• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2014年2月

28日(金)

大方は易きに流れ二月尽く

季節の変わり目です。

おおかたは やすきにながれ にがつつく
季語=二月尽く
※新暦の2月が終わること。
※○月尽(じん)、○月尽くとは、季節を惜しむ情感を込めた季語です。
※新暦と旧暦の季節感の違いもあり、「二月尽く」は昭和になってから使われはじめたとか。
※大衆の一人ですよ。きょうもありがとうございます。

27日(木)

ぼんやりとすり切れていく春の雨

謙虚はときに、人を無用に惑わすよ。

ぼんやりと すりきれていく はるのあめ
季語=春の雨
※春の雨は昔々から草木を育てる雨です。
※長引くこともありますが、豪雨になることは少ないといいます。
※二月は早いね。きょうもありがとうございます。

26日(水)

目礼を交わすかわりの梅日和

おとなりのウメはほぼ満開。
お向かいは7分ほど。
3軒先は半分くらいでしょうかね。

もくれいを かわすかわりの うめびより
季語=梅日和
※いいお日和で。きょうもありがとうございます。

25日(火)

下萌やいつともなしにぼんやりと

考え事でもしながら
歩いているのでしょうか。

したもえや いつともなしに ぼんやりと
季語=下萌
※この時期に萌え出るさまざまな草の芽。その状態のこと。
※いつの間にか。きょうもありがとうございます。

24日(月)

やわらかく手招きをして梅の朝

白梅も紅梅もよく咲いています。

やわらかく てまねきをして うめのあさ
季語=梅
※明日は春らしい陽気になるとか。きょうもありがとうございます。

23日(日)

クレソンの気持ちのままに添えており

ていねいな人は、ていねいに。
そうでない人は、そのように。

くれそんの きもちのままに そえており
季語=クレソン
※クレソンは、わさびの仲間なのだそうです。
※肉料理の付け合せわせやサラダ、おひたしなどによく使われます。
※明治時代、日本に暮らす外国人のために栽培されたのがはじまり。
※その当時は和蘭芥子(おらんだがらし)などと呼ばれました。
※ミネラルを多く含み、血をきれいにする効果があるそうです。
※香りが強いものほど新鮮。きょうもありがとうございます。

22日(土)

世の中の空気とかわる日陰雪

屋根の上の雪が、まだ残っています。

よのなかの くうきとかわる ひかげゆき
季語=日陰雪
※日陰などの汚れて残る雪のこと。残雪の傍題です。
※あちこちの隅に残る雪。きょうもありがとうございます。

21日(金)

うしろより来て足早に余寒あり

ときどき、ふいに
水戸黄門のテーマ曲が
頭をよぎることがあったりします。

うしろより きてあしばやに よかんあり
季語=余寒
※暦のうえでは春なのに、未だに残る冬の寒さのこと。
※その歴史は古く、平安後期から使わる春の歌題といいます。
※真夜中の女子フィギュアスケートフリーの演技をみていて、「手に汗握る」という言葉をはじめて実感しましたよ。
※「泣くのが嫌なら~♪」という部分をとくに思い出す(笑)。きょうもありがとうございます。

20日(木)

ほどほどのほどのわからぬ二月かな

「加減」は、「知識」じゃわからない。

ほどほどの ほどのわからぬ にがつかな
季語=二月
※不器用な方がおトクかも。きょうもありがとうございます。

19日(水)

約束をたがえてみたき春の雲

忙しいと、本当は、1日くらいさぼりたいのよ。

やくそくを たがえてみたき はるのくも
季語=春の雲
※春の雲は、ふんわりとして、あいまいなカタチであることが多い。
※そして、ときどき、美しい綿雲がぽかりと浮かぶことがある。
※誰のためでもないけれど。きょうもありがとうございます。

18日(火)

あまつさえままごとのまま冴返る

臆病な野心か、野暮な野心か。

あまつさえ ままごとのまま さえかえる
季語=冴返る
※緩んだかに思えた寒さが、またぶり返すこと。
※あちらこちらの屋根から先日の雪が滑り落ち、驚くような音を響かせていましたよ。
※どっかんと。きょうもありがとうございます。

17日(月)

日暮れには用もなくなり猫柳

地味なわりに、春の日ざしに、
よくよく目立ちます。

ひぐれには ようもなくなり ねこやなぎ
季語=猫柳
※猫柳は、水辺に自生する柳の仲間。
※葉の前に銀ねずみ色の毛につつまれた花穂をつけます。
※その花穂の毛が子猫のそれのようで、ネコヤナギといいます。
※庭木としても好まれます。きょうもありがとうございます。

16日(日)

春泥や選ぶほどには道はなく

雪解けで濡れた路面は、
歩きにくいほどの照り返しでした。

しゅんでいや えらぶほどには みちはなく
季語=春泥
※春の泥。雪解けや凍解けによって生じる、春のぬかるみのこと。
※数日後に、また雪? きょうもありがとうございます。

15日(土)

路肩には汚れし雪や久遠仏

慣れない大雪による
心身の疲労について。

ろかたには よごれしゆきや くおんぶつ
季語=雪
※久遠仏(くおんぶつ)とは、遥か遠い昔からの仏という意味です。
※お気をつけて。きょうもありがとうございます。

14日(金)

慢心も保身もならず春の雪

またぞろ、大雪の一日。

まんしんも ほしんもならず はるのゆき
季語=春の雪
※オリンピックで寝不足ぎみです。きょうもありがとうございます。

13日(木)

気まずさや青みを帯びしホウレンソウ

めんどうな人には、めんどうなのね。

きまずさや あおみをおびし ほうれんそう
季語=ほうれん草
※インド原産。本来は早春の野菜です。
※ホウレンソウは栄養豊富ですが、料理前にあく抜きをするというひと手間があります。
※よく言われる「報告・連絡・相談」。なかでも「連絡」が苦手だったかも。
※なんだこれ。きょうもありがとうございます。

12日(水)

ひいき目に見ればそれなり梅の花

何とくらべているんだい?

ひいきめに みればそれなり うめのはな
季語=梅の花
※奈良時代になるまでは、花といえば梅の花。
※ウメが中国から薬用として渡来したのは、おおよそ1300年も前の話なのだとか。
※きょうもありがとうございます。

11日(火)

紙くずは紙くずとして春氷

私ら、分別(ふんべつ)と分別(ぶんべつ)、
濁点ひとつで使い分けていたのですね。

かみくずは かみくずとして はるごおり
季語=春氷
※寒さの戻った春の日に、薄っすらと張る氷のこと。
※もしくは、うすうすと解け残った氷のこと。
※建国記念の日。きょうもありがとうございます。

10日(月)

気づかずに過ごした日々も木の根開く

探せばいろんな季語が、
まだまだあります。

きづかずに すごしたひびも きのねあく
季語=木の根開く
※降り積もった雪が、木の根のまわりだけ解けている様子。
※そこから雪解けがはじまります。きょうもありがとうございます。

9日(日)

はじまりをそこねてしまう雪だるま

目覚めたら思いもよらない勢いで、
昨夜の雪が解け出していた。

はじまりを そこねてしまう ゆきだるま
季語=雪だるま
※昨夜の東京はまるで雪国の風景。きょうもありがとうございます。

8日(土)

東京の雪はしずかに飽きるまで

ほんとに大雪、粉雪、雪しまき。

とうきょうの ゆきはしずかに あきるまで
季語=雪
※雪は、その形状から「六花(むつのはな)」とも呼ばれます。
※「雪しまき」は風が雪を巻きつけるの意味かと。雪まじりの強風です。
※20数年前の大雪はよく覚えていますが、16年前の大雪は今ひとつ思い出せない。
※明日は都知事選。きょうもありがとうございます。

7日(金)

まくし立てよそよそしげに春浅し

先日、メジロを、目撃したのだけれども‥‥

まくしたて よそよそしげに はるあさし
季語=春浅し
※立春を過ぎたとはいえ、まだまだ寒いこの期間のこと。
※明日は大雪の予報。塩のようなものを玄関に撒いている姿も。
※なるように。きょうもありがとうございます。

6日(木)

おさなさにかすかにけむる氷柱かな

10センチにも満たない
小さいツララの連なりを発見。

おさなさに かすかにけむる つららかな
季語=氷柱
※垂れる氷と書いて「垂氷(たるひ)」。ツララの古称だそうです。
※早朝のこと。きょうもありがとうございます。

5日(水)

雪解けや真昼の朝をしつらえて

うすく積もったきのうの雪。
軒先からしずくとなってしたたり落ちています。

ゆきどけや まひるのあさをしつらえて
季語=雪解け
※積雪が解けはじめること。
※雪解雫(ゆきげしずく)というきれいな季語もあります。
※またふるのかなぁ。きょうもありがとうございます。

4日(火)

しゃくしゃくと春立つという雪の上

雪の中を歩く。
天気予報の通りでした。

しゃくしゃくと はるたつという ゆきのうえ
季語=春立つ
※寒さはまだ厳しいですが、日脚も伸び、梅の花も咲きはじめました。
※旧暦のころは、元旦の前後に立春がありました。
※春と雪と。きょうもありがとうございます。

3日(月)

節分の日の鳩らしく鬼らしく

豆鉄砲、
見たことありませんが、
想像は付きますね。

せつぶんのひの はとらしく おにらしく
季語=節分
※立春の前日にあたる日、2月3日か4日。冬から春に入れ替わる境目のことです。
※境目なので「節分」は冬の季語です。きょうもありがとうございます。

2日(日)

物音を立てるでもなく枯葎

その多くには小さなトゲあります。

ものおとを たてるでもなく かれむぐら
季語=枯葎
※つる草の金葎(かねむぐら)などが枯れ果て、そのつるだけが絡み合った様子。
※ふつうにある雑草。きょうもありがとうございます。

1日(土)

冬の果ありそでなさそな冬の色

冬の色のイメージは
地域によって、それぞれありそうだ。

ありそでなさそな ふゆのいろ
季語=冬の果
※ようやく長い冬が終わるということ。
※実際には、暦上の春が来るだけなのだが。
※日は少し長くなった。きょうもありがとうございます。