今日の俳句、こうのこうき
2017年4月
30日(日)
おだまきの花やいつものしたり顔
紫の花の中に、白い花が咲いているようにもみえます。
おだまきの はなやいつもの したりがお季語=苧環の花 ※ひとつはガクで、まるで五弁の花びらです。 ※名前の由来は糸巻き(苧環)に似ているから、とか。 ※うつむき加減に咲く。きょうもありがとうございます。
29日(土)
微睡みの深くざわめく春の雷
今日の夕方の雷は回数も多くて、大きかったな。
まどろみの ふかくざわめく はるのらい季語=春の雷 ※季語としての春雷のイメージは、1回、2回で鳴り止むわりと大人しめなもの。 ※カミナリも夏に近づく。きょうもありがとうございます。
28日(金)
太陽の匂いに近し桜草
花のカタチがサクラに似ているから…、そんなに似ているだろうか?
たいようの においにちかし さくらそう季語=桜草 ※園芸としてよく目にするのはセイヨウサクラソウ(プリムラ)のようだ。 ※今さら気づく。きょうもありがとうございます。
27日(木)
母子草真綿のごとく曇りおり
連休はどうも曇りマークが消えない感じだ。
ははこぐさ まわたのごとく くもりおり季語=母子草 ※小さな花が頂に密集し、葉や茎は白い綿毛で覆われています。 ※じつは春の七草「ゴギョウ」のこと。オギョウとも呼ぶ。 ※どこにでも生えている。きょうもありがとうございます。
26日(水)
つつじ咲くあなたの空は青い空
赤いつつじが、わーっと咲いています。
つつじさく あなたのそらは あおいそら季語=躑躅 ※筒状の花だから「つつじ」と呼ぶそうだ。諸説あります。 ※花期が長いので初夏のイメージもありますが、春の季語です。 ※早いものは2月下旬から咲きはじめます。 ※赤、白、紫、黄。きょうもありがとうございます。
25日(火)
藤の花内なる声のほの暗く
鉢植えのフジもおもしろい。花屋で見かけた。
ふじのはな うちなるこえの ほのぐらく季語=藤の花 ※公園や庭で棚仕立てにすることが多い。 ※一般的なのはノダフジという種類。 ※淡い紫色の蝶型の花を房にして長く垂れる。 ※長閑なもの。きょうもありがとうございます。
24日(月)
面倒なことより逃げて春眠は
「春眠」はあっても「秋眠」はない。
めんどうな ことよりにげて しゅんみんは季語=春眠 ※春の眠り。おもに夜の睡眠ですが、昼間の居眠りもある。 ※春は気候が良いので、夏や冬のような寝苦しさがない。 ※つい寝過ごす。きょうもありがとうございます。
23日(日)
八重桜自覚のなさにほろほろと
身軽なソメイヨシノとは違い、花がいかにも重たそう。
やえざくら じかくのなさに ほろほろと季語=八重桜 ※八重咲きのサクラの総称。 ※どれだけあるのか、種類が非常に多い。 ※満開でしたよ。きょうもありがとうございます。
22日(土)
生きてゆくためにくすみぬ春の服
残りものに福も、たまにはある。
いきてゆく ためにくすみぬ はるのふく 季語=春の服 ※トレンドは黄色とオレンジ。きょうもありがとうございます。
21日(金)
事触れやサンドウィッチに春の色
それって、微笑ましい光景なのかも。
ことふれや さんどうぃっちに はるのいろ季語=春の色 ※春らしい景色のこと ※「事触れ」は、言いふらすこと。 ※あるような、ないような。きょうもありがとうございます。
20日(木)
ジグザグに歩いて気づく花水木
気づいたら、咲いていた。
じぐざくに あるいてきづく はなみずき季語=花水木 ※北アメリカ原産の明るい花。 ※今や公園、街路樹、庭木などでほんとうによくみる花です。 ※これから。きょうもありがとうございます。
19日(水)
そこかしこ捩じればふりし桜しべ
ソメイヨシノは すっかり葉桜になってしまったね。
そこかしこ ねじればふりし さくらしべ季語=桜蘂降る ※サクラの花が終わり、しべが散り落ちること。 ※大量に散れば地面も赤い。きょうもありがとうございます。
18日(火)
満天星の花のあせりも愛らしく
やわらかそうに見えて、 花にしてはずいぶんかたい。
どうだんの はなのあせりも あいらしく季語=満天星の花 ※ツツジの仲間。ドウダンツツジとも呼びます。 ※鐘状の小さな白い花を無数に付けます。 ※きれいに刈り込まれている。きょうもありがとうございます。
17日(月)
窮屈な時間の中の八重桜
八重が八枚とは、限りませぬ。
きゅうくつな じかんのなかの やえざくら季語=八重桜 ※八重咲きのサクラのこと。開花時期が他のサクラに比べ遅い。 ※桜の花の塩漬けは八重桜からつくられます。 ※そういえばそうだ。きょうもありがとうございます。
16日(日)
振り向いて振り向き過ぎて春暑し
この陽気、わけがわかりません。
ふりむいて ふりむきすぎて はるあつし季語=春暑し ※春らしくなく、汗ばむような日のこと。 ※かぜ長引くよ。きょうもありがとうございます。
15日(土)
傷みなく忘れ蛙の目借時
閉め切ると、じわじわ暑い。そんな日。
いたみなくわすれ かえるのめかりどき季語=蛙の目借時 ※晩春はやたらと眠気を感じる時期です。 ※眠くなるのは、カエルが人の目を借りているからだという。 ※それは昼とは限らない。きょうもありがとうございます。
14日(金)
成り行きをしばらく眺め花ずおう
つぼみのころから見事な赤紫色です。
なりゆきを しばらくながめ はなずおう季語=花蘇芳 ※枝いっぱいに赤紫色の蝶型の花が咲きます。それは見事です。 ※ここ数日満開。きょうもありがとうございます。
13日(木)
さしあたり微睡みあがく春の風邪
鼻をかみすぎて、もう真っ赤。
さしあたり まどろみあがく はるのかぜ季語=春の風邪 ※気温の変化が激しいので、春の風邪は油断すると長引く。 ※気を付けて! きょうもありがとうございます。
12日(水)
心持ち踏めばふくらむ花の塵
他の花に比べると、散り敷く量が圧倒的に違う。
こころもち ふめばふくらむ はなのちり季語=花の塵 ※散り敷かれたサクラの花びらのこと。花の屑とも。 ※枝は大きく横に伸びる。きょうもありがとうございます。
11日(火)
座してなお立ちてなお降る春の雨
ダウンとマフラー。 まだあって、よかった。
ざしてなお たちてなおふる はるのあめ季語=春の雨 ※今日の雨は初春の頃のような、冷たい雨。 ※ほんぶり。きょうもありがとうございます。
10日(月)
盛り過ぎず温め過ぎず花ぐもり
春はお腹がすきます。
もりすぎず あたためすぎず はなぐもり季語=花曇 ※サクラの時期の曇り空のこと。 ※サクラはおおよそ7日ほどで散ってしまいます。 ※生温かい天候の日は、気分もすっきりしない。 ※ぼんやりな感じ。きょうもありがとうございます。
9日(日)
春霖や水の暗さを新しく
しとしと雨は、音のない雨。 したした雨は、切れ目なくという感じ。
しゅんりんや みずのくらさを あたらしく季語=春霖 ※春の長雨のこと。たった2日でも長く感じるよ。 ※ざんざ雨。きょうもありがとうございます。
8日(土)
春泥や後ろを向いて前向いて
泥の汚れは、しつこいよ。
しゅんでいや うしろをむして まえむいて季語=春泥 ※春は何かと雨の日が多い。寒い地域では雪解けなどもある。 ※だから、よけるよ。きょうもありがとうございます。
7日(金)
ふきげんを逆さにまとい春疾風
雨が降れば春嵐、または春荒れと呼ばれます。
ふきげんを さかさにまとい はるはやて季語=春疾風 ※春の強風のこと。砂ぼこりを運んでくる。 ※わざわざ、ざわざわ。きょうもありがとうございます。
6日(木)
連翹の咲いて人・モノ・空気感
生き生きとしてみえる。
れんぎょうのさいて ひと・もの・くうきかん季語=連翹 ※自由に伸びる枝に、鮮やかな黄色い花が群がり咲く。 ※午後からすごい風。きょうもありがとうございます。
5日(水)
咲き満ちて雲に届かぬ桜かな
ソメイヨシノは、白いよな。
さきみちて くもにとどかぬ さくらかな季語=桜 ※日本には多くの種類のサクラが自生しています。 ※園芸種はさらに多い。きょうもありがとうございます。
4日(火)
ありふれた夢を飲み込み水温む
河や池の水も、明るくみえる。
ありふれた ゆめをのみこみ みずぬむる季語=水温む ※寒さがゆるめば、水も温かくなってきた感じがします。 ※新年度ですね。きょうもありがとうございます。
3日(月)
鼻先の疲れのたまる姫すみれ
咲いているけど、たいていは気づかない。
はなさきの つかれのたまる ひめすみれ季語=姫すみれ ※スミレの中でも小さい種類。花の大きさは1センチほど。 ※道路の隙間などに生えている紫色の花。うつむき加減に咲く。 ※春の雷、驚いた。きょうもありがとうございます。
2日(日)
注ぎ足して軽くあふれし花疲れ
花見に酒は付きもの。他の予定は入れられない。
つぎたして かるくあふれし はなづかれ季語=花疲れ ※花見のあとの疲れのこと。花見疲れ。 ※やっぱり今日が満開。きょうもありがとうございます。
1日(土)
広がりていろいろ話す桜かな
雨だし、寒かったし、でも花見客は多かったな。
ひろがりて いろいろはなす さくらかな季語=桜 ※明日が満開予想日だけれども数日ずれるのかな。 ※まだ二分、三分だったかな。きょうもありがとうございます。