• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2015年7月

31(金)

夏草は青々として雲眺む

ぼんやりと眺めていると‥‥。

なつくさは あおあおとして くもながむ
季語=夏草
※夏にみる草全般のこと。
※青くないけどブルームーン、満月がキレイでした。きょうもありがとうございます。

30日(木)

夕焼黄色ければ街も黄色い

午後は雨と雷、
なのにやけに夕焼けのきれい日でした。

ゆうやけきいろければ まちもきいろい
季語=夕焼
※ひまわりのような色でした? きょうもありがとうございます。

29日(水)

水打って欺瞞の影を薄く引く

面倒なことは、長続きしない。
楽しくなければ、なおさら。

みずうって ぎまんのかげを うすくひく
季語=水打つ
※暑い日に家の前などに水をまくこと。
※季語の「打水/水打つ」は本来、バケツに汲んだ水を手ですくって撒くことをいいました。いかにも風情があります。テレビでしか見たことないけど。
※ホースなどで勢いよく撒くのは「打水」というより「水撒き」でしょう。
※でも今どきは曖昧なので。きょうもありがとうございます。

28日(火)

用心のしようもなくて土用凪

我慢を強いるなら、長続きはしません。

ようじんの しようもなくて どようなぎ
季語=土用凪
※夏の土用の時期で、まったく風のない日のこと。
※夏の土用は秋までの18日間をいいます。
※日付でいえば、7月20日(海の日)ごろから8月8日ごろ(立秋)まで。
※昔からこの時期が暑さのピークといわれています。
※あと半分か? きょうもありがとうございます。

27日(月)

駆けだして日に日に増える蝉の穴

蝉の声が盛んに聞こえ始めました。

かけだして ひにひにふえる せみのあな
季語=蝉
※暑いさなかに聞くセミの声はどうしたって暑苦しいものです。
※朝も夜も暑いけど。きょうもありがとうございます。

26日(日)

ふいに沸く激しきものや夕涼み

忘れたつもりでいたこととか。

ふいにわく はげしきものや ゆうすずみ
季語=夕涼み
※夕方になって庭先やベランダなどで涼むこと。
※封印が解けることも。きょうもありがとうございます。

25日(土)

白靴の結び目よりの白さかな

履き慣れるほど、
汚れに鈍感になります。

しろぐつの むすびめよりの しろさかな
季語=白靴
※白靴が夏の季語とされるのは、昔の男性のおしゃれから。
※涼しげな白い革靴やメッシュの靴が好まれた時代があったそうです。
その名残りを何となくですが覚えています。
※気にするのは新品のときだけ。きょうもありがとうございます。

24日(金)

瑞々しき溜め息拾うハイビスカス

天狗の鼻のような蘂が目立ちます。

みずみずしき ためいきひろう はいびすかす
季語=ハイビスカス
※和名は仏桑花(ぶっそうげ)といいます。
※中国を経由して琉球、そして本州へと渡って来ました。
※1日しか咲かない1日花だって気づいてましたか。
※まさに南国の花です。きょうもありがとうございます。

23日(木)

折鶴の角丸くなり梅雨明ける

空気を冷やす、ときどきの雨なら歓迎だ。

おりづるの かどまるくなり つゆあける
季語=梅雨明
※梅雨の時期が終わると一気に暑くなります。
※大気は不安定。きょうもありがとうございます。

22日(水)

習慣としてぶつ切りとするパイナップル

以前テレビを見ていたら、
パイナップルの皮を想像以上にぶ厚く切り落していたよ。

しゅうかんとして ぶつぎりとする ぱいなっぷる
季語=パイナップル
※南米原産の、ほぼ輸入の果物。日本では沖縄で多く生産している。
※パイナップルは木でなく草なんですよ。
※近ごろ毎朝スムージー。きょうもありがとうございます。

21日(火)

真に受けてからこそ長し夕焼よ

炎天が続くと夕焼けを見る機会も多くなるようで。

まにうけてから こそながし ゆうやけよ
季語=夕焼
※夕焼けは四季を通して見れますが、夏の季語です。
※人によって色の感じ方も違うもの。きょうもありがとうございます。

20日(月)

海の日や海とは遠き生活圏

ですが、国民の休日のなかで、
もっとも覚えやすい休日かも。

うみのひや うみとはとおき せいかつけん
季語=海の日
※7月第三月曜日の国民の休日。
※海の日には、海の恩恵に対する感謝の他に、「海洋国日本の繁栄」という願いもあるそうです。
※子どもたちは夏休みなんですね。きょうもありがとうございます。

19日(日)

飲みかけの水に水さす炎天も

ますます暑くなりそうだよ。

のみかけの みずにみずさす えんてんも
季語=炎天
※ねったいや~!! きょうもありがとうございます。

18日(土)

ごたごたも冷し中華もかき回す

色とりどりの具材も、
折角なら夏野菜がいいかも。

ごたごたも ひやしちゅうかも かきまわす
季語=冷し中華
※昔ながらの定番な感じもいいけれど、近ごろの冷し中華はお店によって色々工夫されているようです。
※性分というもの。きょうもありがとうございます。

17日(金)

慈悲深くありたくてトマトはたわわ

ミニトマトの苗は育てやすいみたいですよ。

じひぶかく ありたくて とまとはたわわ
季語=トマト
※ナス科の果菜。一年草の実で種類によって、形、色、大きさが異なります。
※ナスのように花の時期は長くありません。
※夏が旬です。きょうもありがとうございます。

16日(木)

突き放すなら万緑のしみるころ

台風に揺さぶられる夏の緑。

つきはなすなら ばんりょくの しみるころ
季語=万緑
※若葉も消えて、夏真っ盛りといった草木の緑を指します。
※一年の中でもっとも自然の力強さを感じるときでもあります、
※人間にも春夏秋か。きょうもありがとうございます。

15日(水)

じりじりと西日のなかに埋もれおり

夏負けしそうでしないけれど、
やり切れない暑さです。

じりじりと にしびのなかに うもれおり
季語=西日
※建物のなかに差し込んでくる夏の西日はかなりのもの。
※またも大型台風? きょうもありがとうございます。

14日(火)

おもちゃ箱ひっくり返し巴里祭

明るい呼び名だけど、
どうかすると大正浪漫な感じかと。

おもちゃばこ ひっくりかえし ぱりーさい
季語=巴里祭
※フランス革命記念日のことで、日本特有の呼び方という。
※7月14日、フランスでは共和国の誕生を祝い大いに賑わいます。
※昭和8年の映画「巴里祭」(邦題)がその由来とか。
※たいへんだ。きょうもありがとうございます。

13日(月)

日ざかりに眩しきもののはじけおり

日射しの照りつける午後は、
意外なものまでひっそりとしてみえます。

ひざかりに まぶしきものの はじけおり
季語=日盛
※夏の日の暑い盛りをいう。正午から午後2、3時あたりが最も暑い。
※都心で37℃?!? きょうもありがとうございます。

12日(日)

向日葵のふてぶてしさにかき消され

「元気だなぁ~」と感心はしますが、
なんとなく違和感もあったりして。

ひまわりの ふてぶてしさに かきけされ
季語=向日葵
※真夏の日差しをものともしない強靭なイメージの花ですかね。
※ときどき暑苦しい。きょうもありがとうございます。

11日(土)

嘘も方便いずれ台風一過かな

台風の過ぎた後は
晴れになることが多い。

うそもほうべん いずれたいふう いっかかな
季語=台風
※夏から秋にかけて日本のそこかしこで台風の影響が出はじます。
※いきなり猛暑か。きょうもありがとうございます。

10日(金)

遠き日の爪を噛むくせ百日紅

校庭には必ず植えられている気がします。

とおきひの つめをかむくせ さるすべり
季語=百日紅
※約3か月、花の時期が長いので「百日紅」と名付けられました。
※サルスベリは和名です。きょうもありがとうございます。

9日(木)

見続けてしまいに飽きる海月かな

大きな頭でバランスを取っているかのようです。

みつづけて しまいにあきる くらげかな
季語=海月
※クラゲの優雅さ、美しさは水の中だけともいえます。
※種類は多い。きょうもありがとうございます。

8日(水)

あれこれと捏ねくりまわし扇風機

あーと言えばあーと返ってくる。
微妙にぶれて。

あれこれと こねくりまわし せんぷうき
季語=扇風機
※雨の降り続く日は、クーラーでは寒すぎるし、扇風機では少々蒸し暑い。
※扇風機に「あー」。子どものころ、飽きもせずよくやってた。
※雨の日が多いね。きょうもありがとうございます。

7日(火)

笹飾りうらぶれてゆく願い事

大人が喜びそうな願い事
というのもあるんだよね。

ささかざり うらぶれてゆく ねがいごと
季語=笹飾り
※願い事を書いた短冊を飾る七夕の笹竹。
※今も昔も。きょうもありがとうございます。

6日(月)

手のひらに七夕前夜つぼを押す

ころころと転がすのか、転がされるのか。
他人ごとならどうでもいい。

てのひらに たなばたぜんや つぼをおす
季語=七夕
※今や「七夕」=「天の川」という感じではないのでしょうね。
※新暦の七夕。きょうもありがとうございます。

5日(日)

眠りてはきれいに忘れ未草

どうでもいいことは、忘れていい。

ねむりては きれいにわすれ ひつじぐさ
季語=未草
※スイレンのこと。午後2時(未の刻)に花が開くので、ヒツジグサともいいます。
※ときどきリセット。きょうもありがとうございます。

4日(土)

ハンカチを丸めてしまう梅雨の午後

外は蒸し暑く、室内は肌寒い。
めんどうな季節です。

はんかちを まるめてしまう つゆのごご
季語=ハンカチ
※季節に関係なく外出するときの必需品ですが、汗を拭くことを本来の目的としているため夏の季語となっています。
※日本的呼び名は「汗拭い」。きょうもありがとうございます。

3日(金)

ましなこと探しておりぬ茗荷の子

だいたい探しているときは見つからない。

ましなこと さがしておりぬ みょうがのこ
季語=茗荷の子
※ふだん食べているみょうがのこと。みょうがのつぼみを食べています。
※夏みょうがと秋みょうががあり、6月から10月にかけてが旬です。
※みょうがを食べ過ぎると忘れっぽくなる? それはただの俗説です。
※夏バテにいいらしい。きょうもありがとうございます。

2日(木)

眠らねば明日にひびく半夏生

まあ、それはそうだよね。

ねむらねば あしたにひびく はんげしょう
季語=半夏生
※半夏生の日に降る雨のこと。大雨になりやすいそうです。
※半夏生とは、二十四節気の夏至の三候にあたります。
※もう限界だ。きょうもありがとうございます。

1日(水)

蜘蛛の囲や取り残されて生かされて

梅雨空を見上げたら、
2つの電線を結ぶような大きな蜘蛛の巣を見つけて。

くものいや とりのこされて いかされて
季語=蜘蛛の囲
※蜘蛛の巣のこと。小さな虫から見たら、クモはまったくもって怪獣だな。
※無駄に長い踏切にて。きょうもありがとうございます。