち。

さいばしの ながさととのえ さえかえる
季語=冴え返る
※春に冬の寒さがまたぶり返すこと。
※洗ったらしまう。きょうもありがとうございます。

1日(月)

まっすぐに別れ惜しまず四月かな

新元号の話しで持ちきりだ。
そのうち慣れるよ。

まっすぐに わかれおしまず しがつかな
季語=四月
※エープリルフールは、どこにいった? きょうもありがとうございます。