今日の俳句、こうのこうき
2014年5月
31日(土)
大見得を切って久しいクレマチス
ストレスとプレッシャーは、どうしたって似た者同士。
おおみえを きってひさしい くれまちす季語=クレマチス ※クレマチスはそのツルを木や網にからめ、大きな花を幾つも咲かせます。 ※花の美しさもさることながら、その大きさに似合わないツルの細さに驚きます。 ※しかも美しい花は、花びらのようでいてガクの変化したもの。 ※中国のテッセン、日本のカザグルマなど、様々なつる性植物の原種を掛け合わせて作られた、「つる性植物の女王」、なのだとか。 ※もう6月ですよ。きょうもありがとうございます。
30日(金)
いつになく乾いた笑い小判草
信号わきの駐車場の花壇に、かたまって咲いていました。ずっと雑草だと思っていましたよ。
いつになく かわいたわらい こばんそう季語=小判草 ※小判のようなカタチの穂をぶら下げています。 ※これが夏の間に熟れて黄色く変化します。 ※穂の大きさは小指の第一関節ほどで、少しの風によく揺れます。 ※もともとは明治時代にヨーロッパから観賞用に輸入された花なのだとか。 ※言うほど小判ではないが。きょうもありがとうございます。
29日(木)
青空に白けてしまう栗の花
なぜかは知りませんが、うちの周辺には「生産緑地」と呼ばれる土地がやたら多い気がします。栗林が満開です。
あおぞらに しらけてしまう くりのはな季語=栗の花 ※長いこよりのような花が、ふわふわといっせいに開花します。 ※黄色みを帯びた白い花は、青臭いような独特な匂いを放ちます。 ※木全体を覆うように咲くこの花は、遠目から眺めるのがいいようです。 ※桃栗三年。きょうもありがとうございます。
28日(水)
夕焼けの足どりみつめ立葵
駅前の川に添うように、うす紅色のタチアオイがいっせいに咲き始めました。
ゆうやけの あしどりみつめ たちあおい季語=立葵 ※背の高い、いかにも夏らしい大きな花です。 ※その他に濃紅、白、紫などがあります。 ※花は下から上へ順番に咲きのぼる、といわれています。 ※自然には例外も多い。きょうもありがとうございます。
27日(火)
皮肉すら届かぬらしくかつむり
決意というものは、無言がよく似合うようです。
ひにくすら とどかぬらしく かたつむり季語=蝸牛 ※殻を背負う軟体動物。陸生の巻貝です。 ※のんびりしているようでいて、そのじつ木や草の若芽や若草を食べてしまいます。 ※梅雨時に多く、園芸をしている人には、まさに駆除の対象です。 ※このところ曇天が続きますね。きょうもありがとうございます。
26日(月)
玉繭は皮肉なことに美しく
先日、テレビで見たのよ。
たままゆは ひにくなことに うつくしく季語=玉繭 ※蚕(かこい)のまゆのこと。玉繭はその美称です。 ※4月にふ化する春蚕(はるご)のまゆは質量ともに、とくに上等なのだとか。 ※養蚕(ようさん)農家では、年に数回カイコを飼育するそうです。 ※初夏にふ化させるカイコは夏蚕(なつご)。秋は秋蚕(あきご)といいます。 ※以前から興味のあった富岡製糸場。世界遺産への登録が決まり大人気のようですね。決まる前に思い切って行っておけばよかった‥‥。 ※いろいろ変わるよね。きょうもありがとうございます。
25日(日)
小説の中に逃げ込む江戸風鈴
まだ扇風機も出していませんが、思いがけない暑さに。
しょうせつの なかににげこむ えどふうりん季語=江戸風鈴 ※今年こそもう少し音色のいい風鈴を買おうと思います。 ※ちりりん。きょうもありがとうございます。
24日(土)
青葉して気まずきこともそのままに
状況が変われば、相性も変わるでしょう?
あおばして きまずきことも そのままに季語=青葉 ※初夏のみずみずしい若葉にフォーカスした季語といえます。 ※これからますます緑が深まる感じを含んでいます。 ※ふつうのこと。きょうもありがとうございます。
23日(金)
雑草の表と裏にてんと虫
テントウムシの仲間には、益虫もいれば害虫もいるそうだ。
ざっそうの おもてとうらに てんとむし季語=てんとむし ※天道虫(てんとうむし)のこと。俳句では、「てんとむし」とも書きます。 ※枝や葉の上などを這っている姿をよく目にします。 ※赤地に黒い斑点、または黒地に赤い斑点、斑点の数も異なるなど様々な種類がいます。 ※街中でよく見るのは益虫。きょうもありがとうございます。
22日(木)
すずらんや優しきゆえにせめぎ合う
だとしたら、じつに、めんどくさい関係だ。
すずらんや やさしきゆえに せめぎあう季語=鈴蘭 ※清楚で可憐な花の代表だろうか。別名は君影草。 ※鈴のようなカタチの花を連なり咲かせます。 ※名前に「蘭」の字が入りますが、ユリの仲間。 ※雷すごかった。きょうもありがとうございます。
21日(水)
アイリスもどっさり咲けば投げやりに
軽いめの燃え尽き症候群。それは誰にでもあることかと。
あいりすも どっさりさけば なげやりに季語=アイリス ※別名を「西洋あやめ」、または「オランダあやめ」とも。 ※その名の通り。西洋で改良されたアヤメの仲間です。 ※本来はアヤメの仲間の総称として、アイリスと呼ぶらしい。 ※ただ、西洋で改良された花は、日本のそれとはやはり趣が異なりますね。 ※青紫色や黄色のダッチ・アイリスをよく見るかもしれない。「明るさ」が信条か。 ※夜は肌寒い。きょうもありがとうございます。
20日(火)
慌ただしく脱ぎ散らかして竹の皮
久しぶりに竹林の前を通った。すでにもう若竹になっていた。また新しい竹の子も生えてた。
あわただしく ぬぎちらかして たけのかわ季語=竹の皮 ※タケノコは成長するにつれ、下の節から皮を落して行きます。 ※先端はタケノコの形状のまま、見上げるほどの高さまで成長します。 ※おにぎりなどを包む竹の皮は、それらが自然に剥落したものを採取するそうです。 ※明日はずっと雨みたい。きょうもありがとうございます。
19日(月)
都忘れ洗いざらしのシャツを着る
あまり語呂がよくありませんが、「都忘れ」は花の名前ですよ。
みやこわすれ あらいざらしの しゃつをきる季語=都忘れ ※情緒ありげな名前ですが、キク科の花らしい平凡な花です。花色は青紫や濃紫など。 ※鎌倉時代、佐渡に流された順徳帝が詠んだ和歌から名付けられたとか。 ※そこらに自生する花なのかと思えば、江戸時代からの園芸品種だそうです。 ※駅前の花屋さんに並んでた。きょうもありがとうございます。 (日付を書き間違えました。修正しました。)
18日(日)
花あやめ強気なふりも見透かされ
褒めることがムズカシイのではなく、貶さないということがムズカシイのかも。
はなあやめ つよきなふりも みすかされ季語=花あやめ ※アヤメはショウブと同じ「菖蒲」と漢字をあてる場合があります。 ※昔はショウブもカキツバタもまとめてアヤメと呼んだ名残りらしいです。 ※アヤメは陸に咲き、ショウブは水辺に咲く。 ※俳句では一般的に、渓流の「渓」にソン(草冠に孫 ※ネットでは印字できません)の字を使います。 ※努力なしには無理かも。きょうもありがとうございます。
17日(土)
緩急をつけて仄かに薔薇の園
俳句は「ひねる」というだけあって、ひねくれ者は多作のようです。
かんきゅうを つけてほのかに ばらのその季語=薔薇園 ※この時期、バラの花があちこちで賑やかに咲いてます。 ※園芸品種は毎年のように新しいものが登場するそうです。 ※日本にもバラの原種がありますが、南半球ではバラが自生していないとか(ウィキペディアより)。ちょっと意外でした。 ※最近は「つくる」、「書く」が一般的ですけどね。きょうもありがとうございます。
16日(金)
身軽さを誇るが如く山法師
咲きはじめは、軽やかで、どこか弱々しい。
みがるさを ほこるがごとく やまぼうし季語=山法師 ※白い頭巾をかぶった比叡山延暦寺の「山法師」の姿に喩えて、この名が付いたそうです。 ※白い花びらは苞の変形したもので、本当の花は中心にある黄緑色の丸い部分です。 ※花水木とよく似ていますが、妖精の耳のように先が尖っているのが山法師の花です。 ※あっという間に5月も半ば。きょうもありがとうございます。
15日(木)
応援をするまでもなく棕櫚の花
「いつまで続くのだろう?」という興味から、このサイトをときどき覗く人もいるらしい。
おうえんを するまでもなく しゅろのはな季語=棕櫚の花 ※ヤシ科、枝のない、まっすぐ伸びる黒褐色の常緑高木。 ※その頂にある葉の間から、粟粒のような花が無数に集まって咲く。 ※寄り集まった花たちは、特徴的な黄色い穂のようになります。 ※気持ちはわかります。きょうもありがとうございます。
14日(水)
韮の花いちにのさんで水曜日
パソコンは、良くも悪くも便利過ぎだ。
にらのはな いちにのさんで すいようび季語=韮の花 ※白い小さい花。特別な花かと思いきや、そこらの道端でよく見かける。 ※今さらですが。きょうもありがとうございます。
13日(火)
つまずけば明日は我が身かスイカズラ
金の斧、銀の斧、落したのは、どちら?
つまずけば あすはわがみか すいかずら季語=忍冬の花 ※つる性の常緑木で、忍冬(にんとう)の花とも呼ばれます。 ※花ははじめ白く2、3日すると黄色みを帯びてきます。 ※白い花と黄色くなった花が同じ木に咲いている様子から、金銀花(きんぎんか)とも。 ※花の蜜を子どもが好んで吸っていたことから、和名がスイカズラとなったとか。 ※ある意味、言いがかりかも。きょうもありがとうございます。
12日(月)
アベリアは香の強き花夏の月
我も強いかもしれない。
あべりあは かのつよきはな なつのつき季語=夏の月 ※アベリアはスイカズラ科の常緑低木で、大通りや公園などの生け垣として人気です。 ※季語ではありません。 ※夏の月といえば、基本的には涼しげなイメージだ。 ※風邪と不機嫌は相性がいい。きょうもありがとうございます。
11日(日)
片言で済ませてしまうヒナゲシは
久しぶりに38度まで熱が出て、これはもしや遅めのインフルエンザか!?、と、少々期待したりなんかもしましたが、残念、なんか違った。
かたことで すませてしまう ひなげしは季語=ひなげし ※別名は、虞美人草。フランス語では、コクリコ。 ※この時期、半野生化したヒナゲシがあちこちで咲いています。 ※近ごろは、ピンクではなく、オレンジの花色をよく見かけます。 ※できれば、いろいろと、問答無用でサボりたかった。。。きょうもありがとうございます。
10日(土)
あいさつは短めがよし風薫る
風は心地よいのですが、この季節の変わり目に、近ごろ少々閉口しております。
あいさつは みじかめがよし かぜかおる季語=風薫る ※薫風(くんぷう)ともいいます。この時期、手紙の書き出しなどにもよく使われます。 ※どうも調子が‥‥。きょうもありがとうございます。
9日(金)
脇道にそれて大きく若葉雨
間一髪、濡れずにすんだ。
わきみちに それておおきく わかばあめ季語=若葉雨 ※若葉のころに降る雨。 ※新緑がキレイです。きょうもありがとうございます。
8日(木)
何ごとも四角四面の薄暑かな
融通が利かない、というよりは、無駄に中途半端な気がします。
なにごとも しかくしめんの はくしょかな季語=薄暑 ※初夏、なにげに暑いと感じる日。 ※そんな季節ですね。きょうもありがとうございます。
7日(水)
葉桜や一年前が懐かしく
夏の前に梅雨があることを、つい忘れてしまいそうです。
はざくらや いちねんまえが なつかしく季語=葉桜 ※若葉が気持ちいい。きょうもありがとうございます。
6日(火)
満ち欠けの隙間を埋める桜草
世の中には、人工の花畑には興味がない、という人もいますけどね。
みちかけの すきまをうめる さくらそう季語=桜草 ※原種の花がサクラに似ていることから、サクラソウと名付けられたといいます。 ※江戸時代に栽培が盛んに行われ、さまざまな園芸品種が生まれました。 ※花色は、薄紅のほか、赤、白、黄、濃紫、絞りなど様々。 ※現在、原種の数は大幅に減り、絶滅のおそれもあるのだとか。 ※連休も終わり。きょうもありがとうございます。
5日(月)
弁当の端に小さき柏餅
幕の内弁当の中に500円玉くらいの小さな柏餅が入っていました。 端午の節句だからなのでしょうが、餅をくるんでいた小さな柏の葉のようなもの、あれは何だったのだろう? 今になって、気になりはじめました。
べんとうの はしにちいさき かしわもち季語=柏餅 ※子どもの日が制定されたのは、終戦から3年目の昭和23年のことらしい。 ※寄席、面白かったよ。きょうもありがとうございます。
4日(日)
ゆるゆるとひび割れてゆく春惜しむ
人生最長。関東近県のとある有名店で3時間以上も並びましたよ。 でもね、人間がある目的のために、そう一般的に、機嫌よく並んで待ていられる時間など、そんなに長いものではないようです。 (周囲の人間模様が面白かった。)
ゆるゆると ひびわれてゆく はるおしむ季語=春惜しむ ※いよいよ春も終わりか~、というニュアンスのときに使う季語です。 ※まさかの炎天下だったしね。きょうもありがとうございます。
3日(土)
勝ち負けに懲りて憲法記念の日
勝ち負けにこだわる人は苦手だが‥‥。自分はこだわらない、とは、とても言えないので、困ります。
かちまけにこりて けんぽうきねんのひ季語=憲法記念日 ※扱いにくい季語ですね。きょうもありがとうございます。
2日(金)
円満にはこび八十八夜なり
のはずだったが、仕事のスケジュールが大幅に狂い‥‥
えんまんにはこび はちじゅうはちやなり季語=八十八夜 ※立春からはじめて88日めのことで、新暦は大体5月2日にあたります。 ※霜が張る心配もなくなり、農業の忙しくなる節目の日だといいます。 ※大型連休って、どこの国の話でしょうか? きょうもありがとうございます。
1日(木)
淡々と続けるばかり姫女苑
ゆる~い感じだから続くのか。何でもそうかも。
たんたんと つづけるばかり ひめじょおん季語=姫女苑 ※花期は長く、5~10月くらいまで咲いています。 ※キクに似た小さい花は、よく見れば淡い紫色をしています。 ※明治維新のころにアメリカから渡来したそうです。 ※今ではいたるところで見る雑草なのですが。 ※その若葉は和え物やお浸しとして食べることもあるそうですよ。 ※ハルジオンとよく似ていますが、ヒメジョオンでした。 ※たぶんそうだと。きょうもありがとうございます。