• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2014年3月

31日(月)

満ち足りて空々しくも花盛り

東京は満開です。

みちたりて そらぞらしくも はなざかり
季語=花盛り
※古来より花といえば、桜のこと。
※満開となる姿を愛され、その見事な散りぎわを望まれます。
※夜桜も綺麗だろう。きょうもありがとうございます。

30日(日)

ささやかな秘密のありし桜五分

たいそうな春の嵐でしたが‥‥。

ささやかな ひみつのありし さくらごぶ
季語=桜
※散りやすいイメージのサクラですが、満開前はそうでもないらしい。
※自然とはよく出ています。きょうもありがとうございます。

29日(土)

毎日がサクラのなかにあるように

と、願います。

まいにちが さくらのなかに あるように
季語=桜
※今日は5分咲きといったところ。
※街の雰囲気が一変しますね。きょうもありがとうございます。

28日(金)

結ぶ手の指の合間に紫木蓮

こだわりを捨てさせることに、こだわる。
とどのつまりは、本末転倒。

むすぶての ゆびのあいまに しもくれん
季語=紫木蓮
※この時期、住宅街でよく見かける花木かと思います。
※紫色の大きな花が、空に向かって、いっせいに開きます。
※チューリップのように少し閉じたように咲く花。
※単にモクレンと書く場合は、紫色の花とされています。
※白い花は白木蓮(はくもくれん)と呼び分けています。
※白は目立つが花全体に一体感がある。紫は風景に馴染むが花が個々にある感じ。
※好みの問題でもあり‥‥。きょうもありがとうございます。

27日(木)

蛙には些細のいらぬ雨あがり

ぺしゃんことなったカエルを
立て続けに見ちゃいましたよ。

かえるには しさいのいらぬ あめあがり
季語=蛙
※冬眠から覚める時期であり、晩春は交尾期でもっとも鳴くため、
カエルは春の季語となっているようです。
※古句や和歌など雅な読み方として「かわず」があります。
※芸術を目指した芭蕉の名句は「かわず」と読ませ、
庶民派の一茶の名句は「かへる」と読ませますよね。
※この週末が満開とか。きょうもありがとうございます。

26日(水)

揺れながら木五倍子の花のひらきおり

写真うつりの悪い花、
というのも、あるのかもな。

ゆれながら きぶしのはなの ひらきおり
季語=木五倍子の花
※木の高さは2、3メートルくらい。
※細長い枝に、ぶどうの房状の花を無数に垂らします。
※遠目ではよくわかりませんが、薄緑色の花1つひとつは、
半開きの丸まった状態で咲きます。
※まさに鈴なり、かんざしの飾りのようにも見えます。
※その実にはタンニンが多く含まれ、江戸時代のお歯黒の材料となったそうです。
※その全景は優雅で風情のある花です。きょうもありがとうございます。

25日(火)

山茱萸の花にかしこき月明り

1本だけでは、
ちょっと寂しいかも。

さんしゅゆの はなにかしこき つきあかり
季語=山茱萸の花
※小さな黄色い花が球状に寄り集まって咲きます。
※ひとつの塊は20~30個ほどでしょうか。木の高さは5~6メートルほど。
※細い枝いっぱい咲くことから、春黄金花(はるこがねばな)とも呼ばれます。
※いつ咲くかとずっと待っていたんですよ。きょうもありがとうございます。

24日(月)

とりたてて言うこともなく彼岸過ぎ

話題がないわけではないが、
何を話せばいいのやら。

とりたてて いうこともなく ひがんすぎ
季語=彼岸
※春分の日を中心に3月18日から24日までの7日間が春の彼岸。
※先祖のお墓参りなどをします。
※春は「ぼたもち」と呼び、秋には「おはぎ」と呼び名が変わります。
※そんなこともあり。きょうもありがとうございます。

23日(日)

青空に染まらんとして辛夷咲く

近ごろの挨拶は、やっと春らしくなりましたね。

あおぞらに そまらんとして こぶしさく
季語=辛夷
※葉っぱの出る前に、六弁の白い花を枝先に付けます。
※ツボミが赤ん坊のコブシに似ていることから、この名が付いたと言われています。
※実際のツボミは、けっこう尖ったカタチをしていますけどね。
※満開になると、花の白がますます際立ちます。
※幻想かも。きょうもありがとうございます。

22日(土)

陽光に身じろぐ彼岸桜かな

関心がなければ、見過ごしています。

ようこうに みじろぐひがんざくらかな
季語=彼岸桜
※サクラのひとつで、開花の早い品種です。
※春の彼岸のころに咲くからヒガンザクラ。
※薄紅色の花は小ぶりな一重。ソメイヨシノのような華やぎはないかも。
※そんな感じでした。きょうもありがとうございます。

21日(金)

壊れやすくたんぽぽの背を撫でている

タンポポの茎は、わりと折れやすい。

こわれやすく たんぽぽのせを なでている
季語=蒲公英
※よく見るのは帰化した西洋タンポポ。日本タンポポは、いまやめずらしい。
※秋櫻子曰く、タンポポは「すべてに明るい景色に釣合う野趣に富んだ花である」とか。
※一輪だけのタンポポ、見た方によっては健気な花とも。
※また風の強い日。きょうもありがとうございます。

20日(木)

なんだかね春はなんだか疲れやすい

季節の変わり目は
どうも苦手のようで‥‥。

なんだかね はるはなんだか つかれやすい
季語=春
※眠いだけかもしれないが。きょうもありがとうございます。

19日(水)

少しだけ歯痒く思う落椿

厚ぼったい花弁なのに、寒がりらしい。

すこしだけ はがゆくおもう おちつばき
季語=落椿
※ツバキは、花びらではなく、花ごとぽとりと落下します。
※青森を北限とするそうで、基本は暖地を好む植物なのだそうです。
※寒がりで得したこと、ないかも。きょうもありがとうございます。

18日(火)

競うかのように駆け出す春一番

あまりの風の強さに、
口の中までじゃりじゃりじゃ。

きそうかの ようにかけだす はるいちばん
季語=春一番
※立春後にはじめて吹く南寄りの強風のことを春一番といいます。
※春を呼ぶ風として親しまれていますが、広く使われ出したのは意外にも戦後なのだとか。
※古くから一部の漁師が使ってた言葉を、気象用語として採用したそうです。
※サクラの咲く前に、春二番、春三番と続きますが、今年は例年になく遅い春一番でした。
※梅の花が散りはじめましたね。きょうもありがとうございます。

17日(月)

どれくらい眺めただろう春の雲

春一番は、まだ、みたい。

どれくらい ながめただろう はるのくも
季語=春の雲
※穏やかですね。きょうもありがとうございます。

16日(日)

心では棲み分けをせし花すみれ

ざっくりで、すいません。

こころでは すみわけをせし はなすみれ
季語=花菫
※紫色の花をうつむき加減に咲かせるスミレのこと。
※名前の由来は大工道具の「墨入れ」からきているとか。
※日本に咲くスミレは約50種。世界では約500種と仲間が多い。
※よくあるのは、壺すみれという種類なのだとか。
※やっと春らしく。きょうもありがとうございます。

15日(土)

いっときの迷いは消えて茎立ちぬ

年をとるのも、わるくないかも。

いっときの まよいはきえて くくたちぬ
季語=茎立つ
※食べ頃を過ぎ、野菜などの花茎が伸びることをいいます。
※一般的に「年頃でない」という意味の「とうが立つ」の語源です。
※冬に目を楽しませてくれた葉牡丹も、だいぶ茎が伸び、葉が開いてきました。
※それはそれで面白いけど。きょうもありがとうございます。

14日(金)

このところ三色菫とよく出会う

育てやすいのか、
あちこちの花壇で咲いています。

このところ さんしきすみれと よくであう
季語=三色菫
※サンシキスミレとは、パンジーのことです。
※江戸時代に渡来。ヨーロッパン原産の園芸種です。
※名前の由来は、一つの花の色が3色(紫・黄・白)であったから。
※現在ではいろいろな色のパンジーを見ることができます。
※ビロードとベルベット、まったく別の素材だと思っていました。
※そうビロードのような花です。きょうもありがとうございます。

13日(木)

雨足を正すつもりの黄水仙

傘をさせないほどの強風の日の雨、
メガネ君にはつらい。

あまあしを ただすつもりの きずいせん
季語=黄水仙
※この時期に咲く小型の黄色いスイセンです。
※総称ではなく、キズイセンという名のアルジェリア原産の一品種です。
※願っても止む気配なし。きょうもありがとうございます。

12日(水)

せいいっぱい背伸びをしてるヒヤシンス

春の装いには、ちょっと早かった。

せいいっぱい せのびをしてる ひやしんす
季語=ヒヤシンス
※20センチほどの花茎に、ユリに似た小花が群がり咲きます。
※ユリ科の球根植物で、色彩が豊富で香りもいい。
※球根は秋に植える。冬を越して2~3月に花を付けます。
※小学生の頃に経験した水栽培。かすかな記憶は、花よりも白い根っこ。
※なんとなく冷える。きょうもありがとうございます。

11日(火)

春光と呼びたし少しだけ寒い

試しに、心に思ったことを
そのまま(少し加工して)、俳句にしてみたよ。
(玄関を出て青空を見上げたときに思ったこと)

しゅんこうとよびたし すこしだけさむい
季語=春光
※春の暖かい日差しのこと。
「創刊号の巻頭句」、今回は荻原井泉水の「層雲」のこと。
※両の手を。きょうもありがとうございます。

10日(月)

大声にかき消されしも山笑う

ちりも積もれば、何とやら。

おおごえに かきけされしも やまわらう
季語=山笑う
※芽吹き明るくなった山のこと。街や里からみた山の様子です。
※きょうもありがとうございます。

9日(日)

この先は惰性となりしシクラメン

遠慮がなくなると
惰性となるのかも(?)

このさきは だせいとなりし しくらめん
季語=シクラメン
※一本一本の茎の先に、赤い花びらを立てるかのように咲き誇ります。
※その炎のような花のカタチから篝火草(かがりびそう)とも呼ばれています。
※地中海原産の花で、日本では本来3~4月に咲く花です。
※最近では、クリスマスや正月の花として人気なのだとか。
※風が冷たいね。きょうもありがとうございます。

8日(土)

杉花粉雑談としてひとくさり

昔から、誰彼となく、
いつそうなってもおかしくないと
まことしやかに語りますが‥‥

すぎかふん ざつだんとして ひとくさり
季語=杉花粉
※スギは日本特有の高木で、本州から九州まで広く自生しています。
※古代は長寿のシンボルとして神聖視されていたそうです。
※大昔からあるのに。きょうもありがとうございます。

7日(金)

ふり払うこともできすに牡丹の芽

ボタンの花はひどく目立つ。
その芽も否が応でも目立つ。
どんな気持ちなのだろうと思って‥‥。

ふりはらう こともできずに ぼたんのめ
季語=牡丹の芽
※ボタンは初夏に美しく咲く、艶やかな大輪の花。
※その芽はまるで炎のような姿で、葉のない枝の先に芽吹きます。
※火にはお水を。きょうもありがとうございます。

6日(木)

一輪に沈丁の香のふくよかに

事実にしても、少々大げさかも。
人づての話など、たいていはそんなもの。

いちりんに ちんちょうのかの ふくよかに
季語=沈丁
※可愛らしい四弁の小花が丸く玉のように群れ咲きます。
※開くと白い花なのですが、不思議とつぼみは赤い。
※赤と白のバランスがオセロのように変わります。
※春を告げる香りです。きょうもありがとうございます。

5日(水)

気まずさを執り成すように春の雨

雨のおかげで、予定が変わって‥‥
ほっとした。

きまずさを とりなすように はるのあめ
季語=春の雨
※春の雨は、春に降る雨全般のことです。
※やさしい雨も、やさしくない雨も、区別はありません。
※春雨(はるさめ)と語順をかえると、それは「やさしい雨」となります。
※それにしてもすごい雨。きょうもありがとうございます。

4日(火)

はりぼての心をなぶる春日かな

つまらない見栄だけは、
張りたくない、のだけれども。

はりぼての こころをなぶる はるひかな
季語=春日
※春の日差しのこと。または春の一日。
※だいたいは、その文脈から判断します。
※太陽であることを強調したいときは「春陽」と書く人もいます。
※明るい太陽が‥‥。きょうもありがとうございます。

3日(月)

ミモザ咲き来た道ゆえに振り返る

けして後ろ向きではないけれど、
前向きでないときの、よくあるパターン。

みもざさき きたみちゆえに ふりかえる
季語=ミモザ
※日本名は銀葉アカシア。オーストラリア原産のアカシアの一種です。
※細い枝に群がり咲く、黄色い球状の花が、輝くかのように印象的です。
※は明治初期に渡来し、庭木や切り花として親しまれています。
※海外では香水の原料にするそうです。
※そいえば、ひな祭りでした。きょうもありがとうございます。

2日(日)

たおやかな返事を綴るつくづくし

筆不精ですが、ときには、
手紙もいいなぁ~、と思います。

たおやかな へんじをつづる つくづくし
季語=つくづくし
※「つくづくし」は、ツクシの古い呼び方です。
※その姿が土に生えた筆のようだと、土筆という字が当てられました。
※若いうちに摘んで佃煮などにします。
※伊豆は菜の花も土筆もいっぱいでしたよ。きょうもありがとうございます。

1日(土)

満面の河津桜の笑顔かな

人気の「河津桜まつり」、見事に満開でした。

まんめんの かわずざくらの えがおかな
季語=桜
※河津桜は、まだまだ寒い2月中旬から咲き始めます。ソメイヨシより2か月もはやい
※静岡県賀茂郡河津町に河津桜の原木があります。
※ひと口にサクラといっても、現在その品種は600以上もあるそうです。
※河津桜、今が見ごろです。きょうもありがとうございます。