• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2019年11月

30日(土)

指先の物分かりよく冷えにけり

まだ手袋の必要は感じないが、
水道の水はかなり冷たくなった。

ゆびさきの ものわかりよく ひえにけり
季語=冷え
※冷たし、底冷えなど、リアルな感覚を伝える季語。
※太陽がありがたい。きょうもありがとうございます。

29日(金)

コンビニのスイーツ豊富冬うらら

この先、どんどん寒くなると、
暖かな日差しが、さらにありがたく感じる。

コンビニの スイーツほうふ ふゆうらら
季語=冬麗
※冬の季節のまるで春先のような日のこと。
※誰もがほっとする。きょうもありがとうございます。

28日(木)

ぽつぽつと雨と明りと柿落葉

柿の葉の紅葉は、その一枚に、
赤、黄、橙、緑などの色が溶け込み、
複雑な模様をしている。
それが、どうにも、美しい。

ぽつぽつと あめとあかりと かきおちば
季語=柿落葉
※だいぶ散ってしまったようだ。きょうもありがとうございます。

27日(水)

ふいに出るうそと鼻みず木枯しまだか

たしかに寒いけれど、木枯らしの吹く、
西高東低の「冬型の気圧配置」ではない!?

ふいにでる うそとはなみず こがらしまだか
季語=木枯し
※木の葉を枯らすほどの、強くて冷たい季節風。例年、11月中に吹くことが多い。
※冬本番の合図みたいなものか。きょうもありがとうございます。

26日(火)

ややこしや寒さ寂しさ意思疎通

温度管理も、体調管理も、
気持ちの浮き沈みも、
天候次第のところがあるからね。

ややこしや さむささみしさ いしそつう
季語=寒さ
※来週はまた、暖かいらしい。きょうもありがとうございます。

25日(月)

昼どきやひと吐き出され黄葉踏む

イチョウもきれいに
色づいてきたよ。

ひるどきや ひとはきだされ もみじふむ
季語=黄葉
※黄色く色付くモミジのこと。
※紅くなるモミジとは発色のメカニズムが異なるという。
※そろそろ、見ごろかな。きょうもありがとうございます。

24日(日)

かいつまむごとくやさしく紅葉散る

雨に濡れ、路面に張り付く、
さまざまなモミジ。

かいつまむごとく やさしく もみじちる
季語=紅葉散る
※紅葉しながら散っている。きょうもありがとうございます。

23日(土)

リモコンもいろいろ勤労感謝の日

「勤労感謝の日」は、
別名、新嘗祭(にいなめさい)
とも呼ばれています。

リモコンも いろいろ きんろうかんしゃのひ
季語=勤労感謝の日
※新天皇即位後のはじめての新嘗祭を、大嘗祭(だいじょうさい)と呼ぶのだとか。近ごろ、ニュースでよく耳にしますね。なるほど。
※感謝しあう日。きょうもありがとうございます。

22日(金)

こじつけの多くは冬の雨となり

予想以上に
冷たい雨の一日でした。

こじつけのおおくは ふゆの あめとなり
季語=冬の雨
※冬に降る雨のこと。きょうもありがとうございます。

21日(木)

不都合も好みてこたつ広げたり

動かなくなるだとか、
掃除がめんどうだとか、
その他いろいろ、ありましょうが。

ふつごうも このみてこたつ ひろげたり
季語=炬燵
※寒くなりました。きょうもありがとうございます。

20日(水)

薄っすらとほほ笑むごとく草もみじ

(野生化したアサガオの仲間)
ハート形の葉っぱも
きれいに黄葉(もみじ)している。

うっすらと ほほえむごとく くさもみじ
季語=草紅葉
※有名無名なく様々な草が紅葉すること。
※枯れる手前の美しさ。きょうもありがとうございます。

19日(火)

落葉踏む夜の暗さを道ずれに

昨年は「木枯し1号」が
吹かなかった年でしたね。
そういえば‥‥。

おちばふむ よるのくらさを みちずれに
季語=落葉
※落葉も目立つようになりました。きょうもありがとうございます。

18日(月)

うとましさ抱え向こうに梅紅葉

愛でるどころか、
気づく人すら少ない。

うとましさかかえ むこうに うめもみじ
季語=梅紅葉
※梅の葉が紅葉すること。実が落ちるとすっかり存在感がなくなる。
※つまりは地味なのさ。きょうもありがとうございます。

17日(日)

いたずらに眠たき草木小六月

春先のような陽気のこと。

いたずらにねむたき くさき ころくがつ
季語=小六月
※「小春」「小春日」の別称。11月頃の季節外れの暖かさのこと。
※枯れ色も、ちらほら。きょうもありがとうございます。

16日(土)

酔う為の抗う為の寝酒哉

冬の季語です。
最近では「寝酒は身体に悪い!」
というのが常識らしい、ですけどね。

ようための あらがうための ねざけかな
季語=寝酒
※「寒い夜に体を温めるために飲む」という目的が必要(?)
※今どきの季語ではないのかな。きょうもありがとうございます。

15日(金)

文脈をゆるりとつなぐ冬日かな

春と勘違いしたのか、
ツツジが咲いていた。

ぶんみゃくを ゆるりとつなぐ ふゆひかな
季語=冬日
※冬の太陽、日差しのこと。
※夕暮れがはやい! きょうもありがとうございます。

14日(木)

貝殻のごとくに紅葉もみじかな

大きな桜の木の下にて。

かいがらの ごとくにもみじ もみじかな
季語=紅葉
※ご近所の小さな子がね。きょうもありがとうございます。

13日(水)

じわじわと十一月となりにけり

いよいよ最低気温が
10℃を下回りましたよ。寒いよ。

じわじわと じゅういちがつと なりにけり
季語=十一月
※例年、上旬は穏やかな日が多く過ごしやすい。
※中旬はまさに冬への助走。きょうもありがとうございます。

12日(火)

やましさも包み隠さず花八つ手

白い花。
といっても、小さな花が寄り集まって、
ボールのようなカタチをしている。

やましさも つつみかくさず はなやつで
季語=花八つ手
※冬に咲くウコギ科の八つ手の花。地味で目立たないが庭木として人気がある。
※晴れた日は光ってみえる。きょうもありがとうございます。

11日(月)

鼻すする初冬の月の歩幅にて

日に日に寒さを感じる
のは、夜になってから。

はなすする しょとうのつきの ほはばにて
季語=初冬
※昼は、秋。きょうもありがとうございます。

10日(日)

稚拙さを幾重と重ね紅葉する

紅葉の季節になると、
東京って横長なんだな、と思う。

ちせつさを いくえとかさね もみじする
季語=紅葉
※近場の見ごろは12月頃。きょうもありがとうございます。

9日(土)

明るさも暗さもひとつ石蕗の花

庭の片隅の石の近くに
植えられていることが多い。

あかるさも くらさもひとつ つわのはな
季語=石蕗の花
※菊に似た黄色い花。海辺や岩場に咲き、葉や茎はフキに似ている。
※葉茎は佃煮などにして食べる。きょうもありがとうございます。

8日(金)

冬来たるがさつなことが隠れ蓑

暦の上では冬到来ですね。

ふゆきたる がさつなことが かくれみの
季語=冬来たる
※二十四節気の立冬のこと。11月7、8日ごろ。
※木枯らしはまだまだそうだ。きょうもありがとうございます。

7日(木)

ない交ぜの記憶の底の火の恋し

使用中の火鉢、
見たことあるような、
ないような。

ないまぜの きおくのそこの ひのこいし
季語=火恋し
※ストーブなどの暖房器具が欲しくなること。古くは炭火など、まさに火をおこすものを指した。
※空の火鉢なら何度か見た。きょうもありがとうございます。

6日(水)

逃げ道の少なくなりし草は実に

赤や黒の美しい実もあれば、
衣服に引っ付く迷惑な実もある。

にげみちの すくなくなりし くさはみに
季語=草の実
※秋の草になる実のこと。その総称。
※色々見つけた。きょうもありがとうございます。

5日(火)

窓際が明るく見えた冬隣り

快晴とはいえ、
日差しが弱まってきたね。

まどぎわが あかるくみえた ふゆどなり
季語=冬隣
※冬が近いこと。冬の気配を感じること。
※窓際は背中が冷える。きょうもありがとうございます。

4日(月)

柿紅葉脈絡もなく今朝の夢

街中によくある身近な木。

かきもじみ みゃくらくもなく けさのゆめ
季語=柿紅葉
※つややかな厚手の葉っぱ。紅葉すると複雑に色が混ざり合い独特の味わいがある。
※紅葉の季節だ。きょうもありがとうございます。

3日(日)

杜鵑草咲くやそれぞれやや小ぶり

茶花として愛でるそうですが、
咲いても気づかないほどに地味。

ほととぎすさくや それぞれ ややこぶり
季語=杜鵑草
※本来は山野に咲く六弁花で、花びらの赤紫色の細かい斑点が特長的。
※ユリ科のわりに小さい花をたくさん付ける。
※花壇などにも。きょうもありがとうございます。

2日(土)

馴染むこと馴染まぬことや菊日和

菊の花が咲き誇る頃の
秋晴れの日。

なじむこと なじまぬことや きくびより
季語=菊日和
※よく晴れました。きょうもありがとうございます。

1日(金)

振り返るゆえの疲れや桜紅葉

古来からの名のある木々の中で
真っ先に紅葉するらしい。

ふりかえるゆえの つかれや さくらもみじ
季語=桜紅葉
※厚みのない葉っぱだけに散るのもの早い。
※はじまったみたい。きょうもありがとうございます。