• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2015年6月

30日(火)

同情とトマトの色を見比べる

同情はおおよそ裏切られる。
お互い様だけど。

どうじょうと とまとのいろを みくらべる
季語=トマト
※トマトはナス科。花はウリの花に似た黄色です。白色もあるとか。
※原産地はアンデス山脈の乾燥地帯だと言われています。
※日本で本格的な栽培が始まったのは、意外にも昭和に入ってからなのだとか。
※野菜はあまり甘やかさない方が美味しくなるそうなのですが‥‥。
※ベランダで育てているミニトマトの実が色付きはじめました。
※完熟するまで待つ。きょうもありがとうございます。

29日(月)

さくらんぼ然したる意味はないにせよ

真っ赤なサクランボ(冬ならイチゴ)、
用がなくとも、ついつい目が行ってしまう。

さくらんぼ さしたるいみは ないにせよ
季語=さくらんぼ
※サクラの仲間で、基本的には西洋実桜と呼ばれる生食用の実です。
※花見のサクラにも実はなりますが、食すことはできません。
※とっても高価なものからそれなりのものまで種類が豊富。
※桜桃(おうとう)という高そうな呼び名も。きょうもありがとうございます。

28日(日)

口ぐせのいつしかうつり夏落葉

気づかずに過ごしていることが多い。

くちぐせの いつしかうつり なつおちば
季語=夏落葉
※常緑樹の落葉のこと。
※常緑の木々は、ひっそりと新旧の葉を入れ替えています。
※口ぐせも変ります。きょうもありがとうございます。

27日(土)

黄昏のこころにやどる蝸牛

カタツムリのかわいらしさは
その殻であって、
本体はよくよく見ると奇怪だ。

たそがれの こころにやどる かたつむり
季語=蝸牛
※カタツムリの主食は、木や草の若芽や若葉です。つまり害虫。
※見様によってはユーモラス。きょうもありがとうございます。

26日(金)

結局は打ち解けぬまま苔の花

そもそも他人の心のうちなど、
自分勝手に想像しているだけでしょう?

けっきょくは うちとけぬまま こけのはな
季語=苔の花
※実際は花のようにみえるもので、花ではありません。
※コケは胞子のうというものを作り、梅雨の時期に突起させます。
※その名の通り、白や薄紫色の胞子の詰まった袋です。
※単に青々としたコケそのものを花と見立てることもあります。
※あたりもあれば、はずれもあるよ。きょうもありがとうございます。

25日(木)

あれこれと両手ふさがる茄子の花

煮ても、焼いても、
蒸してもうまい。

あれこれと りょうてふさがる なすのはな
季語=茄子の花
※全体は紫で芯が黄色い花。色合いは素敵だが、なぜか目立たない。
※インド原産、奈良時代に中国から日本に伝わったと言われています。
※咲けばすべて実になると昔から言われていますが、
じつはそうでもありません。梅雨時はなおさら。
※漬けてもうまい。きょうもありがとうございます。

24日(水)

見上げれば青天井の草いきれ

この暑さに、草の強いにおいを感じましたよ。

みあげれば あおてんじょうの くさいきれ
季語=草いきれ
※ぎらぎら太陽にさらさせて、草むらから生じるむせ返るような臭気と熱気。
※比べだしたら切りもなし。きょうもありがとうございます。

23日(火)

しっかりと残さず食べて梅雨の雷

好き嫌いはありませんから。

しっかりと のこさずたべて つゆのらい
季語=梅雨の雷
※どしゃ降り! きょうもありがとうございます。

22日(月)

けしかけてひとりで騒ぐ夏至の日や

ピークのようで、ここが折り返し地点。

けしかけて ひとりでさわぐ げしのひや
季語=夏至
※昼の時間が1年でもっとも長くなる日のこと。
※または二十四節気のひとつで、小暑までの期間をいう。
※まだしばらくは梅雨が続きます。きょうもありがとうございます。

21日(日)

強情と知りて薔薇の錆やすく

なぜ「ばら」と読み、「そうび」とも読むのか。
便利だから?

ごうじょうと しりてそうびの さびやすく
季語=薔薇
※バラの花。バラの種類は無数です。
※姿もよく香りもいい。世界中で愛される花の代表格か。
※基本は夏の花です。きょうもありがとうございます。

20日(土)

さりげない日々の気まぐれ夏の草

いつもの空き地が
気づけば緑いっぱいに。

さりげない ひびのきまぐれ なつのくさ
季語=夏の草
※繁茂する夏草はまさに生命力のかたまりのようなもの。
※雑草を含む草全般。きょうもありがとうございます。

19日(金)

梅雨寒の眠れぬ夜は丸くなる

なかなか春物がしまえない。

つゆざむの ねむれぬよるは まるくなる
季語=梅雨寒
※梅雨時の寒さのこと。
※これが長引くと冷夏となり、米などの不作につながります。
※まだ微弱程度か。きょうもありがとうございます。

18日(木)

欠伸して五月雨雲とつながりぬ

うっとうしい雨であり、
間接的には恵みの雨であり。

あくびして さみだれぐもと つながりぬ
季語=五月雨雲
※梅雨時の雨雲のこと。
※五月雨(さみだれ/さつきあめ)は、陰暦五月に降る続く雨のこと。
※表現的に梅雨と混同しがちですが、梅雨は長雨の季節をさし、
五月雨はあくまでも雨そのもの。
※でもやっぱりうっとうしい。きょうもありがとうございます。

17日(水)

蛍火のほどよき闇に耳澄ます

虫かごの中のホタルをみたよ。

ほたるびの ほどよきやみに みみすます
季語=蛍火
※一般によく知られているのが、小型ではかない光の平家蛍と、
大きな体躯で光の強い源氏蛍。
※成虫の寿命は1~2週間で、その盛りは梅雨時とされています。
※人工飼育の平家ボタルだと思う。きょうもありがとうございます。

16日(火)

境界はないようである花柘榴

あっけらかんが、心底うらやましい。
(もちろん、時と場合によるけれど)

きょうかいのは ないようである はなざくろ
季語=花柘榴
※梅雨時に咲く鮮やかな朱赤の花は、嫌でも人を目を引きます。
※ザクロは古代から人類に親しまれていきた果樹。
※その花には古代の花らしく、雌雄の区別があります。
※現代では花と実が観賞できる庭木として重宝されています。
※六弁花の花はツバキのように花ごと落ちます。
※落ちるのは役目を終えた雄花だけ。きょうもありがとうございます。

15日(月)

振り払う夜空に蛇の垂れ下がる

ショーウインドーの白い蛇が背を向けてた。

ふりはらう よぞらにへびの たれさがる
季語=蛇
※日本に生息する蛇は十数種類とか。
※うち毒のある蛇はハブを含む4種類ほどらしい。
※夏は蛇の活動期。きょうもありがとうございます。

14日(日)

蛍袋湿りて影を強くする

アジサイとはまた違う、
梅雨時らしい花かもしれません。

ほたるぶくろ しめりてかげを つよくする
季語=蛍袋
※開花時期は一般的に6~7月で、キキョウ科の多年草です。
※赤みがかった薄紫色が一般的で、釣鐘状をした特長のある花。
※そのカタチから釣鐘草、提灯花、風鈴草とも呼ばれます。
※空き地、線路わきなどあちこちでよく見る花です。
※アメフリバナとも言うとか。きょうもありがとうございます。

13日(土)

空想の中に溺れしなめくじり

カタツムリはかわいくて、ナメクジは‥‥

くうそうの なかにおぼれし なめくじり
季語=なめくじり
※蛞蝓(なめくじ)のこと。虫偏に舌というのが面白いですよね。
※ナメクジの這った後には光る道ができる。うれしいものではない。
※仕方がないか。きょうもありがとうございます。

12日(金)

いくたびもじりじりとして花菖蒲

素人が時間をかけないで「いいもの」なんて、
虫がよすぎかも。

いくたびも じりじりとして はなしょうぶ
季語=花菖蒲
※国産の園芸品種で、アヤメやカキツバタと同じアヤメ科です。
※豪華な花。きょうもありがとうございます。

11日(木)

未央柳知らぬが仏というけれど

「いい人なんだけどねぇ~」
という人の残念な部分、
あえて知りたくはなかったよね。

びようやなぎ しらぬがほとけ というけれど
季語=未央柳
※長いまつ毛のような雄しべが特長の黄色い花です。美女柳ともいいます。
※語呂はいいけど字余りさ。きょうもありがとうございます。

10日(水)

同情はするものでなし蛇苺

同情はつくるもの!?

どうじょうは するものでなし へびいちご
季語=蛇苺
※ヘビイチゴなどという迷惑な名前ですが、じつは有毒植物ではありません。
※なぜヘビなのかは諸説あるそうです。きょうもありがとうございます。

9日(火)

友情の残りもわずか花榊

精神論は聞き流します。

ゆうじょうの のこりもわずか はなさかき
季語=榊の花
※白い五弁花を無数に付けます。
※勘弁してください。きょうもありがとうございます。

8日(月)

たっぷりと紫陽花の咲く梅雨日和

あちこちに、あじさい。

たっぷりと あじさいのさく つゆびより
季語=紫陽花
※午前は曇天、午後から雨の神戸にて。
※地下街にもあじさい。きょうもありがとうございます。

7日(日)

魂とすれば夜風の草茂る

何かできそうで、いい言葉が浮かばない。

たましいと すればよかぜの くさしげる
季語=草茂る
※神戸の夜景を見て感動。きょうもありがとうございます。

6日(土)

六月をなだめすかしてよく歩く

「俺は晴れ男だ」なんて言う人は、
「俺は人を見る目がある」とも言うのだろう。

ろくがつを なだめすかして よくあるく
季語=六月
※仲夏にあたる月で、例年そのほとんどの日数が梅雨。
※勘違いでないならいいけれど。きょうもありがとうございます。

5日(金)

苛立ちのつたわるごとく蜘蛛の囲や

そこそこりっぱな蜘蛛の巣を見つけました。

いらだちの つたわるごとく くものいや
季語=蜘蛛の囲
※もうね、苦手です。きょうもありがとうございます。

4日(木)

ポケットのひっくり返るはしり梅雨

季節の変わり目は苦手です。
とくに梅雨の変わり目は苦手です。

ぽけっとの ひっくりかえる はしりつゆ
季語=走り梅雨
※梅雨入り前の梅雨を思わせるような雨のこと。
※そういえば、西日本はいま梅雨なんですよね。
※関東地方もそろそろなのね。きょうもありがとうございます。

3日(水)

梅の実のこぼれて我を疑いぬ

何ごとも長く続けたいのなら、
自分自身が厭きない工夫を。
他人は勝手に厭きるもの。

うめのみの こぼれてわれを うたがいぬ
季語=梅の実
※青梅のことで、梅雨入りのころより丸々となりはじめます。
※早々と転がっているものも。きょうもありがとうございます。

2日(火)

紫陽花の青さを眺め面白く

アジサイの色は、
リトマス試験紙のようなもので、
土壌に含まれる酸度によって変わります。
(ただしリトマス試験紙の色変化とは逆の結果であるらしい。)

あじさいの あおさをながめ おもしろく
季語=紫陽花
※日本原産のガクアジサイをシーボルトが海外に紹介し、品種改良のすえ、現在の姿になったと言われています。
※やはり梅雨は来るのかい? きょうもありがとうございます。

1日(月)

夏蝶の白も黄色も木陰より

単に「蝶」では、春の季語ですが。

なつちょうの しろもきいろも こかげより
季語=夏蝶
※夏蝶といえば代表格はアゲハ蝶です。カラフルな蝶が増えるのも夏ならでは。
※日本の国蝶とされるオオムラサキも夏の蝶(飛んでる姿を見たことないけど)。
※蝶々の季節なんです。きょうもありがとうございます。