今日の俳句、こうのこうき
2014年4月
30日(水)
山吹はくっきり咲いて密やかに
街中では、目立つようで、目立たない気がします。
やまぶきは くっきりさいて ひそやかに季語=山吹 ※しなやかな枝に深みある黄色い花。 ※山吹色の名は、この花の名前から付きました。 ※一重のヤマブキは日本原産で、全国に自生しています。 ※八重咲きのヤマブキはそのほとんどが栽培種だといいます。 ※ヤマブキは一重は花のあと実を結びますが、八重は結実しない。 ※あちこちで咲いていますね。きょうもありがとうございます。
29日(火)
取り戻すことのできない昭和の日
自信のない自信家など、思い出すだけでうんざりですよ。
とりもどす ことのできない しょうわのひ季語=昭和の日 ※4月29日は、もとは昭和時代の天皇誕生日でした。 ※昭和天皇のご崩御のあとに「昭和の日」と改められました。 ※ご崩御された日、街では号外が配られました。それがたぶん生まれはじめてみた号外。 ※すでに26年も前のことですよ。きょうもありがとうございます。
28日(月)
混沌として石楠花は大輪に
大型の美しい花は、ツツジに似たほどほどの花の集合体。なのに、ツツジとはちがうのだ。
こんとんとして しゃくなげは たいりんに季語=石楠花 ※街中でよく見るシャクナゲは、ほとんどが西洋シャクナゲという園芸種だそうです。 ※日本にもいくつか自生種もあるそうですが、それらは山に咲くそうです。 ※小さな場所で‥‥。きょうもありがとうございます。
27日(日)
一見のゆるさも含め葱坊主
これも花。いろんな花のかたちのひとつ。
いっけんの ゆるさもふくめ ねぎぼうず季語=葱坊主 ※ネギの青い部分が茎。その頂に白い小花を球状に咲かせます。 ※たとえれば、バランスのわるいタンポポの綿毛のような花です。 ※採種用に畑に残されたネギが花を付けています。 ※親近感もあったりなかったり。きょうもありがとうございます。
26日(土)
なめらかな爪切りあとの日永かな
妙に気ぜわしい一日でしたよ。
なめらかな つめきりあとの ひながかな季語=日永 ※冬のあとだけに、春は日が長くなったと切実に感じます。 ※暦上では夏至の前後が一番日が長いのだけれども、心情としては、やはり春。 ※けっこう、あつかった。きょうもありがとうございます。
25日(金)
小でまりの花のかたさの慎ましく
小さい小さい花たちが、ギュッと集まって咲く感じ。
こでまりの はなのかたさの つつましく季語=小でまり ※白い小花がマリのように丸く集まって咲くことから、小手毬といいます。 ※細い枝にいくつものマリを携え、弧を描き垂れ下がります。 ※曲線の花。きょうもありがとうございます。
24日(木)
小気味よく咲いて五弁の花林檎
散歩の途中でリンゴの木を見つけましたよ。
こきみよく さいてごべんの はなりんご季語=花林檎 ※ツボミのころは赤く、開くと白い五弁花。 ※遠目では白ですが、近くで見ると薄く紅が入っています。 ※現在の西洋リンゴが普及しはじめたのは、明治に入ってからといいます。 ※ツボミはなかった。きょうもありがとうございます。
23日(水)
揺すられて風はどこより花馬酔木
風の音が聞こえそう、なんて‥‥。
ゆすられて かぜはどこより はなあしび季語=馬酔木の花 ※ツツジ科の常緑樹。スズランに似た白い花が集まって咲き、房のように垂れます。 ※花はさらさらとして乾いた感じがします。花色は白と薄紅。 ※寒さに強く、全国北海道に至るまで庭木として重宝されているそうです。 ※馬や牛が食べると酔ったようになるから「馬酔木」。 ※微妙だね。きょうもありがとうございます。
22日(火)
退屈を持て余しては春ごたつ
5月ともなれば、暦のうえでは夏ですね。
たいくつを もてあましては はるごたつ季語=春炬燵 ※春になっても出したままのコタツのこと。 ※現在の電気コタツと、昔の火を入れるコタツとでは、その手間がまったく違うが。 ※肌寒い日が続きますね。きょうもありがとうございます。
21日(月)
春眠やはかなき故に抜け目なく
しつこく、うとうととしています。
しゅんみんや はなかきゆえに ぬけめなく季語=春眠 ※唐の詩の一節、「春眠暁を覚えず」から生まれた季語です。 ※寒くもなく暑くもない、そんな春の日の眠りは心地よい。 ※とはいえ、春炬燵。きょうもありがとうございます。
20日(日)
大げさにつつじは咲いて赤と白
つつじの季節ですね。
おおげさに つつじはさいて あかとしろ季語=つつじ ※街録樹や庭園の定番の花ですが、野生のツツジは山野に自生しています。 ※花の種類が多い。各地に名所があります。 ※園芸種は派手ですね。きょうもありがとうございます。
19日(土)
見間違うこともなくなり花みずき
似たような花が多い。
みまちがう こともなくなり はなみずき季語=花水木 ※北アメリカ産の花です。街路樹などでよく見ます。 ※初夏に咲く「山法師の花」によく似ており、別名をアメリカ山法師ともいいます。 ※葉っぱの出る前に、四枚の花に見える苞が開きます。 ※ヤマボウシとの違いは苞の先端のカタチ。ミズキはハート型、ヤマボウシは尖っている。 ※有名な歌の印象から花色は「薄紅色」だけと長いこと思っていました。 ※白も薄紅色も満開。きょうもありがとうございます。
18日(金)
お愛想のひとつもありて春愁い
どこか、ふわふわした感じだ。
おあいその ひとつもありて はるうれい季語=春愁い ※「春はなんなく気だるい」というが、確かに気だるいものかもしれない。 ※そこはかとなく。きょうもありがとうございます。
17日(木)
勝ち負けの空々しさに藤の花
別格のような佇まいです。
かちまけの そらぞらしさに ふじのはな季語=藤の花 ※日本原産のマメ科のつる性植物。公園などの藤棚でなじみ深い花です。 ※その枝先にたくさんの薄紫色の四弁花をつけ、優雅にぶら下がっています。 ※浮世離れとも。きょうもありがとうございます。
16日(水)
告げ口のようだと笑う桜蘂
無力だねぇ~。
つげぐちの ようだとわらう さくらしべ季語=桜蘂 ※古くは「桜蘂降る」で季語とされてきました。 ※地面が赤く見えるほどに、蘂が降り落ちることも。 ※最近の季語集では、「桜蘂」だけで季語としているものも。 ※時代ですかね。きょうもありがとうございます。
15日(火)
まっすぐに立てば自ずと風光る
真っ直ぐなようでいて、じつはみなそれぞれにクセがあったりする。
まっすぐに たてばおのずと かぜひかる季語=風光る ※風が光っているかのように感じること。心象風景を表す季語。 ※そろそろ新緑のころを意識します。きょうもありがとうございます。
14日(月)
春満月罪悪感の置きどころ
暦上では明日というが、見た目はほぼ真ん丸ですね。
はるまんげつ ざいあくかんの おきどころ季語=春満月 ※火星と満月!? きょうもありがとうございます。
13日(日)
慢心のひと目でわかる八重桜
それを自覚したときには‥‥。
まんしんの ひとめでわかる やえざくら季語=八重桜 ※花びらが八重に咲くサクラ。花期は染井吉野などよりも遅い。 ※満開ともなれば、ぼってりとした自重に枝が垂れさがる。 ※サクラの塩漬けには、八重桜を使うそうですね。 ※今が盛りですか。きょうもありがとうございます。
12日(土)
悪習は抜けざるものか春の風
根性曲りと、ひねくれものは、違うと信じたーい。
あくしゅうは ぬけざものか はるのかぜ季語=春の風 ※春の風は、陽気でもあり、冷たくもあり、やさしくもあり、激しくもある。 ※それが人間なら情緒不安定だな。きょうもありがとうございます。
11日(金)
同情の欠片が憐れ春の月
いつも機嫌がいい、というのは、本当にすごいことなのかも。
どうじょうの かけらがあわれ はるのつき季語=春の月 ※おぼろ(ぼんやりとしている様)を愛でるのが、春の月といいます。 ※ときどき曖昧。きょうもありがとうございます。
10日(木)
見開いて終わりのみえるチューリップ
夕方のものすごい風、目を開けていられないくらいでしたよ。
みひらいて おわりのみえる ちゅーりっぷ季語=チューリップ ※チューリップといえばオランダが有名ですが、日本で広く普及したのは明治・大正でした。 ※その原種は中央アジアにあるといいます。現在では3,000以上の品種があるとか。 ※究極はレインボーチューリップでしょうか。茎から特殊インクで色付けするらしいけどね。 ※知ってました? きょうもありがとうございます。
9日(水)
背骨浮く冷蔵庫には春キャベツ
「みずみずしくて、やわらかい!」とか。 「ほのかな甘み!」とか。 「ビタミンCたっぷり!」とか。 よく見る春キャベツの売り文句は、そんな感じかな。
せぼねうく れいぞうこには はるきゃべつ季語=春キャベツ ※春キャベツは、新キャベツとも呼ばれます。 ※キャベツは夏の季語で、野菜として普及したのは明治以降のこと。 ※旬ですからね。きょうもありがとうございます。
8日(火)
誰からもやさしくされて花蘇芳
庭木として、人気なんですね。
だれからも やさしくされて はなずおう季語=花蘇芳 ※スオウの花の色は紅紫。蝶々のような小花が裸木の枝に群がり咲きます。 ※「びっしり」といった表現がぴったりなほど、びっしりと花が集まり咲きます。 ※染料の中に「蘇芳」と呼ばれるよく似た色があるそうです。名前はそこから。 ※そして葉っぱはハート形。きょうもありがとうございます。
7日(月)
桜の葉出で満足のゆく歪み
サクラ、とくにはソメイヨシノ、 ぼちぼち幼い葉が出はじめましたね。
さくらのはいで まんぞくのゆくゆがみ季語=桜 ※サクラは非日常。きょうもありがとうございます。
6日(日)
なるようになればと思う飛花落花
数年前とまるで同じ、なんてことは、めったにない。
なるように なればとおもう ひからっか季語=落花 ※落花は、サクラの花びらがひらひらと散る様子。 ※飛花も季語です。風に乗り流れるように散ることでしょうか。 ※おだやかに。きょうもありがとうございます。
5(土)
煮え切らぬ歩みのままに遠柳
満開のサクラの中で揺らいでいるヤナギを見つけました。
にえきらぬ あゆみのままに とおやなぎ季語=遠柳 ※ヤナギの説明などは不要でしょうか。 ※でも世界に300以上の品種があるそうです。 ※よく見るヤナギは奈良時代に中国から渡来したそうです。 ※街路樹しか知りませんが。きょうもありがとうございます。
4日(金)
うわさとてひとり歩きの花衣
明日あたり、見事な花吹雪がみれるかも。
うわさとて ひとりあるきの はなごろも季語=飛花 ※花見に着ていく衣服のこと。特に女性がきれいに着飾ったもの。 ※華やかな江戸文化の富裕層は、花見のための晴れ着を特別に用意したとか。 ※夕方、ひょう降った? きょうもありがとうございます。
3日(木)
花散らす雨や小さくことづけを
サクラの品種は、意外に多い。
はなちらすあめや ちいさくことづけを季語=花 ※サクラの花のこと。 ※詩歌の世界で「花といえば桜」となったのは、平安時代に編まれた「古今和歌集」からと言われています。 ※自生種だけで30種類あるといわれています。 ※園芸品種づくりは江戸時代から。その数は現在600品種以上にもなるとか。 ※雨脚が強くなってきた。きょうもありがとうございます。
2日(水)
鼻かんで見つめる先の諸葛菜
諸葛菜は江戸時代に中国から渡来したそうですが、急激に増えたのは戦後なのだとか?
はなかんで みつめるさきの しょかつさい季語=諸葛菜 ※『三国志』の諸葛孔明が行軍中に種を撒き、兵糧としたことからこの名が付きました。 ※目的は兵士たちの脚気予防だったとか(昔、マンガで読んだ)。 ※十字のカタチをした青紫の花が、大根の花に似ています。 ※そのため一般的にはハナダイコンとも呼ばれるそうです。 ※別名は、「おおあらせいとう」、「むらさきはなな」。 ※あちこちで、ほぼ野生化していますよ。きょうもありがとうございます。
1日(火)
満開の桜とともにある憂鬱
この状態をどれくらい保つものなのか。
観察したことなかった。
まんかいの さくらとともに あるゆううつ
季語=桜
※新年度、消費税8%となりましたね。きょうもありがとうございます。