今日の俳句、こうのこうき
2019年9月
30日(月)
注ぎ足して乱され夜の鰯雲
たしか数日前の天気予報は、雨マークだったような。
つぎたして みだされ よるのいわしぐも季語=鰯雲 ※秋の雲といれば、イワシ雲だろう。もこもこと一面に波打つような雲で、その形状がイワシの群れのように見えることからこの名がある。 ※サバ雲ともウロコ雲ともいう。一説には、この雲が出るとイワシがよく獲れるとも、雨になるとも言われている。 ※消し忘れみたいな雲。きょうもありがとうございます。
29日(日)
それとなく黄花コスモスばかりかな
コスモスとは、 同属だけど別種らしい。微妙ですね。
それとなく きばなこすもす ばかりかな季語=黄花コスモス ※コスモスは明治20年頃に日本に渡来しました。キバナコスモスは大正時代になってから。 ※花色はオレンジに近い黄色。繁殖力が強く全国で野生化している。 ※趣はだいぶ違う。きょうもありがとうございます。
28日(土)
竹の春番狂わせの面白く
そういえば、「ラグビー」って、季語なんですよ。 残念ながら冬の季語ですけどね。
たけのはる ばんくるわせの おもしろく季語=竹の春 ※竹が生い茂ること。春、竹はその栄養分をタケノコに分け与えるため葉が黄ばむ(地下茎で繋がっています)。秋になって本来の姿に戻ります(または成長する)。 ※竹にとっては、秋が春。きょうもありがとうございます。
27日(金)
平たんな道にとき折り式部の実
花壇などで見かけるのは、 コシキブと呼ばれる園芸種。
へいたんな みちにときおり しきぶのみ季語=式部の実 ※ムラサキシキブと呼ばれるクマツヅラ科の落葉低木の実。小さな球形の実で見事な紫色をしている。 ※これから色濃くなる感じ。きょうもありがとうございます。
26日(木)
秋薔薇や耳打ちすれば赤くなる
秋のバラは、色が濃くて少々小ぶり。 香りも深くなると言われている。
あきばらや みみうちすれば あかくなる季語=秋薔薇 ※四季咲きで、秋になって咲くバラのこと。 ※春と夏と秋に咲く。きょうもありがとうございます。
25日(水)
コスモスの群れより風は風となる
一見、線が細く弱々しいが、 じつはめちゃくちゃたくましい花。
こすもすの むれよりかぜは かぜとなる季語=コスモス ※秋の花の代表格で、和名は秋桜(あきざくら)。メキシコ原産。 ※台風にも負けない花。きょうもありがとうございます。
24日(火)
扁平な月夜に向かい祈りけり
この時期、月の出が、夜中の12時前後になる。
へんぺいな つきよにむかい いのりけり季語=月夜 ※秋は「月」だけで季語になります。陰暦八月二十三日は月の出が真夜中に。そのため「二十三夜」という季語があります。 ※月はなくとも明るいぞ。きょうもありがとうございます。
23日(月)
秋分や時計の針をながめつつ
ふだん、アナログ腕時計をしながら、スマホで時間を確認しているかも。
しゅうぶんや とけいのはりを ながめつつ季語=秋分 ※二十四節気のひとつで、昼と夜の時間が均等になる日。秋の彼岸の中日でもある。 ※数分違い。きょうもありがとうございます。
22日(日)
すべからく頷き合いて曼珠沙華
この異常気象でもきっちりと群がり咲いていた。
すべからく うなずきあいて まんじゅしゃげ季語=曼珠沙華 ※決まって秋の彼岸の頃に咲くので彼岸花ともいう。 ※赤い炎のような花。きょうもありがとうございます。
21日(土)
ぼんやりと生きるに空が高すぎる
台風の影響か、 終日どんより曇り空。
ぼんやりと いきるにそらが たかすぎる季語=空高し ※秋高し、天高しともいう。つまりは、晴々とした秋の季語。 ※今回の台風も暴風域が広いらしい。きょうもありがとうございます。
20日(金)
間の悪さばかりの目立つ秋の雲
それでも、なんだか、 空が高くなった気がする。
まのわるさ ばかりのめだつ あきのくも季語=秋の雲 ※秋の雲といえば鰯雲に代表される巻積雲(けんせきうん)が多い。 ※ぽっかりと浮かぶ雲も秋の雲。きょうもありがとうございます。
19日(木)
気安さも気まぐれさえも秋の風
秋風、秋の風は さみしさとか、かなしみとか、 うれいを含む季語として使われることが多い。
きやすさも きまぐれさえも あきのかぜ季語=秋の風 ※涼しくて快適なのも秋の風。きょうもありがとうございます。
18日(水)
かけ上がり息詰まらせし秋の空
昼ごろからどんより、 雨模様だったけれど。
かけあがり いきつまらせし あきのくも季語=秋の空 ※変りやすいものたとえとしても使われる「秋の空」。 ※「女心と秋の空」というけれど、もともとは「男心と秋の空」だったらしいよ。 ※基本は爽やかな空。きょうもありがとうございます。
17日(火)
今にして思えばなんて葡萄食う
世界ではそのほとんどが ワインの原料とされ、 日本ではそのほとんどが 美味しいフルーツとして 食用されている。
いまにして おもえばなんて ぶどうくう季語=葡萄 ※世界中で生産されているブドウ。その種類は1万品種ともいわれています。 ※マスカットだったかね。きょうもありがとうございます。
16日(月)
濃竜胆時間をおいてまた明日
駅前の花屋さんに並びはじめた。
こりんどう じかんをおいて またあした季語=竜胆 ※山野に咲く紫色の花。本州から九州まで広く分布している。濃竜胆は花色の濃いリンドウのこと。 ※夜や雨の日には花を閉じる。きょうもありがとうございます。
15日(日)
棘よりは柔らかきもの秋半ば
同じ30℃でも、 過ごしやすくなった、 気がします。
とげよりは やわらかきもの あきなかば季語=秋半ば ※仲秋のこと。秋を3つに分けたときの中間。新暦の9月にあたる。 ※そして9月も半ば。きょうもありがとうございます。
14日(土)
満月や足りないものを埋め合わせ
今日が満月だったらしいね。
まんげつや たりないものを うめあわせ季語=満月 ※満月という場合、俳句では仲秋の名月を指す(ことが多い)。 ※秋の季語ですよ。きょうもありがとうございます。
13日(金)
いろいろがここぞとばかりあら夜長
秋分の日が近づくにつれ、 ついこの間までの夏時間とのギャップに、 驚きをもって気づく頃合いなのではないでしょうか。
いろいろが ここぞとばかり あらよなが季語=夜長 ※もちろん冬の方が夜は長いが、その変化を強く感じるのは秋です。 ※東京、月、でてた? きょうもありがとうございます。
12日(木)
耳鳴りのごとくに秋の蚊のゆくえ
今夏も蚊にまるで刺されなかった。 それもこれも、凄まじい猛暑のおかげらしいが、 夕方、3、4か所、一気に刺された。
みみなりのごとくに あきのかのゆくえ季語=秋の蚊 ※蚊も活動しやすくなったかね。きょうもありがとうございます。
11日(水)
名月に近づきつつもあなかしこ
新聞によると、 今年の名月は少々小ぶりらしい。 (名月にも大小があるんですね~)
めいげつに ちかづきつつも あなかしこ季語=名月 ※いわゆる仲秋の名月のこと。今年は9月13日がそれ。 ※「あなかしこ」は古語で、いくつかの意味がありますが、基本的には手紙の最後に添える言葉です。 ※もうすぐね。きょうもありがとうございます。
10日(火)
かねたたき弱音吐かねばよしとする
「鐘」ではなく「鉦」。 祭囃子などに使われる、 皿のような形のあれですよ。
かねたたき よわねはかねば よしとする季語=鉦叩き ※チンチンチンとかすかに鳴くコオロギの仲間。夕暮れ時などに聞こえてくるとしみじみと秋を感じる。 ※街路樹あたりにもいる。きょうもありがとうございます。
9日(月)
「めんどうだ!」強く思った秋の朝
台風一過、街路樹の落葉がすごかった。
めんどうだ つよくおもった あきのあさ季語=秋の朝 ※9月ともなると、さすがに朝は涼しさを感じるようになる。 ※夜明けが遅くなってきた。きょうもありがとうございます。
8日(日)
甘辛く煮付けてもつれ秋茄子
とてもそうは見えないが、 ナスの成分の90%以上が水分なのだとか。
あまからく につけてもつれ あきなすび季語=秋茄子 ※秋に収穫するナスのこと。小粒で漬物に向くそうです。 ※冷蔵庫に入れっぱなしだと縮むぞ。きょうもありがとうございます。
7日(土)
ゆるやかに我を並べる虫の声
よく「あの頃の自分に説教してやりたい!」という言葉を耳(目)にするけれど‥‥。 50になってあらためて、その気持ちがとてもよくわかる気がしてきた。
ゆるやかに われをならべる むしのこえ季語=虫の声 ※コオロギやスズムシなど秋の虫の鳴き声のこと。秋の夜は様々な虫の鳴き声が重なる。 ※今月で51だわ! きょうもありがとうございます。
6日(金)
枝豆食う月がそっぽを向いていた
枝豆(熟す前の大豆)を食べはじめたのは江戸時代かららしい。 そもそも、大豆の歴史は、稲作と同じぐらい古い。
えだまめくう つきがそっぽを むいていた季語=枝豆 ※枝付きの大豆だから枝豆。十分に熟す前だからか、枝から離すと早々に味が落ちてしまうそうだ。 ※月がきれいに半分。きょうもありがとうございます。
5日(木)
大いなる無駄と矛盾とこの残暑
我慢も疲労も、ひとそれぞれに許容範囲があるからね。
おおいなる むだとむじゅんと このざんしょ季語=残暑 ※「暑さ寒さも彼岸まで」とは、昔からよく言うけれど、今年の残暑は本当に暑い。あと20日ほどのがまん? ※栄養と睡眠が大切ね。きょうもありがとうございます。
4日(水)
鶏頭やかたまりとして落ち着かず
一時期、ケイトウをよく見た気もするが、 大きな花を見る機会は減って来たかもしれない。
けいとうや かたまりとして おちつかず季語=鶏頭 ※インド産の花でニワトリのトサカのような形、質感をしています。 ※ケイトウといえば深紅ですが、花色はけっこう豊富です。 ※形も大きさもいろいろある。きょうもありがとうございます。
3日(火)
どしゃ降りをしばらく眺め胡桃買う
コンビニの新商品などで 季節の変わり目を認識したりなんかして。
どしゃぶりを しばらくながめ くるみかう季語=胡桃 ※旬は秋。日本に自生するクルミはオニグルミといって、やたらと殻がかたい。一般的なクルミ割り器ではまず割れません。昨年のこと、100均のペンチでも無理でしたよ。 ※むき身なら一年中あるけど。きょうもありがとうございます。
2日(月)
見上げても前を向いても秋暑し
まるっきり夏の空でしたね。
みあげても まえをむいても あきあつし季語=秋暑し ※残暑のこと。9月を過ぎると残暑感が増してくる。 ※近ごろ蚊によく刺される。きょうもありがとうございます。
1日(日)
右切れば左切りたし新生姜
新生姜はシャキシャキとした 食感が好まれます。 茎の付け根の赤いところが特徴的。
みぎきれば ひだりきりたし しんしょうが季語=新生姜 ※みずみずしいショウガのこと。早いものは初夏から出回る。 ※「新しょうが」と「根しょうが」の違いは収穫時期です。ふつうは秋にとります。 ※防災の日。きょうもありがとうございます。