今日の俳句、こうのこうき
2021年8月
31日(火)
今まさに芝居がかりて厄日めく
いままさに しばいがかりて やくびめく季語=厄日 ※二百十日のこと。立春から数えて210日目のこの日は季節の境目にあたり、昔から台風などの災害に見舞われる確率が高い。とくに農家では、稲の開花期と重なるため、古くから「厄日」とされてきた。 きょうもありがとうございます。
30日(月)
声だけとばかりに線香花火かな
こえだけと ばかりに せんこうはなびかな季語=線香花火 ※こよりの先端に火薬を仕込んだ小さい花火。庭先などで手軽に楽しむことのできる手花火のひとつ。 きょうもありがとうございます。
29日(日)
八月もそろそろ終わり影を踏む
はちがつも そろそろおわり かげをふむ季語=八月 きょうもありがとうございます。
28日(土)
ほろほろと月日の流れ夕化粧
ほろほろと つきひのながれ ゆうげしょう季語=夕化粧 ※白粉花(おしろいばな)のこと。豊かに茂る葉に小さなラッパ型の花をたくさん付ける。夜から朝にかけて咲き、街路樹の植え込みや線路沿いなどによく群生している。 きょうもありがとうございます。
27日(金)
有り様のなくてでたらめ力草
ありようのなくて でたらめ ちからぐさ季語=力草 ※どこにでも生えるイネ科の雑草のひとつ。かなりしっかりと根を張っているため、そう簡単には引き抜けない。 きょうもありがとうございます。
26日(木)
長い目で見てとばかりに時計草
ながいめで みてとばかりに とけいそう季語=時計草 ※蔓性植物で夏から秋にかけて咲く。時計の文字盤のような平たい花に、時計の針のような独特の雄しべが付く。時計と言われれば、時計かもしれない。 きょうもありがとうございます。
25日(水)
浮き沈みありてつくつくぼうしかな
うきしずみ ありて つくつくぼうしかな季語=つくつくぼうし ※「ツクツクホーシ、ホーシーツクツク」と繰り返し鳴く法師蝉のこと。まだまだ暑いが、朝夕に秋の気配を感じるようになると現れる。 きょうもありがとうございます。
24日(火)
青々と堪え切れずに猫じゃらし
あおあおと こらえきれずに ねこじゃらし季語=猫じゃらし ※エノコログサのこと。イネ科の植物で、空き地や道端などにふつうに自生する雑草。風によく揺れる。 きょうもありがとうございます。
23日(月)
昨日より今日が重たく塩とんぼ
きのうより きょうがおもたく しおとんぼ季語=塩蜻蛉 ※塩辛とんぼのこと。中くらいの大きさで、よく見るもっともふつうのとんぼ。 きょうもありがとうございます。
22日(日)
毎日をがんばっている残暑かな
まいにちを がんばっている ざんしょかな季語=残暑 ※立秋後の暑さのことをいう。先週前半、涼しい日が数日続いたので、この暑さが一層厳しく感じる人も。 きょうもありがとうございます。
21日(土)
ほの暗さ抱えてゆるく夏あざみ
ほのぐらさ かかえてゆるく なつあざみ季語=夏薊 ※アザミは種類が非常に多く、晩春から秋にかけて咲く。化粧用の刷毛に似た花で、葉や茎に棘がある。夏咲きを総称して夏薊、秋咲きは秋薊と区別して呼ぶ。 きょうもありがとうございます。
20日(金)
八月の一切合切痛み分け
はちがつの いっさいがっさい いたみわけ季語=八月 ※残暑と呼ばれる時期。 きょうもありがとうございます。
19日(木)
簡単にこたえの出ぬ日星流る
かんたんに こたえのでぬひ ほしながる季語=星流る ※流れ星のこと。8月中旬ごろが最も多いといわれている。 きょうもありがとうございます。
18日(水)
大雨にあれこれとがる桔梗かな
おおあめに あれこれとがる ききょうかな季語=桔梗 ※万葉のころから愛される紫色の花。秋の七草のひとつ。広く自生していましたが、今では絶滅危惧に指定されています。 きょうもありがとうございます。
17日(火)
面倒が嫌で病葉ながめけり
めんどうが いやでわくらば ながめけり季語=病葉 ※夏の季語で、病気などで枯れた木々の葉をいう。万緑の中、一枚だけ赤や黄色に色づいていたりする。 きょうもありがとうございます。
16日(月)
こまごまと咲いては嘆き赤のまま
こまごまと さいてはなげき あかのまま季語=あかのまま ※イヌタデのこと。粒々の赤い花は、丸く、蕾のようにも実のようにも見える。そんな花穂の様子を赤飯に見立て「赤のまんま」「赤まんま」と呼ぶ。 きょうもありがとうございます。
15日(日)
ぺたんこの心とからだ終戦日
ぺたんこの こころとからだ しゅうせんび季語=終戦日 ※1945(昭和20)年8月15日、第二次世界大戦が終った日を「終戦記念日」とよぶ。 きょうもありがとうございます。
14日(土)
八月の無いものねだりばかりなり
はちがつの ないものねだり ばかりなり季語=八月 きょうもありがとうございます。
13日(金)
盆休み生きるそのため消費する
ぼんやすみ いきるそのため しょうひする季語=盆 ※祖先などの霊を弔う行事で、7月15日前後、または8月15日前後に行う。一般的に8月のお盆にあわせて夏休みとする企業が多い。 きょうもありがとうございます。
12日(木)
ありえないほどにまんまる西瓜割る
ありえないほどに まんまる すいかわる季語=西瓜 ※夏のおやつといえばスイカ。丸のままのスイカはすっかり鳴りを潜め、かわりに小玉スイカが店頭に並ぶ。 きょうもありがとうございます。
11日(水)
極暑かなめぐりめぐりて打ち解けず
ごくしょかな めぐりめぐりて うちとけず季語=極暑 ※夏の暑さの極み、最高気温。もちろん体感的なものでかまわない。 きょうもありがとうございます。
10日(火)
夕焼けて余裕のなさを明け透けに
ゆうやけて よゆうのなさを あけすけに季語=夕焼け ※夏の季語。1年を通じて見れるものですが、古くから真っ赤に染まる夕焼けは夏のものとされてきました。 きょうもありがとうございます。
9日(月)
あれこれと空回りして野分中
あれこれと からまわりして のわきちゅう季語=野分 ※立秋以後の暴風のこと。台風と同じ。 きょうもありがとうございます。
8日(日)
いつまでもひとり言めく花木槿
いつまでも ひとりごとめく はなむくげ季語=木槿 ※夏から秋にかけて次々と咲く1日花。花色は白やピンク、紅などで、その中心部は濃い紅色をしているものが多い。 きょうもありがとうございます。
7日(土)
冷房のくしゃみとともに今朝の秋
れいぼうの くしゃみとともに けさのあき季語=今朝の秋 ※立秋の日の朝のこと。暦上では今日から秋となる。連日、熱帯夜続きだが、耳をすませば確かに秋の虫が鳴いている。 きょうもありがとうございます。
6日(金)
無理をして笑う静けさ片かげり
むりをして わらうしずけさ かたかげり季語=片蔭 ※炎天下、太陽の傾きによって道の片側にできる濃い影のこと。あまりの暑さに影側を選んで歩くことになる。 きょうもありがとうございます。
5日(木)
日盛りや頭の中を軽くする
ひざかりや あたまのなかを かるくする季語=日盛り ※夏の一日の中で最も暑い時間帯、正午から3時くらいまでをいう。夏以外にもふつうに使われる言葉ですが、日差しの強さをイメージしやすいからか夏の季語とされています。 きょうもありがとうございます。
4日(水)
涼風と気づいて何か忘れけり
りょうふうと きづいてなにか わすれけり季語=涼風 ※暑さの中に感じる涼しい風のこと。ほんの微風すらありがたい。 きょうもありがとうございます。
3日(火)
青柿や手ぶらで出掛けどこにでも
あおがきや てぶらででかけ どこにでも季語=青柿 ※色づく前の青々とした柿のこと。夏の間に大きく育つ。 きょうもありがとうございます。
2日(月)
朝顔に持ちつ持たれつしおれけり
あさがおに もちつもたれつ しおれけり季語=朝顔 ※夏の朝の代表的な花といえばアサガオだろう。季語としては秋に分類される。季語のそれと実感とが異なる代表的なものでもある。 きょうもありがとうございます。
1日(日)
炎天にふたつの流れ逆らわず
えんてんに ふたつのながれ さからわず季語=炎天 ※ギラギラと容赦なく太陽が照り付ける真夏の天気のこと。またはその空のことをいう。 きょうもありがとうございます。